これでハッスル2が楽しみになってきたぞ!(ニヤニヤwj) もうポカ興行だけは勘弁してください
■団体:WWE
■日時:2004年2月7日
■会場:埼玉SA
■書き手:優しくて哀しくて

自分はさいたまスーパーアリーナの400レベルゾーンでは今まで観戦した経験がありませんでした。
「400レベル席で観戦するくらいなら、PRIDEはPPV買った方がいいじゃん。」と決め付けていたからです。
厳密にはDSE主催興行(他にはTBSテレビ『スーパーサッカー』でのJリーガーによる余興フリーキックイベント等)は37,000人収容の『スタジアムバージョン』で、今回の興行は22,500人収容の『メインアリーナバージョン』だったそうです。

なお、今回はB席扱いで5,000円の価格設定でした。
「…でも、WWEのノーTV興行だし、せっかくチケットが手に入りそうなんだから…」ということで、『米粒プロレス』を覚悟で思い切ってチケットを買いました。
しかし、実際に現場で席を確認してビックリ!米粒なんてトンデモない程のリングの圧倒感。入場ゲートも花道も一望できる席で、観戦前の『米粒不安』も一気に吹っ飛んでしまいました。
さて、開演10分前でも『ひろし40%(※ http://magma.s40.xrea.com/index.php?%A1%DA%A4%D2%A4%ED%A4%B7%A1%DB )』状態だった場内では、ニセスパイクやニセマット、ニセロック(肌黒いユリオカ超特Q?!)がWWEファン(≠プロレスファン)からちやほやされています。
が、所詮はニセモノ。一切興味ありません。(サムライTVから出演料を受け取った立派な営業だったらしい、ああ、そうですか。)
「内壁に宿便がへばり付いた便秘の小腸のように、鈍い腸蠕動でいつまで経っても排便の兆しが見られない、そんな形容がお似合いのアリーナ入り 口前の場外グッズ売り場を取り巻く長蛇の列。
コスプレイヤー連中よりも、あの長蛇の列が全てアリーナ入場を完了しても、果たして本興行が超満員を記録できるのか…、」という状況に興味を 集中させていたのですが、全くの杞憂でした。

自分は現地観戦の経験数が必ずしも多いわけではありませんが、観客に開放した座席が一切の空席もなく、びっしりと埋め尽くされた会場を目の当たりにしたのは、生まれて初めての経験でした。
週刊ファイトの前売経過情報は鵜呑みにしてはいけませんね…。

なお、観客数は1万9971人でしたが、新聞等で(満員)云々の表示はナシ。(観客席は全てびっしり埋まっていたのにねぇ…。日本の興行団体と比べて実に謙虚だこと。)

そんなこんなで時間をやり過ごしていると、場内で流れていたスーパースターズのテーマ曲が止みます。RAWのOPテーマが始まりました!
そして、フィンケルが登場です!彼のアナウンスに続き、早速ステイシーが尻をふりふりリングイン!声高らかに開演宣言です。
申し忘れました。当方、『世間から鬼っ子扱いを受けているインターネット掲示板』からも鬼っ子扱いを強いられている掲示板、通称『wj総合スレ』に頻繁に顔を出している人間でございます。

ですから、尻を突き出した彼女を、ニヤニヤしながらフラッシュ焚いて撮影するスケベヲタどものだらしない顔を、早速オペラグラスでウォッチングしてやろうと考えるのは、至極当然の反応でありまして…。
しかし、リングに照射される光量の強さが影響したのでしょうか。俯瞰の位置から見て、眼下に広がる客席を窺い知る事が全く出来ないのです。
これすなわち、せっかく熱心なWWEファン(≠プロレスファン)が苦労して作ったメッセージボードが、ビタ一文役に立たない無駄な荷物に成り下がったということに他ならないのでした。

果たして、極端に客席に照明を当てないようにしたのは、『ショーの演出』上、当然の措置だったのでしょう。
間違っても国内興行団体のように、『ひろし』な客席を誤魔化す小細工でないことは、先述した入場具合からして明らかでございましょう。
話が逸れましたが、もちろん最終的なカード発表はありませんでした。WWE生観戦童貞を私はこうして喪失したワケです。


まぁ、試合レポートの詳細はスポーツナビにお任せするとして、ここからは各試合の中で印象に残ったシーンを書き残させてもらおうと思います。
ステイシーの開会宣言が終わると、RAWのロゴが入った入場ゲートから花火が連続発射!ぶっとい火柱が2本燃え上がり、耳をつんざく爆音がドッカ〜〜ン!!
『西部警察』を幼少時の記憶に刷り込まれ、『お笑いウルトラクイズ』と『大仁田FMW』で青春時代を過ごしたプロレスヲタクにこんな思いさせて、興奮するな!というのが無理な話ですよね。


第一試合 ハリケーンVSクリスチャン
クリスチャンがリングイン早々、大『バ〜カ!バ〜カ!!』コール(『チャント』って呼ぶんでしたっけ?)が湧き上がる。
果たして、これは日本ツアー恒例のお約束だったのかしらと、いきなり目がテンになっちゃいました。
また、試合内容に直接関与しないのですが、ゴングの音が妙にお寺のお鈴の音色っぽくて(低音かつ重量感のある音色でした)、ちょっと違和感を覚えてしまったという気持ちは、僕の中にはないんですよ。
まさかイノキボンバイエのように来日したのはいいけれど、ゴングを持参するの忘れちゃったなんてマグマな失態を犯したわけではないのでしょうが。

客席の女児がハリケーンに声援を送っていたのですが、こんな現象も国内団体の興行では考えられない出来事ではないでしょうか。
序盤はコミカルプロレスで客の雰囲気を笑いでほぐし、小悪党のクリスチャンの一挙手一投足にはお約束のブーイング。
しかし、徐々に基本のプロレス技によるしっかりした技の攻防を重ねるうちに、クリスチャンの繰り出す技にも声援が沸き起こります。
ピンフォール勝ちを狙うクリスチャン、サードロープに足を引っ掛けてまで卑怯な体固めを決めるが、いずれもカウント2.9!

マットを両手でバンバン叩いて悔しがる。連続一人背中受身で駄々っ子のように悔しがるアクションも見てみたかったという気持(ry
この攻防は後に続く試合にも引き継がれ、結果、レギュラー番組では考えられないくらい試合及び興行が長引いた事の一因になったのでしょう。
最後は、ちょっと不恰好なシャイニングウィザードでハリケーンの勝ち。


第二試合 インタコンチネンタル選手権
(王者)ランディ・オートンVSマット・ハーディー ver.1.0
ゴングが鳴ってもじわりじわりと相手との距離を計算してにじり寄る二人。第一試合に続きこの試合でも、リングのど真ん中でガッシリとロックアップを決めてくれません…、
嗚呼、我らがど真ん中のハイスパート(≠ハイスポット)プロレスがまたもや全否定されていく…。

今更、野暮な話ですが、後ろ手に腕を固められ苦悶の表情のオートン、膝から崩れ倒れるのだが、ただそれだけなのにリングがズシ〜ンと音を立て、WWEのロゴが入ったエプロンがビロビロビロ〜ンと波を打つ!
こんな所からも、リング上の大男たちの重量感や、『プロが技をかけると、小技にもかかわらずこれくらい衝撃や痛み・肉体への負担が大きいんだよ』という無言の説得力が客席に伝わって参ります。
また、オートンの技の受けが綺麗でしたね。マットが繰り出したアームホイップにも、クルリと宙を舞って見事に倒される。
マットのランニングネックブリーカーもきっちりと受け、背中での受身でしかと衝撃を吸収するチャンピオン。
そして第一試合同様、Wノックダウンの展開に。試合はまだまだ続きそう…。互いの技を切り返し合い、スワントーンボムもカウント2。
相手の必殺技も堂々とバンプを取り切ったチャンピオンは、お返しのRKOでピンフォール勝ち!
(…でも、メモを取るのに夢中になってしまい、RKOの瞬間を見逃してしまったという気持ちは、ボクの中には無いんですよ。)

さて、以上の2試合で自分は、『ゴングが鳴ってからのレスラーたちによる(苦闘・苦悶の表情こそ見せるものの、)声や悲鳴、うめき声等による
アピールやパフォーマンス』が極端に少ないことに気付きました。
国内では女子プロレスや永田の「ディィィィヤァァ〜〜!」、小川の甲高い声での客煽りや相手への小馬鹿にした挑発のように、ごく当たり前の光景なんですが。
リング内で声を張り上げているのは、余程の大技を食らったレスラーでもない限り、レフェリーだけなのです。
第二試合中に気付いた事柄は他に、
・先述の事情もあり、試合中はもちろん、選手退場時にも花道近辺以外にメッセージボードを掲げ挙げるファンが本当に目立たなかったという事。

・フレアー以外の選手が繰り出す逆水平チョップにも反射的に「フゥゥゥ〜〜!」と声援をWWEファン(≠プロレスファン)が送っていたという事。がありました。
第三試合を前に、花道から名物レフェリーのヘブナーが登場、セカンドロープに上がって投げキスのサービス!


第三試合 女子選手権
(王者)モリー・ホリーVSリタ
直前の選手権試合でも当然の如く王座防衛。「どうせハウスショーだし…。」と油断していた多くの観客が、王者(とレフェリー、救護班、そしてリタに?)にすっかり騙されてしまった、いわくつきの一戦でした。
肩まで伸びた黒髪(セミロングって言うの?ボブって言うの?)に衣装の胸元がザックリと割れている王者。
対するリタは迷彩服の長ズボンではなく、黒くてピチピチの半ズボン姿。
女性ファンからのリタへの声援に対するアンサーコールというカタチ、プヲタ男がモリーに熱烈な声援を送っていました。

さて、『本興行No.1ビッグサプライズ』の概要の解説を。
カラ足を踏んでしまい、長期欠場を強いられた丸藤よろしく、何気なく普通に着地をした瞬間、脚を抑えてうずくまるモリー。
リタがおろおろ、レフェリーが救護班をリングに呼び寄せる!
「オイオイ…、マジで怪我したの?」ザワめく客席。
上二本のロープを上下に広げて、王者の退場を手助けしたリタに客席拍手が沸き起こったその刹那!
敵に背中を見せたリタは、狡猾な王者の強烈な足蹴りをまんまと食らってしまったという次第。
こんな見事なサプライズを披露してくれたから、DIVAの試合で頻繁に見かけてしまう、『回転エビ固め→上が懸命に堪えて仰向け選手の胸の上にドッシ〜ンと騎乗位』という一連の流れが実に息が合わず、醜態を晒していたことは、一切チャラにいたします。
リタのSTOやパワーボム、フィニッシュ技である『モリーゴラウンド』(回転を加えたダイビングボディプレス)など、多彩な技を繰り出す一戦となりました。

でも、改めて思い返してみればメインレフェリーとしての実権を握るヘブナーがモリーの状態を見て、速攻ノーコンテスト裁定のゴングを要請しなかったところからして、怪しいと睨むべきだったのでしょうね。
『自分も含めた大衆の感情がものの見事に操作されている、まさにその瞬間に立ち会えたということ』自体は、こちらも立派な『被害者』であるにもかかわらず、実は嬉しかったりするのです。


第四試合 タッグ選手権
(王者)リック・フレアー&バティスタVSダッドリーボーイズ
レフェリーはキオーダ。花火3発(その内1発はなぜか音無し♪)発射の後、ババレイとD-vonが最前列で観戦していたKONISHIKIと武蔵丸と握手。
「タッグ選手権なのに“We want table!”なんて…」なぁ〜んてホザいてるプヲタがいましたが、彼らそっちのけで場内はダッドリーズに大歓声!
王者チームはエボリューションのTMで入場。赤色がたった金ピカのガウンを纏ったフレアー、カッコイイ〜〜!
お相撲さんのように四股を踏んで、いざブチかまさんと王者を威嚇。サービス精神豊かなダッドリーズ。
力任せにフレアーを圧倒させようとするダッドリーズの攻めをのらりくらりを受け流し、お返しに逆水平チョップやテリー・ファンクのような弓引きナックルパートを見舞うフレアー!
だけど、頑張りすぎてバティスタにタッチする直前に、懐かしの『フレアーダウン』でバタンキュ〜!!
膝立ち姿で泣きそうな顔して相手の攻撃に対して許しを請う、あの恒例アクションも披露!
自分も同伴者も「懐かしい〜〜〜!!」…あぁ、プロレスを観続けてきて本当に良かったなぁ。(今もなおシミジミ…)
ババレイがフレアーにちんぐり返しで「なんぼのもんじゃ〜〜!」D-vonのダイビングヘッドバットも大成功!
フレアーの仕掛けた脚4の字固め、かけられたババレイ共々、腕をまっすぐ伸ばして、さあ、ひっくり返すか堪えるか?!
力がこもる絶妙なバランスの取り合いに屈したフレアーがついにうつ伏せに!形勢逆転でフレアーのセルが本領発揮!(使い方、間違ってねえだろうな?)

極め付けはフレアーのお尻ペロリ丸出し!前半身も下腹部ギリギリまでズルリ!Tバック履いて肌を焼いたようで、黒尻と白尻がはっきりと識別できる『五つ星り』♪
尻を剥き出したフレアーは日本ツアー千秋楽興行という事もあり、狂乱の狂い咲き!パンツずり上げる気も一切無し!リング上を縦横無尽に駆け回り、コーナーのトップに上がったところでモロ尻デッドリードライブで叩き付けられるのでした!!
観客を大いに沸かせれば、最後はバティスタにタッチし御役御免と思いきや、最後の最後でD-vonにローブローを見舞い、バティスタのスパインバスターを援護、1・2・3で王座防衛!

とにかくフレアーの出番しか印象に残っていません。王道アメリカンプロレスに日本のエンタメプロレスチックなコミカルアクションをミックス!
この試合が終わった時点ですっかり5,000円以上、楽しませてもらいました〜!(←ストーンコールド、まだ登場してないよ?!)


第五試合 クリス・ジェリコVSクリス・ベノワ
この試合が始まる前に客席を一望し、びっしり超満員の客席に初めて気が付いた次第。 と同時に、脚が伸ばせない400レベルの観客席に座りっ放しで腰が痛くなってきたのに気付くのでした…。
左右の膝小僧も何度フェンスに打ち付けていたのだろう…、ジンジン疼いております。 Y2Jのテーマソング!
ウィン!ウィン!ウィン!ウィン!!

続いてベノワも入場。予想通りのストロングスタイルのプロレスの始まりです!
とは言いつつも、あくまで主観ですが、旧全日時代の『チャンピオンカーニバル』公式戦でジョニー・スミスが絡んだ外国人選手同士の一戦、そんな印象を覚えました。
でも、やっぱりボー&アローとかを披露されると、『古き良き昭和新日の原風景』ということになりましょうか。
思えば、この試合でも互いに関節技を受け合っても、絶叫や悲鳴による痛みのアピールは見られませんでしたね。
チョップの応酬やベノワの高速ブレーンバスターなどの基本技での攻防だけで十分客席を沸かしたところで、ジェリコの三角跳び!カウント3を取るための必殺技というワケじゃないのに、綺麗に決まった瞬間は場内が拍手喝采に包まれました。

(そして、本興行ではこの試合で初めて、場外での鉄柵攻撃が展開しました。)

『トップロープからのローリングソバット(ジェリコ)が炸裂すれば、雪崩式ブレーンバスター(ベノワ)でお返し!』
『首をかき切る仕草からのダイビングヘッドバッド(ベノワ)が自爆すれば、ライオンサルトも同じく自爆!』というように、
「オマエがその技なら、こっちはこれでどうだ?!」という無言の会話が聞こえてきそうな試合でした。(ジェリコの雪崩式ブレーンバスターのセルが見事でした!)
ベノワのシャープシューターでは尋常でない量のフラッシュが焚かれ、エンズイギリや起き上がりこぼしジャーマンも計5発!
ダイビングヘッドバット(3発目!!ちなみに自爆)、雪崩式ブレーンバスターと中技のオンパレード。PPVでもラダーマッチ級の試合時間がいつの間にか費やされています。

「こんなWWEを観に来たんじゃないって!」と嘆く『観戦後の打ち上げ呑み会』を予定していただろうWWEファン(≠プロレスファン)がネットであれやこれやと愚痴をこぼしていたようです。
しかし、『四天王自身もだんだん取り返しが付かなくなってきた頃の旧全日三冠戦』を全く苦に思うことなく観続けてきた自分が、この試合に『非』のレッテルを貼る理由がございましょうか?思いっきり『是』!全然アリ!!
アンダーテイカーとカート・アングルによるサブミッション合戦のような流れるような動きで、クリップラークロスフェイスとウォール・オブ・ジェリコの掛け合いが続き、最後はリングのど真ん中でのクリップラーでベノワがタップアウト勝ち!

健闘を称え合い両者抱き合いノーサイド!いい光景だなぁ〜!(未だストーンコールドも登場せず、ブータレ出す目の前の観客に心の中でつばを吐き付け、)腕が千切れんばかりに精一杯の拍手を送るのでありました。


スキット エリック・ビショフVSストーンコールド・スティーブ・オースチン

(週刊ファイトによると『スキット=寸劇』というらしいですよ。)
ジェリコが惜しみない拍手に送られながら退場後、ビショフのテーマが鳴り響く!ビショフ、リングイン。
フィンケルがビショフを紹介するが、ビショフのダメ出しでやり直し。フィンケルは何度もビショフを褒め称えるような飾り言葉を付け足して、ビショフをアナウンスするがその都度ダメ出しを食らう。
フィンケルからマイクを奪い、いざビショフが自分自身をアナウンスしようとしたその時!

ガシャ〜〜〜〜〜ン!!!!!

オースチン登場。花道をのっしのっしと練り歩き、最前列のKONISHIKIや武蔵丸、高木三四郎(??)と握手、一言二言会話を交わしてリングイン。
コーナー四方で中指を突き立てる!フラッシュ焚かれまくり!!マーク・マグワイヤの62号HRボールがレフトスタンドに放り込まれた瞬間を思い出しました。
リングに放り込まれる缶ビールを器用に片手でキャッチ。でもサービス精神が裏目に出たか、大きな掌だとはいえ、3本も4本も受け取ろうとすりゃ、ポロポロ落っことしてしまいます。

印象としては、RAWレギュラー放送のような互いに憎み合うような雰囲気ではなく、オースチンと対面したビショフはすっかり白旗観念モード?
オースチン、リング上でビールでの乾杯をビショフに勧める。罠に怯えるビショフは投げ渡されたビールを受け取ろうとするが、ポロポロリングに落としてしまい、そのあまりのしょっぱさにオースチンも呆れ顔。
ようやくキャッチしたビールでいざ乾杯!今日だけはノーサイドを決め込み、気安くオースチンの胸板をペチペチはたこうとした途端、オースチンの目付きが変わり、ビクつくビショフ。
スタナーの瞬間を見逃してはなるまいと、二人の間の空気の変化を何とか察知せんとする観客。心地よい生殺し状態!そして、ビールを豪快に飲み下さないビショフに堪忍袋の緒が切れたか、ストーンコールドスタナーが炸裂!!

その後は、ステイシーやリタ、ジャッキー、ダッドリーボーイズやハリケーンがリングインし、ビールパーティーの開催。そこに乱入するは、まんまとスタナーを食らいにやって来た(?!)オートンとマット・ハーディー。
しかし、注目すべきは合計4発と大奮発されたスタナーではなく、ヒザのプロテクターを装着していないオースチンがそれぞれRKOとラリアートを思いっきり食らい、大いにセルをしたという事でしょう。いよいよレッスルマニアでの復帰に期待が膨らみます。

100本近くの缶ビールが空けられたでしょうか。マットの上はグッショグショ。ハリケーンは千鳥足。リングのど真ん中で寝っ転がるオースチンにベビーの面々が集団ビールかけ。

その光景がまるで、オースチンの快気祝いのように思えてならなかったのは自分だけではないはずです。

なんとこの時点で公演開始から2時間45分が経過。終了時間及び帰りの電車を心配しつつも休憩時間にトイレへ向かう大勢の客。尿意を催すことが無かった自分はつくづく強運に恵まれておりました。
可哀想な大半の客に更なる不幸が襲い掛からんとしていたことを、その時点で果たして予想していた人がいたのでしょうか。


第六試合 ケインVSロブ・ヴァン・ダム
それは突然の出来事でした。
トイレの順番を待ち侘びる長蛇の列を眺めるのにもいい加減飽きて、自分の席に戻るや否や、館内のBGMがフェードアウト…、場内暗転!
あれだけぎっしり埋まっていた客席がトイレ待ちの客のために『ひろし80%』状態になっているにもかかわらず…!!
入場ゲートから轟音と共に火柱がチュドーン!!ケインの登場だ!!!
リングインの際にもコーナー4隅に設置されたパイロからも極太の火柱!!
トイレ待ちのために、相当の観客が見逃してしまったことでしょう、ご愁傷様です。
続いてRVDが入場!ケインの入場を見損ねたトイレ待ちの観客がぞろぞろと戻ってきました。
試合は『動ける大男、ケイン』の印象を改めて感じさせてくれました。トップロープからフライングニーを炸裂するケイン!カッコイイ〜!!

この試合は比較的現地風味のRAWプロレスを見せてくれましたが、ベノワVSジェリコ同様、カウント2.99の応酬。だけど休憩を挟んでいたから、こちらもリフレッシュ済。クドさはあまり感じられませんでしたね。

ファイブスターやローリングサンダー(パイプイス越しのヴァンダミネーターは拝めずじまいでしたが…)と、RVDが自分の見せ場を十分披露し終えて、最後はチョークスラム食らって1・2・3!
『TVプロレス色の濃度』という意味では、2.99の攻防という日本風味が盛り込まれてはいたものの、この試合が一番WWEファンが求めていたプロレスだったのではないでしょうか。


第七試合 リコVSテスト
この試合がセミファイナルに組まれていることに、グダグダと能書きや愚痴を垂れていたプロレスオタクを目の前で発見しました!
よっぽど尻も痛くて、とっととメインイベント観て帰宅したかったのでしょうな。尿意に負けてケインの入場シーンが見られ無かったことへのとんだ八つ当たりです。
尻ポケットがくり抜かれたジーンズを履いたジャッキーと共に、館内中の『も〜みあげ!』コールを一身に浴びてリコが入場!
この試合で念願の(?!)『ゴング早々、ど真ん中でロックアップ!』が初披露!
「…なぁ、テストさん。アンタにぴったりのプロレス団体が日本にあるんだけど(あったんだけど?)、どうだい?」
なあんて具合で、テストを冷やかし半分で観戦しようと思ったのですが、(テストが説得力も何にも無い闘いっぷりで、リコを3分程度で一蹴した過去のHeatマッチを思い出したもので…。)正直な話、テストを見直してしまいました。

本業のTVマッチでは、リング内でのステイシーとの『非プロレス行為』ばかりが目に付くテスト。ゴング鳴っても、ただビッグブーツを一発決めて1・2・3、そんな印象しかなかったのですが、なぜかしぶとくWWEに居座れて来られた理由がわかった気がします。

ハウスショーでのテストはTVマッチとは打って変わって、『やれば出来る選手』だったのです。(WWEが手放してしまうことがあったら、速攻でNOAHか武藤全日は高い契約金を払ってでも獲得に走るべきでしょう。)

小柄ではないリコを軽くブン投げ、技の威力で自分のパワーをさりげなくアピールする一方、文字通り『大男、総身に知恵が回りかね』をコミカルに『プロレスムーブ』でもって表現していました。
日本のインディーズエンタメプロレス団体の十八番であるコミカルプロレスの技術を(Heat要員とはいえ)ヘビー級&スーパーヘビー級の選手が、抽斗の一つとして持ち合わせているワケですから、(WWEの宝の持ち腐れっぷりも含め、)ただただ脱帽です。

テキサスクローバーホールドやビッグブーツでリコを痛めつけたが、ジャッキーのオッパイ露出で油断したテスト。最後はリコのラウンドハウスキック(回し蹴り)で逆転勝利!

乱入試合が無かった本興行で、マネージャーを駆使した王道アメリカンプロレスをセミファイナルに組み込んだことで、『緩急という味付け』が効果的に施されたことになるのでしょうね。(どうだい?目の前にいたプロレスヲタクちゃん♪)


第八試合 ワールドヘビー級選手権
(王者)HHHVSショーン・マイケルズ
RAWそのまんまの華やかな入場パフォーマンス!(まぁ、『死地に赴く一人の戦士』よろしく、神妙な表情で入場するほぼ全ての大物日本人レスラー達の姿勢も、アリと言っちゃあアリなんですが…。大橋巨泉やミッキー安川のようなアメリカかぶれっぷり!?) HBKは最前列のKONISHIKIや武蔵丸、そしてなぜか最前列に陣取った業界人風でなんだかいけ好かない女性客とハイタッチや抱擁を交わした後にリングイン。

HHHは例の聖水パフォーマンス!!いざ、3公演連続の防衛戦に向け、気合い十ニ分待ったなし!!
ゴング早々、ロックアップからそれぞれアームホイップや首投げ、首固めやカニバサミなどを流麗に連発し合い、最後はビシッと両者正面向き合ってファイティングポーズで威嚇&牽制!
そうです、四天王時代の全日武道館の三冠戦にて、よく見られた光景です。あぁ、学生時代に観に行った全日の武道館大会の記憶が鮮明に甦ってきます。「プロレスを観てきて良かった〜!」と思える空間に再度立ち会う事が出来ました。

ココで気になったのは外国人女性のマイケルズへのスラング混じりの熱烈な声援です。
“Come ooooooooooooon!!!”なんていう『プレイボーイチャンネル』か山田花子くらいでしか久しく聞く事が無かったフレーズ、そんな声援がまた館内にキレイに響き渡るワケです。

また、結果を残せてはいないものの、総合や立ち技格闘技の経験を経てきた国内の一流レスラー達に良く見受けられる、腕っぷしや太くてしなやかな脚で力任せに反撃ではなく、あくまでタックルやグラウンドテクニックで互いに有利な体勢を獲り合う選手権試合。
『上品な攻防』と言う表現が適当かどうかはなんともアレなのですが、旧全日の王道スタイルの醍醐味が凝縮された試合だったと思います。
HBKの場外プランチャー辺りを契機に、徐々に互いの豊富な『中技の抽斗』からバリエーション溢れる技を展開し合います。
中技食らって、思いっきり場外に飛ばされるHHHも迫力十分なセルでしたし、逆にショルダーバスターでHBKを痛めつけたり、コーナーの鉄柱にHBKの腰を打ち付けたりして、攻撃のリズムを手繰り寄せるHHHはさすがNWAの流れを汲むチャンピオンです。(ジャイアント馬場万歳!旧全日本プロレス万歳!!)

HHH、ロープに振ってコブラツイスト!痛む腰で投げ返し脱出に成功するHBK!!
ニーアタックを誤爆したHHHにドラゴンスクリューを炸裂させ、あっという間に4の字固めを決めて見せたHBK!!武藤敬司の十八番をHBKが見事にラーニング!!
半泣き状態で感激の咆哮を上げる我々を痛い人たち扱いで見下していた隣のWWEファン(≠プロレスファン)の女性客。フン!笑いたければ笑うがいいさ!

4の字固めをうつ伏せて切り返され、悶絶するHBK。技が解かれてHHHのラフパンチを浴びるや、ついに額から流血!その傷口をさらに殴りつけるHHH。
(あぁ、これと同じ光景を来週のスカパー!PPVで観るんだろうなぁ。結果分かってるけど、今からドキドキ♪)
さて、顔中血まみれのHBKは5発のナックルパートで王者をブッ倒し、トップロープからダイビングエルボー!場内のフラッシュが一斉にきらめき渡りました!
この日初めてのスイートチンミュージックはかわされて、逆にDDTを食らってしまいました。しかもHHHの胸板チョップでHBKが永源遥よろしく唾をピュ〜!
HHHもこの試合始めてのペディグリーをかわされ、返し技のジャックナイフで固められカウント2!
その後もショルダースルーやスリーパーで相手の技を何とか交わし合うと、HBKが不意討ちのスーパーキックをHHHにブチかましました!!

この間の流れこそ、真の『格闘芸術』ではなかったでしょうか。

さあ、こうしてHBKの全ての技を堪能し終えれば、最後の注目点はペディグリー炸裂のタイミング!今か今かとドキドキワクワク。
「ここでも決まらない!ここでもダメか!!そう返したか!!!」と、興奮状態は醒めることなく遂にペディグリー炸裂に成功!!!
さすがに必殺技!たった1発でHBKからピンフォール勝ち!!
エボリューションの援護を一切受けることなく、堂々と王座防衛に成功したHHHでした。

こうして日本ツアー最終興行終了、最終公演時間4時間20分!(注;18時ちょっと前から公演が開始したから)
関根勤率いる『カンコンキンシアター』の千秋楽興行のような濃密なる興行はこうして幕を下ろしたのでした…。
こんな格好のお手本を示してくれたんです、日本の団体も『意地』と『最高のエンタテインメント興行』を見せて欲しいという気持ちは僕の中にはありまくるんですよ。

補遺;観戦後の様々な記事報道から気になった事柄を…
@サムライTV・日曜生GON!での、片岡未来嬢の生観戦の感想(※)に対して。

「現地では放送時間枠の限界やアメリカ人観客の好みの都合もあるだろう。
TVマッチでは絶対にやらせてもらえない技を、日本ツアー興行という特別な舞台で思う存分披露し尽くさせてもらった。
短時間しか試合が出来ないんじゃなくって、ああいう持久戦もやろうと思えば出来る抽斗を持っているんだぜ?」
プロレス専門番組を担当しているのなら、短絡的かつ動物的な感想に終始することなく、上記のような解釈をして欲しかったなぁと思いました。
(※「テレビのRAWと違って、一試合ごとの時間が長く、観ていてダラけてしまった云々…。」)

→『日本のファンが見慣れたスタイルのプロレスを敢えて披露することで、所属選手たちが各々誇る抽斗の多さ、懐の大きさをプロの技術とともに知らしめてくれたということ』
 そんなスーパースターズの心意気が果たして、日本のWWEファン(≠プロレスファン)に正しく伝わってくれたのか?
 彼らが歪曲した解釈をされてしまったのなれば、それは非常に残念に思います。

Ahttp://www.nikkansports.com/ns/battle/p-bt-tp0-040208-0005.htmlより抜粋、
『今回、スパンキーらがWWEを退団してゼロワン復帰。
「エンターテインメント重視のWWEよりもファイト重視のゼロワンスタイルで戦いたかった」と話した。』に対して。

十分なプッシュを受けられなかった首脳陣への愚痴、いや二度三度とコンスタントに首脳陣を振り向かせられなかった自分への言い訳のように感じられました。
でも、01は応援しています。

Bレギュラー番組内で告知されているWWE Live(=ハウスショー)の規模、及び興行形態に対して。
果たして、さいたま大会は『純・ハウスショー』だったのでしょうか?
なぜなら、旧全日の武道館大会規模の興行及び国内団体の『ビッグマッチ』に匹敵する充実した試合内容。
冒頭で申しましたとおり、今回の観戦が初めてだったので、比較することが出来ません。

  CEZTV!内、WWE公演直前特集を改めて見直しての印象。
米国のレギュラー番組仕様の『RAW』、『SMACK DOWN!』が大勢のスタッフによる入念な下準備と計算の下で、上質なショー興行を毎週成功させていることを知らされました。
一方、国内では『WRESTLE-1』や『ハッスル1』が短期間の準備かつ、上辺だけの猿真似だけでWWEのようなスポーツエンタテインテインメント興行を決行してしまい、見事に玉砕。

「ポカやっちまったヴァー!」という有様…。そこで、一プロレスヲタクの浅はかな猿知恵に基づく妄想じみた仮説で恐縮です。
もしかしたら、WWE側も日本のプロモーターの失敗例を参考にして、後、3〜4年はリサーチを兼ねた興行を念入りに実施していくのではないでしょうか?
すなわち、タイタントロンの中でのスキットがリング上でのスキットや試合と複雑にリンクし合っていくという、日本中のWWEファンの念願である形態の興行なんて、まだまだ先の話だと思うのです。
いや、本物の『RAW』や『SMACK DOWN!』は、やはり現地まで飛ばなきゃ観ることなんて出来ないんじゃないでしょうか?
(或る老いたプロレス・格闘技評論家はタイタントロンをいい加減設置しないWWEの日本興行に見切りを付けたらしいですが…。)

『すべてを知った上で楽しんでいる永遠に長続きするファン』や『世界を知り意識革命を遂げる知覚の扉を開いた、一生モノのプロレスファン』の人たちは、3〜4年くらい軽く我慢できるはずですが、果たして国内WWEファン(≠プロレスファン)の人々はそんな生殺し状態に耐え続けられるのでしょうか。

『観戦記ネット』で培ったプロレス心を持ち合わせた皆さん同様、自分も待ち続けてみようと思っています。

それが『ジョシュ・バーネットのPRIDE参戦』いや、『馬場VS猪木の直接対決』のように絶対に実現しない夢であったとしても。




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