0206メガトン、パワー、ヴァイオレンス!
■団体:SMACK GIRL F
■日時:2004年2月6日
■会場:後楽園ホール
■書き手:フリジッドスター

西新宿でのレコ屋巡りも早々に切り上げ、一路後楽園ホールに。早く到着したので、ゲートの試合も観戦。当然顔と名前が一致しないのだけど、
P'sの島田選手とスネークピットの井上選手の試合。ミドル、ハイと蹴りを多用する井上、ボクシングで打ち負けるもタックルでテイクダウンして終始上をキープ。判定なしでドローだけど、判定付ければ井上選手の勝ちだろう。

客入り、はっきり言って悪かったです。空席チラホラで、六割ちょっとくらいですかね。やっぱり、カード発表、特にメインの発表が遅れたの大きかったかも。まあ、そもそも國奥 vs. 三崎にいかほどの集客力があるのだと問われれば、返答に窮してしまうのだけど。全選手(ミッション以外)入場。まずは近藤が挨拶、「皆に勇気を与える試合をしたい」とか何とか。なかなか気の利いたこと言うなあと思ったのだけど、よく考えたら今年のツアータイトルのまんまなんだよな(笑)。次いで、メガトン高森の挨拶。何を言っていたか覚えていないのだが、やっぱりメガトン勢存在感は抜群だな。物理的な存在感だけど。

[第一試合 フェザー級5min×2R]
×REIJI(HYBRID WRESTLING武∞限 63.1kg)
(2R5:00 判定0-3)
○山本 篤(KILLER BEE 62.0kg)

セコンドにKIDを帯同して登場した山本、なるほどルックスも試合スタイルもKIDの弟子と云うことで納得出来る選手だった。ボクテクでも立ちレスでも圧倒する山本、バックから強引な投げを試みるも、REIJIこれだけはさせず。それでも、とにかくレスリングで圧倒した山本が、テイクダウンしてバックから殴る、殴る。スタンドでも殴る、殴る。完勝ですね。山本、イイね。背筋の隆起とか凄いし、ナチュラルでパワーがある感じ。こういう選手がポコポコ出てくるようになれば、パンの軽量級も盛り上るんだけどな。


[第二試合 フェザー級5min×2R]
○志田幹(P's Lab東京 63.6kg)
(2R5:00 判定3-0)
×砂辺光久(HYBRID WRESTLING武∞限 57.7kg)

レガース着用の砂辺、佇まいは雰囲気あって良いんだけど、いかんせん体が小さい。この階級で6kg差と云うのはちょっと決定的だろう。1R、志田がサイドからマウントまで奪うが、すぐに返され下に。まあそこから砂辺が何か出来た訳でもないのだが。2R、今度は完全にバックマウントに付いた志田、執拗にチョークを狙うも極めきれず。まあ志田が成長して来てるのも確かなんだろうけど、やっぱり砂辺は(本来)一階級下の選手。砂辺使うのなら体重の合う相手を見つけてくる必要あり。


[第三試合 無差別級5min×2R]
○ハー・スン・ジン(ネオファイト 93.3kg)
(1R1:22 レフェリーストップ)
×アレックス・ロバーツ(KJK/Justiceマネージメント 105.0kg)

アレックス、身長197cmと云うことで、シュルトほどではなくてもやっぱりデカい。対するハー、とにかくもの凄い気合が表情となって前面に現れている。両者とも雰囲気のある選手で、これは好勝負になるのかなと思ったのだが…。意外にも、打撃で打ち勝っていたのはハー。押し倒して上から攻めるアレックスに対し、下からの頭突きを食らわすハー。アレックス、鼻から大量出血でハーにイエロー。ここで、試合止めるべきだったと思うんだよな。再開後は一方的な展開。大振りフック、組んでのヒザ、追撃のパウンド連打で更に流血が激しくなりレフェリーが試合を止める。アレックス、立ち上がれず担架投入。うーん、ハー、素質はある良いファイターだとは思うんだけど、反則はやっちゃいかんよ。負けん気の強さが悪い方向に出てしまった感じ。


[第四試合 スーパーヘビー級5min×2R]
×セハク(RJW/CENTRAL 102.5kg)
(1R1:25 KO)
○高森啓吾(パンクラスMEGATON 117.3kg)

レスリングベースのセハク(元多田尾秀樹)と、柔道ベースの高森。差しの攻防は互角で、距離が出来てからは壮絶なパンチの攻防。いや、これぞまさに「ビッグガイ同士の殴り合い」。多分ボクテクはセハクの方が上なんだけど、そんなことはお構いなしとばかりに繰り出される高森の怒涛の重爆メガトンフック連打が炸裂。最後はセハク、顔を背けて心が折れた感じ。いやー、これぞまさに「豪よく豪を制す」と云った感じで、スーパーヘビー級の醍醐味が前景化した試合。メガトン、尾崎さんにとっては良い買い物になったんじゃないのかな。高森は、パワーが凄いね…気分はまさにパワーヴァイオレンス、フォーエヴァー! と云った感じだな。


[第五試合 ミドル級5min×2R]
○石川英司(パンクラスGRABAKA 81.9kg)
(2R5:00 判定2-0)
×井上克也(RJW/CENTRAL 81.2kg)

気が付けばこの階級ではすっかり重鎮と呼べるレベルにまで成長した石川。世界を相手に実力をアピールするチャンスから一転、下から伸びてきた選手に胸を貸すことに。対する”和製カレリン”こと井上、かなり評判の良い好選手のようなので期待して試合を見ることにした。井上、レスリング強すぎ。立ちレスでは石川を圧倒し、何度もリフトアップしてました。まあ石川も巧くアームロックで切り替えしていたし、タックルがぶってのパウンド(俺の前の席の人、”モモセ”だって言ってました)は効果が薄かったものの、打撃でも打ち勝っていたし、ポイントは石川で良いと思う。それでも、石川の得意技であるパウンドを封じていたのは事実な訳で、井上の善戦も光った試合だった。あとは、テイクダウンしてからの一押しが欲しいね。それにしても、石川は本当に良い選手になったよなあ。試合中の全ての行動が様になってると云うか。次は、上のランカーとやらせてあげたいね。去年一年の成長の証を見せた石川に、卓越した素質の片鱗を見せた井上。明るい未来を見せた両者による好勝負でした。


休憩後、郷野が何か喋ったようだが、自分はロビーで雑談していた挙句、トイレにまで立ち寄っていたので確認できず。まあ、”ショーグン”戦、頑張って下さい。俺は横アリまで行きますよ。


[第六試合 ウェルター級5min×3R]
△大石幸史(パンクラスism 74.2kg)
(3R5:00 判定1-0)
△ヒース・シムズ(チーム・クエスト 74.8kg)

シムズのセコンドには、ヘンダーソン。うーん、やっぱりオーラがあるな。両者、レスリング+ボクシングとスタイルが近似した者同士の試合。立ちレスで圧倒出来ない分大石不利かとも思ってたのだが、試合はボクシング合戦に。どちらかと云えば大石が打ち勝っていたと思うんだけど、3R、自分から出て行けなくなかった大石に対し、シムズが懸命の猛追でドローに。岡本の30-28と云うのはちょっと良く分からん。まあ大石にとっての収穫は、2R後半上を取れたことかな。そう、大石やっぱり立ちレス、打撃ともに強いと思う。ただ、この階級ではもう國奥との同門対決くらいしかテーマがないと思うんだよね。


[セミファイナル ライトヘビー級5min×3R]
○渋谷修身(パンクラスism 86.4kg)
(3R5:00 判定2-0)
×アート・サントーレ(チーム・クエスト 88.4kg)

サントーレ、唯一にして最大の見せ場は入場でした。体は緩いし、打撃は単発だし、転がされたら何も出来ないし、とりたてて特性のない選手。やっぱり、”未知の強豪”がみんな当たりであるわけはないと云うことだな。しかし渋谷、ハーフから足抜けないし、タイ仕込みの(笑)三角はとても極まりそうもないし、ずっとバック取っておきながらチョークは極められないし、もどかしいことこの上ないですな。極めきれないならせめてパウンドを打って欲しいのだが、渋谷、殴らないんだよねえ。このレベルなら総合力で圧倒できるし安定感もあるが、決め手に欠けた印象は否めないですね。しかし、岡本の29-29つーのはさっぱり分からん。


[メインイベント ミドル級5min×3R]
×國奥麒樹真(パンクラスism 81.4kg)
(2R1:31 ドクターストップ)
○三崎和雄(パンクラスGRABAKA 81.6kg)

まあ、三崎の完勝と云うことで良いと思う。先のランディ vs. ベウフォートのように、試合前の練習中に既にランディがカットしていたとか、その部位にヴイクトーのパンチがハスっただけで切れてしまったとかならアクシデントの範疇に包摂されるのだろうが、今回の三崎の打撃は的確にヒットしていたのだから。國奥、立ちレスでは優位に立つのだが、上乗ったまま何かした訳でもないし(敢えて言えば、パスガード狙いの? 奇妙な動きくらいか)、逆に下から圧力かけていたのは三崎。2Rに入ると、三崎はきっちりとタクティクスを修正し、テイクダウンを回避し、ひたすら距離を作って打撃で圧倒していった。國奥、いつものグラウンド&パウンドで押し切れず。このスタイルは周囲から何と言われようと「勝てる」ことを前提とした上で価値が生ずるものなので、やはり負けてしまったのは痛い。これを奇貨として、試合スタイルそのものを改善して欲しいです。勝った三崎、「次は外の大きな舞台へ」と武士道出場希望宣言。うーん、キミまで外へ行っちゃうのか? シールズとの決着戦はしないのか?(笑) いやまあ、勢いのある内に更なる高みを目指すのは重要だからね。でも、まだ日本人には強い選手がいると思うし、彼らとの勝負付けを済ますのが先じゃないか? だいたい、竹内の存在をオミットしちゃいかんよ(笑)。


本当につまらない試合は、一つもなかったんですよ。しかしながら、圧倒的に面白いと云う試合があった訳でもなく不完全燃焼感は否めない興行でした。全般的に「ismどうしようもない、世界に通用するのはGRABAKAだけ」と云う船木テーゼを反復するような興行であった気もするが、それはさておくとして。今後の関東圏のパンクラス興行は、後楽園大会が連続する(3月には、テレルが来るようだ)。今後外で活躍するであろう近藤、菊田クラスがzールに出場する可能性は薄く、彼らが外で獲得してきた新規客層を満足させ再び足を運ばせるようなコンテンツを提供することが、残された選手たちの課題となる。佐々木、山宮と云った有力選手もさることながら、若い選手からメインを務められるような者が出てくる必要もあるだろう。そういう意味では、急成長中の石川や、外様の新鋭・井上、新勢力のメガトン…こう云った若い息吹が存在感をアピールしたことが、この大会の最大の収穫であったと思う。




本稿の著作権はすべてKANSENKI.NET及び「書き手」に帰属します。

戻る
TOPへ