2004. 真−夢MOVE武 TOUR 1月大会 雑感記
■団体:HYBRID WRESTLING 武∞限
■日時:2004年1月25日
■会場:沖縄 Fighting Stadium カミカゼ
■書き手:ひろた@福岡

HYBRID WRESTLING 武∞限
PANCRASE PRESENTS(本当にこう書いてある)

沖縄でも10℃を切るような寒い日もあるらしい。
先週から居座る大型寒波により福岡を“雪国”にしたばかりでなく、
沖縄にまで影響を及ぼしていた。
鈍色の空。肌を刺す寒風。
福岡よりも暖かいとは言え、十分“冬”を感じさせる気候だった。
少なくとも、コートは十分に必要な程に。

空港からモノレールに乗り込み、那覇の渋滞を避けて首里駅へ。
首里駅から会場へはタクシーを利用する。
ガンガンに暖房を掛けたタクシーから、窓の外を覗き込む。
山々、田園、そして米軍基地…。
だだっ広い普天間基地を横目に眺めていると、ふいにタクシーが停まった。
「ここだよ」
空同様にくすんだ雑居ビル。
1階はゲームセンター、2階は消費者金融、そして3階あたりに
看板が掛けてある。

「Fighting Studium 神風」

“スタジアム”というより、“スタジオ”といった趣きか…。
狭いエレベーターに乗り込み、会場に入る。
眼前に広がる店内…いや“スタジアム”は、天井と床が青で、
壁が白を基調とし、プラスティックの簡素な椅子が100席ほど並べられ、
VIP席や関係者席には革張りの長椅子。あっ天井にはミラーボールが…。
場末のキャバレー転じて、場末の格闘メッカ。

そう、ここは沖縄。
日本最果ての格闘銀座。
その中心、パンクラス認定ジム「武∞限」が月一で主催する大会。
2004. 武∞限 真・夢move武 ツアー開幕戦。

*****

さて、試合レポートの前に…。

「武∞限」チームについて御確認。
歴史については以下のURLにて
http://mugenokinawa.at.infoseek.co.jp/history.html

今年で7周年だそうだ。
因みに全選手入場式で、創始者・砂辺光世士が挨拶をしていた。
「今年は勝負の年。弱い選手や面白くない試合をする選手はドンドン切っていく」
とのこと。
アマチュア大会なのに、こんなことが言えるくらい選手が豊富のようだ。

所属チームで武∞限、武∞限G’z-ONE、武∞限K’z-ONEとあるが、
武∞限G’z-ONEとは、関節技・絞め技による攻撃を得意とする寝技専門チーム。
武∞限K’z-ONEとは、G’zとは対称的に立ち技中心に戦いを組み立てる打撃専門チーム。

では、武∞限とは?っと言うと、どうやら上記チームに分裂前から所属している選手で、
分裂したチームに所属していない選手達と言うことらしい。
また、MABUIと沖縄サブミッション柔術会は、所謂武限チームの“他流派”となる。

またルールについては

http://mugenokinawa.at.infoseek.co.jp/rule.html


簡単に言うと、スタンド状態における拳による顔面攻撃及び
グランド状態による如何なる顔面攻撃も禁止という修斗ルール。
オープン・フィンガー・グローブ装着で、レガース着用(脛を使ったキックをしない
選手はレガースなしでもOK)とUWFファンには堪えられない出で立ち。

それでは、スタート。

*****

試合開始直前には60〜70人といったところだったのが、最終的には
150〜60人?(公式発表157人)
場末のキャバ…スタジアムには十分満員と言ったところ。
客層は、20代くらいの関係者が主だったところだが、中には白髪まじり
の客なんかもいて、毎月定期戦を実施しているためか、関係者以外の
客まで顔見知りっぽい(笑)

入場式、ルール説明等々がパンクラス・フォーマット(曲も一緒)でサクサク行われ、

試合開始。

第一試合 70kg未満 エントリールール 1R
×島袋 基志(武∞限)vs ○具志堅 敏也(MABUI)
1R 2’32 アーム・バー

エントリールールとは、あらゆる顔面攻撃が禁止とのこと。
試合は、具志堅が島袋のタックルを切って、サイドとって、袈裟固めから
アームバーでレフェリーストップ。

試合後、レフェリーが武限の若手をリングに上げて、技の解説してくれた。
一本の場合は、すべてこういう解説がつくようだ。
解り易い。

第二試合 無差別級 3R
×英立殴(武∞限K'z-ONE/2位)vs ○上村 正典(武∞限G'z-ONE/7位)
1R 0’51 ギロチン・チョーク

英立殴(エリック)、ヴァンダレイのテーマに乗って悠々入場。
在日米軍人か?外人から喝采を浴びてた。
上村はウェルター級、英立殴はライト級。当日の体重差は4kg。
試合は、英立殴が突っ込む(タックル?)ところを上村が首を抱え、
そのままギロチン。

「ヒュ〜、ヒュ〜、ヒュ〜、ヒュ〜」と英立殴の息吹が聞こえる…(怖ぇ〜)。
またもレフェリーストップ。
英立殴、入場は格好よかったが…。

第三試合 ウェルター級 2R
×東江 光博(武∞限G'z-ONE) vs ○玉城 毅(沖縄サブミッション柔術会)
2R 判定(2−0)

東江(“あがりえ”と読む)はレガースなし。
1R早々に、玉城が適度に散らしていた打撃が東江の顔面に入る。
顔面がノーガードだったから、つい入れちゃったって感じ。(イエロー1枚)
東江、コツコツ入れられる打撃の間隙にタックル。
東江、上とるも、玉城が足を利かして体勢入れ替わる。
玉城、上から腕をとろうとするも体勢入れ替えられる。
玉城、下からそのまま腕十字→三角狙う。
この攻防に終始し、2Rまで終了してしまう。
絶えず玉城が攻勢だったので、玉城の完勝。
玉城は終始余裕のある攻防だった。それ以外言いようがないな。

因みに、東江は入場時にスクリームのマスクをつけて入場。
で、外すと、これまたお面とあまり変わりない風貌。
でも、みんな退いてたな。自虐ギャグだったはずなのに…。(カワイソ)

第四試合 ウェルター級 2R
○小島 左乃克(武∞限G'z-ONE)vs ×安里 誠也(MABUI)
1R 4’03 アンクルホールド(当日は“トーホールド”と言ってた)

これまた1R早々に、今度は金的で安里(“あさと”と読む)がイエロー。
試合開始から延々と“フルコン空手”の様相。
試合途中、小島気合でボディー攻撃をノーガードで受けるなんて場面もあり、

場内盛り上がり!

試合途中、安里が途中右膝を痛める(自爆?)。小島、右膝を引き摺る安里との
距離を詰めて、あっさりテイクダウン。(右をとらず)左足をとり、アンクル。
場内、試合展開が派手だったこともあり大盛り上がり。
面白い試合でした。

第五試合 バンタム級 2R
○島袋 雄多(武∞限/4位)vs ×屋良 収人(MABUI)
2R 3’32 チョーク

他流派相手にする最後の選手はランカーとあって、ちょっとだけ貫禄が
違う(ように見える)島袋選手。レガースなし。
1R、屋良選手の打撃を掻い潜って、タックル!速い!(今日一!)
上とって、サイドとって十字狙って、引っ繰り返されて、上取替えして…。
モタモタ終了。
2R、膝を喰らいながら、タックル決めて、今度はバックとって、チョーク!
お見事!
でも、タックルのキレの割に、グランドがモタモタし過ぎかな?

第六試合 エキシビションマッチ パンクラスルール 3分1R
城間 貴文(武∞限/無差別級3位)vs 砂辺 光久(武∞限)
第七試合 エキシビションマッチ パンクラスルール 3分1R
島袋 零二(武∞限/無差別級1位) vs 田上 洋平(武∞限G'z-ONE/無差別級6位)

2月のパンクラ興行に出場予定の四選手。
温いスパーで壮行会。
城間以外は既にゲート飛び越え、本戦経験しているようだが、今度ゲートに出る
城間が一番いい印象。腰が強そうだし。
それに他の選手は朴訥とした“沖縄の若者”って感じの選手ばかりだけど、
城間はスキンヘッドに、風貌も“荒くれ”って感じでプロ向き。
この選手には期待したいな。

第八試合 無差別級 3R
○宮城 友一(武∞限K'z-ONE/バンタム級2位)vs
×KEITA(武∞限K'z-ONE/ライト級2位)
3R 2’32 肩固め

同じランカー、同じ順位。
でも、体重差が当日で7kg。
同じチームと言うこともあり、試合前にはあまり期待していなかった一戦。
(温いスパーで、体重差通りの結果になる?)
しかし試合開始早々、熱い“フルコン”のスタート。

KEITA、風貌から言って、安生のよう。
宮城の周りを廻ってローを撃ち、時折足を止めて体重差を利した正拳突きを撃つ。
宮城、キッチリガードしつつ、いい確度のローを時折撃ち返す。
2Rまで(KEITAが飛び付き十字を2度狙うも)、フルコンの攻防が続く
。 この時点で、場内判定を覚悟するような雰囲気になった。

ところが、3R開始早々場内誰もが、KEITAの右足の腿が青く腫れ上がっている
ことが解る。一方、宮城選手は無傷。
KEITAの足が止まり気味になる。ジャンピングキック等で誤魔化すも、足が 付いていかない。
宮城、適当にいなしながらチャンスを待つ。
KEITA、首投げを狙うも、足に踏ん張り効かず潰される。
即座にサイドとって、肩固め。
お見事!!

体重差をモノともせず、冷静に試合を運び、チャンスを一発でモノにした。
宮城選手、素晴らしい。
是非とも、また観たい選手でした。

*****

全6試合中(エキシ除く)判定は1試合のみ。
他流派との試合も多かったためか、緊張感もあり、非常に面白かった。
試合のレベルからすれば、昨年の真武館主催「武人杯」よりも全然上で、7年間の
継続の成果は十分感じられた。しかも、ほぼ全選手“アマチュア”とは恐れ入る。
それくらい総合格闘技の一大会として、堪能させてもらった。

それにしても、ここに出場する選手の最大の舞台がパンクラの前座とは
寂しい限りだ。
特にメインを締めた宮城選手。
まったく根拠はないが、現時点で修斗のBクラスくらいの実力は十分あるのでは?
バランスのいい打撃、しっかりしたガード技術。極めもしっかりしていて
逸材だと思う。

普段60kg以下で試合をしているようなので、パンクラスでは中々
お呼びが掛からないであろう選手だけに、勿体無い。
WKやDEEPあたりで使って、修斗とあたりまで飛び級でもして欲しいものだ。

充実の興行を観れたので、寒々とした沖縄の夜も、嫌気なく過ごせた。
行きつけの沖縄料理の道すがら、雑感記について考えるのも楽しい。
大したオチも思いつかなかったが…。

皆さんも沖縄へ行く機会があれば、武限の日程と相談の上…。




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