1/22 DEEP 後楽園ホール興行 観戦記
■団体:DEEP
■日時:2004年1月22日
■会場:後楽園ホール
■書き手:高倉仮面

18:00
後楽園ホールに到着。
今日はDEEPの観戦である。

さて、昨年は格闘技界にとって決して明るい年ではなかった。
一昨年末の石井館長の逮捕劇、昨年初頭の森下社長の自殺…。
K-1やPRIDEといったメジャー団体に暗い話題が舞い込んだ昨年の格闘技界だが、
一見、そのような事には無縁そうに見えるDEEPにも、
これに勝るとも劣らない大変に暗い話題が舞い込んでしまった。

---

●佐伯日記
http://cgi.deep2001.com/cgi/deep2001.com/user-cgi-bin/a-nikki/a-nikki.cgi
より抜粋

---

2003/10/21 (火)

糖尿決定

今日も朝から病院で注射をうちました。
そして前回の血液検査の結果がでました。
ばりばり糖尿でした。もうダメだ。

---
………。

…そりゃアンタ。
アレだけ食って、アレだけ飲んで、アレだけ太って…。
糖尿病にならん方がおかしい、ってモンである。

最近知った話なのだが、ダンテの「神曲」によると、
地獄は九階層に分かれており、その階層の中には「美食地獄」というものがある。
生前に美食を好んだり、暴食をし続けた人間はここに落とされる、と言うのだ。
言うちゃ悪いが、佐伯代表が落ちてしまう地獄としては「ココしかないっ!」と思わせる場所である。
しかしまあ考えるにつけ、これから先の佐伯代表は好きなものを好きなだけ食う事が出来ないのだから、
死んで地獄に落ちるまでもなく、既に「生き地獄」という名の地獄に落ちてしまった訳だな。

そう言えば、美食家で知られている小説家・池波 正太郎も、
晩年は舌の感覚が麻痺してしまい、何を食べても味がしなかったそうである。
こうして見ると「食」を趣味としている人間は必ず身体で代償を払わなくてはならない運命のようだ。
…う〜ん、「明日は我が身」か。

何にせよ、僕から言えるのはこの言葉だけだ。
「佐伯代表、お大事に」。


---

で、佐伯代表の話はこの辺にして。

昨年は5回(CLUB DEEPを含めると8回)開催されたDEEP。
年末には、格闘技界の年末の「祭り」ブームに乗ってSAEKI祭りも開催。
ちょっと振り返ってみると…。

---

○DEEP 8th Impact(2003/03/04)
意表を突かれた、修斗のエース・桜井 "マッハ" 速人の出場。
DEEPミドル級王者である上山 龍紀と対戦、大声援の中で判定にて勝利。


○DEEP 9th Impact(2003/05/05)
原点回帰・これぞDEEP、ルチャ vs 日本人選抜5対5対抗戦。
ドス カラスJrが伊藤 博之を相手に反則暴走、波紋を呼ぶ。
又、ジャイアント 落合の最後のリングとなったのがこの興行。残念である。

○DEEP 10th Impact(2003/06/25)
修斗の奇人・朝日 昇が復帰戦を行うも、若手の気鋭・TAISHOに一本負け。
桜井 "マッハ" 速人は、 初代UFCミドル級王者・デイブ メネーに勝利し復活をアピール。

○DEEP 11th Impact(2003/07/13)
辻 結花、国奥 麒樹馬、桜井 "マッハ" 速人、須田 匡昇、今成 正和、三島☆ド根性ノ助。
マニアックならがらも豪華な布陣で話題を呼ぶ。
三島☆ド根性ノ助、「足関十段」今成 正和に一本勝ち、格の違いを見せつける。

○DEEP 12th Impact(2003/09/15)
U-FILE CAMP.comの裏番長・長南 亮、
PRIDE 武士道を控えた桜井 "マッハ" 速人から劇的勝利!!
メインは上山 龍紀 vs 須田 匡昇のDEEPミドル級王者防衛戦。
引き分けで上山が辛くも防衛に成功。

---

○SAEKI祭り(2003/12/28)
野口 大輔 vs 塩崎 けいじ、「PRIDEレフリー」vs 「DEEPレフリー」。
門馬 秀貴 vs 男色 ディーノ、「色男」 vs 「男色」。
スペル デルフィン & えべっさん vs 須田 匡昇 & 三島☆ド根性ノ助組、
「大阪プロレス代表」 vs 「修斗代表」。
…なんともディープなカードによるプロレス。

尚、「百十(kg)の王」佐伯代表は、
この興行の第一試合でプロレスデビューを果たした。

---

佐伯代表の感性と手腕の下、色々と格闘技界の「隙間」を突いた興行を展開してきたDEEP。
マニアック路線をひた走る団体が、昨年一年を通して突き続けた「隙間」は、
主力選手が軽量級の為、メジャー団体が触れる事が出来なかった団体「修斗」の選手の出場、
それも桜井・三島・須田といった一級線で活躍する選手達の起用だった。
その結果、純粋な格闘技団体としてのグレードは、かなりアップしたように思える。
特に修斗のエースである桜井の年間を通して参戦は、確実にDEEPに新しい風を呼び起こした。
それだけに、DEEP 12th Impactでの長南 vs 桜井のサプライズが際立つ。

桜井をドクターストップに追い込み、その存在を格闘技界にアピールした長南 亮。
今日の興行ではDEEPでは初となるメインイベント出場を果たす。
その対戦相手は、長い間PRIDEを主戦場としてきた「高田道場の斬り込み隊長」松井 大二郎。
前回に続きネームバリュー的にはまたしても格上の相手を迎える長南、果たして勝てるか?
そしてセミファイナルには同じく高田道場の今村 雄介が初登場、こちらは元RINGSの滑川 康仁との対戦だ。
セミとメインで「DEEP vs PRIDEの日本人対決、ここに開戦っ!!」という訳だな。

それにしても、桜庭 和志以外の選手はPRIDEという名の崖から転落してしまった高田道場の選手達。
DEEPというマニアックな興行の中で、再びその崖を登る切欠を掴む事が出来るのだろうか。
それとも、新たにその崖を登ろうとする人々の踏み台にされてしまうのか。
格闘技は弱肉強食の世界。「適者生存」の原則の中、生き残りを掛けた闘いが行われる。 んで、その闘いを見届けるべく6500円を払ってA席を購入…って、オイオイ、高いなぁ。

前回の興行までは立見席がもう少し安い値段で売られていたと思ったんだが…。

18:10
会場入り…の前に。
これは自分への戒めとして書いておく。

エレベーターを降りた瞬間、
会場入りしようとしている紙プロライター・ささきぃさんと目が合ったのだ。
…だが、数秒の硬直の後、お互い会釈もなく言葉も交わす事もなくすれ違ってしまった。


…イカン。これはイカン。

実はこの興行の数日前、
僕は某格闘技系サイトのオフ会にてささきぃさんと顔を合わせていた。
…と言っても、席を一緒にしながらも彼女と会話をする事はなかったのだが。
しかしながら、一度でも顔を合わせた者同士の礼儀として、
せめて会釈の一つくらいしても良かったのではないだろうか?
しかも、たった数日前に会っていたのなら、尚更の事である。

猛省。
ささきぃさん、挨拶出来なかった事、大変申し訳ない。
まあ、挨拶されても迷惑なだけかもしれなかったが…。

で、改めて会場入り。
いつものように、資料としてパンフレットを購入。1500円。
内容は今日の対戦カードについてのコメントと、SAEKI祭りの報告。
この値段はちょっと高く感じる。1000円で十分だ。

18:15
今日は久々の椅子に座っての観戦。
…なのだが、この席、どうにも居心地が悪い。
右隣にはオネーチャンが二人、左隣は若いカップル。
その中でオヤジが一人、ノートとペンを持って観戦。
「う〜ん、場違いだ」と感じていたのだが、よくよく彼女達の会話を聞いていると…、
左隣のカップルの男は「DEEPは四点ポジションからの膝攻撃はナシなんだよ」と女に説明し、
右隣のネーチャンは、目の前で行われているフューチャーファイトの興行の位置づけについて解説している。

何だか随分と濃い会話がなされている事にちょっと驚きながらフューチャーファイトを観戦。
※前座の為、試合経過は割愛

---

フューチャーファイト 第一試合 「肉力強女」提供試合 5分2R
○亜利弥’(フリー)
●押野 愛子(アルファジャパンプロモーション)
[2R 1分08秒 腕ひしぎ逆十時固め]

---
フューチャーファイト 第二試合 5分2R
△谷口 友則(マッハ道場)
△村田 卓美(A3)
[2R 時間切れ]

---

フューチャーファイト 第三試合 5分2R
○佐藤 隆平(総合格闘技R−GYM)
●白井 祐矢(アンプラグド国分寺)
[1R 1分18秒 腕ひしぎ逆十時固め]

---

…どうでも良いが、第三試合の時点で既に開始時間の18:30を過ぎている。
もう少し興行はキッカリとやって欲しいモノである。

ちなみに客入りはこの時点で4割。もう少し入らんのかねぇ。

18:45
で、この時間になってから、
やっとラウンドガールの紹介が始まった。どうやら興行開始のようである。

「もう少し早くならんかったのかねぇ…」と浮かぬ顔をしつつ観戦開始。

---

第一試合 92kg契約 5分2R
△大場 貴弘(177cm/90kg/AO/DC)
△矢野 倍達(174cm/90kg/RJW/Central)
[判定 1−0]

「物凄く久しぶりな気がするなぁ、矢野倍達」…と思って調べた。
最後に生で観たのが2002年2月15日のリングス最終興行。約2年ぶり。
「…イヤ、観てないのは『生で』って訳ではなく。この人、最近、試合してなかっただろ」。
という訳で更に調べた。結果、僕が最後に観た姿から2年間、たったの2試合しかしていなかった。
そりゃ印象も薄いわな。なんで試合してなかったんだろ?
サラリーマン・ファイター故、仕事が忙しくて参戦できなかったのだろうか。

その矢野に対するは…これまたお久しぶりの生観戦となる大場。
こちらは2002年7月20日のThe BEST以来の生観戦、一年半ぶりである。
「アングロサクソン 大場」のリングネームで出場、
師匠であるアレクサンダー 大塚がセコンドに就く中、
ゴールデン グローリー所属のファティフ "ザ・テラー" コカミスを相手に、
前半は善戦するも後半に巻き返され、判定で敗れてしまった。
その後も敗北が続いている大場、リングネームを勝っていた頃の名前に戻して勝負。
入場曲はゴダイゴの「モンキー・マジック」、この曲が結構ウケるのだから、
今日の客の年齢層はそんなに低くないものと推測できる。

1R、ゴングと同時に突進していく大場だが、
矢野はこれに合わせてカウンターのタックル、見事に決まってテイクダウンを奪うと、
ハーフマウントの体勢からあっさりとマウントへ移行、パンチを落としていく。
「あらら、もう勝負ありなのか」…と思っていたが、大場はこの体勢をリバースして上になる。
大場応援団の歓声の中、大場はインサイドガードからハーフマウントに移行、
下から組み付いてくる矢野にコツコツとパンチを当てていく。
…のだが、試合はここから膠着。どうやら大場、極めっ気は少ないらしい。

上の体勢をキープした大場、
隙を見てパスガードを狙っていくのだが、矢野はそれをさせずに下の体勢からガッチリと組み付く。
嫌がった大場は半身を起こして矢野を突き放し、顔面パンチを一閃。
これはヒットはした、のだが、この時に出来た隙を見逃さず矢野がグラウンドからの脱出に成功。

その後、両者は組み合ってはテイクダウンを狙い、
離れてはパンチで勝負…という展開を繰り替えすのだが、両者共に譲らず。
隣のカップルの男が「中々、テイクダウンできないねぇ」なんて言っている。
矢野が大場をコーナーへ押し付けつつヒザ攻撃を出していたところで1Rは終了。
う〜ん、お互い決め手に欠けている。こりゃあ、2Rじゃ決着つかんなぁ。

2R、両者共にパンチで勝負する中、矢野は圧力で大場を押し込み転倒させる。
これに乗じてインサイドガードを奪った矢野、
ポジションをハーフマウント、サイドへとスイスイと移行、ヒザ蹴りを大場のボディに叩き込む。
嫌がる大場がグラウンドで逃げようとするも、矢野はこれを逃がさずサイドをキープ、
自分の体勢を袈裟固めの状態へと進めて大場のボディへ再びヒザを入れていく。
大場はまた嫌がり、何とかヒザを立てて逃れて矢野を立たせる事に成功、イノキアリ状態だ。
矢野はローキックを出すも、ここからどうにも攻める事が出来ず、結局はブレイク。

試合再開、軽い打撃戦が展開される中、矢野はタックルで大場をテイクダウンするも、
下からの腕ひしぎ逆十字で応戦する大場、これは極まらず。
再び上の体勢になった矢野、又してもポジションをサイド、マウントと移行するが、
大場に下からガッチリと組み付かれ何もする事が出来ない。
この体勢を大場がリバースしたところで試合終了。

判定は両者共に決め手に欠けてドロー…なのだが、
ジャッジの一人が勝者を大場にしている。
そうなのかなぁ?マストシステムなら矢野の勝利だと思うんだが。
それにしても、両者共にもう少し「武器」になるモノが欲しいなぁ。

第二試合 69kg契約 5分2R
○西内 太志郎(168cm/71kg/U-FILE CAMP.com)
●深見 智之(172cm/67kg/CMA京都成蹊館)
[判定 3−0]

総合だけではなくSBやMAキックで試合をしてたりする西内、
MAキックではサムライ ルールで魔人・佐藤 堅一からスリーパーによる一本勝ちも取っていたりする。
更には2003年6月1日には、U-Fileの自主興行で初代のStyle-G 軽量級王者にもなった。
格闘技のベースは少林寺拳法、異名は「悪童」。
ちなみに、西内の体重が契約体重をオーバーしているように見えるが、
これはあくまでパンフに載っていた体重。試合時の体重は69kg。


対するは、2002年12月8日のDEEP 7th Impactにて行われた
フューチャーキングトーナメントに出場、見事に優勝した深見。
この試合、マイナーながらも王者同士の対戦、という訳だ。あくまでマイナーだが。

1R、試合開始から一分間くらいは、
お互いにローキックやミドルキックを打ち合いながらの牽制合戦。
そんな中、まずは深見のストレートのカウンターを狙った西内、
タックルを仕掛けテイクダウンに成功、
インサイドガードから上半身を起こしてパンチを振り下ろしていく。

西内の攻勢が続く。
ハーフマウントに移行してからは、深見の腕を捕りアームバー狙い。
極める事が出来なかったものの、西内はサイド、上四方とポジションを移行。
逃げる深見が何度も体勢を戻そうとするが、
西内はハーフマウントをキープしたまま上半身を起こしてパンチの連打、
再びパスガードに成功し腕を極めに入るが、ここで1Rは終了。
このラウンドは完全に西内だ。

2R、お互いは距離を空ける中でボディブローを繰り出した深見、これが西内にヒット。

これが効いた様子の西内に深見はパンチを出しつつ接近し正面から抱きついてテイクダウン。
1Rとは逆の展開からスタート。

ハーフマウントの体勢になった深見、
下から組み付いて防御する西内にコツコツとボディへパンチ。
だがこの後は展開なく、試合は膠着。
深見は一旦立ち上がってイノキアリ状態で様子を見るが、
その隙に西内は一気に立ち上がりタックル、逆転のテイクダウンに成功。

再びグラウンドで主導権を握った西内、ポジションをガンガン移行。
ハーフマウントからサイドを奪い、積極的にマウントを狙っていく。
だが深見もマウントだけは許さず、しかも西内が気を抜いた隙にスタンドに戻す事に成功。
しかし西内は再び深見からテイクダウンを奪うと、残り30秒の時点でフロントチョークの体勢へ。
観客は一本勝ちを期待したが、深見は首を抜いて逃れ、ここで試合終了。

判定は、終始攻め続けた西内が3−0のストレートで勝利を修めた。
でも正直、一本勝ちが観たかった。

第三試合 契約体重無し 5分3R
○石井 淳(182cm/120kg/超人クラブ)
●保坂 忠広(175cm/110kg/PANCRASE MEGATON)
[判定 3−0]

素朴な疑問なのだが…。
このカード、何でPANCARSEでやらんのかいねぇ?

たとえ格闘技界では無名でも会場内では超人気者の巨漢・石井、今日も応援団の歓声の中で入場。
と同時に、会場のあちこちから「石井ちゃん、人気者だなぁ〜」というヒソヒソ声も聞こえてくる。
イヤ、それでも今日は歓声はいつもに比べれば小さい方だと思うぞ。
それにしても今日の石井はいつもよりちょっと太め。アゴがいつもより丸い。

対するは、昨年末に晴れてPANCRASE入りした、やっぱり巨漢の保坂。
しかも、あっと驚く新軍団を結成しての入団である。

●PANCRASE MEGATON結成について(Bout Review)
http://www.boutreview.com/data/news/031225pancrase-megaton.html

素朴な疑問なのだが…。
何でPANCRASEでこんな軍団を作る必要があったんかねぇ。
実績を見ても素人同然の集団じゃないか、コレ。
で、入場曲は「東京音頭」、セコンド陣が開いた傘を左右に振りながらの入場だ。
…寒い。思いっきりハズしてる。大丈夫か、PANCRASE MEGATON。

まあ何にせよ、今までDEEPではフューチャーファイトに甘んじていた保坂にとって今日は大事な一戦。
今回は本戦で結果を残し、PANCRASE MEGATONの初陣を飾る事が出来るか?
ちなみにこの試合、石井は125kg、保坂は126kgで試合に挑んだ。立派なデブ対決。

1R、まずは両者、距離を置いて様子見。
で、最初に動いたのは保坂、組み付いて石井をコーナーに追い詰め、
ヒザをコツコツと石井の腿に入れていく。
だがその後は展開なく、ブレイク。

石井が反撃、やや大振りなパンチが保坂に何発か当たり、石井応援団が歓声を挙げる。
これをイヤがった保坂、またしても自ら組み付いて石井をコーナーに追い詰め、
ヒザをコツコツ、パンチをコツコツ。
石井も勢いの良いヒザを保坂のボディに数発叩き込む。
また試合は膠着、ブレイク。

もう一度打撃戦を挑もうとする石井、

そのパンチを潜って懐に入る保坂は一気に崩しに掛かる…が、石井は崩れない。
逆に石井は首相撲で保坂をコントロールし、顔面にヒザ蹴りを入る。
石井応援団から再び歓声が挙がる中、劣勢に立たされた保坂は、
圧力で石井をコーナーに押し込みヒザコツコツ、またまた試合は膠着。
これしか出来んのかい保坂。
石井が至近距離から保坂を殴りつけたところで1Rは終了。

…ハイ。展開に飽きた人はもう読まなくていいです。
それでも僕は書きますけどね、ええ。

2R、距離を取っての打撃戦の中、石井のストレートが保坂にクリーンヒット。
「打撃戦はイヤだ」と保坂は石井に組み付き、コーナーに押し込んでヒザコツコツ。
やっぱり試合は膠着、ブレイク。そろそろこの展開に飽き始める観客達。

石井の打撃に苦手意識のついた保坂、アゴが上がったままパンチを打つ。
そんな保坂にローキックを叩き込む石井。
「ローキックも苦手」と保坂は石井に組み付き、
コーナーに押し込んでヒザをコツコツ(以下略)、ブレイク。

で、試合が再開しても保坂は石井に積極的に近づき、
組み付いてコーナーに押し込んでヒザを(以下略)、ブレイク。

さらに再開、石井のストレートが当たるも、保坂は怯まずに石井に組み付き倒しに行く。

しかし倒す事は出来ず、結局はコーナーに押し込んで(以下略)。
段々と保坂に対する野次がキツくなる中、2Rは終了。

…って、何でこの試合は3Rもあるんだろう。

3R、ピリッとしない展開の中、
応援団のオネーチャンの「ねぇ、ガンバッてよぉ」というオネダリの声援を受けた石井、
ローキック、ストレート、ヒザと、保坂に積極的に打撃を当てていく。
そんな中、保坂は石井に組みつきコーナーに(以下略)。
いい加減に苛立っている石井、コーナーで組み付つくのみの保坂を突き放して、
近距離からのパンチやヒザを入れていく。
応援団は歓声を挙げるが、それでも試合は膠着、ブレイク。

ここに来て、チョコチョコともらっていた石井の打撃が効いてきた保坂、
あからさまに表情が歪み始めた。
チャンスと見た石井はパンチのラッシュとヒザ蹴りで更に保坂にダメージを与える。
対する保坂は、打撃にオッカナビックリながらも石井に組みつき(以下略)。
保坂に対する野次はますます厳しいモノに。

組み付かれた石井だが、
コーナー際で逆転すると逆に保坂を追い詰めて顔面へヒザ蹴りを連打。石井応援団から声援が飛ぶ。
これで鼻血が出てしまった保坂、「これ以上のダメージはもらうまい」と、
とりあえず石井をコーナーに押し(以下略)、ブレイク。

完全にスタミナの切れた保坂だが、石井のヒザ蹴りを食らいながらも(以下略)、
石井が突き放してパンチを連打したところで試合終了。

判定は3−0で文句なく石井。
応援団の歓声に、得意のダブルのサムアップによるダンスで応える石井。
更にはティッシュを会場に投げ込む大盤振る舞いだ。

それにしても保坂は全然ピリッとしなかった。
コーナーに押し込んでヒザをコツコツ、パンチをコツコツ…以外に攻めがない。
しかも、今回結成されたMEGATON、この人が一番戦跡が良いのだ。
ハッキリ言って、船木はismの事を言う前に、
MEGATONを何とかすべきだったのではないだろうか?
…イヤ、その頃にMEGATONがなかったのは知ってはいるが。

第四試合 契約体重無し 5分3R
○佐々木 恭介(170cm/84kg/U-FILE CAMP.com)
●鬼木 貴典(168/87kg/Team ROKEN)
[2R 3分03秒 腕ひしぎ逆十字固め]

結構、色々な興行に顔を出しているのに、
体の小ささの為か、U-STYLEでは目立たない存在になっている佐々木。
会場でのインパクトがかなり強いTeam ROKENの曲者・鬼木を倒せば、
少しは佐々木も目立つかな?。

「…45れっ!」。

鬼木、今日もチンピラスーツに身をかため「…45れっ!」、
札束よろしくティッ「…45れっ!」シュの大判振る舞いで入「…45れっ!」場、
リングに上がれ「…45れっ!」ば、
サングラ「…45れっ!」スを観客に「…45れっ!」投げ入れる。
今日の鬼木、左「…45れっ!」肩に巨大な絆創「…お前も45れっ!」膏を貼っての試合。
中々に痛「…お前も45れっ!」々しいのだ「…お前は何で45ってるんだっ!」が、
こう入場曲が「…45れっ!」とウルサイとそんな同情は無駄に思えてくる。「…45れっ!」。

1R、アンコ型の体形からハイキックを出したり、
半身の構えから背を見せたりと、相変わらずの曲者ぶりを発揮する鬼木だが、
佐々木はそのケツにキックを叩き込むと、自ら組みに行く。
だが、ここは曲者の真骨頂、スルスルとバックを奪った鬼木は、
そのまま佐々木をグラウンドへ引き込みスリーパーの体勢へ。あらっ、秒殺!?
だがここは佐々木が逃れてスタンドに、試合は振り出し。

84kgの割にはかなり細身の佐々木がパンチを出すも、
これに合わせて鬼木はタックルでテイクダウンに成功、サイドを奪う。
しかし佐々木は逃れて亀の体勢になると、上からかぶさる鬼木の腕を取って下からのアームロック。
意外な技に観客はどよめくも、これは極まらず。レフリーがブレイクを要請。

僕の隣のカップルの男に「ビーチにいそうなオヤジだなぁ」と言われる中、
鬼木は打撃戦から再びバックを奪い後ろからのヒザを腿に当てていく。
だが佐々木は前から腕を取ると一気にアームロックを極め、その勢いで鬼木をテイクダウン。
観客の歓声の中、グラウンドでギッチリ腕を極める佐々木。
極まるか…と思ったが、鬼木は何とか外した。佐々木が鬼木の顔面に鉄槌を落としたところで1R終了。
うむ、今までに比べると随分とピリッとした試合になったな。

2R、お互い距離をあけて軽い打撃で様子を見る中、
佐々木はまた自分から組みに行き、スタンドでバックを奪う。

「バックを捕るのはいいが、バックを捕られるのはマズい」、
鬼木は身体の向きを換えて佐々木と組み合い、コーナー際へと押し込んでショートアッパーを突き上げる。
これに対して佐々木も打撃で対抗し、再び鬼木と組みあうとその首をフロントチョークで絞める。
だが、体格で圧倒的に優位な鬼木、絞められたまま強引に佐々木を持ち上げテイクダウンを奪う。
チョークを諦めた佐々木が亀になって防御するも、鬼木はこれを崩してサイドポジション。

しかし、佐々木は流れの中でこれをリバース、逆に鬼木からサイドポジションを奪った。
応援団の歓声の中、ポジションをマウントに移行すると、
背を見せて嫌がる鬼木の腕を捕って逆十字の体勢。
腕は完全に伸びきった状態、もはや鬼木は脱出不能。
それでも長い間タップしなかった鬼木、レフリーが止めて試合終了。

勝った佐々木は珍しくマイクアピール。

「今日は沢山の応援、ありがとうございます(観客歓声)。
 そして鬼木さん、ありがとうございます。

 今日の一週間後、2月4日にU-STYLEの興行が、ここ、後楽園ホールで開催されます。
 皆さん、そちらもよろしくお願いします。」

…なんだ、ただの宣伝か。45れ。

第五試合 84kg契約 5分3R
○桜井 隆多(177cm/83kg/総合格闘技R-GYM)
●小野瀬 哲也(171cm/79kg/FIGHTING SPIRIT)
[1R 0分56秒 KO]
※左フック

レスリングの超エリートの小野瀬。
高校時代はインターハイ、国体の二冠王。
大学時代は新人戦でフリー、グレコローマンで四冠王、天皇杯でも優勝。
で、総合格闘技に転向してからも三戦三勝。
過去の三戦を見る限りでは打撃に難点はあるものの、やはりテイクダウンの技術は高い。

総合の試合は昨年3月以来となる小野瀬、打撃対策は大丈夫か?
ちなみに171cmで79kgと聞けばデブを想像するかもしれないが、
実際には見るからに脂肪分が少なさそうな体型、マッチョマン。

で、対戦相手は…、その小野瀬以上に筋骨隆々の修斗戦士、桜井 隆多。
その筋肉美をより美しく魅せる為か、今日はビキニのパンツで試合に挑む。
尻肉がパンツからちょっとはみ出て、ちょっとセクシー。

試合開始、桜井はジャブを出して小野瀬にプレッシャーを与える。
小野瀬もパンチを返していたが、桜井は一気にラッシュを掛けると、
その左フックが小野瀬の顔面をモロに捉えたっ!

腰から落ちていく小野瀬。
レフリーが止めて試合終了、思わぬ秒殺劇に会場が沸く。

…のだが、どうもこれはフラッシュダウンだったらしく、
小野瀬はすぐに立ち上がってファイティングポーズ、
自分の身に起きた事を確認するや、すかさず試合続行をアピール。
しかし、一度下った裁定が覆る事はなかった。悔しそうな小野瀬を尻目に、
桜井は自慢の筋肉を強調するマッスルポーズで気分良く写真撮影に応じている。

う〜ん、小野瀬はやはり打撃は苦手なのかな…。
決して弱い選手ではないと思うので、ここは本格的な打撃対策を期待したい。

---

20:10
休憩。
リング上にはDEEPラウンドガールが登場、
いつものように、ファッション雑誌・Spy MasterとSpy Girlの宣伝。
東海地区、関西地区、九州地区にて発売、東京じゃ買えんのお。
…って言うか、ファッション雑誌は買わんのお。

フト周りを見ると、格闘家名鑑号の「格闘技通信」を開いている人が結構いた。
このテの特集は、中小の興行を観戦する人にとっては大変にありがたい存在。
勿論、買った。…毎年、この号くらいしか買わない訳だが。

隣のネーチャン二人が、妙にディープな会話をしている。
「大場さんがAO/DCに入ったのは、松井さんが世話したからなんだよ」。
「はぁ、詳しいねぇ」なんて思っていたら…、
いきなり目の前にその大場が登場、オネーチャン達に挨拶する。
「ゴメン、今日は勝てなかったよ。
 パンチはそんなに貰ってないんだけどねぇ…」。
知り合いだったのね、詳しい訳だ。

で、気がつけば、開始直後はガラガラだった客席が埋まってきている。
八割〜九割くらいは入ったぞ、これなら満員マークが出せる。
良かったねぇ、佐伯代表。

---

第六試合 グラウンド頭部打撃無しルール 47kg契約 5分2R
○しなし さとこ(148cm/46kg/フリー)
●大室 奈緒子(145cm/47kg/和術慧舟會東京本部)
[判定 3−0]

SMACK GIRL 初代ライト級チャンピオンでありながら、軽量級故に対戦相手に恵まれず、
このところはテレビ東京の深夜番組「肉力強女」にて素人相手に強さを発揮するしかなかったしなし。
半年に公式の格闘技の試合の舞台は、初出場となるDEEP。インパクトを残す事が出来るか?
選手コール時には会場のあちこちから赤いテープが投げられた。女子プロレスみたいだな。

●しなし さとこのHP
http://www.globetown.net/~satokohime/

で、しなしの相手は、SMACK GIRLの成長株、しなしと同じくグラウンドが得意、
元々はダイエットが目的で慧舟會に入った大室。このところは三連勝中、大物喰いが期待される。
ちなみにこのカードは2001年6月9日のコンテンダーズ・女子アマトーナメントの決勝戦で実現しており、
この時はしなしが1R、腕ひしぎ逆十字で勝利。
この時の悔しさを思えば大室としては負けられない…のだが、
しなしだって久々の公式戦、健在をアピールするには勝たなくてはならない。
そんな二人の試合は「グラウンドでの頭部への打撃は無し」ルール。女子はこのルールの方がいい。

1R、復帰戦にかなり賭けていたのか、しなしが序盤からフルスロットルでガンガン攻める。
まずは再会のご挨拶。開始早々に大室に組み付くとあっという間に体勢を崩して逆十字を仕掛ける。
あからさまな秒殺狙いの展開に観客がどよめいたが、
以前負けた時と同じ技で敗れる訳にはいかない、と大室が凌ぐ。観客からは歓声が挙がる。

両者スタンドの展開、しなしは自ら組み付いて行くと投げを放ち大室をテイクダウン、
瞬時にして体勢をサイドに移行、再び逆十字を狙っていく…が、大室は必死に防御。
これはダメだと判断したしなし、すかさず足を捕って膝十字を極めに行く。
しなしの怒涛の攻め、ひたすら驚く観客。

膝十字を振り切った大室、ここで体勢をリバースして上になる。
…のだが、しなし、今度は下からの逆十字を二度に渡って仕掛ける。
大室は上になっても防戦一方だがいずれも極めさせない。
しなしはめげない。スタンドの展開から、再び腰投げで大室をテイクダウン。
狙うは腕十字、これも極まらない。今度はサイドからマウントを奪った…と思ったら、
意表を突いて足を捕り膝十字を仕掛ける。
攻め達磨と化したしなし、だが大室はやはりこれを全て凌いでしまう。

スタンドの展開の中、しなしは大室のキックをキャッチし体勢を崩してテイクダウン。
ハーフマウントから一気に上四方を奪ったが、ここで1Rが終了。
身体が小さい者同士ならではの大変にスピーディーな攻防に観客が沸く。
それにしてもしなしの嵐ようなラッシュは凄いな。この階級に敵がいなくなるのもわかるわ。

2R、しなしの手数が減らない。
打撃戦から組み合った両者、相撲のような投げの打ち合い。
お互いに一歩も譲らぬ展開の中、ダメージを与えるべくボディへのヒザ蹴りを出してくる大室、
しなしは逆に腰投げで投げ飛ばしてテイクダウンを奪う。

で、グラウンドでの実力差は圧倒的、
しなしはマウントやサイドをガンガン奪った後、再三再四の逆十字の体勢へ移行。
だが、上のポジションを奪われつつも大室はこれを凌ぐと、
上になってサイドを奪っているしなしの首を下から両足で挟んで絞めていく。
僕が久しぶりに見た「洗濯挟み」の光景、一発逆転…とはならなかった。

この後も上の体勢をキープし続けたしなし、
ポジションをガンガン移行しての逆十字、アキレス腱固めを狙っていくが、
大室はとうとう試合終了までしなしの技を凌いでしまった。
ゴングが鳴ると、観客は最後まで休む事なく闘い続けた両者に拍手を贈る。

判定、さすがに3−0のストレートでしなしの勝利。
それにしても凄い攻めだった。これなら外国人の強豪との対戦が見たいね。
対する大室もよく凌いだ。今日の一戦をバネに、更なる活躍を期待。

第七試合 76kg契約 5分3R
○門馬 秀貴(182cm/85kg/A-3)
●池本 誠知(180cm/78kg/ライルーツコナン)
[2R 3分53秒 肩固め]

戦績は今一つながら、
スピーディーでアグレッシブな試合ぶりで修斗ファンを魅了してきた池本、
何気にアマチュアリングスなんかでも優勝している。
初参戦となったDEEP 11th Impactでは、
第四試合に出場した佐々木 恭介を相手に判定で勝利している。
今日はその攻めで勢いのある一本勝ちが見たいねぇ。
足が長くて身体が細くて顔がイケてる池本、成程、人気が出そうだ。

対する門馬、PANCRASE 2002 NEO BLOOD TOURNAMENTの覇者…とはなったものの、
その後の戦跡は1勝2敗3分と振るわず、しかも全部判定決着。
いかんねぇ、ここらで一本勝ちしないと。
それでも筋肉質で顔はイケてる門馬、
「SAEKI祭り」で男色 ディーノとの対戦は大変だっただろうて。

ちなみに今日は両者ともに76kgに合わせての試合。
門馬はかなり体重を落としている…って事か。
パンフレット曰く「日本一のイケメンファイター対決」、いかにもDEEPらしい煽り。

1R、池本、まずはロープに飛んで門馬を牽制。プロレスファンなのか?
対する門馬、ローキックからパンチを繰り出しつつ池本に接近、
組み付いてから投げを放ちテイクダウンを奪うと、インサイドガードの体勢に。
池本、下から足をクロスしてのクロスガード+腕掴み、門馬に何もさせない。

門馬、まずは掴まれた腕を振り解き、密着状態からコツコツとパンチを入れていく。
更に上半身を起こしてのパンチを狙うが、池本は下からの蹴り上げで門馬を蹴る。
門馬は立ち上がって様子を見るが、池本の長い足を前にしては懐に飛び込む事も出来ない。
これを見たレフリーがブレイクを要請、試合は振り出し。

池本反撃。長い足からの前蹴りを放ちつつ門馬に組み付き、
ロープ際で門馬の足を崩してテイクダウンを奪う。
すかさず立ち上がってイノキアリ状態、トリッキーな動きを見せつつパスガードを狙うが、
門馬は池本にパスを許さない。池本がやや棒立ちになったところでブレイク。

両者、再度スタンド。門馬はパンチで攻め、そのうちの一発が池本の顔面を打ち抜いた。

チャンスと見た門馬は組み付いていったが、池本はロープ際で逆に差し換え、
またしても門馬の足を崩してテイクダウンを奪う。
ピンチになった門馬はクロスガードで防御、そのクロスを振り解いて立ち上がる池本だが、
先程と同じ展開、やはりパスガードをする事が出来ない。レフリーがブレイク。

池本のヒザ蹴りで門馬を攻めようとするが、
門馬はこれに合わせてタックルで組み付きコーナー際まで押し込んでテイクダウン。
門馬はインサイドガード、池本はクロスガードで防御…なのだが、ここで1Rは終了。
イケメン対決は一進一退の攻防、中々にいい試合である。

2R、開始早々、池本のフックに合わせた門馬のストレートがモロにヒット。
観客が沸く中、門馬はラッシュを仕掛けるべく前に出てパンチを繰り出すが、
池本は前蹴りで門馬を倒しイノキアリ状態。ここは池本が様子見、ブレイク。

試合再開、門馬は尚も前に出て、パンチから池本に組み付くとコーナー際へと押し込んでいく。
コーナー際での差し合い、これを制したのは門馬、投げを放って池本を倒す。
インサイドガードの門馬、クロスガードで防御する池本。
門馬は一旦立ち上がってから再び池本の懐に潜るも、ここで待っていたのは池本の下からの三角絞め。

だが、これを凌いだ門馬は体勢をサイドに限りなく近いハーフマウントの状態にする。
そしてここから一気にパスガード、ついに池本からマウントを取った。
下からスイープを狙う池本だが門馬はバランスを取ってマウントを崩さない。
ここから池本の首を絞めに入る、肩固めの体勢だ。
観客の歓声の中、池本は必死にもがくが…この絞めから逃げる事は出来なかった。

試合終了、門馬、久しぶりの一本勝ち。
いい勝負を制しただけに、今日の嬉しさは格別のものだろう。
またPANCRASEあたりで活躍が見たいものである。

第八試合 契約体重無し 5分3R
○滑川 康仁(181cm/90kg/フリー)
●今村 雄介(170cm/90kg/高田道場)
[2R 3分22秒 TKO]
※レフリーストップ

このところ、桜庭を含めて今一つ結果が残らない高田道場、
イマムの愛称で知られる今村も、PRIDEでは全く結果を残せずにいる。
2002年10月のThe BEST以来の試合となる今村、調整は大丈夫なのか?

対する滑川は今年1月8日に自身のジムをオープンしたばかり。
場所は東急田園都市線、あざみ野。東京の道場である。モロに都下だけど。
道場の名前は「RISE」。RINGSに綴りが似てる事や、RINGSのシリーズ名にRISEというのがあり、
「上に昇るという」意味も好きだったのでこの名前になったそうだ。

●「RISE」の事は滑川に聞け!
滑川の公認応援サイト「R FIGHTER」
http://www013.upp.so-net.ne.jp/rfighter/index.htm

さてこの試合、実はお互いにとって「やりにくい試合」らしい。
その理由は単純、滑川が高田道場に出稽古に行っている時に、
この二人は何度かスパーで肌を合わせているのだ。
それでも滑川は、
「相手はプロ。リングに上がれば殺すつもりで来るだろうから、
 こっちも殺すつもりでいく。」
と物騒ながらも力強いコメントを残している。
その言葉通り、殺伐とした試合になるのだろうか?

1R、滑川は当日の体重95kgで挑んだ今村の足にローキックを叩き込む。
対する今村は、レスリング出身者らしく片足タックルで滑川に組み付き、
そのままパワーに任せてコーナー際へと押し込んでいく。
滑川はコーナーを背にしつつ、尚も押し込んでくる今村にヒザを入れていき、
今村は至近距離からのアッパーで応戦、
お互いに遠慮のないところを見せたが、試合はやや膠着、ブレイク。

スタンドの展開、再びタックルで滑川に組み付く今村。
組まれてもパンチで応戦してくる滑川を無視して、またまたパワーでコーナー際へと押し込む。
観客席からは応援団の子供の「今村先生、ガンバレッ!!」の声が飛んで、
その声援に応えて、今村は滑川をテイクダウン、インサイドガードで上になる。

…のだが、今村先生、この後が続かない。
クロスガードをとる滑川にコツコツとパンチを入れていくが、
パスガードを狙う様子もなければ、極めにいく仕草もない。
しかも、時折上半身を起こしてパンチを入れようとすると、
逆に滑川の下からのパンチをパコパコと喰らってしまう。
結局、ただ上になるだけで何も出来ない今村、レフリーがブレイクしないわけがない。

試合再開、滑川はヒザとパンチで今村を苦しめていくも、
今村は再び滑川に組み付いてテイクダウン、インサイドガードからパンチを打っていく。
しかし相変わらず、気の強い滑川の下からのパンチもチョコチョコ喰らっている、1Rが終了。
今村先生、折角、教え子が見に来ているのに、なんだかピリッとしない。

2R。開始早々、パンチとヒザでガツガツと今村を攻め込んでいく滑川、スタンド勝負希望。
その希望は通らず、今村はまたまた滑川に組み付いてコーナー際へと押し込む。
だが滑川はそれでもスタンド勝負希望、ボディへパンチをコツコツを入れ、ヒザを叩き込む。
今村はそんな滑川を更にコ−ナーへ押し込むと、片足を捕って体勢を崩しテイクダウンを奪う。

…のだが、相変わらず今村は上になっても何もしない。
今村はパンチを入れようとすると、滑川は組み付いたりブロックしたりで防御。
試合はたちまち膠着状態、レフリーがブレイク。…これじゃ今村、勝てんわい。

結局、最後は滑川が望んでいたスタンド勝負で決着がついた。
スタンドの展開の中、ローキック、ストレート、ヒザ蹴りが今村にヒットしていく。
嫌がる今村は滑川に組み付き、首を捕ってフロントチョークで絞めていく。
だが、これを抜いた滑川がヒザ蹴りを出すと、これがモロに今村の顔面を捉えた!!
放った滑川が勝利を確信する程にガツンと入ったこの一撃で今村が崩れていく。
観客も歓声を挙げて滑川の勝利を称える。

…が、なんとゴングは鳴らずに試合続行。観客は動揺気味。
青息吐息の今村だが、亀の体勢をキープして滑川の片足を捕ろうとする。
だが滑川はそんな今村には同情せず、上からパンチの雨あられ。
試合前に言っていた「試合になれば殺すつもりでいく」という公約にウソはなかった。
今村は反撃できず、その場でうずくまるのみ。さすがにレフリーが試合を止めた。

それにしても今村先生、折角、高田道場に通う子供達の応援があったのに…。
上になるのは良いんだがそこからの攻めが何もない。これでは第三試合の保坂と何も変わらんぞ。
もっと攻める姿勢を見せていかないと、道場に通う子供も減っていくだろうなぁ…。
高田道場の看板は重いだろうがそれでもそれは自分の選んだ道なのだから、
この一敗に腐る事なく再び精進して欲しいものだ。
プロ格闘家としてあげた勝利が、ジョー サンからの一勝だけではあまりにも笑えるし悲しい。

第九試合 90kg契約 5分3R
○長南 亮(177cm/90kg/U-FILE CAMP.com)
●松井 大二郎(175cm/80kg/高田道場)
[3R判定 2−0]

長い間、実力がありながら認知されていなかった長南だが、
2003年9月15日のDEEP 12th Impact、修斗のカリスマの一人・桜井 "マッハ" 速人を倒してついにブレイク。
…だが、折角の勝利もPRIDEやK-1まわりの昨年末の大きな話題の渦の中で、
ややインパクトが薄くなってしまった感がある。
ま、本日、高田道場の選手から一本勝ちすれば、
いきなりPRIDE本戦はムリでも、PRIDE 武士道になら出場できるんじゃないかな。

対するは…正直、掛ける言葉もなくなった感のある松井。
PRIDEの舞台では、日本人選手として期待されながらも、強豪相手に連戦連敗。
2002年12月のPRIDEでは、長南と同じジムのU-FILE CAMP.comの大久保と試合し判定勝利したものの、
その後は総合の表舞台には全く顔を出さなくなってしまった。
格下を相手の判定勝利…程度では、それまでの敗北のツケは払えない…という事か。
そう考えると、復帰の舞台がDEEPというのもなにやら意味深だ。
松井が再び表舞台に立ちたいのなら、
こういう舞台でコツコツと勝ち星を重ねて客を納得させるか、
PRIDE統括本部長の高田 延彦にゴマをするか、どちらかしかないだろう。

…と言う訳で、この試合の図式としては、
「昇り調子の長南 vs 崖の底から這い上がろうとする松井」
という事になるんだろう…なんて思っていたが、
良く考えりゃ「U-FILE CAMP.com vs 高田道場」なんだから、
「田村 vs 桜庭の代理戦争」と書いた方が伝わり易いのか?
でもなぁ、長南はU-FILE CAMP.comの中でも、仲間とは一緒に練習しない異端な存在だし、
松井…と言うよりは、高田道場は桜庭以外の選手は実績残ってないしなぁ…。
ちなみに両者の当日体重は、長南が84.3kg、松井が88.4kg。
松井という選手を改めて見ると、意外にマッチョな身体をしている事に驚かされる。

1R、気の強い両者は早くも殴り合いになるが、
松井は長南の打撃を掻い潜って片足タックル、長南からテイクダウンを奪う。
「松井先生、ガンバレッ!!」という教え子の声の中、
クロスガードで防御の姿勢をとる長南に対して、松井はその身体を持ち上げてスパインバスター。
いかにも松井らしい攻め、観客から声が挙がる。

コーナー際でのグラウンドの攻防。
下から腕を捕ろうとする長南、松井は捕られた腕を抜いてパンチを落とすと、
一旦立ち上がってパンチ、再び長南の懐に潜ってパンチ、と果敢に攻める。
だが、再び立ち上がろうとした松井の顔面に、長南の下からのキックがヒット。
長南応援団からは大歓声が起こる。

再び長南の懐に潜った松井、インサイドガードから勢い良くパンチや鉄槌を落とす。
が、長南も下からのパンチで応戦、しかもこれで松井は流血。
この後この体勢が約2分半も続いてしまい、結局1Rはこのまま展開なく終了。
ちょっと試合は膠着、とりあえずここまでは互角か。

2R、距離の中、長南はローキックとフックをガツンと決める。
だが続くキックは、松井にカウンターの片足タックルを合わせられてしまった。
されども長南の攻めは終わらない。下からの三角絞めで反撃だ。
長南応援団からは歓声が挙がるが、松井は強引に持ち上げてパワーボム気味にマットに叩きつける。
長南はしつこい、今度は腕ひしぎ逆十字に切り替えて極めにいく。
松井、今度は強引に腕を抜いてこれを脱出。

インサイドガードの体勢の松井…だが、
長南はクロスガードで松井を固定すると、下からの鉄槌を突き上げて松井を攻める。
これに対して、松井も上からのパンチで応戦、一旦立ち上がってのパスガード狙い。
しかし長南は下から蹴りを出して松井を近づけない。
それでも松井、再び長南の中へ飛び込みインサイドガードからパンチを落とす。
対する長南、クロスガードから下からの鉄槌で反撃。試合はやや膠着、レフリーがブレイク。

スタンドから試合再開。
松井、再び片足タックルで長南からテイクダウンを…奪えない。
長南は松井のタックルをガッシリと受けると、粘りに粘って松井のタックルを潰してしまった。
長南応援団の大歓声の中、亀になった松井のバックを奪った長南はそのままスリーパーの体勢へ。
観客は大興奮状態、長南はバックからの顔面パンチとスリーパーを何度も何度も狙っていく。
…が、結局は極める事は出来ず、そのまま2Rが終了。
それでも長南応援団は大喜び、「勝てるぞ、長南っ!」の声が飛ぶ。

3R、長南はローキックで松井を牽制するが、これに合わせて松井はタックル。
かわした長南はさらにタックルに来る松井の顔面にパンチを叩き込む。
ガクッとヒザが落ちる松井、応援団から大歓声が発生。
それでも松井はしつこくタックル、長南はかわしきれずについに崩される。

…と、松井に千載一遇のチャンス到来、サイドポジションだ。
ピンチの長南、下から組み付いて防御、さらにはヒザ蹴りで松井を攻める。
これに対して松井、コツコツとパンチや鉄槌を入れていく…のだが、これ以上の攻めがない。
折角のチャンスなのに攻めきれない松井に長南応援団の挑発の声が飛ぶ。

で、やっぱりブレイク。
松井先生、頼むよ、ホント。

スタンドの攻防、ローキックやパンチが交差する中、
松井はしつこく組み付いていく、が、何と今回は長南が松井を崩してテイクダウン。
応援団の大歓声の中、ハーフマウントの体勢になった長南…だが、下から組み付く松井を前に何も出来ない。
コツコツと顔面にパンチを入れてはいったが、気がつけば体勢はインサイドガードに戻される。
下からのパンチも結構もらってしまい、展開もなく、ブレイク。
長南は折角のチャンスを生かしきれなかったか?

イヤ、チャンスは自分で作るもの。残り一分、長南が勝負に出る。
打撃を頼りに一気に突進するとヒザ蹴りが何発も松井にヒット。更にはストレートの追い討ち。
嫌がる松井がタックルに行けば、これに合わせての飛びヒザ蹴りが出たっ!!
ガツガツと打撃を入れられた松井は体力切れ。
長南は自ら組み付いていきテイクダウン、上からパンチをガンガン落としたところで試合は終了。
終了直後、応援団の歓声を前に長南は自信の表情を見せる。
だが、松井も再三再四のタックルで上になったのは俺だっ!と言わんばかりの自信の表情。

そして判定は…2−0で長南。
会場は応援団による大「長南」コールが吹き荒れる。
これに対してガッツポーズで応える長南。
反対に松井は、この裁定にかなり納得がいかない様子。
この判定を聞いた直後は「ウソだろ!?」という表情、
イライラしながらリングの中をウロウロ、佐伯代表に詰め寄るシーンも。
会場に興行の終了が告げられ、観客が去っていく中でも、
松井はリングの中をウロウロしていた。

確かに、個人的にはドローで問題ない内容だったように思える。
だが、何よりも問題なのは、普段はミドル級の長南に、
普段はライトヘビー級の松井が互角に渡り合ってしまった事にあると思う。
それを考えればこの判定は妥当。
松井はもっと自分の攻めにバリエーションを持つべきだ。

---

雑感:
まずは…。高田道場の二人は、
片足タックル以外の攻めを考えて欲しいですね。
あと、上になってからの攻めも。お願いします、ホント。

で、今日の興行、後半は結構盛り上がったような気がするんですが、
全体的には大人しい興行だったように思います。
何と言うか、あんまり佐伯色を感じない興行だった…と言うか。
正直、これで6500円は高いなぁ…。

---

以上、長文失礼。




本稿の著作権はすべてKANSENKI.NET及び「書き手」に帰属します。

戻る
TOPへ