1/11GAEA 後楽園 「文子奪冠」
■団体:Diamond!
■日時:2004年1月11日
■会場:後楽園ホール
■書き手:凸ユーレイ

 あいかわらずよく入っている GAEA 後楽園。やはりクラッシュ世代、自分と同年代か少し下の女性が多い。
 なぜか外人がチラホラ目に付く。映画のおかげで、英米では GAEA 幻想があるらしいからか。そう言やガイア・ボーイズってどこに行ったんだ?笑 継続的に育成してるんじゃなかったのか?

 ついでに日本語ベラベラで外人なのかどうか微妙なセインカミュもいた(笑)。前にパンクラスでも見かけたな。魔界魔女軍団のボスこと、元・日本女子プロレスのエース小畑千代さんも最前列に。

1.林ひとみデビュー戦
○里村明衣子(8:38ダイビングボディープレス)×林

 11月に観にいったとき、セコンドに身体のデカイのがいて、練習生か珍しいこともあるもんだと思っていた。この日の観戦の目的のひとつはこの試合。GAEA で新人がデビューするのは、クラッシュ・ジュニアの桜井亜矢以来。

 林、全体的な雰囲気はドレイク森松似。GAEA だと加藤天美っていましたね、あんな感じではなかったか。そのじつ、顔立ちだけ取り出してみると、脇澤美穂似の素朴なルックス。

 ほとんど素材のまま、ポンと放り出すようにデビューさせる全女に対し、他の諸団体、特に GAEA、旧アルシオンは、新人をきちんと作り上げてから市場に出すように思う。作り上げ方はケースバイケースで、GAEA1期生や浜田・秋野のような、旗揚げ前後の即戦力用の特別高いレベルから、高瀬のような技を限定した普通のレベルまであるが。

 この林も、身体ができており、それを活かしたカウンターの体当たりで小さい里村を何度も吹っ飛ばす。耐久力も既に備えており、里村が新人の相手ということから我々は当然、映画の一コマ、竹内とのスパーリングを想起せざるを得ないが、あそこまでのガチドロップキックは無いにしてもそれなりに厳しい里村の攻め(側転の着地と同時にスネを首筋に落とすヤツとか)をよく返していた。


2.長与千種、○山田敏代(2:32押さえ込み)アジャコング、×豊田真奈美(フリー)

 年末の興行で、敗れた豊田を介抱する山田が、尾崎に「傷の舐め合いか。似た者同士だな」と罵られ、怒って「豊田とだけは一緒にするな」と言い返した、という一件があったらしい。それを受けてのマッチメイク。

 ゴング直前。4人で4通りの組合せのうち、山田と豊田の間でだけ握手が行なわれない。意識し合う両者。はやる2人を抑えた長与とアジャが少しだけ絡んですぐにタッチ。  豊田の顔面蹴り。そう、天龍の蹴りをさらに下手クソにしたようなプロレス流の、かえってシューズが直撃して痛そうなアレである。

 山田はバックドロップで反撃。ところが何度連発しても、豊田が「アイー」と起き上がってくる。そこで山田も蹴りを乱打。 さらに押さえ込み。これが、2人のルーツである全女式のもの。2度は返した豊田だったがしつこくそのまま強引に押さえ込まれて3カウント。

ここまであっと言う間。
 なるほどこういう因縁の深め方もあるのね〜、っていう。
 長与とアジャは、この日めちゃくちゃ楽な仕事。

3.○植松寿絵、輝優優(15:40メリケンサックで殴打から片エビ)×永島千佳世、シュガー佐藤

 シュガー、膝の負傷から10ヶ月ぶりの復帰戦は、ベストパートナー永島とのタッグ。プロレスをしたくても出来ない、そんな思いを乗り超えて帰ってきた、いまどんな心境だろう… と少し感情移入。

 対するは、真性ヒールの道に踏み出し始めたばかりの植松組。いかにも引き立て役に終ってしまいそうなシチュエーション、もともとシュガー・永島組は好きだった私だが、輝に何とかのし上がって欲しい気持ちももちろん強く、複雑な思いである。
 輝は新コスチューム、ブラウンのセパレート。ずっと見慣れて来たパンタロンではなく、太モモを出している。地味。

 シュガーの色、真っ白のテープが大量に飛んだ中、それを片付けさせないままその両膝を急襲する植松組。
 その後もずっと、試合はこの、治りたての膝をめぐって進む。シュガーも、2人まとめてラリアットでなぎ倒す、体当たりで吹き飛ばす、さらにはライガーボムと得意技を見せるが終盤には戦闘不能に。孤立する永島を捕らえたヒール組、普通に攻めても勝てそうなものをわざわざ凶器を使用してピン。まあ引き立て役で終らなかったのはひとまずよかったんだが…

 周囲の声援は当然シュガー達に集中していて、人数の多さがより熱気の含有割合を多くしている GAEA の客層から、植松組の行為はガチで嫌がられている。植松はまだしも移籍して日々の経たない輝に対しては、感情移入もほとんどなされておらず、こういった戦い方が、憎まれるというレベルに到達するでもなく、尾崎のような愛される?認められる悪役像ともならない。ただ単に、嫌がられている。う〜ん、なんだか切ない。
 ま、輝には、自分の選んだ道なんだから、悔いが残らないようにやれ、と。それだけ

 あ、永島は、たしか闘龍門のミラノが使った動き(2人重ねて足4の字)をさっそくパクッてました。笑

 植松マイク「治ったから出てきたんじゃないのか? そんなになるならまだ休んでろ。こっちはお前が休んでる間も仕事してんだよ、チャンスもなく前半戦でな!」
 輝も、永島及びセコンドの里村(2人は現タッグ王者)に「お前らには負ける気がしねえんだよ」
 植松「10年やってきて、一度も3Aに挑戦したこと無いんだよ(本当はあるらしい笑)! 挑戦させろ」
 永島「お前ら冗談は試合だけにしろ。チャンスが無い? 当たりめーだろ、自分が悪いんじゃねえか(正論である)。まあ、同期のよしみで受けてやる。ただし、お前らの人生最初で最後の挑戦だ」最後、退場していく輝に対して「早く帰れこのゴリラ!」


4.○尾崎魔弓(フリー)(13:31キャメルクラッチ)×広田さくら

 リングアナの呼びこみで前フリ「今日は後楽園ホールの屋根の上にゲストが来ているそうです」Vが映し出され、野外で高田延彦のマネと思われるメイク(アゴ割れ、ヒゲ濃)を施した広田の姿が。以下、ハッスル1のパロディと思われるスキットがありましたが元ネタを知らないためさほど笑えず。
 「男の中の男と見こんだ選手を送り出す!」の言葉の後に流れたのは「ドラえもん」の主題歌。全身着ぐるみ+ペイントの広田入場。広田さくらえもん、らしい。

 この一連の小芝居のあいだの、尾崎の仕種が秀逸。呆れてるんだか退屈なんだか、コーナーの隅でウンコ座り、携帯灰皿で煙草吸う。何度も言うがホール内は禁煙だぞ。

 異常に膨れ上がった不思議なポケットからさっそくタケコプターを取り出して装着、しきりにジャンプして回そうとする広田。「ドラえもんじゃねえじゃん」と気持ち悪がる尾崎。
 こっぴどくやられ、いじけて「のび太クンのイジワル!未来に帰る」と言い出す広田。すかさず観客に「帰れ」コールを煽る尾崎。
 逆に、バカ負けして「やってられっか」と帰ろうとする尾崎に「のび太」コールで戻ってくるよう促す広田。それがいつの間にか、セコンドの長与を指して「ジャイアン」コールに変わり、伊東レフェリーに向かっての「スネ夫」コールに変わる。スネ夫と言えば、OZ 興行のアナウンサー・ポリスが永島のことを「実写版スネ夫」と紹介していたなあ… ポリス今なにしてんのかな。

 本来の試合でないのにセコンドに対しては、「触るんじゃねえよ!」などと兇暴に接する。笑

 ドラえもん口調で「ジャ〜マン」と言ってから技をかける。
 「どこでもドア〜」と叫び、「えっ?ホントに?」と尾崎が覗きこんでくるところ「あるわけねえじゃん」と張り手をかます。
 尾崎も、ポスト最上段から仕掛けようとするさい、ついついタケコプターを拾って装着してしまう。笑
 裏拳の打ち合いになるのだが、双方が身を屈めて躱わし合い、それが無限に続いてお互いぐるぐる回りすぎて気持ち悪くなってしまう、というネタは笑った。花道奥で観戦のアジャも満面笑みを浮かべてました。


セミ 里村、○カルロス天野(14:20前方回転エビ固め)デビル雅美、×ライオネス飛鳥(フリー)

 この試合の冒頭、トイレ+煙草休憩をとる。実は直前が本来の休憩時間だったんだが、GAEA の後楽園は混み過ぎるので。
 外へも場外乱闘の音は漏れてきていて、席に戻ると飛鳥と里村、すんごい張り手の打ち合い。どうしても、体格で劣る里村が劣勢。この体の小ささが、この世代のどうにもならない弱点だよなあ…
 その後も、勿体つけてからの吊り天井の競演や、飛鳥のダイビングフットスタンプwith机に続けてデビルまで飛んだり、千両役者であるベテラン組の独壇場かと思いきや。

 天野がカルロスゴーン(スタンディングのままノーモーションで飛びこんで決めるヘッドバット)2連発、飛びつき腕ひしぎなどで効果的に反撃、最後も、アルゼンチンに抱えタワーハッカーボムを狙った飛鳥の、背後を滑り降りて丸め込みで勝利。

 ベテランの持ち味も十分発揮され、展開も速く、結末の意外性、爽快感と、この日のベストマッチ。

 試合後デビル「里村さんよ〜。天野に持っていかれちゃったね。メインでは文子がタイトルマッチ。あんたはこれでいいの?」
 ちょっと詰まってから里村「自分はまだまだです!一歩一歩がんばります!」コレ、雰囲気が少し、昔の斎藤了みたいで面白かったのだが、デビルに言われずとも、ニセ侍キャラになって以降の里村は目立たない。

 デビルのマイクも余計なお世話だし、お船ちゃんの一件から嫌味さが鼻についてイメージ急降下中。ただ、試合中、敵のセコンドの永島に、
「さっき宮口のことをゴリラってお前も猿じゃねえか」と輝を庇って言ってくれたのは、大袈裟に言えば、まだ師弟の絆が残っていたのかとちょっと嬉しい。


メイン AAAW シングル選手権 ○浜田文子(挑戦者、新間事務所)(13:25変形APクロス)×ダイナマイト関西(王者、フリー)

 昨年11月、豊田と関西のタイトルマッチで感じた、GAEAの「決め技のプロレス」「大見得のプロレス」。その時と違ってこの日は、よりスピードのある浜田のペースで進んだこと、スピンキックを多用した浜田の方が関西のスタイルにより合ったこと、などからか、その特徴がいい方に出たと思っていた。途中までは。

 フィニッシュがなあ… APクロスを返された文子が、改良型の新技で勝利!とアピールしたかったのだろうが、肝腎のその新技が地味。っていうか、宮崎(NEO)のチーズスターと同じやんけ。ま、もともとそのチーズスターもえべっさんのえべす落としパクリ、そらに一番最初は南条隼人の技らしいんだけど。笑

 さらに関西の、グリーンフォールもダイハード関西も未遂に終わり出ずじまいだったこともあって、終焉を唐突に迎えた感が否めず。

 う〜〜ん。文子のシングルでいい試合って無いな。3,4年前、アルシオン時代の日向戦以降。アジャに勝ってアルシのチャンピオンになったときも、アッサリ勝っちゃった、みたいに終ったことを思い出す。

 ともあれ、予定通り?中継ぎ王者が、全女のタイトルを失ったばかりの挑戦者に敗れる、という結末でした。




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