12/07 全日本女子 後楽園ホール
■団体:全日本女子
■日時:2003年12月7日
■会場:後楽園ホール
■書き手:しま
会場に入ると珍しくビートルズの「LET IT BE」がかかっている。「おっ、バカ売れしてるとかいう
LET IT BE NAKED、今井氏が買ったのかな?」と思いきや、よくよく聴くと、何と今やすっかり大ヒ
ールとなってしまったフィル・スペクター仕様の旧ヴァージョンだった。さすが全女だ。

暮れに狂気の大バコ三連戦があるせいか(それでも埼玉スーパーアリーナ大会を断念するマトモさ
だけは残っていたか)客は少ない。
今井リングアナが登場して、、、
「見渡す限り、人、人、人!ですね〜」
と、また自虐的な挨拶から大会は始まった。
「客席で横になって見れていいかもしれないですよ」
たしかに、、、。

第一試合
スパーリング10分 ○高橋裕美 VS 水嶋なつみ× 1−0 スリーパー
新人2人によるスパーリング。浜口ジムの練習生だったふたりの攻防は、いわゆる全女の新人の押さ
え込み合戦とは違って完全に格闘技的なグラウンド中心、、、一月に正式にデビューする時このふ
たりはプロレスっぽい動きとかできるのかなあ?それ以上に、中西ファンだったこのふたりが、中
西のいなくなってしまった今の全女でどんなことを考えながらデビューを迎えるのか知りたい。夏
に後楽園で挨拶した中西ファンの練習生なんか一瞬でいなくなったことを考えると、もしかして根
性あるのかも。
スパーリング終了のすぐあと、ハアハア言いながらリングを拭き掃除してる姿が微笑ましい。

第二試合
さくら(ニャンニャンプレス→体固め 10:10)×お船
さくらVSお船の試合に対しては、「またやんのー?」という声が客席から飛んだが、我慢ですよ。
それにしても、また音響が著しく悪い。歌うお船ちゃんが、いつマイクを投げつけて怒り出すかと
ハラハラするくらいヒドイ音だ。バックには前回さくらから奪ったキッズたちがついて、いっしょ
に歌い踊り、試合が始まると「お船ちゃんガンバレ!」と声をあげる。その声にさくらは「え?」
とショックをうけるが、そこは「フン!」と流して試合を進める。はっきりいってとってもつまん
ない試合です。今井氏のお言葉通り、ホントに階段席で横になって寝てるオヤジ発見(笑)。
試合後、お船ちゃんがさくらに「あんたは子供たちにプロレスを教えている時が一番美しかった!」
と言うと、さくらが「え、試合は?」お船「試合はチョット、、、」これはきっと本音に違いない。
お船「女子プロレスを盛り上げていきたい気持ちはいっしょですよね、これからもがんばっていき
ましょう!」
ということで、一応このふたりの戦いには決着がついた、、、のかな。みんなで歌って大団円。


第三試合
 ○伊藤(ライガーボム→エビ固め 8:53)×サソリ
久しぶりの試合に以前よりさらに愛想の無い様子で入場する伊藤。対するサソリはファングをセコ
ンドにして元気なく入場。
試合が始まったとたんファングが乱入し、サソリに加勢するも、サソリはファングが投げたチェー
ンをいきなり取り落とす。一年ぶりの全女での試合がこんなサソリ相手じゃやる気が出ないのもわ
かるけど、伊藤のほうも「おしり行くぞー」をやったくらいで、トペもフットスタンプも出すこと
なく、あっさり圧勝。サソリはファングに背負われて全女式退場、、、だらしなさすぎ。

休憩
渡辺がリングに上がり、「本当は今日から出たかったんですが、ドクターストップがかかってしま
いまして、復帰は1月3日になりました。もうブリッジとか練習もしてるんで大丈夫です!」とニコ
ニコ笑顔で挨拶。3日にデビューする新人も挨拶させるため呼ぶ。ふたりが中西ファンだったことを
よく知っている渡辺が「目標とする選手は誰ですか?」と質問すると、水島が「なかに」まで言った
ところで「はい、わかりました〜」と答えを遮り、そつのない答えをした高橋を誉める。それを見た
水島が「訂正、、、渡辺」と言うのをゴツンと殴り、場を和ませる。

そのあと「わたし、来年はいちばん悪いといわれている厄年なんです。お客さんのなかにも厄年の
人とかツイテない人とかいると思うんで皆で厄除けツアー行きません?朝、目黒に集合して、浅草
に神社ありますよね?(寺だと思うが)あそこにお参りして、おいしい天丼食べて、花やしきでた
くさん遊んで、、、それで電車で帰ってくるの!」と突然厄除けツアーの提案。それがあまりにも
楽しそうに聞こえて、今日初めて客席がほのぼのとした空気と笑いで包まれる。浅草ツアーにはバ
スではなく、電車で行くのだそうだ。それは「私、電車にあんまり乗ったことないんで切符の買い
方とかわからなくて、この前もお金入れて待ってたけど切符が出てこなくて、、、いまって、タッ
チパネルなんてことになってるんだね!」という渡辺の、また電車に乗ってみたい!という願望な
のだ。うう、可愛い。

第四試合
○高橋(シャイニングウイザード→片エビ固め 13:40)×ファング
極悪入りしてから乱入や乱闘を繰り返している(といっても全然コワクないんだが)ファングに対
して、高橋が「シングルでかたをつけてやるよ!」と言って決まったこの試合。う〜ん、これは苦
しい。
極善としかいいようのないファングが、極悪キャラを押し通すのはもう限界にきている気がするし、
高橋もなんとなく冴えなくて、とてもいま赤いベルト云々するようなところにいないような気がす
るし、、、深く考えると陰気になるのでやめよう。

▽タッグリーグ・ザ・ベスト公式戦
第五試合
 ○井上京、Hikaru=2点(ラリアット→体固め 20:01)×納見、井上貴=2点
本当だったら、この試合は今日のメインだったのだが、京子組が夕方からNEOの大会へ出場するの
で、セミに差し替え。
メンツ的にも華やかだし、Hikaruをのぞけば強さも見せられる選手が揃っているというのに、全く
そういうものは見せる気がないような試合。貴子と京子がバチバチとはやりにくいのはわかるけど、
貴子が試合中に京子に「なんで睨むのお?」などと話し掛けて客から笑いをとったりするのって、
タッグリーグの公式戦としてはどうなの?客を笑わせたいなら、NEO でやればいいじゃないですか。
貴子は完全にただ楽しんでるし、納見は腰が痛いのか、まったくいいところないし、最強の京子は
その場に合せて“今日は楽しく”バージョンだし(あとはHikaruのコーチ役)Hikaru はすっかり
京子に頼って甘えきってるし、、、。全女のタッグリーグ戦だというのに、誰ひとり「負けるもん
か!」と思ってない、という試合なのだった。選手が減り続けていまや女子の団体のなかでも弱小
団体になりつつある全女が、他にはないものを見せようとするなら「負けん気」しかないんじゃな
いのか?

▽タッグリーグ・ザ・ベスト公式戦
第六試合
前川、○前村=4点(変形前方回転エビ固め 17:59)×A・コング、イーグル=4点
この試合がセミからメインに変更になったのは、メインに出るはずだった選手たちの都合で決まっ
たことだけれど、そんな出来事を自分を輝かせるチャンスに変えてしまうのが今の前村だ。今日の
大会は前半からず〜っと低調で、セミも公式戦にしてはあっさりしたものだった。それが最後の最
後に、前村の必死の一発大逆転技に、会場は大爆発、客席は興奮の坩堝と化した。
もう、何も言う事はない。
今日はこれが見られただけで胸がいっぱいだし、ほかのつまらない試合のことはもう忘れる。この
一試合のためだけに今日はあったのだ。
相手のイーグル&コングも素晴らしいコントラストで小さな前村を引き立ててくれたし、そして必
ず前村の良さを最大限に引き出してくれる前川の腕前と、それに必ず応えて試合をその日のベスト
バウトにひき上げてしまう前村には惚れ惚れとする。心から満足♪
ところで「早紀ちゃん」本人は、すでに全女の隠れエースとなっているのでは?と思うような会場
の雰囲気に気付いているのだろうか?



その後(10日)に、納見が引退することを発表した。来年の4月18日の後楽園大会で引退するらし
い。いまの全女にとっては致命的な損失に違いないけれど、辞めたいものはしょーがない。

今の私の願いは「前村が、一番輝けるこのリングだけは、失われてほしくない!」それだけかも
しれない。





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