ノアとタランティーノの関係
■団体:NOAH
■日時:2003年11月1日
■会場:日本武道館
■書き手:ロッソネロ
 行ってきましたノア武道館!さすがに1試合目から客席はほぼ満員。この前の全日とは雰囲気が違って、メジャーの香りが漂う。あえて不満を言うなら、満員なのでふんぞり返ってゆったり見れないことぐらいか。

第1試合 菊池 百田 VS 橋 鼓太郎

 見てません。込んでる会場を掻き分けて席に着いたらもう終ってました。

第2試合 本田 IZU VS 雅央 館長

 これもあまり見てません。メンズポッキー食ってたら終っていた。『泉田や雅央、多聞はかつて秋山と一緒に「新世代4天王」なんて呼ばれた時もあったよねー。罪だよねー』と、姉と一緒に話してました。

第3試合 秋山 彰俊 金丸 VS 田上 池田 川畑

 入場のテーマ聞いて「これ、どっかで聞いたことあるなー」なんて言ってたら田上がぬーっと出てきた。今の彼のポジションはそんなもん。中締めにはふさわしいファイトだった。だが、ベルト挑戦はもうかんべんしてくれ・・・アッキー達もそれに付き合うように試合が進みました。まあ、休憩前にふさわしい試合かなー。

第4試合 三沢 力皇 VS 高山 佐野

 高山って最近、腹が出てきてないか?背のデカサよりもそっちの方が気になった。で、試合の方はこれまた中締めにふさわしいテンションで進行。高山と三沢の絡みももうちょっと見たかったのだが・・・最後は力皇が佐野をピン。今の力皇は三沢のパートナーぐらいがちょうど良いポジションなのかも。この2人でタッグ王座に挑戦するのも悪くない。試合後に越中が登場、三沢に対決を迫る。しかし、全身黒ずくめの服だったので、私達を含めた2階席の客は「蝶野か!?」と絶望的なまでの勘違い。あーあ・・・。
越中ってノアに入るのかな?

第5試合 WLW世界ヘビー級選手権  森嶋 VS ヨネ

 ヨネはとても良い動きで試合のペースを作っていた。それに対して森嶋は・・・フィニッシュの流れは素晴しかったものの、ヨネが頑張らなければ、前回のハリス戦の二の舞となっていただろう。ただ、森嶋にシングルの経験を積ませるという狙いは間違っていない。まだ若いし、ここでブーイングを飛ばすのは早計かな。

第6試合 GHCジュニアヘビー級タッグ選手権
丸藤 KENTA VS フービー マルビン

 動きもいい。技も素晴しい。アピールも良い。アドリブも良い。でも、なんか足りない。何が足りないかと言うと、起承転結がない。
 スゴイ技が出る―客が沸く―しばし落ち着く―スゴイ技が出る―客が沸く―・・・試合の全体的な流れだけを見ると、この単調な繰り返しなんだよね。よって、試合にストーリーが無く、感情移入しづらくなるため、途中からどっちが勝っても良いような感じになった。確かに、この試合の見所は素晴しい技の数々。特にフービーとマルビンの動きは圧巻の一言に尽きるが、心には響いてこなかった。映画に例えれば、マトリックスのような試合。アクションも素晴しい、CGも凄い、ビジュアルも良い。でも、なんか足りない。確かにマトリックスの見所はストーリーではないから、「脚本が甘い」って言うのは野暮なのかも。この試合も「新感覚プロレス」なのかな?

第7試合 GHCジュニアヘビー級選手権  杉浦 VS 外道

 前の試合がマトリックスなら、この試合はB級映画の代表作リーサルウェポンかな?この試合には一応の起承転結があり、外道のセコンドの邪道と元無我の竹村がちょくちょく試合に介入して大いにブーイングを浴びた。しかし、最後は完全無欠のオリンピック予選スラム2連発で杉浦の勝利。私はしょぼくてもこういうストーリーのある試合の方が好きなんだけど・・・。今度は杉浦とライガーとの一騎打ちを見てみたい。

第8試合 GHCヘビー級選手権  小橋 VS 小川

 この試合って確か3年前に広島で行われた小橋対大森の「大森制裁マッチ」の焼き直しだよね。小橋のチョップで小川が鉄柱に頭をぶつけて倒れた瞬間、誰もが「小川、額から流血かな」と思っただろう。その後も小橋が3年前同様、傷口へのチョップや、ナックルを食らわし、最後はラリアットでピン。ただ、3年前と違った所は、小橋が序盤から圧倒しなかったこと。前半はむしろ小川が足攻めを中心に試合を引っ張っていた。気になったのはやはり小橋の動き。98年ぐらいの全盛期に比べ、3割ぐらいは動きが鈍くなっている。フィニッシュのラリアットも足腰に力が入ってないせいか、説得力が少し欠けた。小川にしても前半あそこまでやったのだから、血が出た後も、もう少し小橋をいじくる展開があっても良かったかな。でも全体的に見ると「普通に」良い試合。ただ、小橋がハーフネルソンなどの危険な投げ技をしなかった(出来なかった?)ために、ちょっとがっかりしたファンも多かったのでは?試合後、「小川って弱えー」との声が。小川ってノアではチャンプに成れないのかねぇ。まあ小橋勝ったからそれで良いのかな。


 結果的には小橋が勝って一応大団円ていう感じ。でも何かまとまり過ぎてる様な・・・。
 ノアっていう団体は、映画で言うと「キル・ビル」のタランティーノが5年前に作った「ジャッキー・ブラウン」だよね。この映画、主役の女性俳優は無名なんだけど、脇役はハリウッドスター級の俳優を集めたんだ。で、タランティーノはどうしたかというと、脇役のスター達に「脇役らしく振舞ってくれ。主役を立てるような演技を心がけて」と言ったらしい。スターと呼ばれる人って、周りの存在感を消しちゃうよね。そうすると、無名な主役よりも脇役が目立ってしまって、「映画のバランス」が悪くなると考えた。だから、タランティーノはこの主役の女性の存在感を消さないためにも、脇役のスター達に「普通」になることを求めた。その結果、この映画はとてもシャープに良い映画に仕上がったけど、同時に俳優の演技を束縛したせいか、タランティーノらしい癖のある個性は無くなって、彼のファンからは評判が悪く、「普通すぎる」って批判を浴びた。
 今日の試合もそう。三沢や秋山、高山といったスター達も試合をもっと面白く出来るのに、動きを抑えて前座は前座なりの、中締めは中締めなりの試合をしていた。なぜかと言えば、「バランス」が崩れるから。メインよりもその前の試合の方が面白いっていうのは結構あることだと思うけど、そうなってしまうと、興行全体のバランスがゆがんで、最終的に「良い興行」にはならない。「良い試合」よりも「良い興行」これがノアの基本のスタンスなんだろうね。その代わり、三沢や秋山が活躍しない分、彼らの個性が出ないのも事実。個性や事件的な物を求める人はノアには来ない。私もどっちかといえばその内の一人。特に秋山にはそれこそノアのバランスを崩してしまうような行動が求められてると思うのだが・・・





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