2003.8.31 Oz主催興行 後楽園ホール
■団体:第9回OZアカデミー主催興行
■日時:2003年8月31日
■会場:後楽園ホール
■書き手:maya(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

昼の全女でダフ屋のおっさんが、夜のOz興行の前売りは売り切れで夜は闘龍門に行くといっていたが、開始30分前に行くと指定席は本当に全て売り切れ。今迄尾崎はライブハウスやクラブみたいな会場で、なかなか聖地後楽園ホールには踏み切っていないのだが、これだけタレントそ揃えれば大丈夫かという感じか。ただ、これなら武道館とは言わないけど、代々木第二くらいでは出来るよね。

それにしても最近のGAEAでも無い客の入り(主催者発表2200人超満員札止め)で尾崎もさぞ満悦だと思うが、それ以上に昼の全女の流れ客(私もそうだが)の影響もあるのか、会場は選手入場式から出来上がっている。
そりゃ、見るだけでスゲエというのが集めちゃっからね。だけど、見るだけでスゲエ奴等の方のテンションもこの日はやたら高かった。
尾崎の挨拶は、「これだけ入ってくれてチョーうれしいよ。もうこれで帰ろうかな」と言うと飛鳥に頭をはたかれる。「今日は優勝チームに500万の賞金があるトーナメントで、負けたらノーギャラだからな。」本当かどうかは別にしてこういう話を作って仕込むところが尾崎の可笑しさ。

ここで恒例になったポリスのカード紹介とワンポイント・アドバイス。このポリスのワンポイント・アドバイスが笑わせてくれる。

1.○尾崎魔弓・KAORU(シャイニングヤクザキック→スクールボーイ 18:26)×井上貴子・大向美智子

ポリスに言わせると、今日唯一女を感じさせてくれる試合だそうだ。キャットファイトが楽しみだと言っていたがポリスの言う通りの試合展開に。貴子は昼の全女と同じコスチュームだが、白を基調としたスッキリとしたデザイン。私が見た貴子のコスチュームの中でこれが一番似合うんじゃないかな。大向は、SM調のヴィサールというか、エロエロしたもうこれはほとんど下着。お尻のラインをもっとカットしたらセイブルともためられるという感じな萌え萌えコスチューム。

何で尾崎達が第一試合から出て来るんだと思ったら試合を見て理由が分かった。第一試合なのにD-Fixはいきなり凶器を使いまくりで大向を流血させ、しかも首輪付きのチェーンを大向につけて引き摺り回す。なんとも美味しいシチュエーション。

その後、貴子も流血させられ、おかえしとばかりにKAORUも流血。そして最初はあまり事情が良く読み取れてなかったような貴子がやっと察知したようで、執拗にスタンガンでビリビリ攻撃をしてくる。ビリビリで裏拳を打とうとしたのはさすがにハッとしたが、Oz興行とはいえ、声援は貴子・大向組の方が多く、D-Fix主催側なのにやっぱりヒールでブーイングなのが可笑しい。

更にキレた貴子は執拗に尾崎にイス攻撃をし、尾崎も大出血。これは鼻骨を折ったんじゃないかと思うようなダメージで顔面が真っ赤になる。そんなこんなで、第一試合なのにとっちからった試合展開に、会場のテンションは異様に盛り上がる。第一試合から場内ストンピング攻撃が起きてしまった。

結局これだけタレントを揃えてしまうと、和気あいあいと顔見せ的な興行のような感じで終わってしまう場合が多いのだが、違うんだよと、今日はガチなんだよと尾崎は参加選手に知らしめたんじゃないか。プロレスのガチ、しかも女子プロレスのガチで見せるモノは半端じゃないぞ。シュートのガチとは訳が違うからな。それにより、今日出て来る選手は異様にテンションが高い。

それにしても、貴子がこんなに光った試合は初めて見た。しばらく見ないうちに芸域が広がったのかな。

しかし、第一試合から異様なテンションなのだが、今日のこの興行の恐ろしさは、第一試合からこのテンションが上がることはあれ下がることがなかったことである。

2.ライオネス飛鳥、○アジャ・コング(裏拳→片エビ固め14:41)×下田美馬、カルロス天野

私の予想だと天野・下田組が決勝に行くもんだと思ってのだが、尾崎の今日の意図はそこに無かったので私の予想は外れまくりだった。

まあ、飛鳥・アジャなんていうのはある意味組むこと自体が反則なコンビだと思うけど、下田にとっては二人とも因縁浅からぬ相手。もしかしたら、この二人と対戦するのは今日が最後かもしれない。

一応ホストの天野がいい動きを見せる、相手をグランドで翻弄しつつ、アジャと頭突き合戦をしたり。だけどそういう時ってどうしても、エプロンの下田の方に目が移ってしまう。天野のがやられると自分がやられたかのようにアクションする。ガチで試合に入りこんでいる美馬姐のプロ意識には頭が下がる。

下田が飛鳥の大技を受けまくって、最後はアジャから惜別の裏拳を食らう。場内にピシッと乾いた音が聞こえた今迄に無いカウンターのハードヒットで崩れ落ちる下田。
飛鳥達はさっさと撤収してしまったが、あまりに下田らしい美しい散り方に場内は大喝采の拍手が。ここに来て下田美馬の尊厳さを改めて確認出来た。今更ながらだが私にとって美馬姐がプロレスラーとして特別な存在になってしまった。あまりにいろいろなことが詰まった試合。

3.神取忍・○イーグル沢井(スクールボーイを切り返して→体固め6:40)×デビル雅美、井上京子

京子とデビルさんの入場だけでご馳走様という感じだが、輪をかけてやはり神取はカッコイイ。なんかここまで来ると試合はどうでもいいというような気分にもなってしまう。こりゃ歌舞伎の世界だね。しかも、この中で神取が一回り小さく見えてしまうところがスゴイ。まあ、デブばっかということだけど。

試合は京子とイーグルの肉弾戦が中心になるのだが、なんと言ってもデビルさんと神取が向き合う場面がなんとも。こんなシーンがあっていいのか。二人が向き合うだけで場内の緊張感は最大限になる。

試合はデビルさんが力負けという感じになるのだが、その大先輩デビルさんを思いやる京子が妙にいい感じ。役者がこれだけ揃えばどうにでもなるという展開だけど、神取やデビルさんの絡みやデビルさんと京子の関係と心地好い新鮮な違和感があった。それにしても京子はやけに楽しそうだった。

4.長与千種、○ダイナマイト関西(スプラッシュマウンテン→エビ固め7:54)×永島千佳代、三田英津子

ラスカチョ解散から、イマイチ元気の無い三田のえっちゃん。永島と組んでどう見せてくれるかというのが興味だし、永島ファン私にとってはこの試合が一番の期待。女子プロレス界、一番のノッポとチビのコンビだけどね。

それにしても、長与の愛想の無いこと。永島の立体殺方をことごとくパワーで押しつぶしてボロ雑巾のように扱う。いくらなんでもそりゃ無いだろうというところだが。

それでも打たれ強いしスタミナもある永島はめげずに関西に立体技を掛けていき、いちいち会場は驚嘆の声が出る。恐らくこの日初めて永島を見るという人もいるんだろうが、初めて見た人にとっては鮮烈じゃないか。正直モノが違う。

再三仕掛けられる関西のスプラッシュをあれやこれやと切り返していたが、最後は見事な迄にに持ち上げられてやられてしまった。三田・永島組はSSUの時に組んだことがあるかもしれないが、もう少し見てみたかったな。二人とも「ふてくされ光線」出しまくりだし、二人とも黄色だしね。


ここで、QK。ロビーに行くにも長蛇の列。女子トイレに至っては通路のチケットを確認する所迄列が伸びて、思わず休憩時間は延長に。通路で堺屋太一先生と目が合って思わずお辞儀をしたら、先生もニコっと笑って会釈をしてくれた。この先生はとにかく感じがいい。先生に「今日は大盛況ですね」と声をかけたら「大盛況だね」と安心したように答えてくれた。先生もかなりご満悦なようだ。

5.尾崎魔弓、○KAORU(首固め15:20)ライオネス飛鳥、×アジャ・コング

ここから準決勝。相変わらず主催者尾崎組はアウェイ状態で、飛鳥効果かアジャにまで大声援が送られる。エニウェア・アウェイというのが尾崎の宿命か。

試合は予想通りの大乱戦。コールの後にD-Fixが奇襲をしてアジャをKAORUが紙テープでミノムシ状態にして、机片で殴りまくるのも可笑しいが、尾崎は飛鳥をバルコニーから下に落とそうとする。飛鳥が落とす所は良く見るけど、飛鳥が落とされるところは珍しい。しかも、下で逃げ切れないおっさんがいて妙にヒヤヒヤした。

D-Fixは前の試合ではラフ一方で、この試合もラフ中心だが、やっと技も出して来る。D-Fixの場合ラフの中で、奇麗な技を出して来るところが魅力なんだけど、KAORUのヴァルキリー・スプラッシュをカットされたのは少し頭来たが、ムーンサルトの美しいこと。今やムーンサルト・プレスなんて当たり前の技になってしまったが、美しさといえばKAORUが一番ではないか。

しかし、この日はアジャもノリノリ。飛鳥がトペを打った後に、すかさずアジャも渾身のトペを打つ。これは大迫力。だけど一番ダメージを受けたのはつかまえていたセコンドの広田で、かなり痛そうだった。なんかこの女、何をやらせても美味しいね。そして背面エルボーもいつもと威力が違うというか、リングがきしみそうになって、もう目が点。

プロレス文法を無視する尾崎だが、こういう所は守るというか、後半はD-Fixの技の受けまくり。そりゃ、素で見りゃどう考えても、尾崎・KAORUよりも飛鳥・アジャの方が強いに決まっているよね。というか、アジャと飛鳥が組むこと自体反則だと思うんだけど。そういえば、アジャと飛鳥がGAEAが組んだというのは、DOAの時だったと思うけど。相手は尾崎・北斗withサニー・オノオで、この時KAORUもDOAでいい仕事をしていたんだけど。ちなみにDOAのもう一人のメンバーが園子ね。活動期間は短かかったけど、私にとって最愛のユニットだった。まあ、そんなことはどうでもいいんだけど、受けまくりヘロヘロになっているKAORUがアジャのデスバレーを技名は分からない丸め込みでピン。しかし、このKAORUのキレがね。文句の言い様が無いでしょう。

6.○神取忍、イーグル沢井(裸締め0:17)長与千種、×ダイナマイト関西

神取・長与と言ったら、女子プロレスの伝説に残るカード。GAEA2年目に神取・大向vs長与・佐藤というのがあったが、それ以来かな。先にLLチームが入場し、関西の後に長与の入場。長与はリング下迄来るとリング上の神取とメンチを切り合う。これだけで、場内はどよめき、大歓声に。二人とも役者の器が違う。鳥肌が立つような緊張感と格好良さだった。

試合はというと、長与がイーグルをカットしている間に、神取に関西が締め落とされて、あっさり終わり。なんか長与がマヌケような感じがしたがしたが、Oz興行ではクラッシュの扱いは悪いので仕方ない。

試合後に長与が神取をマウントに取り殴ろうとすると、LLPWの若手と私服の里村や輝がリングに上がって来て、一発触発の雰囲気をどうにか抑えるが、お楽しみはこれからということか。関西だってこのままじゃ行かないだろうし、たった17秒の試合でゾクゾクする展開。

ここで、再度QKで、決勝はD-FixとLLPW組みの500万円争奪戦。それに尾崎と神取がやるとはね。

7.神取忍、○イーグル沢井(エビ固め13:03)×尾崎魔弓、KAORU

再会の郷愁とか関係なく、いきなりD-Fixが奇襲をして神取を鉄柵に手錠でくくりつける。リング上ではイーグルが3人掛かりの凶器攻撃やKAORUのハードコア・セントーンを食らう。だけど、見た目通りだけど、イーグルはタフだね。すぐにLLの若手がケーブルカッターを持って来るが、なかなか外せない。その間神取の怒りはMAXに達する(だけど、なんであんなデカイケーブルカッターをすぐ持って来れるんだよ。前にやられたか用心していたのかな)。

手錠がやっと外れてリングインし鬼神のように闘う神取はお決まりとはいえ、迫力満点。中盤からはラフな展開ではあるが要所要所では的確な技が出たりして、ここがD-Fixの面白い所。特に尾崎が神取とグランドの攻防になって、尾崎が神取に脇固めを極めて嬉々とした表情になっていたのがたまらない。

最後は尾崎がイーグルに力ずくでやられたという感じだけど、LLの二人は毒霧も浴びさせられたし、なんか最後は4人ともボロボロという感じで、お疲れさまでした。

勝ったLLチームには賞金500万円と副賞にはシャネルの首輪。シャネルの首輪というのが良く分からないのだが、イーグルが持たされている所が可笑しかった。

そして尾崎が全選手にリングに上がるように促すと、観客を起立させて恒例の万歳三唱。恐らくこの日は昔からの女子プロのファン、GAEA、LL、全女、JWP、ラスカチョetc.といろいろなファンが集まって来たであろう。そういう様々なファンが本当に一緒になって心から嬉しそうに万歳をしている。この光景は壮観だった。

今日の試合は、最近の女子プロレスはどうのこうのとか、ベテランがどうのこうという批判に対する尾崎の返答であろう。未来も過去も現在が存在しなければ成り立たない。これほどの興行を見せられたら、過去も未来も、ベテランも若手も関係無いように思える。問題はどうやってこの輪に入るかである。こんな興行をやってしまって、次のOz興行はどうすのかという心配もあるが、この日の興行が女子プロにとってこの日限りなのか、今後の起爆剤になるのか注目したい所である。

最後は、尾崎、天野、シュガー、永島のOzオリジナルメンバーで再度万歳三唱。試合中にはブーイングを受けていた尾崎が控え室に戻ると大尾崎コールが起き、拍手。尾崎が見えなくなるまで、観客は尾崎を見守り誰一人として席を離れない。このことが、この日のOz興行の全てを物語っている。




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