ケツにキスする格闘家なんて誰も見たくねぇよ!
■団体:PRIDE GP 2003
■日時:2003年8月10日
■会場:さいたまスーパーアリーナ
■書き手:タカハシ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)
昨年の「DYNAMITE!」のような夏の大一番のイベントを1つ選ぶなら、今年はこの「PRIDE GP」になるのだろう。個人的な好みとしては、G−1他を露払いとして昨年のように8月末くらいに開催にしてもらいたかったのだが、まぁコレは仕方ないか。
今年は11月のドーム大会が公式には年内最終興行となるようで、年末の猪木祭りにトップ選手を用意できるという配慮なんだと思う。猪木が中休みで「今年は高い山から放送したい」と言っていたのはフジに乗り換えますよ、という予告なのだろうけど、何故か今日のスポーツ報知では「富士山で興行」とボケた事を書いていた。
フツー記者席あたりでお互いに確認し合うものだと思うが、マジボケなのか報道規制なのか?
この発言自体は猪木のフライングでスタッフは真っ青になってると思うけどなー。

<第1試合:○エミリヤーエンコ・ヒョードル 対 ×ゲーリー・グッドリッジ(1R1分09秒:マウントパンチ連打へのレフ・ストップ)>

パンチ力のある場合はアップセットの可能性もあるのだが、この場合は力の差が有り過ぎた。ヒョードルが立ち技でも圧倒し、テイクダウンを取って殴れる体勢になった時点でもうGG心折れてましたけど。
ひと昔前ならK−1の方が上位概念として存在し「K−1でも見てみたい」などとフジのアナウンサーも言っていたものだが、今やそのK−1の選手がこぞって総合の練習を始め、PRIDEへの鞍替えを図っている・・・という噂だ(ちょっと弱気)。
まぁ『PRIDEの門番』だけにPRIDE王者は最敬礼で通らせるという感じだな。

<第2試合:×アリスター・オーフレイム 対 ○チャック・リデル(1R3分09秒:左フックでのKO>

北米ではアリスターの勝利は常識らしいが、自分はUFCでの実績からリデルかなぁと予想していた。ところが試合が始まると、リデルはどうにも動きが悪く「これじゃあPRIDE対UFCアングルもお終いじゃん」と思ったところで、高田によるとアリスターの油断から出た遊びの動きがキッカケで、右のロングフックからのパンチの連打で逆転負け。アリスターは惜しい星を落としたなぁ。
試合中小池栄子が「この試合でUFCとPRIDEのこれからが決まる」とか言っていたが、小池栄子がそこまで気にする必要はないような・・・。

<第3試合:○クイントン"ランペイジ"ジャクソン 対 ×ムリーロ・ブスタマンチ(3R判定2−1)>

「パワー対テクニック。犬対匠」というキャッチコピーのアオリ映像。アローナからムリーロへの変更は自分的には歓迎だが、寝技系ならともかくジャクソン相手に3日前のオファーでよく受けたと感心する。まぁBTTの信用問題に関わるからなんだろうけど。
試合は1Rにガードからの十字やフロント・チョークで確実なポイントを稼いだブスタマンチが、2,3Rを危なげなく凌いで(お客さんちょっと引いてたけど)判定勝利をモノにした・・・と思ったらなんとジャクソンの判定勝ち。さすがにブーイングも起こっていたし、解説席でもブスタマンチ勝利を前提に判定を待っていただけに、ちょっと困っていた様子だったが、柔術愛好家という事を抜きにしてもどうにも説明のつかない判定に思えた。
アメリカ人が一人も残らないと(リデルは残ったけど)アメリカでのPPV購買数に影響が・・・という事情もあるのかも知れないが、今までで一番不可解な判定じゃないかな。まぁブスタマンチ再登場はすぐにも実現しそうなので、それだけが救いかな。

試合後に『PRIDE GP徹底検証』という番組があったので、一応この試合だけざっと見たが、2Rのヒザ、3Rのローがブスタマンチにダメージを与えていたという判断らしい。
そもそもよく判らないのだが、『マスト』はトータルで見て、どちらか一方に必ず勝者を決めなくてはいけないものなのかと思っていたのだが、どうもラウンド毎に優勢な方を必ず決めて、取ったラウンド数の多い方が勝ち、という事なのかも知れない。格闘技はよくわからんなー。
「皆さんの思っている方が勝者です!by石井館長」じゃないのね。

<第4試合:○アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ 対 ×リコ・ロドリゲス(3R判定3−0)>

ガードポジションから攻めるノゲイラを凌ぐリコ、という前の試合と同じような展開となり「さっきジャクソンに入れちゃったしなぁ・・・」とリコに入れる人も出てくるのかと思ったら、アッサリ3−0での判定勝ち。前の試合がなければここまで釈然としない気分にはならなかったんだけど。正直に言って今までのノゲイラの試合では一番面白くなかったが、これはリコが強かったのか研究されてきているという事なのか。
どうせならマイクでブスタマンチの判定への不満をぶちまけて欲しかったな。

<中休み>
猪木が登場し本人は詩だと思っているフシのある即興のアイサツの後、マッハや三島、滑川や高瀬が呼び込まれて『PRIDE武士道』の予告編。マッハは猪木から張り手をもらっていたが、嬉しかったかな?
この世代くらいがギリギリ猪木の晩年を見ているかどうか、というところかな。ビデオがあるとは言え、『ダーやるおじさん』としか認識ない人も多くなってるだろうな。
気が付くとアーツやコールマンまでいたが、K−1やPRIDE本戦で通用しなくなった人たちが、プロレスじゃなくて日本人を中心とした『PRIDE武士道』(もうちょっと考えたネーミングにすれんばいいのに)に鞍替えすると考えればいいのかな。そういった意味でも10日のフジの放送での視聴率が気になる。

<第5試合:ミルコ・クロコップ 対 イゴール・ボブチャンチン(1R1分29秒:左ハイキックでのKO)>

もう誰も勝てそうな気がしないくらい強いミルコ。ボブチャンチンもここで勝てなくても、いい試合ができれば再浮上かなとも思ったが、試合前に対峙した顔を見たら「早く帰りたい」という顔をしているので「こりゃダメか」と思ったら案の定。とは言えここまでミルコが強いと、ボブチャンチンを攻めるわけにはいかないんだよな。
K−1とはかなり微妙な関係であるとは言え、ここまで存在が大きくなってしまうとK−1側も切り捨てるわけには行かなくなってしまうだろう。K−1GPの優勝者と春先にワンマッチなら・・・という条件も、フジの意向に押し切られてしまいそうだし、ミルコには勝ち続ける限りはワガママ放題で暴れまわって欲しいもんだ。

<第6試合:○吉田秀彦 対 ×田村潔司(1R5分06秒:袖車)>

田村はテーマ曲をどうするのかと思ったら新曲での登場。試合開始からは左のインローで試合をリードしていた田村が、パンチで倒して吉田が下になってもジャンピング・ストンピングなど交えつつ顔面パンチで攻め込んでいたものの、吉田の立ち上がり際にヒザを入れようところを(邪念が入っているからかもそう見えたのかも知れないが)島田がプロテクトして流れが変わる。
スタンドから強引に上を取った吉田が袖車に捉え「落ちてる、落ちてる」と吉田が申告する前に田村がタップ。田村も意地を見せたし、ここ数ヶ月では一番興奮した試合だった。

<第7試合:ヴァンダレイ・シウバ 対 桜庭和志(1R5分01秒:右フックでのKO>

わかってはいたが予想通りの結果に哀しい気持ちになってしまう。昨年のミルコ戦でも感じたが、過剰に桜庭に期待をかけられるのを見ているのが辛くなってきた。なんで桜庭対田村を持って来なかったんだろう?
今回桜庭はウォリアーズ仕様のプロテクターでの登場。試合開始からシウバの打撃に付き合っていたが、途中ポーンとシウバを突き放した時には力強さを感じたものの、やはりというかパンチでのKO決着となってしまった。
桜庭がを今後どう活かしていこうと考えているのかは判らないが、PRIDE最大の功労者として失礼のないようにして欲しい。でも『PRIDE武士道』も都落ちというイメージになりそうだしなぁ。そもそも最初からミドル級を89キロ以下にしておけば何でもなかったような気もするけど。

試合後シウバが「私の一番の友達」として百瀬さんを紹介。多少のブーイングの中、当然アナウンサーは百瀬さんが喋っている事には全く触れる事のない『石ころ帽子』状態でアイサツを始める。内容は当たり障りのないものであったが、これから慣例となるのだろうか。




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