7/13 修斗 後楽園ホール興行 観戦記
■団体:修斗
■日時:2003年7月13日
■会場:後楽園ホール
■書き手:高倉仮面
18:00
後楽園ホール到着。今日は修斗の観戦。

今日の観戦理由…らしいものはあんまりない。
強いて言うなら、休憩以降に出場する選手に知っている選手が多かった為である。
あとは、暫く修斗を観ていなかったので「ここらで目を肥やしておくか」という感じ。
何だかんだで選手や試合のレベルは高いからね、修斗は。
でも本音を言えば、大阪で行われているDEEPの方を観たかったのだが…。

とりあえずチケットを購入、S席6000円を払って会場入り…って、
オイオイオイオイ、べらぼうに高いなっ!!
当日券は「A席は完売」って事になってるらしいが、どうせウソだろうし。
軽い気持ちで観戦しに来た割には、随分な出費になってしまった。
一見さんはこのチケット代を見たら帰るだろうな。全くもって酷い話だ。


18:10
後楽園ホール入り。
で、パンフレット購入、1000円。

後楽園ホールで売られている修斗のパンフレットは大変に出来が良い。
試合についての見所や選手の戦績、修斗の組織活動の報告、今後の展望、
各種トピックス(他団体での活躍から結婚話まで)、花くまゆうさく氏の四コマ漫画。
機関紙としての色合いも強い修斗のパンフレット、結構、読み応えがある。
サイズもA4よりも小さいコンパクトサイズ、持ち運びも便利だ。
これから修斗を初めて観戦するって人には、是非、試合前に買って読む事をオススメする。

但し、年に一度のNK興行で売られるパンフレットについては、
値段が倍になる上に内容が薄くなるので、あんまりオススメしない(笑)。

ちょっと遅れての会場入り。で、呆れた。
予想通りA席はガラガラだったのだ。こんなにガラガラなら、A席売れよっ!!
全体の客入りは6割〜7割程度。決して大入りとは言えない動員数だ。
…って、これって今年の一月に修斗の観戦記を書いたときも同じ事を書いているなぁ、
やはり佐藤 ルミナや桜井 "マッハ" 速人がいない時の修斗はこんなモノなのだろうか。
「パンフレットの出来が良くても、肝心な観客を動員できないんじゃなぁ…」と思いつつ観戦開始。

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第一試合 フェザー級 5分2R
○小塚 誠司(164cm/58.9kg/PUREBRED大宮/クラスB)
●ルシアーノ アゼベド(172cm/60kg/ブラジル/RFT/クラスB)
[判定 3−0]

パンフレットによると、アゼベドはルタリブレの軽量級では敵なし状態。
「リオデジャネイロ選手権優勝5回、ブラジル選手権優勝2回。
 ホンの数年前までなら、いきなり王者との試合で初来日が決定してもおかしくない実績」
と煽られている。確かに素晴らしい戦績だ。
で、対戦する小塚、修斗での戦績は2勝1敗1分。アゼベドを迎え撃つにはちょっと頼りないか。
その小塚、選手コール時に真っ直ぐな正拳突きと前蹴りのパフォーマンス。
その昔「カラテカ」ってTVゲームがあったなぁ。何となくそれを思わせるような動きだ。

1R、お互いの様子見から小塚が右フックを繰り出すと、これがモロにヒット。
アゼベドが早くもダウン。観客から歓声が沸き起こるが、アゼベドのダメージは少なさそうだ。
で、予想通りカウント8でファイティングポーズ。

試合再開、その直後に小塚は組み付いてのヒザ蹴りからテイクダウンを狙う。
が、アゼベドは小塚の片足を捕ってバランスを崩し、
そのままバックを奪うと、おぶさってのスリーパーを極める。
小塚の体勢が崩れてグラウンドの展開、
バックマウントの体勢から尚も絞めてくるアゼベドのスリーパー。
この時点で残り4分30秒。小塚、一転して万事休すかっ!?

…と思ったら。
アゼベドはバックの体勢をキープしたまま殴りつつ、何度もスリーパーを極めようとしたが、
小塚は比較的冷静にバックパンチを入れて抵抗する。
これに手を焼いてしまったアゼベド、結局、チャンスをモノに出来ずにラウンド終了を迎えてしまった。
この間、シュートサインが出なかった事を考えると、
小塚はシッカリとこの不利な状況から逃げ切ったと言えよう。

2R、極めきれずとも1Rの手応えから「グラウンドでは自分が上」だと思ったのか、
アゼベドは何度も片足タックルによるテイクダウンを狙う。
1度目、2度目は切った小塚、だが3度目はバックを奪われてしまった。
アゼベドはバックからの投げを放って小塚のバランスを崩すと、再びおぶさってのスリーパー。
しかし小塚は振りほどき、逆にアゼベドの上になってサイドの体勢、更にはマウントを奪う。歓声が起こる。
だがアゼベドは、下からバランスを崩して小塚のマウントを振りほどく。
ならば、と、小塚はグラウンドに拘らず立ち上がった。
アゼベドも身体を起こそうとするが、
その立ち上がり際に小塚の1・2がヒット。観客からは歓声が。

で、ここからは一進一退の攻防。
アゼベドに組み付いてテイクダウンを奪った小塚、マウントを奪って逆十字を仕掛ける。
だがアゼベドはこれを外し、バックマウントを奪ってパンチを落とす。
ここから小塚が脱出して猪木アリ状態、ローキックやらパンチ等でダメージを与える。
寝ている状態から小塚に組み付いてきたアゼベド、再びバックを奪ってスリーパーを極めようとする。
これを崩した小塚、逆にバックマウントの体勢。
しかし、アゼベドもこの状態を崩してバックマウントを奪い返す。
だが、さらに崩した小塚、スタンドからタックルを仕掛ける。
アゼベドがタックルをガブッたところで試合終了。
両者共に休まずにアグレッシブに攻める姿には好感が持てる。

判定は難しいか…と思っていたら、
1Rのダウンが響いて小塚が3−0のストレート勝ち。
う〜ん、小塚は1Rは攻められる場面の方が圧倒的に長かったんだがなぁ。
試合全体でのスリーパーによる攻めも見て、
アゼベドの勝ちにしたりドローにする人もいると思ったのだが、こんなモノかねぇ。

そんな中、小塚は雑誌の写真撮影に応じる。
試合前に見せたTVゲーム風の正拳突き、鶴の構え、ソバット。
ニコニコしながら色々なポーズを見せる小塚、よっぽど嬉しかったんだろう。
まあ、対戦前の戦跡で見れば金星みたいな勝ち星だからねぇ。


第二試合 フェザー級 5分2R
○外薗 昌敏(170cm/59.7kg/総合格闘技道場コブラ会/クラスB)
●喜多 浩樹(167cm/59kg/パレストラ東京/クラスB)
[1R 3分7秒 TKO]
※バックマウントからのパンチ連打

本来は2003年度新人王トーナメント フェザー級の準決勝戦が行われる…はずだったのだが、
外薗の相手であるきんぞ〜が負傷欠場した為に組まれた試合なんだそうな。
きんぞ〜の代役は、99年に30歳を前にしてプロデビューした喜多。
この試合はトーナメントとは別枠の試合として行われる。

試合開始。
両者の距離があく中、外薗がキレの良いフックを出すと、これがモロにヒット。
ややフラついた喜多に対してパンチのラッシュで攻め込めば、良いのが数発入って喜多がダウン。
観客から歓声が挙がるが、ダウンカウントが進む中、喜多が何とか立ち上がって試合は再開。

喜多は逆襲の胴タックルで外薗をコーナーへと押し付ける。
が、外薗は逆に喜多を崩してテイクダウン、インサイドガードの体勢。
下からの組み付き + クロスガードで防御する喜多を振りほどき、
上半身を起こしてパンチを落とす。
一発一発が狙い済ましての一撃、何発も喰らった喜多は苦しい表情。

たまらず喜多は亀の体勢になって防御するも、外薗はお構いなしのパンチ連打。
亀の中に足をこじ入れて喜多の体勢を伸ばしてしまうと、
バックマウントを奪って尚もスリーパーとパンチ連打を繰り返す。
荒っぽいパンチに対して何も抵抗できない喜多、見かねたレフリーが試合を止めた。

外薗の圧勝の中、ダメージの大きい喜多は一人で立ち上がれず。
フラフラになりながらも、悔しさを露にしながらセコンドの肩を借りて退場していった。
デビュー3戦目の選手に負けた事が本当に悔しかったんだろうな。


第三試合 2003年度新人王トーナメント ライト級2回戦 5分2R
○高谷 裕之(177cm/65kg/格闘結社 田中塾/クラスB)
●日沖 発(167cm/65kg/ALIVE/クラスB)
[判定 3−0]

修斗の興行の中では年間通して行われる新人王トーナメントだが、今日はこの一試合のみ。

高谷は格闘結社 田中塾所属。田中塾は掣圏道の興行でも良く聞く名前である。
パンフレットによると「テイクダウンを許さず徹底して上から打撃を落としていく」、
高谷は「掣圏道スタイル」の体現者なのだそうな。中々、楽しみだ。
その高谷の入場、リングサイドを陣取った高谷応援団は早くも高谷コールの大合唱。
更には「殺っちまえっ!!」だの「ブッ殺せっ!!」だの、時折、物騒な声援が耳に入ってくる。
そんな中、その強面のセコンド陣に囲まれながら日の丸入りのハッピ姿で入場する高谷。素直に怖いな。
今日の対戦相手は、三角絞めを得意とし、アマチュア時代から勝つ試合は殆ど一本勝ちだと言う日沖だ。

1R、両者に距離があく中、
高谷はリーチ差をもろともせずに1・2のパンチを繰り出す…、
と、これがモロにヒット。高谷応援団の大歓声の中、日沖はダウン。

カウント8で立ち上がった日沖、試合再開と同時にハイキックで高谷の顔面を蹴る。
グラっと来た高谷だが、打撃戦の中から逆に日沖をコーナーに追い詰めて右フックを繰り出せば、
これまた顔面にモロにヒット。高谷応援団の大高谷コールの中、日沖はまたまたダウン。

それでも日沖は何とか立ち上がった、試合再開。
逆転を狙う日沖、タックルで高谷からテイクダウンを奪ったが、
逆に高谷に下からコントロールされて、顔面にパンチを何発も喰らってしまう。
ならば、と、日沖はインサイドガードの体勢からパスガードや足関節を狙っていくが、いずれも失敗。

高谷が試合を再び両者スタンドの状態へと戻して試合続行。
その高谷、日沖のパンチをスウェーでかわし、タックルでコーナーへ押し込んで来るのを堪えると、
その離れ際にアッパーからストレートのコンビネーションを放つ。で、これがまたまたモロにヒット。
グラついたところを高谷がパンチの連打をすれば、日沖はこのラウンド3度目のダウンを喫してしまう。

…と、試合が終わらない。
ダウンカウントが進む中、日沖がファイティングポーズをとって試合再開。
あ、修斗ってフリーダウン制なんだ。知らんかった。

その後、1度はタックルを失敗した日沖が、
2度目の組み付きで高谷をテイクダウンしたところで1Rは終了。
ここまでは高谷が圧倒的有利。高谷応援団は大歓声だ。

2R、開始直後にパンチ戦、またしても高谷の1・2がモロにヒット。
四たび倒れる日沖、高谷応援団はお祭り騒ぎ状態。
それでも立ち上がる日沖、これをやや元気のない日沖応援団が歓声を挙げて応援する。

日沖、またまたタックルで高谷に組み付くも、
高谷はこれをガブッて倒してニー オン ザ ベリーの体勢、
掣圏道では至上とされるポジションから顔面へとパンチを落としていく。
日沖は必死に防御するが、高谷は自ら立ち上がって「立てっ!!」と手招きする余裕ぶり。
この挑発に高谷応援団から大歓声が沸き起こる。

両者スタンド、日沖は立ち技では敵わないと見たか、自ら打って出なくなる。
これに対して高谷が様子見、試合は暫くの間、お見合い状態が続く。
ここで郷を煮やした高谷がローキックを繰り出すと、これをキャッチした日沖がテイクダウンに成功。
しかし高谷はクロスガードと組み付きでガッチリ防御、上になった日沖に何もさせない。

それでもこのガードをどうにか振りほどき、パスガードを狙って動いていく日沖。
流れの中でハーフマウントの体勢になると、一発逆転のアキレス腱固めを極めようとする。
だが、高谷はこれを脱出、寝ている日沖に上から無情のストレートを落としていく。
高谷応援団の大歓声の中、高谷がインサイドガードになったところで試合終了。
判定を聞くまでもなく勝利を確信している高谷を高谷応援団が祝福する。

判定、当然ながら3−0で高谷。応援団は再び大歓声で高谷をねぎらう。
で、選手退場と共にゾロゾロ去っていく応援団…って、オイオイ、何人いるんだっ!?
恐らく50名以上はいたであろう高谷応援団、
その一団がいなくなった後のリングサイドの何と寂しい事か…。


第四試合 フェザー級 5分2R
○小松 寛(170cm/59.9kg/総合格闘技道場コブラ会/クラスB)
●アリタノ バルボーザ(165cm/59.8kg/ブラジル/RFT/クラスB)
[1R 3分31秒 スリーパーホールド]

バルボーザ、この選手も第一試合に出場したアゼベドと同じくパンフレット内では一押しの選手。
フェザー級王者時代のマモルと対戦したシュート ボクセ所属のジル ド リマを、
別な格闘技大会で肩固めで下しているそうな。
つまり、フェザー級王座へ即挑戦できるだけの実力は兼ね備えているって事か。
…と言っても、マモルはリマを秒殺しているようなのだが。

これを迎え打つのは小松。2001年アマ修斗西日本大会ライト級優勝。
で、プロデビュー戦の相手はREDスレイヤー がいだったそうな。いたねぇ、そんな選手。

試合開始、バルボーザは小松に対して組み付き、再三に渡ってテイクダウンを狙う。
片足を捕って崩したり、クラッチしたまま投げを放ったり。
で、何度目かの崩しが成功し試合はグラウンドになるが、
この時、要領良く上になったのは小松の方だった。

小松はハーフマウントの体勢、バルボーザは下から小松に組み付いてガチガチの防御。
それでも小松は、この不十分な体勢からバルボーザの頭にコツコツとパンチを落としていく。
だが、試合は膠着してしまった。「このままどうなるのかなぁ…」なんて思っていたら…、

小松はいきなり上半身を起こしてパンチを連打、
嫌がるバルボーザからバックを奪うとそのままスリーパーの体勢へ。
これがガッチリ極まってバルボーザがタップ。観客から歓声が沸き起こる。

パンフレットの言葉を借りれば、
小松は「日本のクラスBのレベルをシッカリと世界に示す」結果となった。
イヤイヤ、それにしても試合が動き始めてからが早かったなぁ。


第五試合 ウェルター級 5分2R
△松下 直揮(169cm/69.7kg/ALIVE/クラスB)
△石田 光洋(167cm/69.4kg/TEAM TOPS/クラスB)
[判定 1−0]

1R、開始直後から激しいパンチを交差させる両者。
松下のストレート、石田のフックがお互いの顔面にヒットしたが、
松下が更にもう一発ストレートをヒットさせると、石田が崩れてダウン。
松下応援団の歓声の中、石田は立ち上がってファイティングポーズをとる、試合続行。
だが、優位に立った松下は、腕をグルグルと回して石田を挑発している。
それにしても、今日は試合開始直後のパンチでダウンになるシーンが多いね、これで4試合目だよ。

石田の逆襲。
組み付いてきた松下から逆にテイクダウンを奪うと、そのままラウンド終了まで上のポジションをキープ。
サイドを奪ったり、フロントチョークを仕掛けたり、上からパンチを落としたり。
松下は下から三角絞め極めようとしたり、ブリッジで上になる石田を崩そうとしたりするが、
石田はガッチリと上のポジションをキープして松下にコツコツとダメージを与えていく。
終盤には胴へのヒザ蹴りも繰り出した。石田がダウンによる失点を取り返す活躍を見せる。

2R、ラウンド開始早々に石田はタックルで松下をテイクダウン。
で、このラウンドでも、石田はラウンド終了まで上のポジションをキープし続ける。

序盤には、クロスガードで防御する松下を持ち上げてのスパインバスター、
コーナー際に松下を追い詰めてのパンチ連打でダメージを与え、
中盤以降も、何とか逃げようとする松下を逃がさずに上のポジションをキープ、
ハーフマウントから上半身を起こしての顔面パンチを再三再四に渡って落としていく。
終盤、立ち上がって逃げようとした松下の片足を捕って再びテイクダウン、上から顔面パンチを連打。
結局、このまま試合は終了。序盤にダウンを喫したもののの、
それ以外は完全に試合を制していた石田はガッツポーズで自身の応援団の歓声に応える。

だが、判定は1−0のドロー。
個人的には石田の1Rのダウンは、
あまり判定に反映されるモノではないと思ったのだが…。
実際、殆どダメージがなさそうだったし。

この判定を聞いた石田は大変に無念そうな表情でリングを降りていた。

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ここで修斗のジャッジについて。

パンフレットによると、修斗のジャッジは次の順番に評価されるんだそうな。

1. クリーン・エフェクティブ・オフェンス(的確で有効な攻撃):ダメージを与えた攻撃。
2. アグレッシブネス(積極性):ダメージは与えられないものの積極的で有効な攻撃。
3. リング・ジェネラルシップ(ペース支配):対戦者の攻撃を無効にするような巧みな試合運び。
(ISCプロフェッショナルルール 第22章【採点】の 第55条【採点基準】より)

つまり、修斗の採点基準は「ダメージ優先」という訳だ。

そう考えると、第五試合の採点としては、
1Rは石田の積極的な攻撃性よりも、明確にダウンを奪った松下を評価、
2Rは石田の攻撃性やペース支配を評価、その結果、採点結果が19−19という事になるのだろう。
ちなみに実際の審判団の採点は、19−19が2人、19−18が1人である。
19−18については、1Rは両者の攻めを評価して9−9にした為だと思われる。

個人的には1Rは9−9のジャッジが正しいと思うのだが…。

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●8月10日の横浜文体興行のカード発表
ここで8月10日の横浜文化体育館で行われる興行のカード発表が行われた。

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世界ウェルター級チャンピオンシップ 5分3R
五味 隆典(木口道場レスリング教室/王者)
ヨアキム ハンセン(ノルウェー/チーム スカンジナビア/同級四位)

世界ライト級チャンピオンシップ 5分3R
アレッシャンドリ フランカ ノゲイラ(ブラジル/ワールド ファイト センター/王者)
ステファン パーリング(米国/ジーザス イズ ロード/同級一位)

世界フェザー級チャンピオンシップ 5分3R
大石 真丈(SHOOTO GYM K'z FACTORY/王者)
松根 良太(パレストラ松戸/同級一位)

ウェルター級 5分3R
イーブス エドワース(アメリカ/サード コラム)
川尻 達也(チーム トップス/同級五位)

ミドル級 5分3R
ジェイク シールズ(アメリカ/シーザー グレイシー アカデミー/同級二位)
菊池 昭(SHOOTO GYM K'z FACTORY/同級九位)

バンタム級 5分2R
阿部 マサトシ(AACC/クラスB)
高橋 大児(SHOOTO GYM K'z FACTORY/クラスB)

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興行の目玉はフェザー級、ライト級、ウェルター級の三大チャンピオンシップなのだが、
他のチャンピオンシップが王者 vs 同級一位による対戦なのに対して、
ウェルター級だけは四位のハンセンが王者・五味に挑戦。
これは、ハンセンは今年3月に修斗のカリスマ・佐藤 ルミナを相手に秒殺勝利した事実を踏まえての抜擢。
昨年12月に三島 ★ ド根性ノ助を破って王座防衛した五味、強豪相手に防衛なるか?

ちなみにこの8月10日。
さいたまスーパーアリーナでは、PRIDE ミドル級GPの興行が行われるのだ。
イヤイヤ、修斗も随分と悪い日取りに興行を打つんだなぁ…。


●五味 隆典インタビュー
で、この興行の煽りの為に、ウェルター級王者の五味がリングイン。
王座防衛に向けてのインタビューが行われた。

司会:「ハンセン選手との試合は、
    五味選手の方から「この試合はチャンピオンシップに」と言ったそうですが?」
五味:「俺、チャンピオンシップじゃないとマジメに練習出来ないんスよ。」

司会:「ハンセン選手にルミナ選手が負けた時、各雑誌で「仇を取る」とコメントしているようですが?」
五味:「必ず、仇を取ります。(観客歓声)」

司会:「ハンセン選手の印象は?」
五味:「自分に似ていますね。トドメを刺しに来るタイプと言うか。刺されないようします。」

司会:「ハンセン選手に勝てば、ビトー "シャリオン" ヒベイル選手との対戦も見えてきますが?」
五味:「勝ちつづけて、チャンピオンのまま、その試合を迎えたいですね。

司会:「最後に一言。」
五味:「あと数週間に迫ってきましたが、しっかり練習して良い試合をします。
    是非、遊びに来てください。(観客歓声)」

そう言えば、五味のUFC挑戦の話ってどうなったんだろうねぇ?
まあ、修斗の中にも強豪がひしめいている状態ではあるけどね。

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●10分休憩

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●月間表彰
休憩後、2003年5月度と6月度の月間表彰が行われた。
各月のMVP選手とベストバウトが発表されたが、誰がどうだったかは各自調査。
で、選ばれた人々のうち、8月10日の横浜文体興行に参戦する選手が2名ほどリングイン。
文体興行への抱負を語った。

松根 良太:「ベルトを捕ります。」
菊地 昭 :「頑張るのでよろしく。」

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第六試合 ライト級 5分3R
○植松 直哉(162cm/65kg/SHOOTO GYM K'z FACTORY/同級七位)
●風田 陣(172cm/65kg/ピロクテテス新潟/クラスA)
[1R 1分38秒 腕ひしぎ十字固め]

風田は元々はMAキックで活躍していたキックボクシングの選手。
同団体では港 太郎や佐藤 堅一なんかが同じく総合格闘技に転出しているが、
残念ながらこの両者の総合での戦績は今一つ。
だが、この風田は修斗のクラスBで6戦3勝1敗2分の好戦績。
これが評価されて、今年2月にクラスAへ昇進した。
倒されずに打撃で勝負、現在の総合格闘技でのトレンドの戦術で闘う風田、
頭にモンコンをかぶって入場。下半身はキックボクシングのトランクス。

その風田を迎え撃つのは、ライト級の勇、植松。
最近はDEEPで試合をするムエタイ系選手のセコンドを勤めたり、
自身も昨年11月にSBで試合をしたり、と、打撃系絡みの活躍が目立つ。
しかし、本来は極めの強さが売りの植松、
ジャケットマッチでは宇野 薫からもアキレス腱固めで秒殺一本勝ちしているのだ。
だが前回出場した修斗の試合では、超強豪ジョン ホーキに辛酸を舐めさせられている。
その上でこの日がクラスAデビュー戦の相手に負けていては、ライト級の王座は掴めないだろう。

その植松、キャロルの「ファンキー モンキー ベイビー」で入場。
頭にはモンコン、キックボクシングトランクス。
相手の風田を意識してか、こちらも今日は打撃スタイルだ。

試合開始、距離を置く両者。
風田は牽制のローキックを数発放ち、強烈なミドルキックを植松に叩き込む。
だが植松はパンチを出しつつ組み付き、腰を抱えて風田を持ち上げてテイクダウンを奪う。
観客の歓声の中、そのまま秒殺を狙った植松は風田の足を抱えてアキレス腱固めの体勢。
これは何とか逃れた風田だが、やはり植松との実力差は歴然としている印象だ。

植松はスタンドで首相撲からのヒザ蹴りで風田を圧倒すると、再び組み付いてテイクダウン。
亀の体勢で防御する風田から腕を捕ると、そのまま腕ひしぎ逆十字固めを極めた。
これが綺麗に入って風田がタップ、試合終了。観客は歓声で植松の秒殺勝利を讃える。

再び会場に「ファンキー モンキー ベイビー」が流れる中、
マイクを持った植松は「ちょっと音を止めて。」と注文をつける。

「今回は一言だけ言わせて下さい。

 試合前には『植松は終わった』とか言われていたようなんですが…。
 見たか、コラァ!! こんなところでチンタラやってられねぇんだよっ!! (観客歓声)

 ミドル級のベルトを捕りに行きますっ!!
 但し、ルミナさんと勝田とは試合はやりません、以上っ!! (観客笑)」

植松の所属するライト級には、
チャンピオンのアレッシャンドリ フランカ ノゲイラ(通称:ペケーニョ)を筆頭に、
ステファン パーリング(通称:ボーゾー)、山本 "KID" 徳郁(通称:キッド)、阿部 裕幸(通称:阿部兄ィ)、
勝田 哲夫、ジョン ホーキ、バオ クァーチ、佐藤 ルミナ、井上 和浩、戸井田カツヤ(通称:トイカツ)、
本当に内外に強豪がズラリと揃っている。
再びライト級の頂点を目指す植松、今日は勝利はその第一歩となったと言えるだろう。


第七試合 ウェルター級 5分3R
○マーシオ クロマド(180cm/69.9kg/ブラジル/RFT/同級七位)
●村浜 天晴(169cm/69.8kg/WILD PHOENIX/同級九位)
[1R 4分9秒 TKO]
※パンチで村浜が出血

パンフレットによると、この試合は、
「ウェルター級の頂点を目指す村浜 天晴が、その五合目に辿りついた。
 『クロマドは世界の一流選手のなか角番』という村浜、この関所を越えてこそ、
 自分の世界のトップに並び数えることができるというわけだ。」
との事。村浜にとって大事な一戦という訳だ。
今日は「芸人魂」Tシャツではなく、弟の村浜 武洋から譲ってもらったという、
プロレス用のド派手なコスチュームを着用しての入場、気合が入る。

対するクロマド、宇野 薫から勝利した修斗デビュー戦こそ華々しかったが、その後は2勝3敗。
まあ、対戦相手が、宇野 薫(一本勝ち)、三島 ★ ド根性ノ助(一本負け)、佐藤 ルミナ(判定負け)、
中山 巧(現タクミ、一本勝ち)、雷暗 暴(判定負け)といった一流選手ばかりなら、この戦績は仕方がないか。
だが、今回は自らがリーダーをやっているRTF(ヘナヴァソン ファイト チームの略)の教え子が揃って敗北。
ここはリーダーとして、絶対に負けられないところだ。

試合開始、
まずはクロマドが接近して組み付くが、村浜が逆にテイクダウン。

そして始まる、グラウンドでの攻防戦。
クロマドはクロスガードで防御しつつ下からの関節技を狙い、
インサイドガードの村浜はこれを警戒しつつ上半身を起こして顔面パンチを落としている。
クロマドが動いた。下から逆十字を極めようとしたり、村浜の首をフロントチョークに捕らえたり。
これらを凌いだ村浜、更に腕を捕りに来たクロマドをパスガード、サイドを奪う。
そして腕を捕ってクロマドの気を引き、ポジションをマウントへ移行。村浜の攻めに観客から歓声が沸く。

だがクロマドは下からバランスを崩して村浜のマウントから逃れる。
いち早く立ち上がった村浜、猪木アリ状態からのローキックを放つ…と、これがクロマドの顔面を襲撃。
修斗では猪木アリ状態での顔面蹴りは反則、一発で大の字になるクロマド。
慌てて駆け寄るドクター達、試合は一時中断。















クロマドはまだ倒れている、大丈夫だろうか?















ようやく立ち上がったが、ダメージは相当に深そうだ。
ドクター達がダメージの深刻性を念入りにチェックしている。















動き始めたクロマド、だがまだまだダメージが深そうだ。
自軍コーナーに戻って、もう少しインターバルを置くようである。















中断から待つこと約10分、どうやら試合は再開される様子。
観客からは拍手が沸き起こっているが、クロマドは村浜が求めた握手を叩き返している。
どうやら物凄く怒っているようだ。村浜には反則による減点2が宣告される。

試合再開。と、同時に怒りに任せてのパンチの猛連打で村浜を一気に追い込むクロマド。
だが村浜は、これをいくつかもらいながらも、胴タックルでクロマドからテイクダウンを奪う。

…のだが、今度は村浜の顔面から出血。
どうやら目尻の辺りが切れたらしい。
これを見たレフリーが試合のストップを宣告する…のだが、
怒っているクロマドはお構いなしに下からのパンチを村浜の顔面に連打していく。
オイオイ、反則を反則で返すなんてクレバーとは言えないぞ。

再びドクター陣が出動、村浜の傷をチェック。
クロマドはニュートラルコーナーで正座して指示を待つ。















ゴングが鳴る、試合終了。村浜の傷口は思ったより深かったようだ。
いい試合になる雰囲気があっただけに、この結果は何とも残念。

負けた村浜、四方に礼をすると駆け足でリングを去っていった。
今日の試合は「芸人魂」的には赤点なのだろう。
勝ったクロマド、リング四方を歩き回って「My name is Cromad!!」と叫びまくり。
その声は怒気を孕んでおり、激高した感情を未だに抑えられない様子。
それでも最後には、操気のパフォーマンスで観客を喜ばせていたが、
この試合、両者の感情には「大きなしこり」を残す一戦となった。

両者のためにも再戦は必須、と言えるだろう。


第八試合 ミドル級 5分3R
○中尾 受太郎(177cm/75.6kg/シューティングジム大阪/同級一位)
●サウリ ヘイリモ(178cm/75.6kg/フィンランド/チーム スカンジナビア/同級十位)
[2R 39秒 横三角絞め]

本日のメインイベントは、
「ミスター三角絞め」中尾 受太郎、8ヶ月ぶりの修斗での試合である。

中尾の最近の試合は、今年2月のSBでのvs 渡邊 卓也戦。
僕はこの試合は生観戦したのだが…、
中尾はこの日がデビュー戦となった渡邊を相手に、
左ストレートによるダウンと投げによるシュート ポイントを奪うが、
スタミナ切れに泣かされて終盤はサンドバックになってしまった。
今日は勝手知ったる修斗のリングでの一戦、カッコの良い所が観たいものだ。
ベリーニの「サンバ デ ジャネイロ」で入場してきた中尾、
今日の対戦相手は、このところ修斗で台頭しているチーム スカンジナビアの新鋭、
ポジショニングと極めの強さは北欧のミドル級ではピカイチだというヘイリモだ。

1R、ヘイリモは中尾の顔面にパンチを2発当てると、
そのまま組み付いてグラウンドへと引き込む。

対する中尾、ガッチリと下からクロスガードで体を挟んでくるヘイリモを、
その体勢のまま持ち上げてコーナー際へ運び、重力に任せて落とす。
観客の歓声の中、インサイドガードを奪った中尾、
ヘイリモは自らの体を折りたたんでエビ固めで固められているような体勢になる。
だが、ヘイリモはここからでも関節技を狙ってくるようだ。中尾、油断は禁物。

ここでヘイリモ、エビに固められた体勢から後転して体勢を持ち直すと、そのまま中尾の体に胴タックル。
ガブッて耐える中尾、どうにかヘイリモを倒して再びインサイドガードの体勢。
その顔面に上半身を起こしてのストレートや鉄槌を落とせば、観客から歓声が起こる。
だがヘイリモは再び自らエビ固めを決められた体勢になって後転、
胴タックルで中尾の身体をコーナー際へ押し込む。

…のだが、ここで逆に中尾が組み付いてきたヘイリモの体勢を崩し、
あっという間のパスガードからマウントポジションを奪った。
観客の歓声の中、両腕で顔面をガードするヘイリモにパンチを落とす中尾、
そしてその腕を捕って逆十字の体勢だ。
これがガッチリ極まった…ところで、1Rが終了。観客からは「あ〜あ…」という溜息が。

2R、ヘイリモのハイキックをガードした中尾、
続く胴タックルもガブると、顔面パンチで潰していく。
そして腕を捕って逆十字の体勢に…いや、違うっ!! あれは首を極めているんだっ!!
この横から入る三角絞め、「横三角絞め」なる技でヘイリモがタップ、試合終了。
まさに「ミスター三角絞め」の異名の面目躍如の裏技、観客から歓声が沸く。

そんな中、勝利した中尾のインタビューが行われた。

司会:「おめでとうございます。」
中尾:「ありがとうございます。」

司会:「『ミスター三角絞め』の名に恥じないフィニッシュとなりましたが?」
中尾:「これは試合では初めて極まった技なんですよ。練習では極めていたんですが…。
    今回、本番で極める事が出来て、嬉しいです。」

司会:「そう言えば、中尾さんは二人目のお子さんが生まれたそうで。(観客歓声)
    そのお子さんに、良い報告が出来ますね。」
中尾:「僕は一人目の時も、生まれてから次の試合は勝利しているんですよね。
    僕にとって子供は非常に縁起がいいんですよ。」
司会:「では、その次の試合でも…。」
中尾:「そうですね、もう一人…、やめておきます。(観客笑)」

司会:「今日の対戦相手の印象は?」
中尾:「そうですねぇ…、普通ですね。(観客笑)」

司会:「最後に一言。」
中尾:「試合をやる度に自分の弱さがわかって大変なのですが、
    これからも修斗と共に挑戦していきたいと思います。
    応援よろしくお願いします。(観客歓声)」

今日はミドル級十位の選手を相手に一位の強さを示した中尾、
チャンピオンである須田 匡昇とのチャンピオンシップ戦も時間の問題か?

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雑感:
改めて、修斗の極めの強さを感じた興行でした。
一本勝ちが8試合中5試合、膠着した試合は一つもなし。
そのレベルの高さを再確認できたという意味では、非常に満足しています。

だが、やはりチケット料金の高さは気に入りません。
チケット購入時には完売状態だったA席は最後までガラガラ状態でしたし。
せめて立見やチケット料金を安くしてくれれば、
僕はリピーターとして定着するのですが…。

日本の総合格闘技の中では最も高いレベルにあると言える修斗ですが、
これがマニアだけのものになっている現状。
満足感と同時に勿体無さを感じる興行でした。

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以上、長文失礼。




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