6/25 DEEP 後楽園ホール興行 観戦記
■団体:DEEP 10th IMPACT
■日時:2003年6月25日
■会場:後楽園ホール
■書き手:高倉仮面
17:50
後楽園ホール到着。本日はDEEPの観戦。

最近はあまり印象に残らない興行を打っている感のあるDEEP。

元々DEEPは、佐伯社長が独自の感性を展開し、
マット界の流れの奇をてらったり多団体時代の隙間を突いたりしながら、
マニアが歓喜するカードを提供している興行…なのだが、
この頃は、PRIDEやK-1が問答無用の凄まじいインパクトを持ったカードを提供したり、
他の興行団体も色々な団体と提携を結んでマニアックなカード実現させたりで、
日本マット界が「奇襲」も「隙間」も見当たらない状態になってきている。
「ルチャ vs 日本人」も飽きられてしまい「RINGS vs PANCRASE」も意味を成さなくなって来た昨今、
それでもマニアック路線をひた走るDEEPが目を付けたのは「修斗のエース級選手の参戦」。

村浜 天晴、雷暗 暴、三島 ☆ ド根性ノ助、須田 匡昇、等、
これまでも層々たるメンバーがDEEPで試合を行っている事を考えれば、
昔からDEEPと修斗の関係は密接であったと言えのだが、
彼らの参戦ですら霞んでしまう程のインパクトを残したのが、
今年3月に行われた興行での、「まさかまさか」の桜井 "マッハ" 速人の参戦。
修斗のエース中のエースのDEEP参戦は完全にマニアの虚を突いた形となり、
興行が行われた後楽園ホールは超満員の観客を動員。
試合ではDEEPミドル級王者の上山 龍紀と対戦し、判定ながらも快勝。
桜井はDEEPへの継続参戦を表明、低迷するDEEPのリングに一筋の光明をもたらした。

そして今日、再び桜井はDEEPのリングに立つ。
その対戦相手は、UFC初代ミドル級王者デイブ メネー。
DEEPが珍しく正統派の大舞台を準備した、桜井は勝つ事が出来るか?

また、今日のDEEPにはもう一人「修斗のエース級選手の参戦」がある。
長らくリングで試合をしていなかった「修斗四天王」時代のエースが電撃参戦。
「まさかまさか」の朝日 昇の登場だ。その対戦相手は、新鋭の柔術戦士TAISHO。
約2年半ぶりのリング復帰となる朝日は、若手を相手に健在ぶりをアピール出来るのか?

そんなこんなで行われる本日のDEEPは、
上記の試合を含めて全部で6試合(フューチャーファイトを除く)。
興行的なボリュームは薄めだと言えるが、
上記の2試合のインパクトはそれを補うのには充分だろう。

チケットを購入、立見席4500円を買って会場入り。
ディファ有明で興行を行っていた時は立見席は存在しなかったDEEPだが、
本拠地を後楽園ホールに移してからは前売り4000円でDEEPが観戦できるようになった。
これは地味に嬉しい事、DEEPほどの興行でこの値段はかなりお値頃だと言える。


18:00
ホール入り。で、早速パンフレット購入、2000円。
選手のデータ、前回興行の結果報告、U-STYLEの宣伝。
内容はそこそこで不満はないのだが、2000円の値段にはやや不満。
地味に値上げしてないかいDEEPさんよぉ? 1500円が妥当かと思われるが。

今日は少し早めの会場入り、故に立見席はまだガラガラ。
いい場所をキープしてフューチャーファイト(ダークマッチ)を観戦。

---

フューチャーファイト 第一試合 契約体重なし 5分2R
○保坂 忠広(メガトン)
●大塚 裕一(T.A.M.A.)
[1R 2分47秒 アームロック]

前回はSBで見かけた大塚。
この時は、190cmで80kgとちょっと細身のYU IKEDAを相手にしていたので、
180cmで80kg、お腹にちょっと贅肉が付いているの大塚は、それなりに太っているに見えた。
で、その大塚、今回は体重を88kgまで太らせてきたのだから、より太って見えるハズ…なのだが、
相手の保坂は、同じ位の身長にして体重120kgの超巨漢。
お陰で大塚が小さく見える。体重差は30kg、かなりキビしい。

試合開始、牽制のパンチを出す大塚だが、保坂は体格差に任せて構わず突進。
あっという間に大塚を捕まえて、そのまま何度も投げを放って大塚をコントロール。
大塚は体重差から来る圧倒的なパワー差に成す術なく、あっさりとテイクダウンを許してしまった。

で、保坂は上のポジションをキープし続け、
粘る大塚に体重による圧力 & 顔面パンチで体力と気力を奪うと、腕を取ってアームロック。
あっさりと極まって大塚がタップした。

体重差、大きすぎ。


フューチャーファイト 第二試合 70kg契約 5分2R
○渡辺 匡宏(U-FILE CAMP.com)
●今野 康博(G-スクエア)
[1R 1分36秒 腕ひしぎ十字固め]

気の強そうな今野、気の弱そうな渡辺に打撃でプレッシャーを掛けるも、
渡辺は身の軽い動きでかいくぐる。
それでもテイクダウンを奪ったのは今野だったが、
渡辺はガードポジションからの腕ひしぎ逆十字で逆襲。
これがガッチリ極まって今野がタップ。

渡辺、鮮やか。


フューチャーファイト 第三試合 78kg契約 5分2R
○アンソニー ウェイン ハス(マッハ道場)
●澤 正紀(T.A.M.A.)
[1R 3分16秒 TKO]
※マウントパンチの連打による

ハスは「何でフューチャーファイトなんかに顔を出しているんだろう」と思わせる見事な肉体。
いかに契約上は同じ体重であれど、澤との体格差は歴然としている。

それを最初から覚っていたのか、澤はゴングと同時にダッシュでハスに奇襲。
ジャンピング ニーか何かを狙ったと思われるが不発。
で、かわしたハスが組み付いてテイクダウンを奪ってからは一方的な展開。
あっさりマウントを奪ったハス、重そうな顔面パンチをガンガン澤に落としていく。
澤は懸命に防御しつつ、裏返ったりブリッジしたりでハスを崩そうとするが崩れない。
逆にハスは、澤が表を見せれば顔面パンチの連打、裏を見せればスリーパーで攻める。

こうして約3分間に渡って続いたハスのマウント、澤の気力が萎えている。
最後はバックマウントから顔面パンチを連打しているところをレフリーが止めた。

ハスはもっと上の扱いで問題ないように思えた。

---

本日のフューチャーファイトは3試合共1R決着、
テンポが良いのはいい感じだ。

18:15
リングサイドにエンセン 井上が座っているのを発見。
色々な格闘技団体で見かけるエンセンだが、今日は桜井と2ショットで談笑。
すっかり修斗を離れてしまった感のあるエンセンだが、
こういう光景を見ると、彼が桜井や朝日や佐藤 ルミナと共に「修斗四天王」と呼ばれていた事を思い出す。

もう少し広い視野で会場を見渡すと、今日の客入りはかなり苦戦している様子。
客席が4割程度しか埋まっていないではないか。
この時は「これでは、今日のDEEPは赤字だなぁ…。」等と考えていたが…。
第三試合が終わる頃には客席は約9割程埋まっていた。
つまり、今日のお客さんは桜井と朝日にしか興味がない、って事か。

ちなみに、今日のリング設営のスタッフは何故か全員RINGSのTシャツを着ていた。
本当に何でなんだろ? 理由がわからん。


18:20
ボヤボヤしているうちにルール説明が始まる。
…と、リング上に今回から新しくなったDEEPのラウンドガール4人が登場。
このうち2人がインストラクターとなって、実際に動きながらルールについて説明。

…なのだが、彼女達は当然ながらド素人。
キックやパンチの動きが全くサマになっていない。
ネコパンチでマウントの打撃を表現するラウンドガール達、
あれではキャットファイトの説明をしているようにしか見えんなぁ。

…というか、これってそういう効果を最初から狙ってのもの、か。
佐伯社長の「隙間の突き方」に半ば呆れつつ観戦開始。

---

第一試合 契約体重なし 5分2R
○クラフター M(不明/不明/フリー)
●一宮 章一(180cm/100kg/フリー)
[1R 3分39秒 チョークスリーパー]

プロレス団体 DDTにおいて「偽造王」として数々のレスラーの偽造を行う一宮。
今日は入場曲として「爆勝宣言」を使用。
となれば、今日の偽造は当然この人、「破壊王」橋本 真也だ。
ガウンも橋本っぽいモノを着て入場、その髪型もモミアゲの細部にいたるまで忠実に再現。
リングアナにコールされれば、「押忍」のポーズで見得を切る。
ガウンを脱げば、黒字に赤ラインのパンタロン姿。会場からは「橋本っ!!」の声も。
今日の対戦相手は、本当に正体不明の覆面総合格闘戦士、
セコンドまでが何故か覆面のクラフター Mだ。

試合開始、まずはお互いに様子を見ながらの軽い打撃戦。
そんな中、一宮が仕掛けた。元々は先代の高砂親方の血を引く相撲界のサラブレッド、
「橋本、ミドルキックッ!!」という観客のアドバイス(リクエスト?)を無視すると、
クラフター Mに組み付いて一気に崩しにかかる…が、
一宮、見た目は80kg前後の体重しかなさそうなクラフター Mを中々崩すことが出来ない。
それでも一宮、一度クラフター Mをコーナーへ押し付けると、
体重を浴びせつつ足を引っ掛けてテイクダウンを奪う事に成功。

だが、ここからがクラフター Mが巧かった。
下になりながらもインサイドガードの一宮をコントロールするクラフター M。
顔面の位置を調節しながらパンチを食らわると、あっという間にスイープして上になる。
ハーフマウントの体勢から打撃を食らわせ、亀になって防御する一宮からバックマウントを奪うと、
パンチとスリーパーでジワジワと追い詰めていく。
一宮は後ろからのパンチを全く防御せず、ダメージは蓄積されていく一方。
最後は集中力の途切れたところにスリーパー、危なげなくクラフター Mが勝利を飾った。


第二試合 82Kg契約 5分3R
○小野瀬 哲也(171cm/79kg/フリー)
●大久保 一樹(180cm/80.5kg/U-FILE CAMP.com)
[1R 1分32秒 KO]
※左フック → 右ストレート

ZSTでプロ戦を2戦を経験し、いづれも勝利を収めた小野瀬。
やはりレスリング・エリートの肩書きは伊達ではない。
対するは、これがDEEP4回連続出場となる大久保。
前回のDEEP後楽園興行では、
一昨年8月にDEEP興行にて下したカト クン リーの息子であるカト クン リーJrと対戦。
父親と仕留めた時と同じフィニッシュ、腕ひしぎ逆十字固めで勝利している。
実力的には小野瀬が上と思われるこの試合、大久保はこの予想を覆せるのか?

試合開始、今年3月に行われたZSTでの梁との戦いでスタンドの弱さをちょっと露呈した小野瀬。
大久保はそれを知ってか、充分に距離を取ってローキックで牽制する。
これに対して、小野瀬は腰を落としての低い構えから、やや闇雲にジャブを繰り出しながら前へ出る。
このジャブを起点に大久保に組み付いて得意のグラウンドに引き込みたい小野瀬だが、
大久保は巧く下がってこれを組ませず、逆にカウンターのパンチやヒザでダメージを与えていく。
やはり小野瀬、打撃は苦手なのだろうか。

…と思ったら。

ジャブを繰り出しつつ大久保をコーナーに追い詰めた小野瀬。
思いっきり飛び込んで左フックから右ストレートを放ったら、
これが大久保の顔面にモロにヒット!!

前のめりに倒れる大久保、レフリーが慌てて試合をストップした。
観客が思わぬ秒殺劇に沸き返っている。
ダメージの大きい大久保は、暫くの間、立ち上がる事が出来なかった。
それにしても、モロに入った。大久保はリーチ差があると思って相手をナメてたんじゃないかなぁ。


第三試合 95Kg契約 5分3R
○入江 秀忠(182cm/94kg/キングダム・エルガイツ)
●藤沼 弘秀(175cm/87kg/荒武者総合格闘術)
[判定 3−0]

昨年12月に行われたDEEPでのフューチャーキングトーナメントの優勝者である藤沼。
立ってパンチ、寝てパンチのスタイルでトーナメントの全試合を1RTKO勝利。
「仁義なき戦い」と共に着流しで入場する姿がサマになっている。
着流しを脱げば、その見事な背中の和彫の入墨に会場が反応するが、
右膝をガッチリとテーピングしているのは気に掛かるところだ。
セコンドにはkansenki.netの品川主宰の姿が。お世話になっております。

対するは、今年に入ってからは積極的に他団体に打って出ている、
「日本格闘技界の『涙のカリスマ』」入江。だが戦績は今一つ。
今年3月に行われたDEEPにて、
MAX 宮沢相手に目の負傷による試合放棄というミソをつけた入江。
純正「KINGDOMのテーマ」で入場、
腰に巻かれたチャンピオンベルトをアピールするも、
観客の反応はやや冷やか。

1R、入江は開始と同時に藤沼に突進して組み付き、
体重差に任せてコーナーへ押し付けると、テイクダウンを奪うべく崩しにかかる。
藤沼は粘ったが、パワー差と怪我の二重苦には勝てず、結局は入江に押し倒されてしまった。

グラウンドで主導権を握った入江、
藤沼からあっさりとサイド、バックマウントとポジションを奪うと、
一気に勝負を決めるべくスリーパーを仕掛けた。
藤沼はこれを必死いだが、入江はすかさず腕ひしぎ逆十字の体勢へ移行。
入江の動きは明らかに秒殺を狙ったもの、手加減は一切無い。藤沼、大ピンチだ。
だが藤沼、逆十字に対して上半身を起こして防御。
上になって捕られた腕を強引に引っこ抜けばインサイドガードの体勢、逆転に成功だ。
藤沼応援団から歓声が挙がる。

しかし下になってからも一枚上手なのは入江。
藤沼の頭の位置を調整し、下からの顔面パンチで藤沼を苦しめると再び逆十字を仕掛けた。
藤沼はこれも腕を強引に抜いて難を逃れ、攻め続ける入江の前に亀の体勢で防御。
そして強引に上半身を起こして、何とかスタンドの体勢まで戻す。

だがパワーに勝る入江は、この後、藤沼を再三に渡ってコーナー際へ押し込んでいく。
藤沼はテイクダウンこそ奪われなかったものの、四方のコーナーに押し込まれて、
ラウンド終了までヒザやショートアッパーを食らい続けた。
それでも藤沼応援団は、いつまでもテイクダウンを奪えない入江に、
「相撲じゃねぇんだぞっ!!」と厳しいヤジを送っている。
1R終了。藤沼、体調の悪さと入江との体重差やパワーの差がやや気の毒だ。

2R、やはり入江は開始と同時に藤沼に突進して組み付きコーナーへ押し込む。
藤沼はコーナーを背にしながらも、組み付いている入江のボディにヒザを突き立て…。

と、入江、急に股間を抑えて悶絶し始めた。
僕にはそうは見えなかったのだが、どうもローブローらしい。
これを見た藤沼応援団、「入ってねぇよっ!!」「早く立てやっ!!」とすかさずヤジる。
これに対して「うるせえっ!! 痛てェモンは痛てェんだよっ!!」と叫び返す入江。
あ、入江、ちょっとキレてる。

試合再開、入江はやはり藤沼に組み付き、今度は巻き投げでテイクダウンを奪った。
だが藤沼は、すかさず立ち上がってグラウンドの展開を拒否。
それでも入江は藤沼に組み付いていき、やはりコーナー際へ押し込む。
と、ここで藤沼のショートアッパーが入江のアゴを打ち抜いた。
藤沼応援団の歓声の中、ちょっと効いたのかダウンを誤魔化す為か、入江は自ら寝転がる。
藤沼応援団は「寝てんじゃねぇよっ!!」とすかさず突っ込み。

猪木アリ状態、立っていた藤沼はパスガードを狙うべく寝ている入江に組みついていくが、
グラウンドでは入江が上手、そう簡単にはパスガードを奪わせない。
ならば、と、藤沼はローキックで入江のモモを蹴って行く。
だが入江もグラウンドからの蹴り上げで藤沼の顔面に一撃加える。
この後、試合に展開なし。レフリーがブレイクを要請。

このあたりから試合が単調になり始めた。
藤沼はここまで入江にパワーで負け、細かい打撃を入れられ。
スタミナを大幅に消費している。動きがやや緩慢になり、表情にも疲労の色が。
それでもヘロヘロになりながら入江に打撃戦を挑んでいく藤沼、その心意気やよし。

対する入江は、藤沼をコーナーへ押し込んでヒザやショートアッパーを突き立てたりするのだが、
スタミナを切らしながらも粘る藤沼からテイクダウンを奪うことが出来ない。
自ら引き込んでグラウンドに誘っても、藤沼はすかさず立ち上がってグラウンドを拒否、
猪木アリ状態からのローキックで入江を蹴って行く。
入江はここまで試合を優位に運びながらも、決定的な場面を作る事が出来ない。
体格で優位に立ちながらもどうにもならない入江の攻め、
藤沼応援団から「相撲じゃねぇんだぞっ!!」「退屈なんだよっ!!」と激しいヤジが飛ぶ。
2Rはここで終了。両者共に一本勝ちは望めなさそうな展開。

3R、2R開始時と同じ展開。
入江が組み付きコーナー際へ押し込み、藤沼がヒザをボディに突き立て、
これが入江の股間にジャストミート。今度はモロに入って、悶絶する入江。
藤沼応援団「またローブローかよっ!! そんなにデカいのか?」とヤジれば、
「うるせぇっ!! ホントに痛てぇんだよっ!!」と文句を言い返す入江。
再三再四のヤジに怒り心頭の様子。藤沼にはイエローカードが提示される。

試合再開、やはり組み付いていく入江、コーナー際へ藤沼を押し込んだ。
一度はブレイクになったが、二度目の同展開で足を掛けて藤沼をテイクダウン。
グラウンドでサイドを奪った入江…だが、藤沼がパンチで反撃すれば、
「コレッ、後頭部に入っているっ!!」とレフリーに文句を言っているではないか。
観客からは、半ばキレ気味の入江のこの言葉に失笑が沸き起こっている。

ここに来て、ようやく入江がマウントを奪った。
藤沼はバックを見せたり前を向いたりで必死に逃れようとするも、
ここまでの展開で完全に体力を奪われており、
そうでなくても体重差のある入江を崩すことが出来ない。
これに対して、入江は上からのパンチやスリーパーで攻めまくり、
「ハイッ!! ハイッ!! ハイッ!!」と自ら声を出してマウントパンチを繰り出す。
藤沼はかなりグッタリしている。そして、これを見た入江…、

レフリーをチラッと見て、「これでどうだ『ハイッ!! ハイッ!! ハイッ!!』」。
レフリーをチラッと見て、「まだ止めないのか『ハイッ!! ハイッ!! ハイッ!!』」。
レフリーをチラッと見て、「コイツはもう戦えないぞ『ハイッ!! ハイッ!! ハイッ!!』」。
レフリーをチラッと見て、「もう止めろよ『ハイッ!! ハイッ!! ハイッ!!』」。

入江の心理が手に取るようにわかるマウントパンチ。観客からは失笑が漏れる。
入江は自らもスタミナ切れしていて、そのパンチに切れ味が無くなっている事に気付いていないのだろう。
最後はパンチを諦めてチキンウィング アームロックに移行したが、間に合わずに試合終了。

判定、流石に3−0で入江。

そして試合後、ヤジの嵐についに入江がブチ切れたっ!!
「マイクをよこせっ!!」とアピールしている時点で観客はブーイングを入江に浴びせる。
このブーイングが入江の怒りに油をそそぎ、目を剥き出して叫び始めた。

「オイッ!! (観客ブーイング)

 俺はよぉ、金的ありのルールなら、最初からそれに合わせた戦い方でやるってるんだよぉ!!
 こんなルールでなぁ、世界最強が決まると思ったら、大間違いなんだよぉ!!(観客大ブーイング)

 何っ!? DEEPは今回で10回目!? そいつはおめでとうございます。
 …俺らキングダム エルガイツは24回やってんだよっ、バカヤローッ!! (観客大ブーイング)

 おい、佐伯っ!!
 お前、今日はここのルールで俺が勝ったんだから、
 次はエルガイツでの勝負を飲めやっ!!(観客大ブーイング)」

煽られた佐伯社長がマイクを握る。だが、本部席からは一歩も動かず、一言。

「次がありますんで、また話しましょう。進行のジャマなので、帰ってください。」

これには観客、大爆笑。会場は佐伯コールと帰れコールが入り混じっている。

で、これで更にブチ切れた入江がマイクアピール。

「いいかぁ、佐伯っ!! (観客大ブーイング & 帰れコール)

 大田区のエルガイツでDEEPとの全面戦争やってやるよっ!!
 精々、選手を選んでおけやっ!!

 言っておくがなぁ、エルガイツには、
 今日の相手よりもっと強い奴がゴロゴロしているからなっ!! (観客大ブーイング & 帰れコール)」

こうして散々にブーイングを浴びながらも自分の興行をアピールした入江、
帰れコールの中、四方のコーナーポストに登って、目を剥き出しながら観客に手を振っていた。

いやいや、DEEPにナチュラルヒールが誕生したな。
入江のヒールっぷりは中々気持ちが良くていいね。


第四試合 90Kg契約 5分3R
△MAX 宮沢(171cm/90kg/荒武者総合格闘術)
△鬼木 貴典(168cm/87kg/Team ROKEN)
[判定 1−0]

いきなりド派手な入場は鬼木。
サングラスに白いスーツ、チンピラルックに身を固めての入場。
リングサイドの四方を回り、キャバクラで豪遊しているかの如く、
「とっとけっ!! とっとけっ!!」と札束…ではなくポケットティッシュを撒き散らす。
観客は「俺もっ!! 俺もっ!!」の奪い合いで騒然となっている、文字通り「掴みはOK」。
僕も色々な選手の入場を見てきたが、ここまで派手な入場は記憶にないなぁ。

対する宮沢、地味な入場。
鬼木とは今年3月に行われたADCCの日本予選での対戦しており、この時は敗北しているのだ。
寝技限定のADCCでの敗北、そのリベンジを総合格闘技のDEEPで達成できるか?

…なんて思ってたら。
僕はあんまり鬼木を知らなかったんだけど、よくよく見れば彼の所属はTeam ROKEN。
ここの所属といえば「足関十段」今成 和成やら、PANCRACEフェザー級で活躍中の和知 正仁やら。
ついでに言えば、今成はZSTで「東洋の神秘」矢野 卓見とタッグを組んでいるわけで、
コレだけの曲者のお仲間となれば、やっぱり鬼木も曲者だった。

1R…鬼木はやる気を見せない。
半笑いの表情を浮かべながら、ヤノタクばりの半身の構えだ。
宮沢が近づけば、ソバットでこれを突き放す。そしてニヤニヤ。
鬼木は最初から宮沢をバカにしている様子。

宮沢、これに構わず重めのローキックで鬼木のモモを蹴って行く。
鬼木はこのローキックを逃れる為に…。
背中を見せてスタコラサッサと小走りにリングを回る。
そして両腕を挙げて観客にアピールする。観客からは笑いが起こる。
なにやらK-1 J-MAXに出場した時の須藤 元気を思わせる展開だ。
この後も宮沢のローキックを食らいながらもウケ狙いの動きを連発する鬼木。

だが鬼木、その顔面に宮沢のストレートが入ると、これがちょっと効いた様子。
鬼木は苦し紛れのタックルを宮沢にかまし、コーナー際へと宮沢を運んでいく。
宮沢はこれを挿し返すと、細かいヒザやパンチで鬼木を攻め込む。

こんな状況でも鬼木はウケを狙う事を忘れない。
宮沢の細かいパンチに、頭を振って額で受ける防御を見せる。
観客から「あ、あれは『はじめの一歩』で見たことがあるっ!!」なんて声が飛んでいる。
しかしウケはとれても展開はなし、ここでレフリーがブレイクした。

この後、宮沢はストレートやローキックで鬼木をコーナー際へ押し込み、
やはり細かいヒザでダメージを少しづつ与えていく。
対する鬼木、セコンドの「足を踏みましょ、足を」の指示通り、
宮沢の足を踏みつける事に夢中になる。観客が笑う中、1Rは終了。

2R、やはり背中を見せる鬼木。宮沢はハイキック。
かわした鬼木に「もっと相手の予想の出来ない事をやりましょうっ!!」と指示するのは鬼木のセコンド陣。
観客から笑いが起こる中、これを聞いた鬼木は鶴のポーズで相手を牽制、観客大爆笑。
イヤ、予想の出来ない事とウケを取る事は根本から違うと思うのだが…。

この後も続く鬼木ワールド。
タックルを返されて宮沢にコーナー際へ運ばれれば、だっこ状態で宮沢に組み付いて足をブラブラ。
前に出ての打撃戦、宮沢のフックやストレートをもらってしまった鬼木だが、
意外にも正確なジャブを連発で返していき、これで宮沢の顔面には鼻血が出る。
で、これを警戒して宮沢が距離があければ、鬼木は再び鶴のポーズで相手を威嚇。
またまた背を向けて逃げまくる鬼木、これを追いかける宮沢。

両者の距離が詰まれば打撃戦、
お互いのローキックやストレートがちょこちょこヒットする中、宮沢のストレートがモロにヒット。
効いた様子の鬼木、再び苦し紛れに宮沢に組み付くも、宮沢は逆にコーナー際へ鬼木を押し込む。
ブレイクを挟んで再び始まる打撃戦、やはり宮沢のストレートやローキックが鬼木にヒットする。
2Rはここで終了。鬼木は観客のウケは取っているが、試合は宮沢に押されている。何だかなぁ。

3R、鬼木はジャンピングパンチで宮沢に突進するも、宮沢はこれをあっさりかわす。
そして距離が詰まり、またまたパンチの打ち合いだ。
で、やっぱりモロに入れるのは宮沢の方、ストレートが二発程、鬼木の顔面を打ち抜く。
更にパンチを出しつつ鬼木に組み付く宮沢、コーナー際へ押し込むも早々にブレイク。

試合が再開してもやはりパンチ合戦、んで当て続けているのは宮沢の方。
ストレートが何発もモロにヒットしており、流石の鬼木もダメージが大きそうだ。
更にはローキックも何発もヒットさせ、組み付けば鬼木をロープ際へ押し込む。
これに対して、鬼木はロープの隙間からわざと自らの体を逃がして場外へ。
観客が騒然とする中、鬼木のこの逃げに対してイエローカードが出される。

試合を再開してもペースを取っているのは宮沢。
パンチ戦の中でローキックやフックを当て、組み付いてはコーナー際へと押し込む。
これがブレイク、鬼木は起死回生のカニ挟みで宮沢をテイクダウンさせようとしたが、
宮沢はこれを押さえ込み、グラウンドでインサイドガードの体勢になったところで試合終了。

判定…なのだが、この試合、鬼木にはイエローカードが出ているし、
それがなくても完全に宮沢の判定勝ちだと思われる。
にも関わらず、実際は1−0のドローだと言う。
宮沢は試合終了時には両腕を挙げてガッツポーズを取っていたが、
この判定が出るや否や憮然、反対に大喜びの鬼木が握手を求めても、
これを無視して控え室へと引き揚げていった。まあ、当然だわな。

---

●休憩15分

ここで15分間の休憩となったが、この時、1Fフロアは大変な事になった。
何故なら、この日のDEEPには格闘技界の大物が大挙来襲した為である。

リングサイドにはヒカルド アローナとマリオ スペーヒーが陣取り、
ヴァンダレイ シウバ & フジマール会長、アリスター オーフレイム、
クイントン ランペイジ ジャクソンは観客のサインの対応に大忙しだ。
別な場所では、チャック リデルがやはり観客とのスキンシップを楽しんでおり、
そんな中、TKがエンセンやリデルやオーフレイムやシウバなんかに挨拶回りをしている。
今日のテレビ中継の解説である田村 潔司を含め、世界の総合格闘技の大物が大集結だ。

一体、何が目的の集結なのだろうか?
佐伯社長のご招待だとは思うが…。

---

第五試合 65kg契約 5分3R
○TAISHO(164cm/68kg/Team BARBOSA Japan)
●朝日 昇(162cm/65kg/東京イエローマンズ)
[3R 42秒 TKO]
※レフェリーストップ:グラウンドでのパンチ連打

かつて修斗には「修斗四天王」と呼ばれる存在がいた。
ヘビー級のエンセン井上、ミドル級の桜井 "マッハ" 速人、
ウェルター級の佐藤 ルミナ、そして、ライト級の朝日 昇。
だが、それも遠い過去の話。エンセンはトラブル続きで修斗を離脱、
そして朝日は自身のジム「東京イエローマンズ」を立ち上げ、
暫くの間、リングに上がる事はなかった。

今日、ついに復活する朝日。
テイクダウンを捕られ続けながらも、足関節の捕り合いに沸いた2000年9月の植松 直哉戦。
判定による敗戦になったこの試合以来、約2年半ぶりのリングとなる。
入場曲は、相変わらず篠原 涼子の「愛しさとやさしさと心強さと」。
久々に聞くこの曲に会場が沸きあがる。
流行に流されずにこの曲を掛けるところが何とも朝日らしい。

対するは、このところのDEEPでは連勝中の、日本柔術界の新鋭・TAISHO。
試合前のインタビューでは朝日に対して「沈んだ夕日は昇らないっ!!」と挑発。
「奇人」朝日を相手に、真の実力が試される。

1R、まずは両者共に距離を置いての軽い打撃戦。
そんな中、早くも朝日が仕掛ける。タックルでTAISHOに組み付いたのだ。
一度はTAISHOに捌かれたものの、二度目はテイクダウンに成功、観客から歓声が。

朝日はインサイドガードの体勢、TAISHOはクロスガードでガッチリの防御。
朝日は上半身を起こして、下になったTAISHOを持ち上げ、スパインバスター風にリングに叩きつける。
これでクロスガードが崩れたTAISHOからハーフマウントを奪った朝日、
ニー オン ザ ベリーに移行したと思いきや、関節技を狙うべく一気にTAISHOの上半身に組み付く。
そのまま三角絞めの体勢まで持っていった。
会場に秒殺を期待する空気が流れたが、TAISHOはこれを外して、試合は再びスタンドに。
観客はやや落胆しながらも、緊張感のある試合に沸き返る。

両者の軽い打撃戦の中、朝日のストレートがヒット。
怯むTAISHOにタックルを仕掛ける朝日だが、TAISHOは腰が重く、中々テイクダウンを許さない。
再び両者に距離があき、今度はTAISHOがフックを仕掛けた。
が、これをダッキングでかわした朝日、そのままタックルでTAISHOをコーナー際まで運ぶ。
だがTAISHO、その朝日の首をフロントチョークに捕らえると、そのままグラウンドへ引き込んだ。
観客から不安の声援が飛び、反対にTAISHO応援団から歓声が沸いたが、朝日はこのチョークを脱出。
インサイドガードの体勢になった朝日、自ら立ち上がれば、TAISHOもすかさず立ち上がる。

またまた両者スタンド、TAISHOはこの後、打撃で牽制、朝日と組まないように距離を置く。
この打撃のうち、フックが朝日の顔面を捉えた。朝日の顔面から鼻血が。1Rは終了。
朝日、序盤は良かったが終盤はやや押され気味だ。

2R、開始早々にTAISHOのパンチを掻い潜ってタックルを繰り出した朝日、
TAISHOはこのタックルを潰して逆に朝日からテイクダウンを奪う。
しかしTAISHOは自ら立ち上がり、朝日もすかさず立ち上がる。仕切りなおしだ。

朝日、自らTAISHOに組み付いてはコーナー際へと押し込み、ここでテイクダウンに成功。
試合はグラウンド、朝日はインサイドガード、TAISHOはクロスガードの体勢。
上から顔面パンチを落としつつ、1Rでも見せたスパインバスターを慣行する朝日。
だがTAISHOは、柔術戦士の面目躍如、下からの腕ひしぎ逆十字固めで逆襲だ。
型だけで見ればガッチリ極まっているように見えるこの逆十字。
ピンチを迎えた朝日に観客が声援を送る。朝日、万事休すか?

…何とか外した朝日、観客からは安堵の歓声が。

だが、この後も攻め手を緩めないTAISHOに下から組み付つかれると、
朝日は逆にテイクダウンを奪われてしまった。

初めて上になったTAISHO、ハーフマウントの体勢。
ここからパスガードを狙うべく積極的に動いたが、流石に朝日も簡単にはパスガードを許さない。
結局、TAISHOが立ち上がったタイミングで朝日も立ち上がる。
スタンドからTAISHOが組み付いて引き込み、試合はまたまたグラウンドの攻防。
インサイドガードの朝日、上からのパンチでTAISHOを殴るが、
クロスガードでガッチリ防御するTAISHOからイマイチ主導権を握りきる事が出来ない。
仕方がなく自ら立ち上がる朝日、TAISHOも立ち上がる。
ここにきてTAISHOの攻勢がかなり目立ってきた。

このラウンド最後の攻防、朝日はやはりタックルでTAISHOに組み付いたが、
TAISHOはその首をフロントチョークに捕らえると、朝日の体に飛びついて体重を乗せる。
修斗のペケーニョが得意としているギロチンチョーク(※注)ばりの動きを見せるTAISHO。

※注:この場合のギロチンチョークはフロントチョークの別称の事。
   一般に知られる、上腕部を喉元に押し込んで絞めつける方のギロチンチョークとは別である。

ガッチリ極まった上にグラウンドに引き込まれ、朝日は大ピンチだったが、何とかこれも逃れた。
2Rはここで終了。TAISHOの仕掛けを逃れる展開が続く朝日、反撃なるか?

しかし、この試合の終了は突然に。

3R、距離の見合う両者だが、
突然、TAISHOが奇襲の飛びヒザ蹴りを繰り出すと、これがモロに朝日の顔面にヒット!!
朝日はグラ付きながらもタックルを慣行するが、TAISHOは逆にコーナー際でテイクダウンを奪うと、
ダメージの大きい朝日に上からのパンチを無我夢中で連打する。
モロに食らい続ける朝日、明らかに動きが鈍くなっている。これを見たレフリーが試合をストップ。

新鋭・TAISHO、修斗の四天王を破る大金星。
応援団が歓喜の歓声を挙げると、TAISHOはリング外に飛び出て応援団と抱き合って喜んでいる。
そんな中、ダメージの大きい朝日は中々立ち上がる事が出来なかった。

朝日、1R序盤こそ良かったものの、2R以降は完全にTAISHOに翻弄されていた印象だ。
やはり、2年半のブランクは少々長すぎたか。
でもまあ、落日を感じさせる敗戦ではなかったように思える。再起に期待だ。


第六試合 77kg契約 5分3R 旧DEEPルール(グラウンド状態でのあらゆるヒザ攻撃が禁止)
○桜井 "マッハ" 速人(マッハ道場)
●デイブ メネー(米国/ミネソタ マーシャルアーツ アカデミー)
[2R 2分2秒 TKO]
※ドクターストップ:膝攻撃で左頬のカット、出血

今日のメインイベントは、マッハの大一番。
DEEPも随分と大層なカードを組んだモノだなぁ。

昨年12月の修斗NK興行、UFC戦直前に負ってしまったケガからの復帰戦では、
本調子が戻らず無名のジェイク シールズに完敗した桜井。
だが、今年3月にこのDEEPで、現DEEPミドル級王者の上山 龍紀と対戦。
DEEP vs 修斗の頂上決戦、不調の桜井では昇り調子の上山には勝てないのではないかと見られていたが、
蓋を開ければ、一本勝ちこそ逃したものの、試合自体は桜井の完勝、
桜井はこのDEEPのリングで完全復活をアピールした。

そして、その桜井にDEEPが与えたのは、UFC再上陸のチャンス。
今日対戦するメネーは、初代UFCミドル級王者。
メネーはこの試合の10日前、ミネソタでのエクストリーム コンバットという興行で、
対戦相手を50秒で秒殺している。桜井、相手に不足なしである。
今日もブルーハーツの「シンデレラ」と共に入場、観客は大歓声だ。

1R、まずは距離を取る両者。
メネーはパンチを仕掛けたが、桜井はこれに組み付いて足を掛けテイクダウンを奪う。
観客から大歓声が沸くが、メネーはこれをあっさりリバースして上になる。
驚きの声は観客から挙がる中、ならば、と、桜井は下からのフロントチョークで絞めようとする。
だがメネーはこれもあっさりと外す。メネーがパワー勝ちしている印象だ。

メネー、インサイドガードから上半身を起こして、下になった桜井のボディや顔面にパンチを落とす。
これに対して、クロスガードを取りながら、時折下から組み付いて防御する桜井。
ならば、と、メネーは一旦立ち上がり一気にパスガードを狙う。が、これは桜井に阻まれた。
メネーは再びインサイドガードの体勢に戻し、
クロスガードの体勢を取る桜井に上半身を起こして圧力の大きいパンチを打ち下ろしていく。
そして一気に足を取ってヒールホールドへ。初代UFC王者のメネーが勝負に出る。

だが、このタイミングで一気に体勢をリバースして上になった桜井。観客は大歓声だ。
ニー オン ザ ベリーの桜井だが、ここはメネーもパワーに任せて立ち上がる。
だが立ち上がり際に、桜井は首相撲からのヒザ蹴りを一発メネーにお見舞いした。観客からは大歓声。
桜井は再び試合をグラウンドにすべくメネーに組み付いて崩そうとするが、メネーは腰が重く崩れない。
逆にメネーは、組み付いたまま桜井をコーナー際へと押し込んで桜井を崩そうとする。
しかし、試合はやや膠着、ここでブレイクが入った。

桜井は距離をあけてのソバットで観客を沸かすと、
再びメネーに組み付いて、押し倒すようにテイクダウンを奪う。
だが、メネーの腰は強い。テイクダウンを奪われながらもすかさず体を起こすと、
逆に胴タックルを慣行し桜井からテイクダウンを奪う。ここで1R終了。
初代UFC王者と互角の戦いに観客が沸き返るが、メネーのあの腰の重さは不気味だ。

2R、桜井はメネーに組み付いてヒザ蹴り二発をクリーンヒットさせる。
だがメネーはお構いなしに、組み付いたまま桜井を押して行く。
桜井、ここで投げを放とうとしたがスッポ抜けて失敗、メネーにインサイドガードを許してしまう。
だが、ここでメネーの顔を見れば、その目の下あたりからはおびただしい出血が。
どうやら、2R開始早々のヒザ蹴り二発によるものらしい。

そして、下になってからも攻める桜井。
クロスガードからメネーをコントロールしつつ、下からの顔面パンチを連打。
そして流れるように三角絞めへ移行、これがガッチリと極まった。
観客からは桜井の勝利を確信した大歓声だ。
だが、これはメネーが強引に腕を抜いて逃れた。
観客からは落胆の溜息が出る。桜井は上になっているメネーに組み付いて防御。
これを見たレフリー、ちょっとタイミングが早いがブレイクを要請。

と、メネーのもとにドクターが駆け寄る。どうやら目の下あたりのケガが深いらしいのだ。
ドクターは既にメネーを説得に入っている、どうやら試合をストップさせるらしい。
少々のやり取りの後、やがてレフリーが両手を振れば、試合終了のゴング。

観客は大歓声、桜井の初代UFC王者からの勝利を祝福する。
もちろん、勝った桜井だって大喜び。反対にメネーやそのセコンドは大変に不服そうな顔をしている。
個人的には、いい試合なのでもう少しの間試合を見たかったが、
ケガを負ってはやむなし、と言ったところか。

試合後、セコンドを勤めた木口道場の木口会長が真っ先にマイクを持つ。

「♪Amazing〜、 Grace〜、How sweet〜、the sound〜…」

何故か賛美歌の「Amazing Grace」を歌いだす。
桜井も黙ってそれを聴いている。木口会長は結局、フルコーラスを歌い上げた。
その歌声にヤンヤヤンヤの歓声が沸き起こる中、
桜井は「一言。ありがとうございましたっ!!」と挨拶。観客は大歓声だ。

桜井はこの勝利で、昨年12月の不調説を完全に払拭したと言えるだろう。
ならば、UFCへの再上陸は時間の問題か? それともPRIDEライト級への進出か?
イヤイヤ、まずは7月のDEEP大阪大会だ。この先の展望を期待して待とう。

---

雑感:
とにかく選手にチンピラチックな見た目の人が多かったのが印象的でした。
最近の格闘技界の流れなんでしょうかねぇ?

で、今日はフューチャーファイトを含めて一本勝ちが続出。
興行としてはかなりサクサク進んでいい感じでした。
その内容も、マッハの明日に繋がる勝利、朝日の潔い完敗、
宮沢と鬼木の因縁、そしてヒール入江誕生…と盛り沢山。
最近はやや低迷していたDEEP、この興行を切欠に話題性でも息を吹き返すように思います。

で、次の大阪大会のカードの豪華さは何なんでしょ?
この興行、東京でやってくれんかなぁ…。

---

以下、boutreviewより転記、編集

DEEP事務局 "DEEP 11th IMPACT in OSAKA"
2003年7月13日(日) 大阪 グランキューブ大阪(大阪国際会議場 5Fメインホール)
開場 14:30 開始 16:00(フューチャーファイトは15:00開始)

第八試合 69kg契約
三島 ★ ド根性ノ助(総合格闘技道場コブラ会)
今成 正和(Team ROKEN)
 
第七試合 グラップリングタッグマッチ
桜井 "マッハ" 速人(マッハ道場) & 須田 匡昇(CLUB J)
國奥 麒樹真(パンクラスism) & 門馬 秀貴(A-3)
 
第六試合 55kg契約(グラウンド顔面パンチあり)
辻 結花(総合格闘技 闇愚羅/スマックガールミドル級トーナメント覇者)
アンナ ミッシェル ダンテス(ブラジル/ノヴァ ウニオン)

第五試合 82kg契約
長南 亮(U-FILE CAMP.com)
久松 勇二(TIGER PLACE)
 
第四試合 78kg契約
光岡 映二(RJW/Central)
グレイソン チバウ(ブラジル/ノヴァ・ウニオン)

第三試合 76kg契約
池本 誠知(ライルーツコナン)
佐々木 恭介(U-FILE CAMP.com)
 
第二試合 90kg契約
伊藤 博之(フリー)
奥山 哮司(CMA京都成蹊館)

第一試合 68kg契約
亀田 雅史(フリー)
深見 智之(CMA京都成蹊館)
 
※ほか地元大阪の道場の選手を中心としたフューチャーファイトを5試合予定




本稿の著作権はすべてKANSENKI.NET及び「書き手」に帰属します。

戻る
TOPへ