5/18 PANCRASE 横浜文化体育館興行 観戦記
■団体:PANCRASE
■日時:2003年5月18日
■会場:横浜文化体育館
■書き手:高倉仮面
12:00
横浜市営地下鉄 関内駅に到着。

いきなりで恐縮ではあるが、
神奈川県に住んでいる僕が横浜文化体育館へ行くのに地下鉄を使う時は、
「横濱カレーミュージアム」に出向く時と決まっている。

最近は横浜に行く時の食事は中華街が多かったので、
「たまにはカレーを…」と思い立っての事である。
…と言うよりは、最近は横浜に行くと、食事は中華になる事が多いので、
さすがに「飽きた」というのが本音。
大体、横浜の中華街は、出てくるモノに対して値段が高いんだよなぁ。
出てくる量も少ない事が多いし、店員の態度は悪いし…。

●横濱カレーミュージアム
http://www.currymuseum.com/

で、ミュージアム内にあるカレー店の中で、
現在の僕のお気に入りは「せんば自由軒」のインデアンカレー。

最初からルーとライスがグチャグチャに混ざった状態で出てくるここのカレー、
カレーのお山の頂上には窪みがあって、生卵がポチャンと丸ごと一個入っている。
卵を混ぜるべく、グチャグチャのカレーを更にグチャグチャとかき混ぜる。

ちなみに。
カレー通なら、最初からルーとライスがグチャグチャになっている状態でのカレーが、
如何に旨いかお分かりのはずだ。

●タモリ、お前もわかっとるやないけ(日明兄さん調)。
 はぁ? 森田 剛?(V6) お前にカレーの何がわかるって言うんだっ!?
http://www.246.ne.jp/~namioka/2001/20011204.htm

ルーの味はスパイシー、味は薄くてひたすらピリピリ。
「これだけでは足りない!!」って言うんで、備え付けの特性ウスターソースをカレーに適量かけて、
グチャグチャになったカレーをまたまたグチャグチャとかき混ぜる。
で、色々と混ざりまくったカレーを食べる…「ンマーイ」。

混ぜれば混ぜる程に旨くなる。
インデアンカレーは通常のカレーとは全く違う変わり物の一品だ。

●せんば自由軒(横濱カレーミュージアム内)
http://www.currymuseum.com/guide/shop14.html

●せんば自由軒
http://www.jiyuuken.co.jp/

と言う訳で、僕の頭の中は早くもルーでひたひたになっているのだ。

が。

同行しているハセキョー(自称)が、あまりカレーに興味を示していない。
「食事なんて何でもいいから、私は遊びたいっ!!」という態度が丸出しである。

全く、ここのカレーを食った事がないから、こういう態度が取れるのだろう。
食った事があれば、「インデアンカレー」の単語だけで頭の中はルーでひたひたになるはずだからな。
わかった、わかったから。ここカレーを食べたら遊んであげるから、
あんまり「カラオケに行きたいっ!!」とか我侭を言わんでくれい。



…そう、今日は珍しくも女性同伴なのだ。
実は観戦記を書き始めて一年半、これが初めての事だったりするのだが、
特に何か良い事があった訳でもないので、いつも通り淡々と書く。
ちなみに、このハセキョー(自称)と言うのは、本当に本人が自称している。
ま、本人を知っていれば「厚かましいにも程がある、というか(苦笑)」という感ではあるが、
あまりに堂々と言ってのけたので、この名前で書く事にする。


12:10
徒歩にして数分、カレーミュージアムに到着。
関内地下鉄駅からだと実に近くていい。

●と思っていたら、JRの方が近いのね。
http://www.welcome.city.yokohama.jp/tourism/spot/spot1030.html

今日の伊勢佐木は快晴、絶好のカレー日和だ。
こんな天気の時に食べるカレーは、さぞかし「旨い」だろうなぁ。
「カレーに日和はないだろうし、晴れた日は何を食べても旨いんじゃないか?」
という意見もあるだろうが、だまれだまれ。

久々のカレーに在りつくべく、いざ入店…。

出来ない。

お店の前が長蛇の列だったりするんだな、これが。

う〜ん、何故? いつもはこんなに混んでないのになぁ。
ここは、知れ渡っている名前の割には結構すいている所が、僕にとっての美点だと言うのに。
今日に限って、何かのフェスティバルでもやっているのだろうかねぇ?
何で今日に限って、こんな列なのだろう…!?

ハセキョー(自称)が一言。
「当たり前じゃないの? お昼ご飯の時間だし。」

ハッ、うっかり(ゲダツ@ワンピース)、である。

そう言えば、いつも僕がこの店に来店する時は、
RINGS(涙)やPANCRASEの興行のついでの時ばかりだから、
平日だったり、食事にはやたらと中途半端な時間が多かったなぁ。
今まではたまたますいている時間にだけ来店していたんだ、自分でも気付かんかった。
偶然とは恐ろしいもんだねぇ、全く。

で、ハセキョー(自称)が更に一言。
「ん〜、なら、カラオケに先に行ってからカレー食べようよ。」

成程、時間潰しって訳ね。
ここは折れよう、カラオケに行くか。


12:15
カラオケ屋を探しながらイセザキモールを歩く。

●ヨコハマ イセザキモール
http://www.isezaki.jp/

この通りは道がとても広く、人の行き交いが大変に多い。
今日のような休日であれば、その賑わいは大変なものになる。
道の中には大道芸人もチラホラ存在し、人垣があちこちに出来上がっている。
晴れた日曜日に散歩するには大変に気分の良い通りだと言えよう。
そして、こじゃれたお店も数多く存在し、構えが良くて美味しそうなお店もあちこちに…。

ダメ、ダメ、ダメ。
今日はカレーを食べるのだ。


12:40
気がついたら長者町の方まで歩く事になってしまったものの、何とかカラオケ屋を発見した。
しかもそこは新宿で僕が良く使うお店のチェーン店だ。

●おいしんぼカラオケ パセラ
http://www.pasela.co.jp/main.html

ここなら曲数も食べ物も信頼できる。
早速、入店して歌う事にした。

ここのいい所は、曲目数が大変に充実している事である。70000曲という曲数は伊達ではない。
そりゃ、クレイジー ケン バンドが入っているカラオケ台は、
彼らがブレイクした今となっては多いだろうが、
「アメ車と夜と本牧と」「あるレーサーの死」「お・ん・な」
「スージーウォンの世界」「太陽のモンテカルロ」「ハンサムなプレイボーイ」
この辺りの曲を収録しているカラオケとなると中々あるものではない。

で、僕はこの辺の曲を中心に、斉藤 和義やらKemuriやら昔の米米クラブなんかを歌う。
ハセキョー(自称)も、中島みゆきを中心に、ユーミンやら中島 美嘉やらを歌ったりだ。
ちなみに僕自身は2人きりのカラオケは初めてだったのだが、こんなに盛り上がるとは思わなかった。

●クレイジー ケン バンドを視聴せよ
http://www.fujiint.co.jp/FACTORY/CS0059/0002live.html

で、小腹がすいたので、
歌の途中で「完熟バナナのチョコハニートースト」を注文して二人で食す。
これはこれで中々の味ではあったが…。

思っていたより量が多かったのは誤算だった。
貧乏性からか何とか完食したものの、お陰でお腹は一杯。
これではカレーが食えなくなるではないか…と思っていたら、
案の定、ハセキョー(自称)が、

「私、もうカレーなんて食べられない。
 それより、寿町の方でウィンドウショッピングがしたいぃ!!」

とゴネだしているではないか。
今日はカレーを食べるのが目的で地下鉄に乗ったのに、
何だか振りまわされているよなぁ。

しかしながら、
「この時代、男が弱くなった」のも真理なら「いつの世でも、女は強い」というのも真理。
悪びれもなくハセキョー(自称)なんて名乗れるような女なら尚更相手が悪い、というものだ。
意思の弱い…心優しい僕は、今日はカレーを諦め、寿町方面を歩くことにした。

クソッ、今書いていても情けない話だな。
覚えてやがれ、ハセキョー(自称)。


15:10
元町商店街を二人で散策。

●Motomachi Shoping Street
http://www.motomachi.or.jp/

そもそもは、山手のお金持ちのご用達の商店街であるこの通り、
相変わらずメチャメチャ高級そうな店ばかりだ。
ブティック、貴金属、小物、シューズ、バッグ…。
イヤハヤ、僕の生活には縁のなさそうな店ばっかりだ。

そして…。
この通りの中の宝石店ばかり見てまわるハセキョー(自称)。

いやはや、何とも恐ろしい女だ。
彼女でなくて良かったと、何となくホッとする気になる。
ま、いつもは入らないようなお店にばかり入る事になったのはちょっと面白いけどさ。

中でもハセキョー(自称)がお気に入りだったのが、このお店。

●Star Jewelry
http://www.star-jewelry.com/

現在は改装中、仮店舗で営業中だったようなのだが、
それにも関わらず、お店からは「貧乏人お断りオーラ」が出まくり。
店に入る前からビクビクしている僕を尻目に、ハセキョー(自称)はスッとお店の中へ。
ガラス張りの店内では、キレイなお姉さん達が、
現実味のないような制服を着て、ハセキョー(自称)を笑顔でお出迎え。
で、ハセキョー(自称)も、何やら気軽に店内の女性と会話を交わしている。

何で僕と一緒にいるんだ、この女は…。
何やら、住む次元が違う気が…。


16:20
…とか、何とか言っているうちに、もう興行の時間である。
で、ハセキョー(自称)が一言。
「私、格闘技とかにはあんまり興味がないから、もう帰るわ。」

ぬぬぅ!!
言うに事欠いて、この僕に向かってこんな事を言い出すかっ!?
この女の我侭には愛想が尽きたっ!! もはやガマンの限界だっ!!

「こ、このアマ!! 何しに僕と一緒にいたと言うんだっ!?
 俺と一緒に横浜来たなら、格闘技くらい観戦しやがれっ!!

 …あっ、…イヤ、奢るからさ、お願い。…ダメ?」

…妄想の中ですら負けモードだが、実際は更なる負けモード。
上記の本音をおくびにも出さず、笑顔でJR石川町駅までハセキョー(自称)をお見送り。

繰り返す。
「この時代、男が弱くなった」のも真理なら、
「いつの世でも、女は強い」というのも真理。
ただ単に「お前が弱いだけじゃないのか?」という意見もあるだろうが、
ここはそういう難しい話をする場所ではない。

覚えてやがれ、ハセキョー(自称)。


16:40
やや遅れて一人で横浜文化体育館に到着。本日はPANCARSEの観戦だ。

今日の目玉は、何と言ってもPANCRASEが温存していた切り札カード、
キング vs エース、GRABAKA vs ismの総大将戦、PANCRASE頂上決戦、
色々な表現が出来る好カード、菊田 早苗 vs 近藤 有己であろう。
長い間、待ったを掛けていたこの試合が、ついに実現するのだ。
PANCRASEファンにしてみれば、今日の興行はまた格別な思いであろう。

だが。

実は今回の興行、このカード以外にあまり良いカードがないのも事実だったりする。
強いて言うなら、三崎 vs 久松先生、決着がつかなかった因縁のカードの再戦、
ルタ リブレ系道場のアカデミーア ブドーカン勢の来襲であろうか。
とはいえ、これらの事実も菊田 vs 近藤の前では霞んでしまうなぁ。
逆に言えば、それだけこのカードが素晴らしいと言うことか。

会場費、7000円を払って会場入り。
思いの他、高くついてしまったが、今日は何だかしょうがない気がする。
真面目なPANCRASEファンは、頂上決戦が決定した時点で安い席を予約する。
そのお陰で、安い席が全部売れちゃっていたしなぁ…。

16:45
本日の観客は…おお、PANCRASEの文体興行では久々の超満員だ。
空席も若干あるものの、まんべんなく客席が人で埋め尽くされているぞ。
こんなに埋まっている文体興行はホントに久しぶりである。
メインイベントに大きく期待しつつ観戦開始。

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第一試合 フェザー級 5分2R
●砂辺 光久(172cm/55.0kg/HYBRID WRESTLING 武∞限)
○前田 吉朗(170cm/63.9kg/P'sLAB大阪 稲垣組)
[判定 3−0]

僕が観戦したのは2Rからであったが、
PANCRASE フェザー級のエースと目されていた砂辺に良い所がない。
というよりは、寝技で前田が完全に圧倒していた。
前田は下になってもリバースで上を取り返したり、三角絞めを狙ったり。
一方の砂辺は完全にペースを奪われており、自分から殆ど攻めれない。

判定は3−0で前田。
観てはいないが、あの動きの差であれば、1Rも砂辺は苦戦していたのだろう。
現役時代は決して良い戦跡を残せなかった稲垣の弟子である前田。
フェザー級のニューエースを目指して頑張って欲しいものだ。

…と思ったら、公式ページに乗っている体重に随分な差があるなぁ。
ひょっとして、この体重差から来るパワーの差が勝負の分け目かねぇ?


第二試合 ウェルター級 5分2R
△アライ ケンジ(176cm/72.7kg/PANCRASE ism)
△長岡 弘樹(170cm/74.8kg/ロデオ スタイル/四位)
[判定 1−0]

若手の注目株、アライの登場…だが、
前回出場したディファ有明大会では、新鋭の関 直喜に秒殺にて完敗。
このところの絶好調ぶりにややブレーキが掛かってしまった。
本日の対戦相手は、PANCRASE ウェルター級のランカーである長岡。
こちらも、同級のタイトルマッチで國奥 麒樹真に負け、
前回出場の後楽園ホール大会では北岡 悟に負け。
両者共、崖っぷちではないにせよ、負けられない一戦と言えよう。

1R、お互いに距離を空けてジャブを繰り出す中、
まずは長岡が組み付いてアライをコーナー際へ押し込む。
そして何度かテイクダウンを奪うべく崩しにかかるが、アライは簡単には崩れない。
そして体制を戻すと、コーナー際で組み合いながらお互いに細かい打撃を入れていく。

それでも残り30秒の場面で、長岡はアライをテイクダウン。
インサイドガードの体制からポジションを奪おうと、
立ち上がって片足を捕ったりする長岡だが、
アライはそれをさせず、長岡が潜って上になったタイミングで下から細かい打撃を入れていく。
対して、ラウンド終盤でようやくハーフマウントを奪った長岡だったが、
下からアライに腕を捕られる等粘られ、1Rはこれで終了。

2R、やはり長岡から接近、
パンチからアライに組み付くと、コーナー際へと運ぶ。
両者の細かい打撃の応酬の中、長岡はアライを崩そうとするが、
1Rと同じく、アライは簡単には崩れない。
今度は逆にアライが長岡を潰そうとする、が、こちらも堪える。
長岡は再びアライを崩しテイクダウンに成功…しない。
アライが素早く立ち上がった為だ。アライファンの歓声が起こる。

この後も両者組み合っての崩し合いが続いたが、結局両者共に崩れず。
試合はやや膠着、ここはレフリーがブレイクを要請。

試合再開、近距離からのパンチ合戦、アライのアッパーが長岡を捉えた。
怯む長岡だったが、何とかアライに組み付いてコーナー際へ。
で、やはり崩そうとするがアライは崩れない。
逆にアライ、組み付いてのヒザを強引に長岡の顔面に2発入れる。
しかしその後は大きな展開はなく、コーナー際での細かい打撃の攻防に終始。
ラウンド終了間際に長岡がテイクダウンを奪ったが、全ては後の祭りである。

判定、両者共に決定打はなくドロー…なのはいいが、
どうやったら、この展開で勝者をアライに出来るのだろうか?
ジャッジの岡本さん、宜しく頼みますよ、ホントに。


第三試合 ウェルター級 5分2R
○大石 幸史(171cm/73.9kg/PANCRASE ism/二位)
●花澤 大介(170cm/74.9kg/総合格闘技道場コブラ会)
[判定 3−0]

今まで全ての試合が判定勝利になってしまっている大石。
しかしグラウンドでの安定したポジション捕りには定評がある。実力は中々のもの。
安全確実に勝利を重ねる事で上位選手へと存在をアピールしつつある、とも言える大石、
今日の対戦相手は、三島 ド★根性ノ助の所属するコブラ会の新鋭、花澤だ。

1R、花澤は接近して大石に組み付くと、差し合いからコーナー際へと移動。
しかし、ここから試合に展開がなく、結局は距離があく。

軽い打撃の応酬、花澤はジャブからのローキック、大石はストレートをヒットさせる。
今度は大石が花澤に組み付き、ヒザを入れたりするが、
やはり花澤はコーナー際へと大石を運んでしまう。

一度は大石に突き離されたもののしつこく組み付き続けた花澤は、
ここで大石をテイクダウンする事に成功、ハーフマウントの体制を奪う。
が、大石は下から花澤に組み付いて何もさせない。
更に大石、この体制からのリバースに成功。
観客の歓声の中、ハーフマウントから肩パンチを落としていく。
花澤も下からのパンチで応戦して、1Rはこれで終了。

2R、お互いに距離をあけてのジャブ合戦、再び花澤は大石に接近。
そしてややてこずりながらも、再び大石をテイクダウンする。
インサイドガードを奪った花澤、これに対して大石はクロスガードで防御。
花澤はこれを嫌がって、立ち上がってのパスガードを狙うが、
結局、大石に立たれてしまい、試合は振り出しに。

今度は大石が花澤に組み付き、コーナー際にてテイクダウンに成功。
ここから上半身を起こした大石は、長い時間を掛けて強引に顔面パンチを入れていく。
そしてこの時のダメージが大きかったのか、花澤はここから防戦一方に。

長い間、相手に上になられた花澤、
何とか立ちあがってブレイクにしたものの、
続くスタンドでの再開にて、大石のストレートをモロに食ってしまった。
逆に大石は、この一撃で怯んだ花澤から再びテイクダウンを奪うと、
またまた顔面にパンチを入れつつポジションをサイドへと移行。
さらに顔面パンチや肩を使った顔面潰しを多用し、これで勝敗を決定づけた。

試合終了。判定、3−0で大石。順当である。

試合後、珍しく大石がマイクを持った。

「美濃輪さんっ!!
 今度観たら『凄えっ!!』と思うような試合をやってやるから、
 海外にでも何処にでも行って来いっ!!」

僕はこの時はこのマイクアピールが何を意味しているのか良くわからんかったが、
実はこの興行の最初に「美濃輪選手、PANCRASE退団」の発表があった事を後で知った。
このマイクは、その美濃輪に対するマイクアピールという訳だな。

まあ、前々から美濃輪の退団は噂になっていたので、今更、驚きはしないが。
でも、PANCRASEとしては貴重な看板選手を失ったと言える。
痛手は小さくないだろうなぁ。


第四試合 ライトヘビー級 5分2R
○エバンゲリスタ サイボーグ(177cm/89.0kg/ブラジル/アカデミーア ブドーカン)
●渋谷 修身(185cm/86.6kg/PANCRASE ism/七位)
[1R 1分20秒 KO]

前回の文体興行ではポリスマンとしてヒカルド アルメイダと対戦し、
残念ながら秒殺完敗してしまった渋谷。
再びポリスマンとしての文体参戦、今度は未知の選手から勝利したいところだ。

フードをすっぽりと被り、
やたらと「Ha!!Ha!!Ha!!」という笑い声の響く入場曲で入ってきたサイボーグ。
この時点では、何処の馬の骨ともわからない感じだったが、
リングに上がってフードを脱いだサイボーグに会場が騒然。
意外にしっかり作られていた身体、全身のタトゥー、そして…どこか虚ろな目。
この目が凄い。ブラジル勢の睨み…と言えば、
PRIDEミドル級王者のヴァンダレイ シウバが有名だが、
サイボーグの睨みは、シウバとは違う、何か「ヤバいもの」を感じる。
あの虚ろさは何処から来るのだろうか? 兎に角、中々の凄みだ。

試合は、非常に残酷なものだった。

試合開始。と同時に凄い勢いで渋谷に殴りかかるサイボーグ。
やはり観客がどこかに感じていたヤバい雰囲気は本物だ。
これに対して、一歩もたじろがずに打撃を返していく渋谷。
開幕から激しい殴り合い、観客が騒然とする中、
渋谷は向かってくるサイボーグにDDT風の投げを放つ。

観客の歓声の中、これでサイボーグは崩れ、
その流れで渋谷はその首をフロントチョークに捕らえた。
会場内に「秒殺!! 渋谷勝利!!」の空気が流れ、観客から期待の歓声が沸きあがる。
だがmサイボーグは前で絞めている渋谷の体を強引に持ち上げて健在をアピールする。
これには観客も度肝を抜かれたが、
それでも渋谷は抱き付いてチョークを離さないではないか。
やがてサイボーグも渋谷を持ち上げられなくなった、
尚も渋谷は絞める、絞める、絞める!! ホントに秒殺か!?

だがサイボーグはこれをどうにか外す。
この展開に観客は落胆したが、更なる落胆が観客を襲う。

すかさずサイボーグは渋谷に組み付くと、ヒザ蹴りでボディを蹴っていく。
そしてやや押され気味に後退した渋谷に向かって体重の乗ったフックを放つと、
これがモロに渋谷の顔面を捕らえてしまったっ!!

完全に意識を失い、前のめりに倒れる渋谷。
そしてマットに倒れた渋谷にガシガシとストンピングを入れていくサイボーグッ!!
慌ててレフリーが試合終了を宣告、壮絶なKO劇に観客が騒然となる。

セコンドやドクター達が倒れた渋谷のチェックを行う中、
勝ったサイボーグがマイクアピール。

「皆さん、今日は集まっていただきありがとうございます(観客歓声)。

 今日は日本に呼んでいただけただけでも有難いです。
 私は、今日の最後の試合でチャンピオンになる人と試合がしたいです(観客歓声)。

 (日本語で)アリガトウ(観客歓声)。」

ありゃ、マイクは意外に謙虚なのね。
それにしても、ライトヘビー級戦線にまた新たな刺客が現れたな。
暴走戦士サイボーグ、今後の活躍に期待だ。
対する渋谷、文体では外国人相手に二連敗。
ハイブリットボディの明日が見えない…。


第五試合 ミドル級 5分3R
○三崎 和雄(178cm/80.6kg/PANCRASE GRABAKA/三位)
●久松 勇二(177cm/80.6kg/TIGER PLACE)
[3R 2分34秒 チョークスリーパー]

この試合、今年3月8日に行われたディファ有明大会の再戦である。

前回の対戦、久松先生の股間蹴りに三崎がキレたり、
三崎のサミングに久松先生が憮然としたり、と荒れ模様の展開。
2Rだった為に、実力の拮抗した両者の決着はつかなかったのだが、
久松先生が左ジャブで三崎をかなり苦しめていた。
久松先生の再戦要求も「あと1Rあれば俺が勝っていた」という自信のあらわれだろう。

因縁の決着戦。三崎はミドル級のタイトル戦の為にも、
整骨院の先生である久松は、この所の好調ぶりをキープする為にも負けられない一戦。
試合前には久松先生の握手を叩いた三崎、態度は悪いが気合は充分だ。

1R、三崎の重いミドルキックから、試合は早くも打撃戦に。
お互いのパンチが交差する中、三崎は距離を離してミドルキック、ローキックで蹴る。
再び接近してパンチ合戦、久松先生の左ジャブはまだ効果を発揮していないようだ。

そんな中、ミドルキックを基点に攻めていた三崎、ここで久松先生に組み付く。
久松先生は逆に三崎をコーナー際へ追い込んで、三崎の体制を崩しにかかる。
三崎は踏ん張り、差し替えて久松先生をコーナー際へと押し込む。
そしてこの体制のまま、両者は細かいヒザを入れていたが、
三崎は強引に久松先生の顔面にヒザを入れると、体制を崩してテイクダウンに成功。

前回の試合から数えて3R、この対戦では初めてのグラウンド。
下からガッチリ組み付いてパンチを防ごうとする久松先生に対して、
三崎は突き放してニー オン ザ ベリーのような体制から顔面にパンチを落とす。
久松先生も何とか組み付こうと努力するが、三崎はお構いなしにパンチを入れていく。
その三崎がハーフマウントへ移行したところで1Rは終了。三崎優勢。

2R、再び打撃戦の中、
前回の対戦でも大いに苦しめられた久松先生の左ジャブが三崎に入り始めた。
さらには体重を乗せた右ストレートも入る。
1Rは優勢に試合を進めていた三崎だが、これで前に出れなくなった。
だが、三崎は下がりつつも久松先生にカウンターの右ストレートを入れる。
更に接近戦、打ち合いの中、お互いのストレートが顔面に入っている。
一進一退の攻防、試合が振り出しに戻るのか?

戻らない。三崎は遠距離から勢い良くミドルキックを二発入れると、
久松先生に組み付いてロープ際まで押し込み、テイクダウンに成功。
ハーフマウントの体制、じっくりとグラウンドでチャンスを伺うと、
そのままマウントポジションへと移行。三崎ファンの歓声が沸き起こる。

マウントパンチの連打が始まった。
両腕で顔面を覆ってガードする久松先生を横から連打で殴りつける三崎。
この連打はラウンド終了まで続き、約1分間このパンチを食らった久松先生からは流血が見られる。
そしてこの優位な展開、三崎ファンの声援もまた約1分間、鳴り止む事はなかった。

3R、久松先生、逆襲のミドルキックから試合は打撃戦に。
久松先生の左ジャブ、三崎の右ストレートがヒットする中、
三崎は久松先生に組み付きコーナー際へと押し込むと、
細かいヒザを入れつつ、テイクダウンを奪う事に成功する。
ここまでグラウンドでは押されっぱなしの久松先生、万事休す、か?

倒れた久松先生に対して立ちあがった三崎、猪木アリ状態。
三崎は腿をローキックで蹴りつつ、ジャンプ一番でパスガードに成功する。
ファンの声援の中、サイド、マウントとポジションを移行していく三崎。
そして、2R終盤で見られたマウントパンチの連打を再び出し始めた。
「これはかなわん」とばかりに背中を見せた久松先生に対して、
三崎は待ってましたとばかりの定番、チョークスリーパー、ガッチリ極まった。
これにて久松先生、一巻の終わり、タップで試合終了。

因縁の再戦を制した三崎は声高々にマイクアピール。

「こんちわ(観客歓声)。

 前回は不甲斐ない試合になってしまいましたが、
 今回はキッチリ勝てました(観客歓声)。
 これで、スッキリと頂点目指して挑戦が続けられます。
 そしてこれから、セミ、メイン、と、GRABAKAの勢いは続いていきます(観客歓声)。

 最後に。
 久松先生、金ならタップリあるから、
 明日のマッサージの予約をお願いします(観客歓声)。以上。」

なんか感じの悪いマイクアピールだが、
ここまでの完勝を見せられては仕方がない。
久松先生、一から出直しですな。


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●休憩15分 特に発表等はナシ。

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第六試合 ライトヘビー級 5分2R
○郷野 聡寛(176cm/89.4kg/PANCRASE GRABAKA/五位)
●フラービオ モウラ(180cm/88.3kg/ブラジル/アカデミーア ブドーカン)
[判定2−0]

昨年12月の「今のPANCRASEはバカばっかりだっ!!」発言からもうすぐ半年。
残念ながら郷野は、あれから目立った試合を行っていない。
一応、外国人を相手に三戦無敗ではあるが、全てが判定。
基本的に距離を置いての打撃を得意とする郷野のファイトスタイルは、
KOや一本勝ちが中々狙いにくいのだ。
ZSTでクリストファー ヘイズマンから勝利を収めたのは良いとしても、
そろそろ派手な勝利を飾らないと、
「やっぱり鈴木がメインじゃないとダメだな」
となってしまうのだろう。
郷野、ここは是非とも一本勝ちを狙いたいところだ。

さて、試合開始。
1R、モウラはいきなり距離を詰めてミドルキック、これをキャッチする郷野。
だがモウラは、これをもろともせずに接近しヒザを繰り出す。
そして組み付いてロープ際まで押し込むが、これは郷野が突き放して距離を取る。

モウラはしつこく郷野を追いまわしながらパンチを繰り出すが、
郷野はリングを広く使いながら逃げ回り続ける。
そして逃げながらの打撃でモウラに確実にダメージを与えていく。
モウラが郷野をコーナー際へ追い詰める場面もあるが、
郷野はすかさずモウラに組み付いて逆にコーナー際へと押し込む。
組み付く郷野を嫌がるモウラがモモへの細かいヒザを出せば、
郷野は逆にモウラを突き放して距離を取る。これぞ郷野ののらりくらり殺法だ。

モウラは再び猛牛のよう郷野を追い回すものの、
郷野は逃げ回りながら、その顔面にフックやヒザを叩き込んでいく。
尚も追い続けるモウラ、途中、派手な上段廻し蹴りを見せて観客を驚かせたが、
試合は郷野ペース、逃げながらのパンチが尚もモウラにヒットしていく。

ところが。打撃を出したタイミングで郷野がコケてしまった、痛恨のミスだ。
これ幸いにモウラが上になる、インサイドガードの体制。
何とかクロスガードを取りつつ、モウラの腕をカンヌキに極めて防御する郷野だが、
モウラは腕を抜いて、横からのボディパンチを放っていく。
ならば、と、下からの腕関節を狙っていく郷野。
これを嫌ったモウラは立ち上がり、寝ている郷野にストンピングを落とす。
さらにはモモへのローキックを繰り出すが、郷野はタイミングを見て立ち上がった。

両者スタンド、郷野は相変わらず逃げ回りながらフック、ミドルキックと叩き込む。
追うモウラのミドルキックを食らったりしたが、
尚もミドルキック、ハイキック、ヒザのコンビネーションをヒットさせる。
更には1・2・ミドルキック。一方的に打撃を食らったモウラの動きが悪くなる。

苛立つモウラ、郷野に強引に飛びついていったが、郷野はこれを潰してテイクダウン。
寝ているモウラに対して、立ち上がってのパンチを入れたところで1Rは終了。
このラウンドを観る限り、郷野の勝ちは動かない。ならば望むは一本勝ちか。

2R、やはり1Rと同じく「逃げる郷野、追うモウラ」の展開だ。
郷野、モウラのパンチを見切った上でのカウンターパンチが何発かヒット。
これで動きの悪くなったモウラに組み付く郷野、
コーナー際まで押し込んで体制を崩していく。

グラウンド、上になった郷野はハーフマウントの体制、
下から背中をペチペチと叩いてくるモウラからサイドを奪おうとしたが失敗。
ならば、と、一度立ち上がり、改めてハーフマウントを奪ってリトライ。
今度は成功、サイドを奪った郷野に観客から歓声が。
そしてモウラから腕を取り、満を持して腕ひしぎ逆十字の体制、
ガッチリ掴んで腕を伸ばせば、郷野、ついに一本勝ち…、

ならず。腕がすっぽ抜けてしまったのだ。
観客が落胆する中、モウラは逆に立ち上がって猪木アリ状態。
ここから潜ってインサイドガードを取ると、郷野はクロスガードで防御。
そしてこの体制のまま、約1分間、横からのボディパンチを続けた。試合終了。

判定、モウラは試合終了時にリングを走って何周か周り健在をアピールしたが、
的確な打撃や2Rの関節含めて、郷野が2−0で勝利。
だがしかし、郷野としてはこの試合結果は納得いかないだろうな。
やはり2Rの逆十字で一本取れていれば、観客の印象も全く違ったモノになっただろうに。


第七試合 ライトヘビー級タイトルマッチ 5分3R
△菊田 早苗(180cm/86.5kg/PANCRASE GRABAKA/王者)
△近藤 有己(176cm/89.8kg/PANCRASE ism/一位)
[判定1−1]
※菊田が初防衛に成功

本日のメインは、待っていました、のPANCRASE頂上決戦。
長らく温存していたカードが実現、普段は大人しめのPANCRASEファン、
いきなり何かのスイッチが入ったかのように騒ぎ出す。
凄いな、こんなに元気の良いPANCRASEの文体興行も久しぶりだ。

「菊田ーっ」「近藤ーっ」の声援が交差する中、選手が入場。

ismのエース、PANCRASE生え抜きNo.1、「不動心」近藤 有己。
昨年〜今年までの戦跡は八戦六勝一敗一分、五つの一本勝ち。
その一本勝ちの中でも、数々の選手を病院送りにしてきた。
唯一の一敗の相手、百瀬 善規もリベンジ戦でしっかり病院送り、
それでも「癒し系ファイター」を標榜する近藤。
今日もエンヤの「Book of Day」で入場。

GRABAKAのボス、PANCRASEのキング、寝技世界一、菊田の入場。
昨年〜今年までの戦跡は…ありゃ、三戦二勝一敗、一本勝ちはゼロ。
戦跡がどうのこうの…と言うよりは、殆ど戦ってないのね。
しかもその内容は…、股間を蹴られまくった、PRIDE20 屈辱のアレクサンダー大塚戦、
寝技世界一決定戦と称されながらもパンチ一発でKO負けした、
UFO LEGEND アントニオ ホドリコ ノゲイラ戦、
昨年唯一のPANCRASE公式試合も、グラウンドで圧倒しながらも一本勝ちを収められず。
まあ、昨年はGRABAKAジムのオープンに忙しかったのだろう、とフォローを入れとこうか。
まあ、今回の近藤戦こそは「GRABAKAのボス」というところを見せないといかんだろうね。

タイトルマッチ宣言、国家吹奏の後に試合開始。
両者への観客の大きな声援が、この試合に対する期待度を高める。

1R、近藤の打撃を嫌う菊田、
いきなり接近して近藤に組み付きテイクダウン…。

いや違うっ!! テイクダウンしたのは近藤の方だっ!!
試合序盤での被テイクダウン率には定評のある近藤なだけに、
この展開には観客がかなり驚いたっ!!

スタンドレスリングばっちりの近藤、インサイドガードの体制。
下になった菊田はクロスガードで防御。
近藤はグラウンドのまま菊田をコーナー際へと運んでいく。
菊田の方は、お構いなしに下からガッチリと近藤に組み付いている。

しかしやがて、下からのパンチで近藤に嫌がらせを始めた菊田。
近藤が上半身を起こしてパンチを出そうとすると、
クロスガードを解いて下からの蹴り上げで近藤を突き放す。
そして自らはすかさず立ち上がり、試合を振り出しに戻す。
両者に対する観客の歓声が沸き起こる。

今度は近藤が組み付きコーナー際へと押し込み、細かいヒザで菊田に嫌がらせ。
菊田は近藤を崩しにかかるものの、ここでテイクダウンを奪ったのはまたしても近藤。
観客の歓声の中、近藤はハーフマウントの体制。
一旦立ち上がり、猪木アリ状態からのローキックで菊田を蹴っていくが、
すかさず立ち上がる菊田、試合は又しても振り出しに。

菊田は、尚も近藤に組み付いていく、両者はそのままコーナー際へ。
差し合い、菊田を押し込む近藤に対して、テイクダウンを奪うべく崩しにかかる菊田。
しかし今日の近藤は粘り強い、中々テイクダウンを奪えない。

それでも寝技世界一の称号を持つ男、菊田。
ようやく近藤からテイクダウンを奪って上になる。
観客の歓声の中、インサイドガードを奪った菊田。
下からの打撃も得意な近藤ではあるが、相手が菊田では思うようにパンチも打てない。
やがて菊田は、ハーフマウント、そして一気にマウントを奪った。さすがは寝技世界一。
両腕で顔面をガードする近藤に、横からパンチを入れていく。ここで1Rは終了。

マウントパンチという有効打があった分、このラウンドは若干菊田であろうか。
差になる程のポイント差がついたかどうかは微妙ではあるが。
インターバルの間、座ってセコンドと話している菊田に対して、
近藤は立ち上がったままで臨戦体制。近藤、やる気充分だ。

2R、菊田はタックルから近藤に組み付くが、
近藤は差し返して菊田をコーナー際へと追い込む。
そしてヒザを細かく入れていく…が。
ここで菊田、外掛けから近藤をテイクダウン。
1Rであっさりマウントを取られる姿を焼き付けている観客。
菊田ファンからは歓声が、近藤ファンからは落胆の声が聞こえてくる。

菊田インサイドガード、近藤クロスガード。
下からの打撃を入れようとする近藤に対して、
菊田は上半身を起こしてパンチを入れつつ、ポジションをハーフマウントへ移行。
嫌がる近藤は何とかこのグラウンド地獄から脱出しようとするが、
菊田はこれを逃さず、この体制のまま肩固めを狙っていく。
菊田ファンの歓声は益々大きくなるばかり。

菊田はこの肩固めを防御しつつ、下から細かい打撃を入れるガマンの展開。
途中、インサイドガードまで体制を戻す場面もあったが、
菊田はあっさりとハーフマウントへ戻してしまう。

そして長い間、菊田のハーフマウントの状態での攻防が続いたが、
ラウンド終盤、菊田が1Rに続いてまたしてもマウントを奪った。
ファンの大歓声の中、菊田は再び顔面をターゲットに絞って、
顔面パンチを連打したり、肩固めを狙っていく。
近藤、またまた大ピンチを迎えた…が、
防御に徹する事でダメージを最小限に留め、
1Rと同じくまたしてもゴングに救われた。

しかし、このラウンドは文句なく菊田のラウンドだ。近藤、窮地に立たされたぞ。
それでも近藤は、インターバルの間はやはり立ち上がったままの臨戦体制だ。

3R、菊田は飛びヒザ蹴りを狙うが失敗。
近藤は菊田に組み付き、コーナー際でヒザ蹴りを繰り出す。
対してテイクダウンを奪うべく崩しにかかる菊田だが、近藤は中々崩れてくれない。
そして近藤の細かいヒザやパンチが菊田を襲っていく。
更に近藤はのど輪のような技で組み付く菊田を離していく場面も。

それでもしつこく近藤を崩そうとする菊田、
しつこいタックルで強引に近藤を崩そうとする。
これを必死に耐える近藤、力の入る攻防に観客が沸き返る。

そして…。ここで近藤が逆に菊田をガブリ続けてテイクダウンに成功だっ!!
強引に菊田からインサイドガードを奪うと、得意の病院送りパンチの連打っ!!
数発程、体重の乗った顔面パンチがモロにヒットし、菊田の動きが鈍る。
「待ってましたっ!!」とばかりに、近藤ファンの大歓声が挙がる。
近藤、このラウンドで逆転勝利か!?

しかしっ!!

ピンチを迎えた菊田、だが寝技世界一の意地、スイープに成功だっ!!
今度は菊田ファンの大歓声の中、菊田はハーフマウトからマウントへ移行、
近藤の顔面へとパンチを繰り出そうとする。近藤ファンからは悲鳴が。
1R、2R共に菊田のマウントを返せなかった近藤、万事窮す、か!?

しかしっ、しかしっ!!

何とここで近藤がこの体制をリバースしてしまったのだっ!!
あり得ない逆転劇に、再び近藤ファンが沸きまくりだっ!!
再びインサイドガードの体制になった近藤、
もう一度、病院送りパンチを菊田の顔面へと連打していくっ!!
気がつけば菊田の鼻からは出血が見られるではないかっ!!

そして、そんな事はお構いなしに打撃を繰り出す近藤。
サイドを奪っての鉄槌、猪木アリの体制からローキック、
寝ている菊田への飛び込みストレートパンチ、
ハーフマウントの体制からのパンチ、パンチ、パンチ…。
「これぞ、近藤っ!!」という試合展開の中、菊田は近藤に組み付くのが精一杯。

試合残り時間三十秒、ついに発生した近藤コール。
近藤はKOこそ奪えなかったが、試合終了までパンチを繰り出し、
そして試合終了まで近藤コールは続いた。
試合終了、大きな歓声で近藤を称える観客。
菊田のダメージは大きく、若手に担がれながら自軍コーナーへと戻っていった。

判定。1R、2Rは菊田に取られたが、3Rは間違いなく近藤のラウンド。
そしてダメージ量は近藤が上、どうなる!?

「判定の結果をお伝えいたします。

 ジャッジ、廣戸 聡一、30−29、近藤っ!! (観客、歓声と怒号)
 ジャッジ、梅木 良則、29−28、菊田っ!! (観客、歓声とどよめき)
 ジャッジ、小菅 賢次、29−29、ドローッ!! (観客、歓声とどよめき)

 よってこの試合、ドローとなりますっ!!」

う〜ん、最終的な結果がドローなのは、まあ納得いくんだけど…。
廣戸さん、宜しく頼みますよ、ホントに。

近藤は四方に向かって礼を行いつつ退場、その花道ではファンに揉みくちゃにされていた。
で、ドローでも何でも王座防衛に成功した菊田はリングに残り、
ベルトの贈呈、カップの贈呈、各賞の授与の後にインタビューに答える。

・総評
「え〜っ、え〜っ、でも、1R、2Rはペースを掴めていたんですが、
 3Rは逆にペースを掴まれてしまいましたね。
 僕自身、納得していせんし、お客さんも納得していないでしょうから、
 近藤選手が良ければ、再戦を行いたいですね(観客大歓声)。」

・今回の戦いの改善策について
「いや、そういう事とかどう言う前に、
 必ず再戦して決着を付けたいです(観客歓声)。」

・最後に
「今日は沢山の方々の入場、ありがとうございます(観客大歓声)。

 こういう盛り上がりの中で試合をしたのは始めてで、興奮しました。
 近藤選手とは、必ず再戦します(観客歓声)。
 僕もいつでも逃げないので、近いうちに状況が整ったときにやりたいと思います。

 これからもよろしくお願いします(観客歓声)。」

PANCRASEの頂上決戦は期待に違わぬ好勝負となった。
石井、美濃輪の離脱、迫りくるグレイシー勢や元修斗勢の脅威の中、
純生選手達の試合で一級品の闘いを見せた両者。
メイン終了後もお客さんが殆ど席を後にしなかった所から、
この試合の満足度の高さが伺えるというものだ。

再戦は…旗揚げ10周年興行で、というのは出来すぎたシナリオか?

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雑感:
久々の文体興行…の割には、全体的にカードが小粒なのが気になりました。
それでも菊田 vs 近藤で観客が超満員になるのだから、
このカードを温存しておいたかいというものがあるのでしょうね。
で、蓋をあければメインは期待に違わぬ好勝負。
終わり良ければ全て良し、今日のPANCRASEは満足度が高いです。

…とは言え、殆どの試合は2R制なのはあんまり好きじゃないですね。
それに相変わらずの判定決着の嵐。この辺は何とかならんのかなぁ…。

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以上、長文失礼。




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