荒野に響く叫ぶ声
■団体:大日本
■日時:2003年5月10日
■会場:新川崎小倉陸橋下広場
■書き手:ぱり (ex:陰ディ〜プロレスBBS

リングは無駄に広い空き地にある。デスマッチにお金をかけられない今ただレンタル料が安い以外魅力の無い会場だ。今日は暖かったが時々飄風が強く頬を叩き髪を崩す。開始時間を10分過ぎて入場したが勿論行われてはなかった。

第1試合
○近藤(腕サソリ8:51)×上条
前回のホールでも同カードで行われていた。巡業している事だし前よりかはお互いの意思の疎通も通いやすくなってより高度なプロレスを展開すると思われたが、後楽園と余り変わってなかった。
デジャブーのような感覚を味わう。

手翳し無し頭突き合戦など同様に見られたのだが、如何せん音が散漫し易い野外という事で後楽園の時のような生々しい音は伝わって来なかった。しかし頭突きという非常に原始的でわかり易いのは音の加護を得なくとも客に痛みが通じたみたいで、結構客に受けていた。
やはり単純な技は単純故に伝わり易い。一見さんにはやはりこのような単純なものの方が強い。だからといって計算してやったとは思えないが・・・。

終盤近藤はスワントーンを見せていたがそれは少し欲張りだったようだ(笑)流石に宮本よりかは上手かったが・・・最後は後楽園と同じ腕サソリで終わる。
一応フィニッシュを大切にしている姿勢が見れて好感が持てる。


第2試合
○豹魔(Tボーンステーキ10:17)×井上
豹魔はイーグルの選手、見た目は悪童のようなギミックだろうか。
試合は特にそれというのは無いが、豹魔が前座戦の形式に埋没されてしまってどういう選手なのかがいまいちわからなかったというのがある。
中盤金的やサミングなどを見せ其処で初めて、豹魔の輪郭が浮き出てきた感じだ。
その時上条がレフリーに文句を付けていたが、豹魔のヒールらしさを浮きあがらす為にももう少し過敏に抗議をしてみるといったところが欲しかった。

試合後異常に悔しがる井上に対してセコンドに付いていた近藤がイーグルのシャツ(?)を見せつけ挑発し抗争が勃発という流れ。勿論会場には生温い空気が流れていたのは言うまでもあるまい。(次回後楽園で早速タッグ戦が組まれていた)


第3試合▽格闘技戦
○松崎(ワキ固め3回0:12)×ポンド
共にグローブを嵌めての入場、宛らU系団体のキックルール試合みたい。
この二人がどんな胡乱な格闘技戦をするのかと思ったが、ラウンド制が取られていたが1Rづつスポットがあり中々工夫が見れて面白かった。

試合序盤ポンドの軽いグーパンチぽいパンチでダウンする番長。レフリーが不信に思いグローブを脱がしチェックをするとグローブの下から素手にチェーンをグルグル巻いてパンチ力を増強させるインチキを発見され注意されるポンドさん。

其処からグチャグチャとなり、普通のプロレスマッチになっていたが普通のプロレスの状態になっても、ラウンド制だけは存在し続けるという無意味さがまたツボであった。
ストップ看板は快音をとどろかせる事無くただ押しつけるに留まる、確かにあの客の入りではあまり身体は張りたくないものだ。

最後はレフリーに勧告を受けてい隙を突かれ脇固めで終わり。なんともプロレスらしい怪しさが出たフィニッシュで良かった。試合後番長がデスマッチに出陣する事を示唆する展開。なんか番長や伊東がデスマッチに狩り出される感じは、なんだか学徒出陣を思わせる。


第4試合
○テイオー、伊東(腕ひしぎ逆十字固め13:26)×山川、弁慶
伊東が終始受けに回るという試合を想定していたが意外にも山川が受けに回る試合に。
これは結局は山川再生いうアングルなんだけど、山川の動きが悪いのだが果たしてアングルでそうやっているとも見えるし、はたまた本当にそれしか動けないとも取れるしその辺が曖昧で見分けが突き難い。

試合中伊東に叱咤され張り手を食らわずシーンもあり、長年山川のファンが見たら(スポットだとしても)見てられない展開が続く。弁慶さんは相変わらず殆ど受けず、しかし今回は山川が中心なのでそれほど問題にはならない。

試合終盤山川はコーナポストに足を滑らせたり、サソリをかけ間違え決めきれなかったりしたスポットがあったが其処までいくとアングルなんだなと確信し安心も出来たが、会場は本当何とも言えない雰囲気に包まれていた。山川に対してため息混じりの落胆の声や野次が飛ぶ。

試合はあまりの体たらくぶりに切れたテイオーが速攻で腕決めて終わり。大日本を見てきたがこれほどリアルなアングルを見たのは初めてだ。

確かに今の山川でこういう露悪的なアングルは凄くリアリティーを持たす事は出来るが、抵抗はあるだろう。しかしあえてそれを受け入れ遂行するという事は、山川には今の自分の状態がちゃんと把握出来ているとも言える事であるし、其処に光明を見出す事が出来る。
6・1ではラストチャンスを与えられる山川であるが、果たして完全復活はあるか。勿論テイオーは合格点を出すだろうが、客にブーイングを浴びるような試合をする自信と根拠はあるんだろうか。少し不安になる(それほどリアルだ)。


セミファイナル
○関本(足首固め8:15)×サンプラス
パワーファイター同士という事で、試合開始直後はなかなか迫力あるショルダータックルなどで客席を沸かす。しかしそれ以降は別に噛合わないというわけでも無いがアルゼンチン担ぎ上げを覗けばまったりとした攻防が続き平坦な試合で終わる。


メイン▽蛍光灯デスマッチ
シャドウ、○小林(体固め16:37)非道、×gosaku
今や都内では見れなくなった蛍光灯マッチだが経費削減の為は本数は可也少なめ。こんなとこにも日本の不況と大日本の今を垣間見せられる。
両チーム「丼」型に束ねられた蛍光灯を背負って入場してきた。

試合はWEW組の奇襲で始まり早速場外乱闘が始まる。乱闘になっても追いかける人が少ない印象。見慣れている人が少ないのだろうか。

場外はWXと外道、gosakuとアブ小に分れて乱闘していて私はgosakuとアブ小を追いかけていたが、流血の魔術が実施されたのは外道WX側だったようで・・・それがこの日一番の誤算だった。ちなみに額を切っていたのはWXだけ。外道はいつもの通りの省エネぶりだった。

その間にポンドが机とイスで組みたてていたのは良かった、がしかし結局其処にアブ小を寝転がした時にイスが机から毀れて結局しきり直さなさないといけなくなったのはご愛嬌か。
机を三つ並べてその上アブ小を寝かせて、其処に井型蛍光灯をアブ小の上に設置しコーナーポストからポンドさんが回転して落ちて蛍光灯目掛けてスーサイドダイブ。目前で蛍光灯サンドイッチは流石に迫力がある。

衝撃からか嗚咽を発するアブ小、背中にはキラキラと綺麗な蛍光灯の破片が突き刺さっている。
さっきまでつまらなそうに見ていた地元の中学生らしい二人組みも、流石に引いていた。だから家で01見てりゃ良かったのに・・・この光景は彼らの心に深く突き刺さる事だろう。

WXはアブ小に頼りきることもなくちゃんと有刺鉄線バットスイングを食らったり、10本束ね蛍光灯を食らったりとWXとは思えない仕事ぶりに関心させらる。

ラストは残ったもう一つの井型蛍光灯をgosakuの上に置き、其処にアブ小がコーナーからのエルボー弾でピン。実質アブ小は井型蛍光灯の洗礼を2回受けたわけだ。
今回gosakuはこれぐらいしか受けては無いが、ジョブする事を考えたらしょうがないか。

今回アブ小が勝ったわけだが特にアングルがあるわけでも無いデスマッチは一番痛い思いをした選手が勝つという形を望む私にとって、最高の終わり方だった。
100人にも満たない会場ながらもしっかりと蛍光灯を受けきったアブ小とgosakuには心から拍手を送りたい。ここまでやっても週間誌はモノクロページの片隅で処理するんだろうな・・・しかしその報われなさがまた私の琴線に触れてくるのだ。勘定が合わない不合理に私は凄い吸引力で引き寄せる。

今回は後楽園大会の予告編的な意味合いが強かったが、それも仕方無いだろう。
新川崎という事でこの大きい空間を使った後楽園では到底出来そうにない試合を予想したが、こじんまりとした印象を拭えなかった。コンテナからのダイブなど少し期待したんだが・・・。
アクセスも不便で野外で決して好きな会場とは言い難いが、また機会があれば見にきたいと思う。




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