5・2 01WORLD観戦記
■団体:ZERO-ONE
■日時:2003年5月2日
■会場:後楽園ホール
■書き手:ダイス(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

チケット売り場が閉鎖されている。5階から並んでいる列は、1階まではみだしている。それを見ただけで嬉しくなって、列の最後尾につく。開場時間がちょっと早まって、少しでもいいポジションを取るために全力疾走をする。みんな笑顔でいる中に、葛西の入場テーマが流れると、獰猛なシャウトに合わせて、大歓声が起こった。

第0試合  ○葛西純&ドン荒川(10分11秒 回転エビ固め)ヴァンサック・アシッド&富豪2夢路×
お笑い卒業宣言したとは言え、荒川先生にはかなわない。富豪さんを相手にお笑いなダークマッチ。いちばん入ってなかった後楽園ぐらいには、もう入ってるなあ。

笑顔の橋本&NWA新会長登場。「NWA会長はでぶがやるから、俺もやる(意訳)」とか破壊王節でごあいさつ。テレビ放映が、本当に嬉しそう。それにしても会長のネクタイはステキだ。あんなネクタイで親日家って、あまりにも胡散臭いぞ。こんないいカンジのでぶ、どっからさがしてくるのだろう。

第1試合  ○テングカイザー(6分57秒 テングトルネード→片エビ固め)山笠Z”信介×
やはり、今日の後楽園にはなにかが降りている。『テング』の試合まで面白いなんて、間違っているぞ(笑)。

第2試合  ○坂田亘&MIKAMI(14分59秒 片逆エビ固め)星川尚浩&佐々木義人×
おお、この耳になじんだイントロは、ディファカップのMVP、MIKAMI様じゃあないか。沸きに沸く会場。MIKAMIが視界に入ってる客ばっかりか。やっぱマニアが多い。「01地方興行は、素人客ばっかりなのがいい」みたいなことがよく言われるし、そういう会場も好きだけど、ある程度以上のめりこんだマニアが集まっているのに、それが観察とでもいうような態度にならず、全てが熱として放出されている。閉鎖的ともモテないオーラとも呼びたければ呼ぶがいい。名も知らない隣人達と共鳴しあうかのように、ボルテージを上げ合う。この空間を構成する一部になっていることの心地よさ。
ここにパートナーとして入ってきたのが坂田。すいません、まだ第2試合なのにガス欠しそうです。星川とMIKAMIの握手すかしからのスタートで、どマニアをニヤリとさせると、坂田が無表情に義人を蹴り潰し、そしてラダーからのフットスタンプ。おまけに坂田がうながして、MIKAMIをラダーから飛ばして、自分もフットスタンプを飛ばす。坂田、本当に楽しそうだなあ。そしてMIKAMI、またラダー持ってこいよ。Lowkiとのラダーマッチは夢の対決の一つとして、待っているから。

第3試合  藤原喜明&○小笠原和彦&臼田勝美(12分31秒 正拳突き連打〜レフェリーストップ)田中将斗&黒毛和牛太×&保坂秀樹
いくらなんでも、臼田や保坂まで救済する必要はないと思うんだが、どうか。今日、唯一の普通の試合。

第4試合 NWA認定インターコンチネンタルタッグ王者選手権試合
佐藤耕平&×横井宏考(9分53秒 丸め込み高速カウント)CW・アンダーソン&スティーブ・コリノ○
でぶ登場、ビデオを上映「ここで、オーバーザトップロープですね」やった、素晴らしい。やっぱり悪者だった。猛抗議をする平成の仕掛け人、中村部長にフライングソーセージを浴びせる悪でぶ。とびかう中村コール。これはリングでケリをつけるしかないな。このメンバーに中村さんと、悪でぶを入れた6人タッグでいこう。見てえ。
というわけで、直情傾向の若者が、悪い大人3人に、いろんな意味でまるめこまれました。VTのベルトを持ち帰ってきても、まるめこまれてしまう01だけはガチ。

第5試合 NWA・UPW・ZERO−ONE認定Jrヘビー級選手権試合
○[王者]Lowki(24分59秒 キークラッシャー→エビ固め) [挑戦者]高岩竜一×
成田の後、泊めてもらったゆうたろ事務所にてAM2時ごろいい大人同士が、この日の試合展開を大真面目に予想してました。
「さすがに、ここは高岩だろ」「でも、TVの1回目だからこそ、ここはタイガーマスクを作るべきだよ」というわけで、戦前の予想はLowki。最近評価がうなぎ上りの高岩だけに、これは壮絶な試合を予想していたが、想像以上。
序盤の密着戦から足殺しで、試合の説得力が一段上がる。
結構時間も経ってしまったことだし、細かいスポットをいちいち書いてもしょうがないけど、お互いに同じ技を2度食わない攻防がとてつもなく面白い。Lowkiは技で、高岩はパワーで相手の技を切り返し、そして一度防がれた技は、普段とは違う入り方で決め直す。終盤のカウント1キックアウト合戦とか、「こうすれば面白い試合になる」ってのを、理詰めで作ったような、ある意味01らしくない試合ではあったけど、美し試合だった。会場人気NO1、ゼロ中の誇りLowkiを抑えて、試合後には高岩コールも鳴り響いていた。今、高岩が何を考えているのかは興味があるな。専門誌でインタビューやってくれないかしら。

休憩。観客2300人の発表、泣くオッキーに拍手。

第6試合 ○大谷晋二郎(13分57秒 横入り式回転エビ固め)トム・ハワード×
フィニッシュ前の、フォームがガタガタな延髄斬りを「プロレスファン式延髄斬り」と名づける、大谷のいつまでもプロレスファンなところがいいね。でも、大谷のコメントは面白いなあ。こういうのをビジョン使って会場で流せばいいのに。試合のほうは予想を越えるほどじゃなかったけど、セミ前というポジションなりに面白かった。


第7試合 オーバー300ポンドスペシャルタッグマッチ
マット・ガファリ&×キング・アダモ(11分36秒 キングコングニードロップ→片エビ固め)ザ・プレデター○&ジョン・ヘンデンリッチ
アダモちゃん大人気。そしてガファリがプロレスラーとして、物凄くうまくなっている。なんでWWF(当時)のスカウトを断っといて、01のリングではこんなに楽しそうなんだろう。プレデターがガファリをボディスラムで投げた瞬間の場内の盛り上がりは特筆モノ。

メイン 橋本真也&○小川直也(18分43秒 マウントパンチ連打→レフェリーストップ)武藤敬司&小島聡×
楽しい。でも、楽しすぎてフラフラだ。なのに、小島と武藤にはブーイング。そして小川の入場に、本当に今日1番の大歓声が起こる。本当に場内には2300人しかいないのか?ノア武道館での小橋コール並のボリュームに鳥肌が立つ。そして、おなじみのイントロが流れると、さらにそれを上回る大歓声が。
たった2300人のためのスペシャルカード。そして、モニター越しに見る何十万人という人のためのスペシャルカード。
「できあがった会場」という表現を自分でもよく使うけど、ドラッグで交感神経を無理矢理刺激されているような、得体の知れない昂揚感が止まらない。おそらく2300人のほとんどがそうなっている。アンナチュラルなハイ。
そもそも01は、旗揚げのときから、オーバードーズを起こすための装置として作られた団体なのかも知れない。様々な思惑に揺さぶられた、非常に政治的な計算でつくられたはずの団体が01だった。それが、考案者のコントロールを越えるようになった。様々な形で外圧も受けた。逃げたってよかったはずだ、元のさやに収まったって、だれも怒りはしなかっただろう。だけど01は前に進むことを選んだ。気が付けば、そこには仲間達がいる。スーパーインディも、カレリンのライバルも、総合のタイトルホルダーも、だれかれ構わずやってきて、とてつもなく深い腹の中で、それぞれの存在価値を磨いている。
そして今日、誰もが望んでいながらあきらめていた男が、最後の王道が、このリングに足を踏み入れた。いつものように不機嫌丸出しな表情で、小川と破壊王を襲撃した男、川田利明。
役者は揃った。もう、迷いは無い。破壊と創造を繰り返して、そうやって01は前へ進む。

「胸張って、これがプロレスだって帰ろう!」と大谷晋二郎は言った。そうだな、胸を張って帰ろう。みんな笑顔で、胸を張って帰ろう。帰らなくてもいいや、朝までそこの居酒屋で、笑顔で語り明かすのもいいな。大谷晋二郎はそうやっているようだし。
いつも胸を張って、笑顔でいるのはなかなか難しい。だから俺は01の会場へ足を運ぶ。どうやれば、そうできるのか。彼らの戦う姿が、俺たちにそれを教えてくれるから。




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