4・12観戦記
■団体:全日本
■日時:2003年4月12日
■会場:日本武道館
■書き手:ぱり (ex:陰ディ〜プロレスBBS

霧雨降り頻る中久々に武道館に到着。川田復帰戦も有る事だし結構埋まっていると思いこんでいたが・・期待を裏切る不入りように思わず笑ってしまった。
しかし私のようなプロレス感が遥かど真ん中から外れてしまっているような外れ者からすれば、この隙間だらけの空間はなんとも心地良いのだ。

▽第1試合 30分1本勝負
×愚乱・浪花 5分47秒 体固め グラン浜田○

いきなり巻きが入る。5分とは随分短いと感じるかもしれないが、終わってみれば5分で充分なカードである。浜田はしっかりと技術を見せ、浪速はネタを見せ別に無理なく詰めこんだようには見えなかった。
前座としては合格点だ。

▽第2試合 30分1本勝負
馳浩×河野真幸 11分52秒 片エビ固め ○ギガンテス ジョージ・ハインズ

注目は河野だが偽り無しに大きい。しかし見ると体は妙に引き締まっているしタイツとシューズは黒である。これではまんまヤングライオンではないか。新日本の育成法と大型選手って相性悪いと思うんだけどなあ。方舟ですくすく(ブクブク)育ててもらった方が大成すると思うんだけどね(笑)。

宮本がデビューした時に比べたら全然卒無くプロレスをこなしている。ギガンテス相手にも弱く見えない。強引なプッシュをしても結構観客には反感を持たれず受け入られそうな気がするぞ(宮本は失敗したけどね)。
馳は仕事というよりもちょっとした趣味として試合をしているみたいだ。勿論そんな奴のプロレスに私が面白味を感じるわけがない。馳の趣味丸だしのマスターベーションに飽き飽きさせる。というか射精した精液が掛かってきたぞ。オナニーは他人を巻き込まずやるものだ。
ギガンテスはJPのような期待をしていたが、普通のレスラーと化してる。ジョージは星に絡まずどうなっちゃうだろうね。

▽第3試合 全日本プロレス vs U−STYLE(30分1本勝負)
×土方隆司 6分15秒足首固め 上山龍紀○(U-FILE CAMP.com)

「全日本プロレス X U−STYLE」と電光掲示板に大きく表示されただけでお腹一杯!。全日本の会場で大笑いさせていただきました(カ・シンとかのネタには全く無反応だが)。土方が全日本代表ってだけでネタとしては秀逸。

試合としては新日本VSUのネタの集約版みたいな感じで、新日本のプロ格マッチよりかは面白かった。とは言いつつも「ロープ振られ拒否」と「U系レスラーのプロレスの融合」のネタを同じ試合の中でやるってのはどうだろう。
後者で前者がパロディーとして感じさせてしまう。パロディーとして処理しているくせにイデオロギー闘争的な売り方しているんだから錯綜しちゃっている。でも客受けは良かったみたいで、なんと土方コールなんてのが起こってしまっていた(笑)それが聞けただけでも意義がある。

最後に難点を2つ上げれば回転体を途中で止めた事と、U円陣が無かった事だろう。この2つがあれば完全にネタとして仕上がっていたのだが・・・。

▽第4試合 30分1本勝負
カズ・ハヤシ○ジミー・ヤン 11分58秒 片エビ固め Ωグリフォン× Lowki

この手の試合を或る程度見慣れると、どう先を見せてくれるのだろう?というよりかは、既に先が見えていていかにそれを目前で寸分の狂いも無く再現出来るかという部分に評価の基準が集約されるような気がする。少なくとも私はそうだ。

はぐらかし、裏切り、意外な逸脱・・・兎に角私の想像力を食み出すようなプロレスを私は期待しているわけですが・・・。
少なくとも今日の試合には私の想像力を超えるような、もしくは私の記憶に留まっている異なるパターンのムーヴ(スポット)が見られなかったのは残念である。
そこは所詮普通のタッグ戦の試合だったという事だろうか。

それにしてもロウキーはいちいち躍動感があっていい。動きにメリハリがあって遠くの席から眺めていても、状況が掴め易く貧乏人にも優しいプロレスだ。
出来たらもっとロウキーにスポットを当てて欲しかったが、ゲスト扱いだったようで・・・次回はロウキーとヤンの絡みなどもっと見せて欲しいと思うとところだ。

▽第5試合 世界ジュニアヘビー級選手権試合(60分1本勝負)
○ケンドー・カシン(王者) 8分55秒 腕ひしぎ逆十字固め カール・コンティニー×(挑戦者)

どう表現したら良いのだろうか。私の感覚からすればカ・シンの笑いって全然笑えないので、レスリングに走ってくれる方が見ていていいのだが・・・。
なんというかプロレスじゃなくて、「腕ひしぎ逆十字」って競技を見せられたような、そんな気がする。
マレンコ自体悪くない。差して面白いと言えないけどヘタでも無い。膝蹴りが多少おかしい意外はさほど問題が無い。

終盤の腕ひしぎ合戦はくど過ぎて要らなかった。腕ひしぎの入りパターンが全然少ないから相手のクラッチを切って「腕ひしぎ耐え」という項目を設けて幅を広げたつもりなんだろうけど、はっきり彼らのもっている腕ひしぎ彙(笑)じゃ数分も間は持たせられない。
この辺もしかしたら、柔術のトップクラスの人なら魅了出来たのかもしれないが・・・。

話を戻せば、クラッチ切って極めたにも関らず試合が終わらない。でもまた腕ひしぎを極めにいくというシーシュポスな展開を見せられても飽きるだけである。次回あるならもっと場外や花道や放送席使ったりもう少しパターンを増やして望んでもらいたい。

▽第6試合 30分1本勝負
奥村茂雄×保坂秀樹  11分49秒 逆片エビ固め 大谷晋二郎○ 田中将斗(ゼロワン)

エンブレム出るなんて入場曲を聴くまで解らなかったわけだが・・・暫くみないうちに大谷がまた、普通の新日本臭をプンプンと匂わすようなレスラーに戻ってきてしまったというのが率直な感想だろうか。あの新日本出身とは思えないようなセールは何処に行ってしまったのだ?もしかしたらあの試合の役割としてセーブしていただけなのか。

対抗戦という雰囲気は全然感じられない。エルボーや張り手の耐久合戦を見せられるとメジャー会場に来たなあと思わず嘲笑の笑みを浮かべてしまう、駄目な私。
奥村は変わらず体を張った身体に悪いプロレスをやっているが、しょうがないこれが奥村の職掌だからね・・・。

終盤大谷スワンダイブをしくじりスポットが完遂しなかったが、早速田中との勝利のポーズを決める時にロープこけを採用するなど機智の豊さで相殺出来たのが救いだった。

▽第7試合 30分1本勝負
天龍源一郎 ○荒谷信孝 平井伸和 12分54秒 体固め 本間朋晃 宮本和志 橋本友彦×

中堅持ち上げ&インディーレスラー発掘の為にアングルなんだろうけど、どうだろう。リセットを勧めたいほど痛々しい。
大日本で築いた財産も今やマイナスである。メジャーに転身してここまで落ちるレスラーも珍しいんじゃないかな。

ただ今回は全てターメリックのせいにするのは無理があるだろう。
天龍が100人が100人同意見を持つと思えるほどやる気の無さが前面に押し出されていた。
例えるなら文体で見た弁慶さんのようだったと形容するのが、一番的を得ていると確信している(笑)。
天龍が動かなければ試合におけるメインテーマが死んだも同然。別に技は受けなくてもいいから、もう少し大きな壁として立ちはだかるぐらいしても良かったとは思う。

天龍がそんな調子なんだから、もはや試合がスイングして面白くなるなんて事は望めないわけだ。
荒谷と平井がフォローをしていたが、彼らの色からして天龍の変わりに扱くというのはどうも合わない。無難な平坦なプロレスをしてしまうだけだ。

橋本は記憶に残らず。メイン終了後の01的乱闘で全日本側に付いてちゃっかし参加しているのが印象に残った程度か。

▽第8試合 川田利明復帰戦(60分1本勝負)
川田利明 ×渕正信 27分10秒 片エビ固め 武藤敬司 小島聡○

言わずと知れた川田復帰戦であるが、思ったより川田の動きは良かった。ただかなり体重を落したみたいで小島の方が大きく見えてしまった。膝のことを考えたら体重を乗せない方が得策だが、プロレス的に考えたら身体に迫力が無くなってしまっているのはマイナスだ。

川田に先陣を切らせなかったのは正解だったと思う。それだけで数分は興味を持続させられる。
正直27分は長いと思うが、メインの十七分に比べたら長くは感じなかった。

武藤は厭らしく川田の膝への攻撃を加える。川田はあまりドラスクの受け方が上手く無い。タイミングがずれたりしているので、見ているこちらは戦々恐々の思いで見入ってしまう。なんか思うに回るよりもセールをどう過剰に表現するかに頭が先に行ってしまっているような気がする。

ただ少しデンジャラスバックドロップを安売りし過ぎているかなとは思う。負わせる身体的リクスの割りには余りにも軽軽しく扱い過ぎかもしれない。
安売りといえば小島のラリアットもそうだ。サポーター外して何回放っているんだ?どう考えてもど真ん中ラリアットだ。テキサスに誤れ!そんなラリアットに一回転する川田に感謝しろ!

終盤渕が小島を追いこむシーンもあり非常に豊かなな展開を見せ、興味が持続出来た。
結果は予想通り渕がやられたがこの日一番面白く見れたのはこの試合だった。

▽第9試合 3冠ヘビー級選手権試合(60分1本勝負)
○橋本真也(王者=ゼロワン) 17分4秒 三角絞め 嵐×(挑戦者)

ゼロチューでも全日ヲタでも無い私にはどうにもフォロー不可能である。
幾らケアが居ないとはいえ、動けない者同士をメインでシングルでやらす事自体大変な賭博であり、単勝オッズ100倍の馬を一点買いするほどの気違い沙汰あり、そして見事外した。

反省点は幾らでもある。しかしここで多く羅列するのは野暮だろうか。弱いものイジメに通じる暗さがある。とは言いつつもセミの余韻を潰された恨みの為に少し書いてみる。
途中一寸した小競り合いがあったが何故それを利用しなかったのか。17分もやるなら混乱に乗じて5分はそれで持っただろう。という事はそれだけ5分の休憩を二人に与えられるのだ。

あと橋本の蹴りも全然迫力がない。これは遠目から見ているからかもしれないが・・・橋本よレガースを履け。そして腿を叩け・・・と私は言いたい。
何よりも音が死んでいて蹴りに命が無い。
実際痛くなくてもいい。ただ観客がその蹴りを凄いと思う主要因は音なんだからその辺改良して私にでもえげつないなあと思わせるような蹴りをすれば橋本の勝利である。

嵐の攻撃パートが少な過ぎた。それならいっそ完封して勝ちゃっても良かったのではないだろうか。橋本の防衛記憶を伸ばすだけの為の防衛戦の割りになんて遊びの無い試合だと思うのが私の主な感想である。真面目にやり過ぎだ。

それに時間も長過ぎ。5分で済む事17分もやればつまらないのは当たり前。
貧乏人の家で出されたカルピスが美味いなんて事があっただろうか?。
薄すぎずしかし濃過ぎず。丁度良い塩梅を見つけて提供するのがプロレスなんじゃないだろうか?・・・。




本稿の著作権はすべてKANSENKI.NET及び「書き手」に帰属します。

戻る
TOPへ