2003.4.6 GAEA 横浜文化体育館
■団体:GAEAJapan
■日時:2003年4月6日
■会場:後楽園ホール
■書き手:maya(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

最近のGAEAは歯車は狂い気味だし、アングルも強引だし、そろそろ私自身も飽きて来たというのもあって、以前程ワクワクしないし、今回の文体が大したことなければ、園子の復帰位まで少し観戦を休もうかなと思っていた今日この頃に見た文体のカード。これじゃ当分行かないことになるんじゃないかというしょっぱさ。これで、文体が満員になるのかよと思ってしまう。

なんてことを考えながら会場に入るとシンプルだがやたらに格好いい照明セットを見て、やっぱGAEAのオオバコに来たんだなと、いやがおうにもテンションがあがる。4本の鉄柱が逆ピラミッドのような形で吊るされているのだが、これが少し低いんじゃないとも思える。会場は95%以上の入り。GAEAの場合1Fのリングサイドの椅子の並べ方が半端じゃないからね。本当に隅々迄配列しているから他団体なら札止めだろう(主催者発表5900人)。この団体はカード関係ないのかね。

ほぼ定刻の5時に始まりまずはいつものように旗揚げからのアンソロジービデオ。画面は黒白で時々画面の一部にカラーを入れる所が効果的で凝っている。今回は普段より少々長めで、旗揚げから現在迄の長与劇場のポイントを少しずつ再現している。

ビデオが終わるとリング上に吊るされていた逆ピラミッドが上空に上がっていき、その鉄柱から轟音と火花が。こういう趣向だったのね。そして選手入場。ここまで、つかみはOKだったのだが、入場の時の曲が頂けない。Smoke on the water だって。いつもは、ハウスやスクラッチ系の曲なのに。いくらなんでも Smoke on the water は無いだろう。勿論オリジナルじゃ無く誰かのカバーだけど、ヘビメタ嫌いの私は萎える。(まあ、パープルはHMじゃなくて、HRだと主張する人もいるけど、似たようなもんだよな。だけど、この曲ってパープルよりBG4を思い出しちゃうんだけど。)まあ、こういう所でも最近のGAEAは少し歯車が狂っているような。

選手は堀田以外GAEA BOYZ も含め全員入場。この日は堀田は3時スタートで全女のツインメッセ静岡の第一試合にも出ているので、今ごろはまだ新幹線の中か。GAEAのオオバコは日曜なのに何で、5時や6時にやるんだという声を聞くが、アジャに至っては、前にアルシで岐阜や下関で試合をやってから来たこともあるし、こればかりは仕方無い。それにセットの設営やリハーサルに時間がかかるしね。

長与の挨拶の後に、D-Fixの二人が残り、KAORUが「おい東スポいるか。」貧相な東スポの記者がリング下に出てくる。「元はと言えば、オメーが一面に載せたから髪切りマッチになったんだよ!」尾崎「オメーよぽど坊主になりてーのか?してやるよ!」と言われ逃げようとする東スポの記者をポリスが拉致して、前髪を切ってしまう。開放され、ふてくされた顔をして戻っていく東スポの記者、感じが悪い。こんなに美味しいシチュエーションを作ってもらったのに、もう少しリアクションが無いのかね。会場が惹いちゃったよ。だけどこれで、D-Fixとしては東スポの明日の紙面を確保しようとするという魂胆だな。

■ 第1試合 シングルマッチ30分1本勝負
永島千佳世 vs カルロス天野

今回のカードを見て何が一番悲しいかというと、前回の文体ではメインのシングルで、しかも最後の入場であった永島が何で今回は第一試合なんだ?確かにその後はおとなしめであったが、なにか永島が悪いことでもしたかと聞きたくなってしまう。相手は天野で、Oz興行ではシングル、タッグ共に良く見るカード。ちなみに天野はニューコスチューム。天野は久し振りのコスチューム新調ではないか。

ただ、試合順が何番目でもこの二人なら内容は保証付きみたいなようなもの。実際、試合内容はそういう期待を遥かに越えるものであった。前半はグランドの攻防から中盤の打撃戦を挟んで後半は立体戦というこの二人には珍しいオーソドックスな試合の組み立てだが、前半のグランドの攻防から抜群に面白い。激しいポジションの取り合いから、関節の取り合いや切り返しがグランドながらもスピーディーに目まぐるしく展開される。

サンボの素養がある天野より、アマレス出身の永島の方がポジションを取るのが一枚上手だと見ると、永島はわざわざリング中央であおむけになったり、パーテール・ポジションポジションみたいな格好を取り天野を誘い、逆に自分有利なポジションに変えていく。こういう所は、いやらしいし憎いね。グランドの展開でもどうすれば客が楽しめるか考え抜いている。この間のど真ん中のただ休んでいるとしか思えないグランドの攻防とは大違いである。

今日は興行全体的には後半しょぼくなる展開になる可能性を考えれば、この二人でなるべく会場を温めておくという意図があるなら、第一試合というのも頷ける。

○永島千佳世 (17分12秒、ウラカンラナ) カルロス天野×

■ 第2試合 タッグマッチ30分1本勝負
シュガー佐藤 輝優優 vs 植松寿絵 浜田文子
※シュガー佐藤選手は、この試合を最後に左ヒザ治療のため、長期欠場が決定

またも、若手同士の試合。これで残りは広田と里村の二人だけで、いくらこの団体がベテランの比重が高いと言っても、これは哀しいというか不条理だ。困ったものである。
試合は本当にこれから長期欠場するのかと思わせる程、元気で動きがいい。ただ、この試合から欠場というから、予想通りジョブだけどね。なにげに新技まで出したりして。チョークスラムから裏投げに持っていくのは、ひょっとして嵐落としなのかな。

文子もこういうメンツの中だと、やはりキラリと光る。GAEA参戦当時は慣れていないし、ちょっとズブいと思ったのだが、すぐにスタイルを合わせて来れる所は、やはりプロレスの申し子というべきか。ラスカチョだって、そうとう時間がかかったし、豊田なんて今だに馴染めない。もっとも豊田は合わせようという気も無いみたいだけど。

一時自分の見せ場である場外のケブラーダが、GAEAの場合鉄柵があって思うように出来ず悩んでいたようだが、この日は鉄柵越えで打っていた。なかなかやる。

ただ、難を言うとGAEAのタッグならコーナーにいる時もじーっと試合を見ていないで、もう少し動いてもいいな。まあ、他の選手で動き過ぎが目につくときもあるけど、タッグだからね。アルシの場合タッグでもカットが禁止だからそういう癖がまだ抜けないんだろうな。

試合は若手らしくスピディーで、各人のスポットもちゃんと用意してあり感じがいいし、美味しい展開。この試合も面白かった。ただ、この日はこの2試合が面白くなければどうにもならない可能性もあり、ここまでは予定通りの展開と言えようか。

×シュガー佐藤(18分59秒、APクロスから片エビ固め)浜田文子○

■ 第3試合 タッグマッチ45分1本勝負
ダイナマイト・関西 山田敏代 三田英津子 vs デビル雅美 ライオネス飛鳥 下田美馬

川越で飛鳥がうちらはこんなつまならいカードをやるつもりはない。下田を連れて来る。お前らも誰か連れて来い。だけど、ラスカチョ対決なんてつまならないこと考えるなよと釘を刺されたが、やはり関西組には三田が。捻ったつもりなのかどうか分からないけど、なんかまた滑ったような感じ。大体若手を前に追いやってこんなカードはどうでもいいという感じ。

なんかあまり乗り気無しで試合開始となるが、いきなり三方に別れての場外戦で、これだけで客はヒートする。やはり、この人達は客のテンションを上げる術を知っているんだなぁと、改めて感心する。

GAEAでは半年振りのラスカチョだが、下田はなにか吹っ切れたように元気で明るい表情。下田の場合私は自分の出番より、コーナーで控えている時でも味方がやられると自分がやられたかなのように痛がった表情をしたり、相手チームを応援している客に毒付いたりする所を見るのが病みつきになってしまったのだが、この日は三田が攻めると特にアクションがオーバーになっていて、どうしてもそっちに目がいってしまう。

それに対して三田のえっちゃんは、表情は暗いし動きもイマイチ精彩がない。ラスカチョが分裂という時に、三田は腰と膝のコンディションがかなり悪いから分裂して三田は早々に引退するのではないかという噂も流れていたが、インタビューで本人はそんなことは無いような事を言っていたので少し安心したが、こう見るとやっぱりコンディションはかなりきついのではないかなと思ってしまう。本当は休みたい所なんだろうが、フリーだとそうも休んでいられないんだろうな。厳しい所だ。それ故かこの試合、ラスカチョ対決という面はそれほど強調されなかった。

ただ、その三田をフォローして余り有るのが関西。この人の場合、ムラが大きいし、別にいい時と悪い時と特別なことをしている訳でもないので、良く分からないというのもあるが、この日は良かった。

特にデビルさんとの攻防。川越でもやっていたが、デビルさんをスプラッシュで高々と上げて下に落とすと場内に轟音が響き、会場はどよめく。リング下にマイクが入っているから効果は十分。デビルさんだから、どうやって落とせば一番効果的な音を出せるか分かっているんだろう。フィニシュもグリーンマイルから4点ポジションでいるデビルさんの顔面を下から蹴り上げる。これもかなりエグイのだが、勝手を知っている相手だから何処までやっていいか分かっているのだろう。信頼感がなせる攻撃。

関西がJWPを辞めてGAEAを主戦場にした初めての試合は、シュガーにダイハード関西を打ったり(本当はこの試合でJWPを辞めますと言ったのだけど)次の試合ではアジャと一緒に復帰した園子をボコボコにしたり、かなりのインパクトを残したが、その後鳴かず飛ばずでイマイチGAEAの中で埋もれてしまったような感がある。もしかしたら少し遠慮していたのかもしれない。パワーファイターのダイナマイトが遠慮してらただのデカイ人である。

それが今迄GAEAでは同じユニットだったのでなかなか対角線に並ぶことのなかったデビルさんとやり合うようになると話が違う。どの程度やっても壊れないということを熟知している。そう考えると、昔一時低迷していた橋本が天龍とのシングル連戦で復活したことを思い出す。武藤や蝶野だとすかせれてしまうのだが、天龍の場合少々手荒い攻撃でも受けてくれる。橋本は思い切り天龍を殴る蹴るをして吹っ切れたと言う人は多い。関西も今そういう状況なのではないか。

そういう意味では、さすがに最近動けなくなったのに、存在感で見せ、とことん相手の技を受けることで、相手の持ち味を引き出すデビルさんも凄い。やはりデビルさんはプロ中のプロだ。

スピーディーな動きやトリッキーなムーブでは前の2試合には当然勝てないのだが、ネームバリューを十分に利用して、存在感と物量作戦で見せ、観客のテンションを上げていく。なんの期待もしていなかったのだが、思いかけず面白かった。なんでこの人達は今でも残っているのか、やはりベテランを侮ってはいけないと思った。

○ダイナマイト・関西(17分35秒、体固め)デビル雅美×

■ 第4試合 GAEA BOYZ デビュー戦 GAEA NEO SOUL BATTLE 15分1本勝負
グレート・ミラー マッド・デビッド vs ビッグ・マック スーパー・シンプソン

当初、GAEA BOYZというプロジェクトがあることも知らなかったし、どうせ外すのではないかと思いあまり興味は無かったのだが、記者会見後の日刊の記事を読むと『GAEA木村社長は言う。「これはGAEAの海外戦略のいくつかある企画の中の第1弾。女子団体が男子団体を立ち上げるのもそのひとつだった。人種、性別を超えて世界へというコンセプトだからこそ、選手はすべて外国人なんです」。女子団体が男子団体を設立する発想も、日本の組織が外国人選手だけの団体をつくるコンセプトも、何から何まで前代未聞の挑戦。8年目を迎えGAEAは今、世界を視野に入れ大きく動き出そうとしている。』<日刊スポーツ、2003/4/2>ということらしいので、少し期待してみようかなと。まあ、それでも期待3割くらいなのだけど。

GAEAのテーマの乗って4人がステージに登場。同じデザインのスパッツに赤、黄色、青、緑と原色の色ちがいで見分けがつくようになっている。デビューから各人のイメージカラーを決めてしまうのは、GAEAの典型的なやり方で分かりやすくていい。身長は4人とも180〜190くらいまでありそうで、体重は210〜250ポンドあるので、思ったよりデカイ。ルックスはなかなかだし、アマレス経験者らしく体も出来ている。

試合は闘龍門とは言わないが、GAEA独自の見たことの無いようなムーブを見せてくれるのかなと思ったら、以外にオーソドックスな展開。各人、スピードがあるし技は多彩だしキレもある。

ただ、それで面白いかと言ったら、それは別問題。途中でミスをしたとかガス欠になったといのを別にして面白くない。案の定、QK前ということもあり、試合が進むに連れて客の移動が激しくなる。

不思議だなと思ったのは、いくら女子プロの中でヘビー級とはいえ、関西やデビルもこの4人よりもは、身長・体重ともに少ないのだが、迫力は何十倍もあった。まあ、この世界で20年近くやっている人達と今日デビュー戦のこの4人を比べるの非常識かもしれないが、あのベテランの後に試合が組まれたというのも不幸だったかもしれない。

GAEA BOYZ目当てにGAEAを見たいという人もいるみたいだが、これはあまりお薦めできないな。企画倒れになるか、その前に持ち直すか、そういう問題であろう。ただ、個人的には、この程度で文体でデビューさせるのなら、GAEAの場合もっとプロテスト規準を緩めて少々しょっぱくても女の子をデビューさせた方がいいような気がする。

若手の育成という事に関して、全女と決定的に違うのは、GAEAは道場で作り上げた完成された選手をデビューさせようとするが、全女は少々しょっぱくても、取り敢えずデビューさせて試合で経験させて作ろうとする。

だけど、GAEAもこんなのデビューをさせるくらいななら、少々レベルを落としても女の子をデビューさせた方がいいのではないか。

○スーパー・シンプソン(12分32秒、エビ固め)グレート・ミラー×

ここで、GAEA loto、当選者の発表だが、思ったより賞品はセコかったな。それからQK。

■ 特別試合 10分限定マッチ
アジャ・コング (フリー) vs 堀田祐美子 (全日本女子プロレス)

なんとも言えない試合。堀田が熱くなっているわりには、相手のアジャもGAEAの客もあまり乗り気になっていない。大体この二人の試合をここでマッチメークしても、GAEAにしても堀田にしてもメリットは無いのではないかと思うのだが。

ただ、堀田の立場で考えると、豊田が全女を離脱。次の日のGAEA大阪で顔を見せて、次週のGAEAホールで豊田が参戦。アジャが元全結成を宣言すると、堀田が全女の名前を出すなと抗議。すると、私の言う全女魂というのは、私のいたころの全女のことで、今の全女に全女魂は無いと切り返した。そりゃ、GAEAのファンにとってはどうでもいい話だけど、堀田にしてみれば頭に来る話だな。


ホーガンの自伝によると、ヒロマツダのジムで1年近くプロレスのトレーニングをしたが、デビュー直前で、プロレスはあらかじめ勝ち負けが決まっているのを聞きがっかりしたということだった。それでも、デビュー戦ではとにかく相手を潰せと指示され、頑張ったが引き分けになったとか、時々やらせじゃないのがあるのが、本当に仲が悪い同士が対すると、試合にならず、ドレッシングルームでマジで殴り合うことがあるとか、ホーガンが新日本でのデビュー戦は長州とのシングルで、この試合は例外でなんの指示も無かったと言っている。ホーガンは、その時マネジャーのブレッド・ブラッシーにどうすればいいんだと聞くとぶっ潰しちゃえばいいんだよと言われ、だけど相手はオリンピックに出たらしいぞと言うと、そんなの関係無いみたいな答えが返って来たと書いていた。

あれを読む限り、田中しゃんのプロレスは勝ち負けが決まっているというのは正しいのだが、100%というのはどうかなという気もする。田中しゃんはあくまでも100%ということに固執しているみたいだけど、こればっかりは分からない。あと例外にNOAHがあったっけ。
ということで半年前に堀田はVTルールでやらせろと言っているし、この試合はどういう展開になるか全く読めない。ただ大抵の人は面白かったらみっけもんという感じでいるのではないか。

アジャは今日はアジャ缶なし。選手コールでは堀田の紙テープは結構多い。アジャには1本も飛ばず。これじゃどっちがホームでアウェイか分からないね。試合は開始早々アジャがエゲツない角度でバックドロップを打ち、堀田はグロッキー状態に。レフリーのトミーさんが心配そうに覗きこむと、アジャはそのトミーさんを突き飛ばし、無理遣り起こして裏拳を打ち込む。トミーさんが止めようとするが、その度にトミーさんを突き飛ばして攻撃を止めない。オイオイ大丈夫かよという感じ。

それでも殴られながらも蘇生した堀田が殴り反し、殴り合いが続く。さっきの関西とデビルのと違い、全くお互いの信頼感を感じない攻防。堀田は、アジャを倒すと馬乗りになりアジャに掌底を打つが、アジャはガードポジションで距離を置き、両腕で顔面をガードして掌底では顔面を捉えることが出来ない。するとアジャはすぐにスィープし今度は上から掌底。堀田はガードポジションを取ることが出来ずアジャ完全にマウントを取リ、堀田は下から迎撃するので、頭部はがら空きで結構いいものを貰う。

堀田はLAジムでVTの練習を下らしいが、これを見る限りVTにしないで良かったねという感じ。もっとも、LAジムにはポジションの概念なんて無いかも知れないが。

後半は裏拳と掌底のノーガードの打ち合いになる。女子プロレス版フライ・高山状態というべきか。お互いカウンターで喰らっているのだが倒れない。これは凄い迫力。そしてタイムオーバーで二人ともぐったりと倒れ込む。

当初、どうなるかと思ったが、技はほとんど出ないし、殺伐とした雰囲気はあったが、十分客に見せるモノを成立させていた。やはりこの二人もプロだ。

本戦:(10分00秒、時間切れ)

場内は消化不良の結果に延長コール。トミーさんも場内の雰囲気を察知して両者に意向を確かめ、ここで5分間の延長戦に。だけど、この試合延長にしても勝負は決まらないよ。だって、前の10分間で二人ともフォールに行かなかったもん。ダウンしても相手を起こしてまた試合を続けるし。本当に相手の息の根を止めるまで止めないんじゃないかと思ってしまう。

延長戦はお互い頭突きの打ち合い。ゴツンゴツンといった鈍い音が場内に響く。すると、倒れた堀田にアジャがすかさずマウントを取り、上から堀田の顔面をバッティングする。異変を感じたトミーさんがゴングを要請して割って入って止めるが、アジャは止めようとしない。

ここからが、トミーさんの土壇場。セコンドに付いている選手達にアジャを早く止めろと命令し(といっても、デビルさん、飛鳥、下田だよ)、ニュートラルコーナーにいたGAEAのセコンドには「氷を持って来い、氷だ、氷、早く持って持って来い!」と指示する。そして堀田が「やらしてくれー!」と叫ぶが、トミーさんは「もう無理だと止めとけ!」。観客からも「まだやらせろよ!」という声があったが、「無理だ、もう無理!無理!!」と観客を一喝。やたら格好いいぞトミーさん。さすが、私にとってのNO.1カリスマレフリー。

そして場内のビジョンに堀田の顔が映し出され、トミーさんの渾身のレフリングでほとんどの観客が、この試合がノーコンテストでも納得してしまう。堀田の額にはコブみたいなものが出来ていた。アジャを落ち着かせ、堀田の額を氷で冷やさせてからトミーさんのマイク。「自分の判断で、堀田の顔面が見る見るうちに腫れて来たので止めました。どうもすいません。」ここで賛意の大きな拍手。

先に控え室に戻る堀田にも大きな暖かい拍手が送られ、それをリング上で見届けたアジャは珍しく四方に礼をして撤収する。GAEAでこんな謙虚なアジャを見たのは初めてだけど、GAEAのリングを使わせてもらってありがとうございますという気持ちかな。それにしても、堀田なんてと思っていた人も多かったと思うが、堀田はかなりの好印象を与えたのではないか。

正直GAEAのファンにとっては、この試合はどうでもいいし、堀田なんてうざいと思っていた人も多いと思っていた人が多かったと思うが、この試合で堀田に対する印象が変わったという人は多いのではないか。ここまでやれば凄いし大したものだ。それはアジャにも言えることだが。

殺伐とした試合で、予想通りな結果でなのだが、なぜか後味の良さを感じてしまう。やはりこの二人もプロ中のプロだ。まあ、もう一度見たいとは思わないけど。

ところで、当初VTルールを要求されていたアジャは記者会見で、「プロレスルールを拡大解釈すると、VTより危ねーぞ」と言ったらしいが、これが最後のバッティングなんだろうな。フリールールと言いながら、プライドではバッティングは反則で禁止行為である。特に相手の顔面に打つなんてもっての他である。堀田の頭部の腫れを見て思い出したのは、神取・天龍のシングルだ。昔神取はVT路線に進みたいので、その前に天龍とシングルをしたいと言って実現したことがあった。あの試合で神取は顔面が崩れそうになる程天龍にボコボコにされたのだが、あれはグーパンチというより、天龍が神取の顔面にバッティングを繰り返して出来たものである。その当時私は、なんでもありありというノールールを唱える総合に対する天龍のアンチテーゼだと思った。お相撲さんは、頭から鍛えるということらしいし。

アジャの「プロレスルールを拡大解釈すると、VTより危ねーぞ」というのも、このことについてではないか。そういう意味で、VTルールでやるより、プロレスルールでより二人の凄味をアピールできたのではないかと思う。

そういえば、天龍vs神取戦のレフリーを担当したのもトミーさんか。やはりややこしい試合はこの人に限る。今日の裏MVP。

延長戦:(ノーコンテスト)

■ セミファイナル 敗者髪切り スキンヘッド・タッグマッチ 時間無制限1本勝負
広田さくら 長与千種 [チーム・エキセントリック]vs 尾崎魔弓 KAORU [D-FIX]
※両チームの意向により反則フリールールに変更

この試合も流れ的にはやや強引に決まったカードだが、尾崎のアピールでエキセントリックが負けたら長与のファン10人が長与達と一緒にスキンヘッドになるというのが変わっている。なんでこうなるのかね。だけど、アジャの最近のアングルってなんか陰気で暗いのだが、尾崎の場合はなんかユーモラスでいい。

D-Fixのコスチュームはお揃いのデザインのタンクトップで赤と白の色違い。微妙に危ない雰囲気。前に尾崎はポロリをしているのに懲りてないようだ。

いつものようにまずは広田のMCコーナーから。
広田「お前らが望んでいた髪切りマッチだ、後悔してないだろうな!」
KAORU「だから望んでないって。」
広田「お前らが言っていた長与ファン10人・・・ぶっちゃけ、集まらなかったんだよ。だから今日は普通の試合にして!」
と言われると、髪は女の命と言って嫌がっていた二人が、今度は広田に詰め寄る。なんだか分からない。それでも中村うさぎを始め7人が集まったようで、ステージで体育座りで観戦し、やはり髪切りマッチになる。そういえば、GAEAのHPに『 また、「10名集まらない!」という緊急事態に備え、リザーバーとして広田選手ファンの参加希望者も一応、募集致します。何卒、エキセントリックへお力添え下さい。なお、エキセントリックが試合に敗れ、スキンヘッドになった場合でも、弊社では一切の責任は負いかねます。予めご了承下さい。』長与のために坊主になろうという奇特な人は何人はいるとは思うけど、広田のファンはいると思うけど、広田のために坊主になろうという人はいるのかね?いたら顔を見てみたいと思い少し興味があったのだが、ここは分からずしまいだった。


試合はというと、今迄D-Fixとエキセントリックの試合は外れがないので保証済みなのだが、今迄の攻防を一段とスケールアップした集大成のような内容であった。タイトルが絡んでいないと広田のギャグにD-Fixも付き合うお笑いモードだが、タイトルな絡んだ昼夜興行のようなシリアスモードでも、ホールが爆発しそうになったことがある。

それで、この日の試合は、両方をミックスをしたと言ったら陳腐な言い方だが、取り敢えず広田が次々にネタを出すのだが、いつものオオバコでは滑る時が多いのだが、これが他の3人のフォローがあり、妙に受けて可笑しい。過去の髪切りマッチだとダンプや長与とか、アジャの「バイソン泣くな!」とか、悲壮感が漂うものだが、髪切りマッチなのにKAORUもちゃんと付き合い、悲壮感が試合中にない。本当にこの後に女の命を切ってしまうのかと思ってしまう。

それでも中盤からは、広田が流血されてD-Fixの猛攻を受ける。それも凶器絡みでどれもエゲツない。その度に長与が出てきて、3人を蹴散らし(ポリスもいるからね)グロッキーの広田をコーナーに引きずってタッチをする。その長与がどうしゃったの?という程凄かった。久し振りにランニングスリーやスーパーフリークまで出す。だけど、この技ってここ数年間尾崎相手にしか出していないという印象があるな。相手が軽いからね。

須山さんによるとGAEAで一番凶器を使うのが上手いのは長与ということらしいので、長与の凶器の使い振りをじっくり堪能しようと思ったが、まあ下手ではないが一番かどうかは疑問が残る所だった。だけど、長与の持って来た凶器というのは、脚立で、これはKAORUのオオバコ専用のアイテムじゃないかと思ったのだが、案の定お約束ラダー最上段からのムーンサルトを。これがいつにも増して美しい。

広田の場合、シングルでは前半お笑いモードだったが、後半はシリアスモードになるという試合はあったのだが、この日は途中シリアスになっても後半でも長与と息の合った中国雑技団みたいな芸を見せて笑わせてくれる。

最後は長与が尾崎をアルゼンチンwithチェーンで、助けに来たポリスも踏みつぶし尾崎がタップ。この試合を象徴したようなフィニシュである。

○長与千種(23分42秒、アルゼンチンバックブリーカー)尾崎魔弓×

試合後に必死に逃げるD-Fixだが、最後は観念して髪の毛を切る。広田が威張っているのがハナにつくし、なんか可哀想だなと思ったのだが、次の日の新聞を見ると、

いや〜、丸刈りがこんな気持ちいいと思わなかったね。気持ちいいよ。何だか生まれ変わったみた〜い」
「スゲエ似合ってビックリした。生まれ変わったみたい。あすからの人生、楽しみだよ」
だって。スキンヘッドになったこの人達が次に何をやらかしてくれるかの方が期待を持てるね。


■ メインイベント AAAWシングル選手権試合
豊田真奈美 [王者] vs 里村 明衣子 [挑戦者]

○豊田真奈美 (26分28秒、J・O・クインビーボムから体固め) 里村明衣子×

前に豊田と里村はシングルをやっているのだが、しょっぱい試合で、正直この試合もあまり期待していなかった。結果的にその通りで、なんだかなぁという展開。GAEAのオオバコのメインは試合が少々しょぼくても適当に盛り上がるものだが、これだけ静かなメインは初めて見て。

そのわりには、26分もやっているので、試合を見ながら他のことを考えていたのだが、vs北斗の場合も噛み合わないだろうし、あまり期待していなかったのだが、これがまた思い切りヒートした。その違いってなんなのかなと思ったら、北斗は里村の攻撃をそれなりに受けたのだが、豊田はほとんど受けないことじゃないかな。これでは面白いはずがない。中西とかにはもう少し受けていたような気がするのだが。

26分の試合だけど、熱戦というより中だるみで、困ったものである。予想はしていたけど、豊田が主役な限りGAEAの魅力は無くなってしまった。セミまでは結構面白かったのだが、メインがこけるとやはり台なしだな。

もうどでもいいから、豊田をどうにかしてくれ。それだけだな。




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