3/1 WJ 横浜アリーナ
■団体:WJ
■日時:2003年3月1日
■会場:横浜アリーナ
■書き手:高倉仮面
15:30
新横浜駅到着。本日はWJの観戦。

旗揚げ前から何かと話題のこの団体。
猪木さんとの対立から、新日本プロレスから離脱を余儀なくされた長州。
そんな彼が新団体WJを設立。飛び出したのは、
「プロレス業界の『ど真ん中』を突き進む!!」という仰天発言。
昨今、低迷しているプロレス業界の中にあって、
彼が指す「プロレス業界の『ど真ん中』」とは、どういうものなのだろうか?
長州はWJを、古巣・新日本を凌ぐ団体にする事が出来るのか?
WJは、プロレス界を救い得る団体となるのだろうか?

WJは、今日、旗揚げする。
メインは、何と10年ぶりの「長州 vs 天龍」!!
かつては全日本プロレスで激闘を繰り広げた両者、
果たして、お互いに50歳を過ぎた今でも、
ファンに夢を与えるファイトを………。

………。

まあ、プロレス観の狭い長州の指している「ど真ん中」、
実際は大したモノではないのはわかっているが、
ぼんやりと気になったので観戦する事にした。
正直、観戦のテンションは低い。

早速、横浜アリーナ行ってチケットを購入、S席5000円。
一週間前まで行く気ゼロだったので、当日券で高くついたのはやむなしか。


16:00
まだ開場までは時間があるし、とりあえず腹が減ったのでメシにする。
んで、新横浜と言えば、やはりラーメン博物館である。

…と言うよりは、基本的にはビジネス街であるこの街には、
他に目ぼしいレストラン等がないので、
この街に来ると強制的にここに立ち寄ってしまう事になるのだが。
とりあえず、入場料300円を払って博物館入り。

○横浜ラーメン博物館
http://www.raumen.co.jp/top/


16:20
博物館の構造について。1Fは資料及びお土産物のコーナー。
資料に関してはラーメンの歴史…というよりは、
インスタントラーメンの資料がかなり豊富。
今は発売されていないカップラーメン等が、
当時の姿そのままに保存されているので、懐かしく感じる事しきり。

B1F〜B2Fがメインの「ラーメンの街」。
屋内は昭和33年頃の街並みが再現されており、
その街に溶け込むようにして、ラーメンのお店が7軒〜8軒程度入っている。
他にもラムネやあげぱんを売っていたり、コリントゲームが楽しめたり。
中々に趣のある演出だねぇ。

○ラーメンの街
http://www.raumen.co.jp/top/kenbutsu/machinami.html

でも、実際には…。
他に食べ物屋があるわけではない新横浜、土日祝はこの建物の中に人が殺到してしまう。
あまりの人ごみが酷くて、とてもじゃないがこの雰囲気を味わっている場合ではなくなる。
もちろん、人が大量にいればラーメン屋前にも行列が出来る訳で、
20分〜30分待ちは当たり前、酷いときは90分待ちなんて事もあるのだ。

しかし、今日は夕方前という時間が良かったのか、
どこも精々20分待ち程度。これなら、自分の好きなラーメンを食える。
んで、今回は家系の「六角屋」の行列に並ぶ事にした。


16:40
待つこと約20分、「六角屋」に入店。
例えいつもより短い待ち時間でも、やはり20分はそれなりに長かった。

ここのラーメンは「家系」という事もあって基本は「醤油とんこつ」。
…なのだが、脂と醤油が分離している感じの味がするのだ。
ややしょっぱくて、ややギトギト。んで、麺は太麺。

食ってみたが、このスープの味は好みがハッキリと分かれるであろう。
醤油も脂も、味としての主張がかなり強い。あっさり味が好きな人には薦められない味だ。
濃い味の好きな僕は、このスープはかなり好きな方なのだが。
そして麺は、もちもちはしているが腰は弱く感じた。もう少し硬い方が好きだな。
まあ、この店は「麺の硬め」「脂の量」「醤油の濃さ」を自由に調整可能なので、
今度来た時には、麺を硬めにしてもらうか。

ちなみに、北海道在住の方は、
「山岡屋のラーメンの麺の腰がやや弱くなった…」、
って感じを想像するとOK。そう言えば、山岡家も味加減を自由に調節可能だな。
「う〜ん、どちらかがどちらを真似たのかねぇ?」
…と、思って調べてみたら、何の事はない、山岡家も「家系」だったのだ。
そりゃ、味もサービス形態も似るわな。


17:00
食事を終えて、開始より1時間早く横浜アリーナ入り。
う〜ん、新横浜は時間を潰す場所が少なくてイカン。

僕が会場に入って最初にする事、いつものようにパンフレットを購入…、
なのだが、これが何と3000円もしやがる!!
あのボッタクリ興行のLegendですら2000円だったのに…。
モノはしっかりした作りっぽかったが、
流石にこんなに高いパンフを買う気にはならず、見送り。

他には、
スポンジ製の黄色い大きな手袋なんかもあったようだ。
手袋の「ど真ん中」にはWJのロゴ入り。
試合の時に「これで応援しろ」とでも言うのだろうか?

「試合は長州 vs 天龍!! 歓声を挙げる観客!!
 そして横浜アリーナを埋め尽くす黄色い手袋!!!!!」

…全然、ピンと来ない。


17:05
会場入り。流石にこの時点では観客の数は少なかった。
まあ、試合開始の1時間前なので当たり前なのだが。

それにしても、横浜アリーナは大変良い会場だ。
この会場の席は緩やかなすりばち状になっており、
この高さをコンピュータ制御にて自由に変える事が出来るのだ。
リングとの距離も程よく、会場ではリングを小さく感じる事はまずない。
その上、会場には備え付けの、四方に見える超大型モニターがあるのだから、
例え安い席でも、試合が観えないと言う事は絶対にないのだ。
まあ、その分、興行を打つ団体にしてみれば、
会場費はかなり高そうなのだが、それは観る側の問題ではない。
チケット代は高くなるかもしれんが。

んで、誰もいない会場には、
長州のテーマソングである「パワーホール」が、
フュージョン風のアレンジで流れていた。
まったりとした「パワーホール」のかかる静かな会場。
昼間に飲んだ花粉症の薬の副作用もあり、しばし熟睡。

…それにしても、ここ最近になって花粉症は本格的に猛威を振るい始めたな。
全く、つらい季節が到来したもんだ。
北海道在住時代は、自分が花粉症だなんて夢にも思っていなかったが。


17:40頃かな?
突然、大型モニターに映像が流れ始め、
会場のBGMが音が大きくなった。これで目が覚める。
どうやら、試合開始に合わせての煽り映像を流すらしい。

内容はWJの今日の旗揚げまでの歴史。
長州1人の旗揚げ、谷津の入団、健介の突然の新日本退団、
健介 vs 永島劇場、健介グランドゼロで入団決意、
長州と意気投合しての越中と健想入団、予期せぬ大森入団。
ぼんやりと「ベタベタの引き抜き劇だね」とか思いながら観賞。
ま、健想と大森は意外と言えば意外だったが。

と、気が付けば、会場内に観客が入り始めている。
隣ではプロレスTシャツを着たデブがカレーパンを食っており、
前には年季の入ったプロレスマニア達が、
今日の興行の裏に当たるNOAHの武道館興行の話をしている。
更に前の方には「反猪木」と書かれたボードを持っているファンも。
なんか、今日の興行には、
「プロレス業界のど真ん中を行くファン」が集結したようだ。

ちなみに今日の興行の模様はPPV放送されるらしく、その解説陣が紹介された。
東京スポーツの柴田 惣一氏と、全日本プロレスの渕 正信。
モニターに映し出された彼らの姿に観客が歓声を挙げる。


18:00
会場が暗くなり、いよいよ試合開始だ。

ちなみにこの時点での観客は約5割〜6割だったが、
最終的には8割以上の客席が埋まっていた。
少なくとも10000人近い観客は入っていたように感じる。

対戦カード発表、盛り上がる観客。
しかし、僕自身は相変わらずモチベーションが上がらない。
それでも、ぼんやりと好ファイトを期待しつつ観戦開始。

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第一試合 30分一本勝負
○石井 智宏(172cm/91kg)
●宇和野 貴史(184cm/92kg)
[12分37秒 レフリーストップ]
※マウントパンチの連打

身長が結構大きく、この先が期待できそうな宇和野、全力疾走でリングイン。
対する石井、花道をゆっくりと歩きながらリングイン。
この両者、共にIWA JAPANからの転進の選手だ。

試合開始、ファーストコンタクトはやはりロックアップだった。
お互いの肩を掴み合ってガッチリと組む両者、
お互いがロープ際等に押し込んではブレイクに。

3度目のロックアップ、離れた後に両者は張り手合戦に突入。
ここから石井がヘッドロック。これを宇和野がロープに振って逃れるが、
石井はタックルで宇和野からダウンを奪う。

しかし宇和野は、直後にエルボーを連打した後に逆にタックルで石井を倒すと、
フライングメイヤーからのスリーパー。自らスリーパーを離すと、
ストンピングやハンマーアームで石井を痛めつける。
対する石井は、水車落としで逆転すると、倒れている石井にストンピングだ。

両者が立ち上がる、今度はフルスイングの激しい張り手合戦。
更にはエルボーをお互いの顔面に打ち合う。
石井は、ここで宇和野の打ち勝ち、コーナー際へ追い詰めてストンピングを連打。
さらにはレッグロック、足に対してのボディプレス、アキレス腱固め、
足攻めで試合の主導権を握る。

宇和野はエルボーの連打で逆転を計るが、
石井はキチンシンクで逆転、さらにもう一発のオマケ。
ここで宇和野をフォールするがカウントは2。
ならば、と、今度は逆片エビ固め。この反りが中々凄い。
かなりキツイ極まり方をしていたが、ここは宇和野が逃れた。

宇和野が反撃開始、立ち上がってエルボー連打、ヒザの連打、ボディスラム2連発。
石井がダウン、フォールするがカウント2。
それでも宇和野は、尚もダメージの残っている石井からマウントを奪うと、
上からの大振りな張り手を連打、更には逆十字だ。石井は何とかロープに逃げる。
しかし宇和野、立ち上がらない石井にストンピングを連打して、腕を取っての腕攻め。

石井、この腕攻めを返して反撃、ケンカキックを2連発、更には張り手を1発。
しかし、これに宇和野は張り手を張り返し、更にはエルボー。
石井はそんな煩い宇和野コーナーに振り、串刺しのドロップキックを一閃。
ここでフォールをするが、カウントは2。
石井は攻めの手を緩めない、逆エビ固め、体を反って逆エビ反り固めだ。
かなりガッチリと極まったが、宇和野は何とかロープに逃れる。

ならば、と、再び逆エビ固めを極めようとする石井だが、
足を持ったところで、宇和野の下からの張り手連打を喰らってしまう。
これで宇和野が息を吹き返した、まずはドロップキックを2連発。
フォールの体制、カウント2。今度は石井のバックを奪って、
ジャーマンスープレックスを狙うが、これを石井は逆にロープに飛ばして逃れる、
しかし待っていたのは宇和野のSTO風の投げ技だった。
宇和野のフォール、カウントは2。

尚も畳み掛ける宇和野、
今度はジャーマンスープレックス、しかうカウント2。
まだまだ攻める、カウンターキックから逆エビ固め、
ガッチリと極まったが、これを石井は何とか逃れた。
石井を応援するファンから安堵の歓声が挙がる。

尚も宇和野はストンピングを連打して石井を追い詰めるが、
石井は立ち上がり、逆にフルスイングの張り手を宇和野にかます。
これは宇和野も返しての張り手合戦、更にはエルボー合戦となったが、
ここで石井は天龍ばりのグーパンチで宇和野をグロッキーにすると、
タックルからテイクダウン、マウントパンチを連打。
ぐったりする宇和野、慌ててレフリーが試合をストップした。

長州が考えている「若手に求めている試合」がそのまま実践された印象。
大技による安易な客の沸かせ方より、
技の一つ一つに込める気迫で客を沸かせようとしている両者。

何となくこの試合からは「ど真ん中」を感じたぞ。


第二試合 30分一本勝負
○本間 朋晃(181cm/103kg/全日本プロレス)
●高智 政光(176cm/96kg)
[9分12秒 逆エビ固め]

本間の入場曲は、
マイケルジャクソンの「スムース クリミナル」のアレンジ版。
お、このアレンジは中々カッコ良いね。

試合開始、なのだが、やはりファーストコンタクトはロックアップ。
んで、IWA JAPAN出身の高智がヘッドロックに捕らえる。
本間はこれをロープに飛ばそうとするが、高智はこれを離さない。
それでも本間は強引にロープに飛ばしたが、返ってきた高智のタックルに当たり負け。
何か、第一試合と殆ど同じスタートだなぁ。

両者立ち上がり、再びロックアップ。
高智、今度は本間のバックを奪って腕攻め、さらには脇固め。
しかし本間はこれを前転で逃れると、
逆に袈裟固めで高智を絞める。高智はロープに逃れた。

高智はフライングメイヤーからスリーパーという、
プロレスの教科書通りの技を展開しようとしたが、
スリーパーのタイミングで本間は逃れて、
逆にアームロック、チンロックで主導権を握る。

両者スタンド、コーナー際へ高智を追い詰めた本間は張り手の連打。
しかし高智はこれをエルボーとミドルキックの連打で返すと、
本間をロープに振ってサイクロンホイップ。
ここからはグラウンド、高智はじっくりと本間の腕を攻め、
更にバックを奪って逆十字を仕掛けようとするが、
本間はこれをレッグロックで回避する。
ならば、と、高智はスリーパー、胴絞めスリーパー。
今度は本間がロープに逃れる。

両者スタンドからエルボー合戦、
高智がミドルキックを繰り出して本間をダウンさせると、
「立てっ!!」と叫んで本間を挑発。

これに怒った本間は、立ち上がって高智に張り手を連打、
更にはマウントを奪っての張り手の連打だ。
更にはボディスラム、倒れた高智にストンピング。
コーナーに振ってのエルボーアタック、
フラフラになった高智にフェースクラッシャー。
すかさずカバー、カウント2で高智が返す。

高智、反撃開始。本間のチョップを張り手とミドルキックで返すと、
本間を高く抱えてのバックドロップ、更には大きな張り手で本間を吹っ飛ばす。
高智のフォール、カウント2。しかし高智は攻めを休まない、
立ち上がる本間にはミサイルキック。そして再びフォール、しかしカウント2。
ならば、と、今度はスリーパーホールド。本間はピンチに陥った。

…が、本間はスリーパーを掛けられながらも立ち上がると、
高智をバックドロップで投げ捨てる。さらにはブレンバスター。
そして逆エビ固め、これがガッチリと極まった。
本間はこれで試合を終わらせるつもりのようだ。

しかし高智はこれを懸命に堪えて、何とかロープに逃れた。
観客からは拍手が沸き起こったが、本間は再びリング中央に高智を戻し、
更にガッチリの逆エビ固め。これに高智が耐えられずにタップ、試合終了。

試合後、本間のセコンドについていた宮本がリングイン、
勝利を喜んでいたが、これに対して高智のセコンドに付いた石井が突っかけた。
ここから、両軍入り乱れての乱闘。
どうやらWJと全日本は若手同士が抗争をやるらしいな。

さて、振り返れば、この試合も「前座」を意識した試合だった。
大技らしい大技は殆ど出ず、ラリアットは一発もない。
しかし、お互いの打撃合戦も中々に気迫があるじゃないか。
少なくとも、ここまでの2試合は退屈せずに観れた。

しかし、この試合の後はなぁ…。


第三試合 45分一本勝負
○谷津 嘉章(186cm/120kg)
●安生 洋二(180cm/110kg)
[11分26秒 首極め監獄固め]

これまでとは違ってベテラン同士の対戦は、
お互いにVTを経験している為か、やたらと距離を意識した戦いに。

安生はパンチやキックを主体とした打撃で谷津を攻め込む。
これに対して谷津は、vsグッドリッジ戦で観せた、
右腕を突き出したファイティングポーズで応戦。

ここから谷津はパンチで安生を追い詰め、
ドロップキック、フロントスープレックス、腕ひしぎ逆十字で安生を攻め込むが、
安生はマウントパンチを連打、逆十字は谷津に膝十字で返されるもパンチで脱出、
ストンピング、ミドルキック、膝蹴り、串刺しニールキック、
みちのくドライバーから逆十字への連携、パンチ連打からラッパ、
さらにはパイルドライバーから逆十字で、谷津を一方的に追い詰める。

しかし、お互いの動きがやや緩慢でスピード感もない。
関節技を仕掛けている時間が長く、観客は退屈し始めている。

安生のミドルキックの連打をキャッチした谷津、反撃。
水車落とし、バックドロップ、パワースラム。得意技のオンパレードだ。
しかし、最後のパワースラムを返した安生はまたしても逆十字。
谷津はこれをロープに逃れると、安生に延髄蹴り。
安生は膝の突き上げをかまして逆転、
更にスリーパーを仕掛けるが、谷津は膝十字でこれを返す。
またしても関節技の応酬、グラウンド多し、
テンポもスピード感なく観客は退屈。

それでも、谷津が監獄固めの体制に入ると観客は歓声を挙げる。
そして極まった監獄固め、安生は谷津の顔面を張って返そうとするが、
谷津は目の前にある安生の首をフロントスリーパー。
もう逃げられない、安生がタップで試合終了。

お互いがどこかVTを意識した試合だったが、
それが返って試合のテンポを悪くしていた印象がある。
普通に試合をすれば良かったのに。


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○中嶋 勝彦 デモンストレーション
ここで若干14歳でWJ入り、脅威の新人、中嶋 勝彦の空手の演舞が行われた。
中嶋は「パワーホール」と共に空手着で入場、
いかにも長州のお気に入りって感じだな。

師範と思われる人に向かってミット打ちを開始。
突き、ミドルキック、ハイキック、後ろ廻し蹴り。
一発一発にスピード感はあったと思う。

今度は師範と共に組み手を開始。
「シッ、シッ」とお互いに打撃を入れ行くが、
退屈していた観客が「シーッ、シーッ」とチャチャ入れ。
さすがは「プロレス業界のど真ん中を行くファン」だな。
中学生相手に何やってんだか。ま、お前らはそれでいいや。

最後は四方に向かって礼。
今後、この子はWJにどういう絡み方するんだろうか?
やはりロックアップとか覚えるのかねぇ。

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第四試合 IPWハードコアタッグ王座選手権 60分一本勝負
[ザ ロード ウォリアーズ] (挑戦者)
○アニマル ウォリアー(190cm/130kg)
 ホーク ウォリアー(190cm/127kg)
vs
[ザ・クラッシャーズ](王者)
 トッド シェーン(身長/体重 未調査)
●マイク シェーン(身長/体重 未調査)
[11分4秒 エビ固め]
※ダブルインパクト
※ロードウォリアーズが新王者

おかしいなぁ。
最初、この試合は「NWAフロリダタッグ」選手権じゃなかったっけ?
まぁ、どっちでも良いンだけどねぇ、どっちでも。

さて、この試合は…なんとも辛かった。

もちろん、予想通りの噛ませ犬だったクラッシャーズ。
トップロープで自らバランスを失ってコケたり、
パワースラムで投げられる前に、わざわざ一回立ち止まったり。
技も力に任せた技ばかりで、パンチやタックルやラリアットやハンマーパンチばかり。
特にスピード感もなく、パワーあふれる訳でもなく、
チグハグになんとなくホークを痛めつけている。

対するロードウォリアーズも、
入場曲、ブラック サバスの「アイアンマン」こそ懐かしかったが…。
元々はパワフル殺法全開以外に試合の組み立てが出来ない人達。
んで、彼らもペイントの下で歳を取ってしまっている訳で、
スピードもパワーもすっかり衰えていた。

噛ませ犬相手に往年の大暴れファイトが観たい観客のニーズには全く答えず、
クラッシャーズの駄目な攻め込み散々に受けまくってしまうホーク。
更には、ダブルアームスープレックスで投げられる時に体を伸ばしきれないホーク。
アニマルが「ピンチのホークに声援を!!」と拍手を求めるも、観客の反応は殆ど無し。
やっとの思いでタッチを受けたアニマルが暴れる、
しかし、お腹についた脾肉でスピード感が死んでいる。
これには、近くに座っていた年季の入ったプロレスマニアが、
「もう観たくない」と嘆いている。気持ちはわかる。

最後には掟破りの逆ダブルインパクト(一方が肩車、一方がフライングラリアット)
をかまそうとしたクラッシャーズだが、これを分断したロードウォリアーズが、
正調のダブルインパクト、アニマルがマイクをピンフォール。
…なのだが、最後のホークのラリアットも何とも低空飛行だったなぁ。
ホークは体調を崩したらしいけど、こりゃかなり本格的にやばそうだ。

試合終了後、ベルトを腰に巻いてアピールするロードウォリアーズ、
だが、観客は全く反応なし。何とも寂しい光景だ。

と、ここで遺影を持ったマサ斎藤がリングに登場、
チャンピオンになったロードウォリアーズと共に並ぶ。
ここで、先日、謎の死を遂げた「Mr.パーフェクト」カート ヘニングを追悼すべく、
10カウントゴングが鳴らされた。観客も起立して黙祷を捧げる。

リング上の3人による黙祷、
カート ヘニングとは恐らくAWAあたりで顔を合わせる事も多かったのだろう。
享年44歳、まだ若すぎるよなぁ…。

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●休憩30分
次の試合が有刺鉄線マッチという事もあり、
リングの組み替えの為に30分間の休憩が取られる。

観客は不満そうだ。確かに30分は長いな。
会場には再びフュージョン風の「パワーホール」が流れ始めた。
まったりした音楽、再び眠くなり、熟睡。












ZZZzzz...













ここで、一度起きるが、まだ試合は始まらない。寝る。



ZZZzzz...



突然、音楽がデカイ音で鳴り響き、興行再開。
結構、ビビッてしまった。

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第五試合 ノーロープ有刺鉄線電流爆破戦 時間無制限一本勝負
○越中 詩郎(185cm/105kg)
●大仁田 厚(181cm/100kg(ウソつけ))
[8分5秒 反則]
※火炎攻撃

そう言えば、僕はこの形式のデスマッチを観るのって初めてか?
たっぷりと時間を掛けて組まれた有刺鉄線リングだが、
パッと見は、あんまり迫力がないように感じた。

越中の入場、尺八から始まる新テーマソングに観客は大歓声。
越中の会場人気は高いんだな、初めて知った。
そんな中、紋付袴姿で入場する越中、歓声は更に大きくなる。

対する大仁田、「ワイルドシング」と共に、
いつものようにタバコを咥えてイスを片手に入場。
と、花道の途中でイスにドッカリと座った大仁田、
タバコを吸いながら越中の様子を見る。観客は歓声を挙げる。

ここで大仁田が越中の方に向かってイスを投げる。
越中はこれをかわしたものの、イスは有刺鉄線にぶつかり、
早くも「パパパパパンッ!!」と火薬が爆発。

…この火薬、思ったより迫力がない。
「パンッ!!」じゃ半濁音じゃねぇか。
「ドーン!!」とか「バーン!!」とか、濁点系の音が欲しいな。

ちなみに、大仁田、越中、両者共にTシャツ姿で試合。

試合開始、早速イス攻撃で主導権を握る大仁田。
しかし越中はパンチで逆転、そして大仁田を有刺鉄線に飛ばそうとするが、
大仁田は自ら転んでこれを堪える。観客から歓声が。

越中、首投げから袈裟固め、さらにはヘッドバットの連打。そしてヘッドロック。
しかし大仁田は、逆に背中から越中を押して、有刺鉄線に飛ばそうとする。
越中、ここは堪えた。観客から歓声が。更にヘッドバット、ヘッドロック。
またしても大仁田に飛ばされそうになるが、ここも堪えた。観客歓声。

いい加減、ヘッドロックの時間が長くなってきた。
大仁田はバックドロップで越中を投げるが、
越中はこれでもヘッドロックを外さない。
大仁田はまたまた越中を有刺鉄線に投げようとするが越中は堪える。
越中、ヘッドバット、そして得意のケツバット。観客歓声。
そして得意のヒップアタックで大仁田に更なるダメージを与えようとするが、
これを大仁田がかわして、哀れ越中は有刺鉄線の中へ。そして火薬が…。



爆発しない。
観客、これには大ブーイング。



まあ、越中が尻から突っ込んだ場所は、
大仁田が最初にイスで火薬を爆発させた場所なので、
既に火薬がなくなっていたんだろう。
だが、観客はお構いなしのブーイング。
しかし、直後に大仁田は越中を別な有刺鉄線に投げ入れると、
今度は火薬は爆発。「パパパパパンッ!!」という音に観客は騒然となる。

主導権を握った大仁田、まずはDDT。大仁田だからDDOと言うべきか。
フォールの体制はカウント2。更にはパワーボム、これもカウント2。

越中、反撃。バックドロップで大仁田を投げ捨てると、
ここで大仁田をヘッドロックに捉える。
が、大仁田は越中もろとも有刺鉄線に突っ込んだ。
「パパパパパンッ!!」、火薬が爆発、レフリーまでが巻き込まれて両者ダウン。

先に立った大仁田、
セコンドについたリッキーフジが投げ入れた「有刺鉄線イス」で、
越中を攻撃しようとしたが、越中はこれを奪って一撃、有刺鉄線に突き飛ばす。
「パパパパパンッ!!」、火薬が爆発、大仁田大ダメージ。

ここで越中、満を持してヒップアタック、
そして侍パワーボム。越中、勝ったか?

しかし、大仁田はカウント2でこれを返す。
観客が驚く中、越中は更にヒップアタックから逆エビ固め、
大仁田に更なるダメージを与える。
しかし大仁田、この逆エビ固めを有刺鉄線を掴んで脱出。
またまた「パパパパパンッ!!」と火薬が爆発、両者にダメージが。

先に立ち上がった越中、大仁田を起こそうと髪を掴むが、
ここで大仁田、毒霧を噴射。越中の顔が緑色になるが、観客は歓声を挙げている。
怒った越中が尚も大仁田に向かっていくが、大仁田、ここで火炎攻撃。
…と、ここでゴング。火炎攻撃による大仁田の反則負けだ。

これには、観客は大ブーイング。
「この程度で試合を止めるなっ!!」「もっと試合をやらせろっ!!」。
そんな中、怒りの収まらない大仁田はレフリーを有刺鉄線に投げ入れた。
「パパパパパンッ!!」と火薬が爆発、観客大歓声。

んで、いつものように始まる大仁田のアジテイト。

「オイッ! オイッ! オイッ! オイッ! オイッ!
 WJさんよ、こんなもんで反則負けかっ!!」

捨て台詞を吐いて花道を後にする大仁田。
モニターには、この光景を悔しそうに見つめる永島専務の姿が。
ベタベタだなぁ。

そんな中、越中は誰知れる事なく、控えに消えていった。

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●リング修復作業
これ以降の試合は通常の試合となる為、
ここでリングの修復作業が入った。
んで、30分掛けて作った有刺鉄線を5分で戻せる訳もなく、
この作業にもかなり時間が掛かってしまった。
約30分程度は待たされたなぁ。

んで、その辺はWJ側も少しは考えていて、この時間に観客が退屈しないように、
一生懸命に大仁田劇場の映像や、大仁田を観た解説陣の映像を流すのだが…。
肝心要、大仁田とは浅からぬ因縁のある永島専務のコメント、
マイクのミスで会場には聞こえてこない。

これには観客、
待たされているストレスもあって大ブーイング。この段取りの悪さは何とも最悪だ。
そして、高々8分程度の試合をする為に、有刺鉄線のリングの作成と撤収に、
合計1時間近くも使わせた大仁田はもっと最悪だ。

●入場者数発表
場内アナウンスで入場者数の発表。
「本日の入場者数は13200人です。ありがとうございました。」

ホントかなぁ?
確かに席は意外に埋まった印象があるけど、結構空席も目立つぞ。
今日は贔屓目に見ても、10000人前後じゃないかなぁ。
ま、「大本営発表」を復活させるのも「業界のど真ん中を行く事」の一環なのだろう。

…やめた方が良いと思う。

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第六試合 60分一本勝負
○大森 隆男(190cm/110kg)
●鈴木 健想(191cm/118kg)
[12分53秒 片エビ固め]
※アックスボンバー

第六試合は、次世代のエース対決…であると同時に、
全日本 vs 新日本、大器と期待されながらくすぶりつづけた者同士の対決、
そして、去年は他団体を渡り歩いた高山 善廣のパートナー対決。
色々な見方が出来るな。

健想は入場曲をメタル風の「パワーホール」にして入場。
長州はお気に入りの選手の入場曲を「パワーホール」にするのが好きなのか?

対して、NOAHを電撃退団しての突然のWJ入りを果たした大森。
ガウン等を一切まとわずに入場だ。観客からは歓声が。
とりあえず今日のファンは大森を歓迎しているな。

さて試合なのだが…。

お互いに体は恵まれた物を持ちながらもブレイクしなかったのは、
単純に「プロレスが下手」だったからな訳で…。
そんな2人が闘えば…、当然、試合展開も辛い物になった。

開始と同時に豪快なジャンピングニーパットを繰り出す健想だが、
大森はどうじる事なく、カチ上げ式のエルボースマッシュを返していく。
健想はチョップで応戦、大森をロープに振ってビックブーツをヒットさせる。

大森はここで突然、健想に突進し、
いきなりのアックスボンバーをヒットさせようとするが、
これを避けた健想、ジャンピングニーパットで大森をダウンさせる。
更にはニードロップ、コーナーに振っての串刺しニーパットで追い討ち。
健想はここで早くもカバー、カウント2。

しかし健想は、ニードロップ、スリーパーで大森を攻めると、
ここからは腕殺しで試合を組み立てる。
腕へのニードロップ、リストロック、サーフボードストレッチ。
大森はサーフボードを腕力で返そうとするが、
健想は大森の力を利用して、腕を持ったまま一回転。
大森はなかなかサーフボードを脱出できずにいる。

健想はここで自らサーフボードをはずして、
ハンマーアームで大森の背中を殴ったり、張り手で大森の顔を叩いたり。
しかし、大森はカチ上げ式のエルボースマッシュで逆転、
健想がチョップを返してきたが、大森はドロップキックでダウンさせる。
ここで大森がカバー、カウントは2。

大森の攻めが始まる。チンロック、キャメルクラッチ、
ブレンバスター、逆片エビ固め。健想の腰を攻める作戦だ。
更にコブラツイスト、だがこれは健想が崩して大森をカバーする、カウント2。

今度は健想の攻め。
スリーパー、タックル、ラリアット、腕攻め、腕へのエルボー、
ブレンバスター、フロントチョーク…長い。漫然と技が並べられるだけの展開。
観客からは「大森、そろそろ返さないと高山まで辿りつかないぞっ!!」と野次が飛ぶ。
技から技への繋ぎの時間も長く、観客は早くも試合に飽き始めている。

観客が痺れを切らした頃に大森反撃。
倒した健想にストンピング、カチ上げ式エルボースマッシュ、
踏みつけ、アームブリーカー、ドリル ア ホール パイルドライバー、
…こちらも漫然と技が並べられるだけの展開。
それでもトドメにパワーボム、しかしこれは健想が切り返す。
しかし、この展開にも観客は「健想、しっかりやらんと高山に追いつかんぞ」。
両者の繰り広げる試合展開に、高山の影が差し込む。

健想の逆襲、ジャンピングニーパット、バックドロップ、
STFから胴絞めスリーパー、スピアー。カバーの体制、カウント2。

ダメだこりゃ、また技が適当にならんでいるだけだ。
それが証拠に、STFから胴絞めスリーパーの場面、
普通のプロレスならここで大森コールも起きるが、
観客はこの関節技に何にも反応しなかった。

大森、ジャンピングニーパットを出そうとした健想に、
トラースキックを当てて逆転。そして、ここで唐突なアックスボンバー。
そして大森、すかさずカバー。しかし、観客の多くは、
「まだ一発目だし、まだ試合のヤマもないから、これは健想が返すだろう。」
と思っていただろう。

実際は、これでカウント3、試合終了。

観客が水を打ったようにシーンとする中、
2人は控え室に消えていった。
ダメだこりゃ。WJでもこの2人が大化けするのは、
かなり先の話になりそうだな。

第七試合 60分一本勝負
 馳 浩(183cm/105kg)
○佐々木 健介(180cm/103kg)
vs
 ドン フライ(185cm/100kg)
●ダン ボビッシュ(184cm/130kg)
[12分59秒 片エビ固め]
※ラリアット

元UFC王者フライと元KOTCヘビー級王者ボビッシュによるMMA強力タッグ、
フライは、PRIDEでも昇降式ゴンドラの上で良く見せる、
花道の途中で腕を交互に上げるパフォーマンスで観客を煽る。
そして初来日のボビッシュ、パッと見はタンク アボット系の体。
いわゆる「ずんぐりむっくり」って奴だ。あんなに太いお腹で動けるのかねぇ?

懐かしい「ハセケン」の復活、まずは馳が入場。
赤いガウンを身にまとった馳は、エプロンからコーナーポスト最上段に登り、
お得意のTシャツ投げ…をしようとしたが、
ここでコケてしまい、リングに落下。観客は爆笑。
それでもめげずにガウンを脱ぐと、今日の馳のパンツはイエローだ。
これは昔、「ハセケン」時代に愛用していた色のだな、懐かしい。

んで、健介の入場だが、入場曲が新しくなっていた。
だが、それは「パワーホール」ではなかった。チッ、つまらん。
しかし、僕以外の観客は大歓声で健介を支持。
「えっ!? 健介ってこんなに人気あったの!?」
という驚きが隠せない僕、しかし周りの観客は、
「ど真ん中」と書いてあるボードを持ってアピールする健介に声援を送りつづける。

試合開始、先発は健介とフライ。
フライはいきなりパンチの連打で健介をダウンさせるが、
健介はすぐに立ち上がってフライに掴み掛かり、フライの顔面にパンチを浴びせる。
これに対して、フライも健介の顔面を掴んで殴り返していく。
…って、これってPRIDE21の「フライ vs 高山」の再現じゃん。
周りの観客は大喜びだが、僕は妙に白けてしまった。
んで、殴り合いの後に両者ダウン、両者自軍のコーナーに戻ってタッチ。

馳 vs ボビッシュ、
観客は、プロレスでは無名のボビッシュが、まず何を仕掛けるかに注目したが…。
ボビッシュはその巨体で馳をあっという間にコーナー際へ追い詰めると、
パンチの連打で馳を圧倒する。巨体から繰り出されるパンチは中々の迫力で、
観客も驚きの歓声を挙げる。更にはコーナー際で自らの体を何度も馳にぶつけると、
ここから組み付いて、中々キレのあるフロントスープレックスを繰り出した。
これで早くも観客を圧倒したボビッシュ、
ピンチになった馳を救うべく健介がリングに入ろうとしたが、
ボビッシュは猛然と健介に突っかかろうとした。
しかし、これを見たフライは、
リングに入ってボビッシュに「抑えろ!! 抑えろ!!」と止めに入る。
観客は、ボビッシュのブルファイトぶりを支持する歓声を挙げる。

ボビッシュはタッチ、フライの登場。
まずはパンチで馳を攻めるも、馳はチョップでお返し、フライはヘッドバットで逆襲、
そして馳のチョップとフライのパンチが交互に入り混じる。

馳がタッチで健介登場。
健介、まずはフライに組み付いての膝攻撃。
そしてブレンバスター、更にはフロントヘッドロックの体制。
しかしフライは健介を自軍のコーナーへ押し込んでボビッシュとタッチ。

睨み合う健介とボビッシュ、
まずは健介がチョップを入れるがボビッシュは動じず、逆に健介を挑発。
ならば、と、健介は得意のラリアットを食らわせるが、
ボビッシュはこれを食っても仁王立ち。これには観客も驚いた。
そして尚も向かってくる健介に、逆にタックルをかましてダウンを奪う。
観客のボビッシュを支持する声援は益々大きくなっていく。

ボビッシュがタッチしてフライ登場。
ボディブローで健介を倒し、さらにはストンピングで追い討ち。
だが健介はラリアットで逆転、馳とタッチ。

馳はフライにかわず落としを仕掛け、さらにブレンバスターの体制。
だが、これはフライに逆に投げ捨てられてしまった。
さらにフライは、倒れた馳の上に乗ってボディへヒザを叩き込む。

フライがタッチでボビッシュ登場。
ボビッシュは体格差を生かして馳を攻めまくる。
ヒザ蹴り、ハンマーアームの連打、パワフルなエルボーやパンチ。
この攻撃に対して、馳は全く反撃が出来ない。

ボビッシュがタッチでフライがリングイン。
フライはタックルからアキレス腱固め、ガッチリ極まった。
観客から馳コールが沸き起こる中、馳はなんとかロープに逃れた。観客は安堵の拍手。

なれどまだまだ続くフライの攻撃、今度はパンチの連打だ。
だが、ここで馳がチョップを返しての、パンチ vs チョップ合戦、
しかし勝利したのはフライのパンチ。倒した馳を、今度は逆エビ固めに捕らえる。
これは健介がラリアットでカットしたが、
この様子を見て怒ったボビッシュがリングインしようとする。
レフリーがこれを必死に止めるが、これを観客は、
ボビッシュのブルファイターとしての意外な完成度の高さに歓声を挙げる。

フライ、パンチの連打からブレンバスターの体制へ。
すっかり捕まってしまった馳だが、このブレンバスターを逆に投げ返した。
観客が沸き返る中、馳はエルボーでフライを攻める。フライもチョップを返す。
この打撃合戦、馳の勝ち。そして倒れたフライの両足を抱えると、
観客はこの体制になっただけで大歓声。お馴染みジャイアントスウィングだ。
「1、2、3…、」とフライを振り回す馳、観客も回転した回数を数える。
この日は25回転。自らも目を回してフラフラになりながらも、馳は健介にタッチ。

健介が反撃を開始だ。
まずはフライにドロップキック、更にはパワースラム、ラリアット。
健介がフォールの体制、カウントは2。しかし、尚も攻める健介、逆エビ固めだ。
だが、これはボビッシュのハンマーアームによるカットにあう。
この後フライは、健介にパンチを一発入れてボビッシュにタッチ。

健介 vs ボビッシュ、ボビッシュが健介を攻める。
軽々と抱え上げてのアバランシュスラム、さらには高速フロントスープレックス。
ここでボビッシュがカバー、カウント2で健介が返す。
だがボビッシュは、挑発を入れながらのパワフルなラリアットから、
またまたカバー、だがカウント2。観客からは歓声。

ボビッシュ、尚も攻め込もうとブレンバスターの体制。
だが、これを健介がこらえる。どちらが投げるかのパワー合戦、
ここで馳が登場しこの合戦に加わる。こうなれば2人いる「ハセケン」の勝ち、
ブレンバスターでボビッシュを投げ飛ばす。
更に「ハセケン」の連携は続く、ボビッシュをロープに飛ばして…、
これはボビッシュが「ハセケン」をまとめてパワフルなタックルで吹っ飛ばす。
観客からまたまた歓声が挙がる。ボビッシュ、中々良いじゃない。

「ここが勝機」と見たフライはリングインして、倒れた馳を押さえ込む。
これを見たボビッシュはトドメとばかりに健介をブレンバスターの体制へ。
フライはボビッシュを完全に信頼して、アシストに徹している。
リングの弾む音がして、レフリーがカウント、カウント3。
パートナーの勝利に両腕を上げてアピールするフライだったが…。

レフリーは健介の腕を上げていた。
これには「What!?」という驚きの表情を隠せないフライ。
実は、健介は先程のボビッシュのブレンバスターをノーザンライトボムで切り替えし、
ダメージの大きいボビッシュにとどめにラリアットを喰らわせたのだ。

敗者組となったボビッシュとフライが控えに消えていく中、
勝利を喜ぶ「ハセケン」のマイクアピールが始まる。

まずは馳。

「オイッ! オイッ! オイッ! オイッ! オイッ!」

と、まずは大仁田のモノマネで観客を沸かせると、

「大仁田さんよぉ!! 一言、言ってやる。
 お前は、国会もプロレスも中途半端なんだよぉぉぉっ!!(観客大爆笑、大歓声)」

おっしゃる通りだと思います。

んで次は健介。

「皆さん、今日は雨の中来ていただいて、
 誠にありがとうございます!(観客大歓声)

 今日から、WJは一歩一歩を大切に闘っていきます!
 ありがとうございましたっ!(観客大歓声)」

こちらは無難なコメントに終始。

それにしても、ボビッシュは意外な掘り出し物だった。
技はないのを迫力でカバーするタイプの選手って、久しぶりなんじゃないかな?
これで、もう少し洗練されれば、
スタン ハンセンみたいな感じの選手になるんじゃないかな?
MMAでも結構強いみたいだし、もう一度、何かの形で観戦したい選手だ。


第八試合 60分一本勝負
○長州 力(184cm/120kg)
●天龍 源一郎(189cm/120kg)
[7分53秒 片エビ固め]
※ラリアット

今回の興行のメインは、かつて名勝負と唄われた「長天対決」。
あれから10年という月日が流れ、お互いに50歳の大台に乗った彼らだが、
この旗揚げ戦の対決を皮切りに、初シリーズでシングル6連戦を展開するという。
今日はその第一戦。このカードで「プロレス業界のど真ん中」を行こうとする長州、
彼らは、この試合から何を訴えようとするのか。

まずは「サンダーストーム」が会場に流れて天龍が入場、観客から歓声が。
応援団によるノボリが上がる中、ガウン姿でいつものように天龍が入場。
この人は大舞台でも殆ど飾る事なく入場してくる。カッコいいねぇ。

入場曲が、正調の「パワーホール」に変わると、
観客は大歓声、長州コールの大合唱だ。そんな中、長州が入場。
歓声は更に大きくなったいったが、
こちらもそれが「当然」であるかのように入場してきた。

両者へのコールが大きくなる中、
試合開始のゴングが鳴らされる。

両者の第一接点は、大方の予想通りロックアップであった。
まずは長州がコーナー際へ押し込み、一旦距離を取る。
もう一度、両者はロックアップ、やはり押し込んで距離を取る長州。
三度目のロックアップ、ここで天龍は長州をヘッドロックに捉える。
長州はこれをロープに飛ばすが、天龍のタックルの前に倒れる。
この辺は、いかにも「新日本プロレス」って感じだな。

しかし長州、天龍に一発返すと、
倒れた天龍の両足を掴んで早くもサソリ固めの体制だ。
しかし、あとはステップオーバーすれば完成という場面で、
天龍が下から張り手で長州の顔面を張っていく。
これで長州のサソリ固めが崩れると、
天龍は立ち上がって天龍チョップを連打。

だが、今日の長州の仕掛けは早い。
いきなり天龍に組み付くと、引っこ抜きのバックドロップで天龍を投げ捨てる。
更にはストンピング、首投げからの首四の字固めで天龍の首を攻める。
天龍は長い事、この関節技に苦しんだが、何とかロープに逃れた。

距離を置く両者、やはり接点はロックアップだ。
ここで長州をコーナー際へ押し込んだ天龍、グーパンチで長州を痛めつける。
更には天龍チョップ、これで身を屈ませた長州に顔面蹴りの洗礼。
そしてダメージの大きい長州に組み付き、ブレンバスターの体制。抱え上げて…。

と、ここで天龍は、持ち上げた長州を、
ノーザンライトボムの体制に入れ替えて、捻りを入れて頭から落とした!!
これは、この試合用に開発した「53歳」という名前の新技だ。
観客は、早くも繰り出してきた新技に、動揺を隠せない。

…っていうか、この技、あんまり説得力がない。
ブレンバスターからノーザンライトの体制への移行の時に、
長州が体をピンと伸ばせないために、
なんとも不恰好な姿でズルズルと落ちてしまうのだ。
んで、最後の叩き付けも、今ひとつキレ味に欠けている。
これなら「普通のノーザンライトボムの方が良い」と思った人は多いハズ。
先ほどの「53歳」に対する観客の反応を「動揺」と表現したのは、その為である。

しかし、観客の反応がどうあれ、試合は天龍ペースで続く。
天龍、今度はフェースロックで長州を絞め付け、ヒザで長州を蹴り上げる。
更に、またまた出た「53歳」。新技の連発に観客の動揺が更に大きくなる。

そして天龍、早くもパワーボムの体制。観客が歓声を挙げる。
この歓声に応えて、長州を抱え上げようとする天龍だが、
中々持ち上がらず、逆に長州のリバーススープレックスを喰らってしまった。
長州は、倒れた天龍が立ち上がるタイミングを図って、
ここで出ましたリキラリアット! 観客は「待ってました!」の大歓声。
更には引っこ抜きブレンバスター。得意技のオンパレードだ。

倒れた天龍を起こした長州。だが、ここで天龍のグーパンチが出た。
怯んだ長州に組み付いた天龍、ここで何と3発目の「53歳」。
会場がまたまた動揺する中、天龍は長州をカバー、しかしカウント2。

しかしこれで試合の流れを掴んだ天龍は、
長州を起こしてグーパンチを連発。これに対して長州もパンチで応戦。
更にはチョップ合戦へ。だが、長州はヘッドバットで天龍の意識を朦朧とさせると、
今日2発目のリキラリアット、倒れた天龍をすかさずカバー、しかしカウントは2。
しかし長州は、天龍が立ち上がるのに合わせてまたまたリキラリアット。
この後、またしてもカバーの体制に入る長州。

観客は、試合の流れから見て、
天龍はまだまだカバーを返す体力を持っているだろう、
と誰もが思っていたが…。

カウント3、試合終了。

観客があっけにとられる中、
長州はマイクを取る事もなく静かに控えに消えていく。
天龍は最後のラリアットが効いたらしく、中々立ち上がれずにいる。
そして観客も、何だか煮え切らないうちに帰り仕度を始めている。

周りにいるプロレスファンの一人が呟いた。
「旗揚げ戦の割には、随分とアッサリした興行だったね」。

プロレスファンって寛容だなぁ…、
と、心の底から思った。

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雑感:
長州の指す「ど真ん中」は前座の試合の方から感じました。
大技に頼る事なく、気迫でやりあう若手の対決からは、
団体の未来を感じる事が出来ました。
また、ダン ボビッシュという掘り出し物の発掘も良いでしょう。

しかし、第3試合〜第6試合、そしてメインは…。
「こんなプロレスが業界のど真ん中にいてはいけないよなぁ…」、
と、素直に思ってしまうようなシロモノでした。

本日の旗揚げ戦、
観客動員数的には格好のつく人数を入れる事が出来たWJですが、
真の勝負は、旗揚げシリーズの方でしょうね。
今日の興行を見て「また観に来よう!」と思った人が何人いるのやら…。

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以上、長文失礼、「ロックアップ!!」。




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