2003.3.1 WJ旗揚げ大会 横浜アリーナ
■団体:WJ
■日時:2003年3月1日
■会場:横浜アリーナ
■書き手:maya(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

別に長州の動向なんてそんなに興味は無いが、メインが天龍とのシングルだったら行かざるを得ない。しかも、プロレス界には旗揚げした大将が旗揚げ戦でジョブするというしきたりがあるみたいで(除く、田村。田村の場合、ほとんどの弟子にジョブさせて自分だけ勝ちやんの)、安心して見れるというものだ。

会場は7〜8割の入り(主催者発表 13,200人)。かなり健闘したと思うけど、13,200人というのはサバの読み過ぎじゃないか。

試合前にPPVの煽り番組が会場でも流れる。実況は、高柳さんで、解説は東スポの柴田さんと渕だって。このラインアップには少し笑えた。それによると、WJのモチーフは「ど真ん中」ということらしい。そのわりには、電流デスマッチとかもあって良く分からないが、取り敢えず、そういうことらしい。隙間産業で儲けるこの時代に素晴らしいモチーフだ。

PPVもあるので、6時ぴったりに始まる。リンアナは予定通り闘竜で私に、いっちゃもんを付けたヤマモ(笑)。選手入場や長州の挨拶とかもなく、ヤマモのカード発表で始まるのだが、ヤマモはA4位の紙を見ながら紹介する。まあ、カード発表くらい覚えきれないから仕方無いけど、驚いたことに、この後の全試合でA4の紙を持ちながらコールしてやんの。選手の名前と体重しか言わないのに、その位暗記して来いよ。時々、カンペを見ながらコールするリンアナもいるけど、ちゃんと小さな紙に移して手で隠して見ているぜ。大ぴらに、いちいち紙をペラペラさせて、みっともないと言ったらありゃしない。稽古じゃあるまいし、俳優が台本見ながら芝居をやったら誰が見るか。歌詞をA4の紙を持ちながら歌うコンサートがあるか。これじゃ、リンアナ失格だな。あと、礼服を着るんだったら、あの弛んだズボンの丈は無いだろう。吊るしだから仕方無いかもしれないが、それにしても、これまたみっともないね。もう少し衣装無いの?

結論から言うと、リンアナからして、この調子だから、興行としては、がさつで、手際が悪く、ほとんど客に見せるという観点が無かったと言いたい。この団体を見たいなら早めにした方がいいよとしか言い様がない。相変わらず、GAEAと闘龍門を引き合いに出して悪いが、この両団体は、客にどう心地好く観戦してもらうか、細心の注意を払って興行を行っている。勿論、至らない所もあるが、それを反省材料として次に反映しようとする意気込みを感じるが、WJの場合はそういう配慮は全く無しという印象しか残らない。

1.○石井智宏 (12分37秒 レフェリーストップ )宇和野貴史×

石井の成長は、気になる。WAR時代、天龍最後の付け人だったから。大谷に新日本との練習で、基礎体力の無さに、練習生だと思っていたと言われたり、散々だったが、EXODUSさんのIWAのレポートによると、かなり成長したらしいので、2年前のWAR以来に見る私は少し楽しみだったのだが。

石井は体もかなりパンプ・アップして、なんかいい感じ。相手はこれまた元アイジャの宇和野。 予想はできたが、試合はいかにも新日本の第一試合らしい、大技を使わない攻防。正直、見てて退屈だったのだが、この日の観客は好意的で、つまらない攻防にも反応する。

ただ、雰囲気が変わったのは、今迄打撃戦はプロレス的なエルボーを使っていたのだが、石井がグーパンチで相手に顔面を殴ってから。最後は、マウントで石井が素手で相手の顔面にグーパンチをもろに打ち込み、レフリー・ストップ。試合後、宇和野は顔面血みどろになって、あまりにエグイ、フィニシュに客も惹いてしまったが、だけど、プロレスでこんなフィニシュでいいのか?新しいと言えば新しいが。

宇和野は見たことないので、良く分からないけど、二人とも、長州・メジャー色に染まったという感じで、ど真ん中って、つまらないなという感想。

2.×高智政光 (9分12秒 逆エビ固め )本間朋晃○(全日本プロレス)

高智は元SPWFで、本間は元大日本、現全日本。これまた、インディー色の濃い戦い。昔、誰かがインディーなんてクソだと言っていたと思うが。これまた、第一試合同様、新日本の第一試合みたいな展開。だけど、こんなの、彼らにやらせてもねえという感じ。最後が逆エビというのも、新日本の前座的だが。好意的な観客もどうでもいいよという雰囲気に。

本間は昔は、もっと面白かったのだが。

3.○谷津嘉章 (11分24秒 首決め監獄固め) 安生洋二×

安生の入場で、会場は若干盛り上がる。安生ならどうにかしてくれるという期待も込められているのだろう。安生っていつのまにかスキン・ヘッドにしてたんだね。一方の谷津も年輪が刻みこまれたような、いい雰囲気。この試合には期待できるだろうという希望もつかのま、試合が始まると谷津がまるでマグロ状態で、なんとも言えない感じになる。これでは、安生もどうしていいか分からないような状態。

谷津はアマレス的なムーブを見せようとするが、体が付いていかず、タックルもできない。何もできない谷津に安生がどうにか試合を組み立てようとするが、谷津はすぐにマグロに。男のマグロ程、見苦しいものはないが、案の定、最初は好意的だった観客も「安生、早く決めてくれよ」とか「つまんねいんだよ」と言うヤジが飛び交う始末。しかもこの日はどの試合も会場がシーンとしているから、ヤジの声が響くんだな。

それで、最後は安生のギブアップ負けで、いくらなんでも、それは無いんじゃないのという雰囲気に。いくらワークとはいえ、無理がありすぎるという感じで、冷たい雨の降る会場の外以上に会場は冷えてくる。

ここで、長州の秘蔵子、中嶋勝彦のデモンストレーション。中学生らしいが、別バージョンのパワーホールで詰入りの学生着をきて登場。なかなか太々しくっていい感じ。全国空手選手権(何なのか良くわからないけど)で中学生ながら優勝したということで、何処の団体か良く分からない空手の師匠とミット打ちとスパーリングを見せる。

確かに、中学生としては凄いと思うが、これがプロレスとなんの関係があるのか?まあ、後で気づいたが、グーパンチは天龍以外、WJでは有効みたいだけど。中学生までも駆り出して、長州のセンスに段々恐いものを感じる。

4. IPWハードコアタッグ選手権試合
トッド・シェーン ×マイク・シェーン(ザ・クラッシャーズ=王者組) (11分4秒
片エビ固め) アニマル・ウォリアー○ ホーク・ウォリアー(ザ・ロード・ウォリアーズ=挑戦者組)

最近のロード・ウォリアーズがしょぼいというのは、聞いていたが、相手のチャンピオン・ザ・クラッシャーズも輪をかけてしょぼい。試合後に、「これがハードコアなのか」というヤジが飛んでいたが、まさにその通り。

まあ、チーム名のセンスの無さからも大体想像出来たけど。ただ、二人ともスキンヘッドで同じような顔をしていて、ブラック・ハーツみたいなムーブを出せば、誰も分からないし面白いと思ったのだが。ど真ん中ではそういうこともなし。これでは、両チームともクロニックよりひどいな。

この試合、唯一面白かったのは、タイトル宣言をスカパーの役員が読んだ所。、IPEをIWGと読み間違えやんの。人間誰でもミスはするが、間違えていいミスと、どうしても間違えてはいけないミスがあるだろう。これで場内大ブーイング。あらゆる意味で、主催者側に緊張感が無いというか、いい加減なWJの一端。

試合後に、カート・ヘニングの追悼ということで、マサ斎藤が遺影を持ち、ロード・ウォリアーズとタイガー服部が並んで客を立たせて10カウントゴングを鳴らすのだが、別にWJとカート・ヘニングなんて関係無いと思うのだが。この4人が神妙な顔をして並んでいるのは、なんか滑稽。だけど、これだとロード・ウォリアーズはなんの商品価値も無くなったな。初めて全日本に来た時は、ワクワクしたものだったが。あのスタイルだと芸域の幅を広げられないんだな。

ここで、有刺鉄線のリング設営のため、30分の休憩だって。場内はエッーという感じ。まあ、仕方ないけど、ここまであまりのつまらなさに、ロビーでも厭戦ムード。こりゃ大仁田に頼むしかないという声もちらほら。だけど、30分間延々とスローバージョンのパワーホールを繰り返し聞かされたのには、辟易した。なんかゴリ押しみたいな感じ。

5.ノーロープ有刺鉄線電流爆破戦
○越中詩郎 (8分5秒 反則 ) 大仁田厚×

史上最大の電流爆破マッチだそうだ。
まずは侍詩郎の入場。新撰組みたいな衣装でやはり盛り上がる。コスチュームを脱ぐと後ろに「侍」と書いてあるタンクトップ。なんかマジックで書いたんじゃないかと思える程、安っぽい。そして大仁田の入場。たっぷり時間をかける。まあ、それが見せ場の一つだから仕方無いけど、結構大仁田ファンが多いのには驚いた。

試合は大仁田が持って来た椅子を有刺鉄線にぶつけて、花火を出して始まる。これは臨場感がある。両者、被爆しないようにという展開だが、越中は袈裟固めばっかでスイングしない。そのうち越中がケツを狙ってすかされて被爆するんだろうなと思ったら、案の定そういうスポットがあったのだが、爆弾のスイッチを押し遅れて被爆しないでやんの。分かり切っているが、こんな美味しいスポットをみすみす逃すWJスタッフとは。これで一気に白けてしまった。

まあ、あとの展開は越中は袈裟固めばかり狙ってあまり動きが無かったが、大仁田逆エビを食らった時、エスケープのために有刺鉄線に自ら手を置き、被爆した所はなかなかやるな、と思った。

双方被爆したあと、大仁田が毒霧から火を放ってサブレフリーのタイガー服部がゴングを要請して、大仁田の反則負け。これじゃ、健介戦と一緒じゃん。消化不良の試合に場内ブーイング。前もこれは評判悪かったけど、学習能力は無いのかね。もっとも、客の意見なんて目を通すタマじゃないか。長州は。

ここで、有刺鉄線を撤収するためにインターバル。その間にスカパーの放送が場内にも流れる。放送席には永島も席につくが、まずはバック・ステージでスカパーのアナウンサーを相手に大仁田劇場。また、長州とやらせろと、前と一緒。ただ、「おい、永島、お前も必ずリングに上げてやるからな。事務員ヅラしやがって!」というのには少し笑えた。

大仁田劇場が終わり、高柳さんが永島に今の大仁田の発言に対してインタビューすると、永島のマイクに電源が入っておらず、会場のモニターでは口パク状態。これで場内、またもやブーイング。とことん手際の悪いWJ。

本当にしばらくして、やっとスイッチが入ったが、その後は遅々と設営が終わらない。レフリー3人でロープを張っていたが、客が待っているのだから、若手とかを動員させて、もっと早く終わらせろよと思ったのは、私だけであろうか。その間高柳さんは、同じ質問をゲストに繰り返して、間がもてない感じだ。ちなみにこれからが、マグマのど真ん中が爆発するらしい。今迄、何だったんだろうな。

6.×鈴木健想 (12分53秒 片エビ固め) 大森隆男○

塩と塩が化合すれば、科学反応で少しは食えるようになるのでは、という私の甘い予感を一気に消し去る塩い試合。私が甘かった。

それにしても、この二人少し動くとどうでもいいグランドや固め技に持っていって、本当に良く休むね。そのため、試合にリズムが無い。セミ前なんだからもう少し大技を出してもいいと思うのだが。一番湧いたのは、というか、唯一湧いたのは大森のD・キックと健想のスピアのみ。

「つまんない、から早く終わらせて」とこの日何度も聞いた野次がまた出る。
それにしても、二人とも若いのに、じじい臭い試合をするね。じじいももう少し動くけど。

7.○佐々木健介 馳浩( 12分59秒 片エビ固め) ドン・フライ ダン・ボビッシュ×

王者フライが出るんだから、健介が少々しょぼくても少しは見せてもらえるだろうと思っていたが、問題はフライのパートナーのダン・ボビッシュ。全然知らない。風貌は、これまたスキン・ヘッドで白いアゴ髭。体はヘビー級のアマレスの選手に多い、首が無く逆三角ではなく長方形のような、がっちりした感じ。体重は確か300ポンド位あるらしい。こりゃ、やたら凄いか、とんだ食わせ物かどちらかと思ったが。

フライが先発を買い、まずは健介を挨拶代わりのタコ殴り。やはり試合が出ると試合のテンポが格段に早くなる。なんかプライドの高山戦みたいな両者グーで顔面を殴りグロッキーとなり、二人とも交代。だけど、この団体顔面のグーパンチはアリみたいだ。しかも、この後フライは相手の脊髄にもパンチを入れていて、結構エグイ。

続いて、馳とダン・ボビッシュだが、これがまた強い。リングの中央から突き飛ばすだけで、馳はふっとんでしまい、すかさずコーナーでタコ殴り。見た目よりも動きも俊敏で、リング上で馳をいたぶっている時に、健介がカットに入ろうとするとすぐさま反応して、プロレスのキャリアがあるのかどうか知らないけど、回りを見渡せる余裕もある見たいだ。スープレックスのキレなんかも見ると、この選手はアマレス出身なのかな。健介のラリアットやチョップも全然利いていませんよという所を見せ、とまどう健介が心地好い。

完全に他の3人を食ってしまい、この日唯一と言っていい程の収穫だった。だけど、誰が見てもこの3人の中でケタ違いなのに、ケンボーからにジョブさせてやんの。またもや不自然な結果。いくらなんでもこりゃ無いぜ。

それにしても、長州はアホだね。ケン・ケン・コンビや大森なんか売り出すより、この外人を売り出した方が、よっぽど観客動員に繋がるぞ。サップまでは、いかないとしても、トム・ハワードくらいは行くと思うけど。そういえば、長州は外人嫌いだったんだっけ。自分だって(以下自粛)・・・

8.○長州力 (7分53秒 片エビ固め) 天龍源一郎×(全日本プロレス)

まあ、セミはフィニシュ以外少し楽しませてもらったが、ここまで見ている方も厭戦ムード。だけど、メインが良ければ全ては救われると思ったのだが。試合前の両者のインタビューを聞いたらどうしても期待してしまう。

ゴングと共に、ロックアップをするだけで、場内は湧く。さすが、この二人は役者だ。いくら歳を取っていても、現役でやっているのと、セミリタイアした者の違いが、だんだんと天龍優位の展開に。ブレンバスターの体勢からいろいろな落とし方をする所がスリリングでいい。どうせ、相手は壊れないだろうからいいだろう。

中盤になると、長州は前のめりになるというのもあるが、身長差が目立ち、なんか大人と子供の殴り合いみたいになる。長州は天龍の鼻くらいしかなく、相当いたぶられる。まあ、こりゃ、天龍楽勝だなと思いきや、ラリアットで簡単に短時間天龍がピンフォールされる。試合が決まった時、場内はどよめきと「エェー」という声。あの程度ではやられないだろうという感じだが。

天龍がジョブするにしても、これは本当に天龍が脳震とうとかで、3つ取られたスクリュー・ジョブというかアクシデントか、長州のスタミナを考えて早々に終わらせたとしか考えようがない。ただ、これまた中途半端。

天龍のシングルの場合、天龍が勝つよりジョブする試合の方が面白いのだが、ジョブするにしてもこんなつまならい試合は初めて見た。

長州は挨拶も無く、とっとと撤収。何とも言えない虚脱感で出口に向かう観客。しかも外は大雨。天龍はこの団体とあまり深く関らない方が良さそうだな。Wー1に絡まなかったのは正解だけど。これで、大仁田と組んで、越中・長州とやっても自分の価値を落とすだけだ。たぶん、ファイト・マネーは格段にいいのだろうけど、せっかく自分で築き上げた価値を長州に帳消しにされたら、あまりに寂し過ぎる。まあ、新日本参戦時に、長州にさんざんオーバーさせて貰った恩返しと思えば、少しは納得できるが、それでもこんな試合では。泣けて来ちゃうよ。

総括としては、「ど真ん中」はつまらない。まん中歩いていたら、落とし穴にはまったようなもんだな。別に私は端っこでもいいや。




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