ムタを崇めよ!最後の復活か?
■団体:全日本
■日時:2003年2月23日
■会場:日本武道育館
■書き手:ノリリン(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

最近の全日武道館のPPVはあんまりよくないんだが、プロレスのPPVはあんまり多くないのでどうしても買ってしまう・・・って言い訳しなくてもまあ、ムタvs橋本の三冠戦があれば儂は買うわな。
会場の客の入りはなるべく映さないようにしていたからよく分からないが、なるべく映さないと言うだけでよくないのは分かる。

▽第1試合 30分1本勝負
渕正信・×スプリガン 11分53秒 体固め グラン浜田○・石狩太一
用があってみてない。まあいいか。

▽第2試合 30分1本勝負
○エクストリーム・ブレイド 8分09秒 片エビ固め スーパードラゴン×
派手な大技を見事に出せるビルドアップされたブレイドはかっこよかった。こういうのが休憩前の途中に出せると会場が暖まるよな。でも、火の出るような攻防とはいえないし、体操っぽい。アメリカからは簡単にこういうのを連れてこれるんだけど、それ以上のものを持ってるのはなかなかいない。もっともそれは全日のマッチメーカーの問題でもある。

▽第3試合 イリミネーションマッチ(時間無制限)
×奥村茂雄・保坂秀樹・土方隆司・相島勇人(チームぬるま湯) 24分33秒 3−5 本間朋晃○・宮本和志・高木三四郎・橋本友彦(チーム・ターメリック)
オーバーザトップロープ・ピンフォール・ギブアップで退場と言うルールのエリミネーションマッチ。
ターメリックはウコン。ウンコじゃないよ。カレーの色の素だけど決して辛い訳じゃない。癌や高血圧に効く成分がある体に優しい香辛料。狙っているのかどうかは知らないが、意味深なネーミングだ。それなりにどたどたと各人精一杯がんばっているけど・・・プロレスはガンバりゃいいってものでもないし、体を動かせばいいってものでもない。
奥村はまだいい。感情を出していて、なぜ彼がそこにいるのかがわかりやすいから。土方とか保坂とかはひどいよ。退場になったらその次点で仕事終わり。素の顔に戻ってただ退場するだけ。お義理で悔しがりもしない。バッティング練習が終わってケージから退場するときの野球選手の方がまだ感情豊かな表情をしている。規定の仕事だけこなせば終わりってのはバイトのおばちゃんと一緒だぞ。確かにぬるま湯組はノホホンとしていた方が対比があざやかかもしれないけど、あざやかになるほどノホホンともしてない。土方とか保坂とかは思い切って『そんなにムキにならなくてもいいじゃないか。まあまあ、肩の力でもぬけよ。一服しよう』といって麦茶を差し出すくらいのことをしろ。
出来んよなあ、それが出来るくらい賢けりゃ、あんなんじゃないよなあ。
対してチームターメリックはちょっと激しさ不足。でもred hot pepperではなくてウコンだからしょうがないか・・・
と言うわけで、散らばって出てきていろんな試合を台無しにするよりは一つにまとめておけば害が少ないという、疫病対策の鉄則に従ったかのような試合で、その意味では成功。

▽第4試合 30分1本勝負
×平井伸和 8分57秒 片エビ固め ザ・グラジエーター○
グラッジが攻め込んで、大技をいくつか炸裂させて、終わり。かと思えば平井が粘って盛り返す。最後はアッサムボムの体勢に平井を抱えてグラッジが花道を走り、逆デドリードライブ。すぐさまフロッグスプラッシュでピン。
力の入ったいい試合だったが、そのこと自体がダメ。これではグラッジをベリーしているようなもの。せっかくいい攻撃をしてもその技すべてが「平井を沈められなかった技」になってしまう。3分くらいで最後の技を出してピンにすべきだろう。

休憩
川田のインタビューあり。今回の川田の声からはさほど武藤に対する嫌悪感が感じられない。しかし最近また腱の一部を切り取ったという衝撃の告白。本当なら復帰は夏以降。こりゃ大変だ。武藤とのイデオロギー闘争やれば面白いと思うんだがなあ、惜しいなあ

▽第5試合 30分1本勝負
天龍源一郎・安生洋二・○カズ・ハヤシ 15分12秒 片エビ固め テンタ・ギガンテス・ヤン×
天龍はしょうもない試合でも会場の客に不満を持たせて帰すようなことはしない。プロだ。テンタの足腰が危ないのとギガンテスがいい動きをしているのに気がついたくらいで、いつもの試合というか消化試合。しかしもう全日でやることは終わったのか?>天龍
カズハヤシの最後のトップロープからのファイナルカットは空滑り気味。ブレイドとドラゴンの試合でも似たようなことがあったが・・・儂の言いたいことはプロレスを体操にするなってことだ。マット運動ではない。スピード競技でもない。プロレスだ。確実に出来ない技を急いでやる必要はない。ゆっくり決めてから出せ。

▽第6試合 時間無制限1本勝負
○小島聡・嵐・荒谷信孝・カシン 20分06秒 体固め 大谷晋二郎・田中将斗・小笠原和彦・崔リョウジ×(ZERO−ONE)
カシンが後ろから奇襲して試合開始。この中にはいると小笠原と崔ははらはらするくらい小さい。小笠原はもうどうしようもないけど、崔は何とかしないとなあ。
4vs4だから形式は第3試合と似たようなものだけど、第3試合とでは選手や客のやる気が違う。嵐のやる気が目立った。しかし試合の中心は明らかに小島と大谷。嵐は体の大きさと破壊力は確かにいいけど、対抗戦というのはなれない相手とretake出来ない状況で戦わなきゃならんから嵐は賭になるなあ。
実はカシンがゼロワンに寝返るんじゃないかと期待していたんだが・・・

▽第7試合 3冠ヘビー級選手権試合(60分1本勝負)
×グレート・ムタ(王者) 20分00秒 片エビ固め 橋本真也○(ZERO−ONE=挑戦者)

全日だけど橋本コールに乗って橋本登場。ムタは割とオーソドックスな入場。
まずは手を探り合う。ムタはすぐに手を切って、宙に毒霧。このまま数分間ムタはリング外に出たりリング下をあさったり、リングインしてごろごろ回ってすぐリングアウトしたり・・・全く戦わない。リング上の橋本イライラが募る。リング上が橋本だからムタもゆっくりと充分リング外をうろうろ出来る。リング上がグラッジだと間が持たないだろうし、天龍ならへそを曲げるかもしれないし、小島がうまく間をこなせばしっとするかもしれない。しかし、橋本なら安心してリング上を任せられる。プロレスは信頼だな。
怒った橋本がリングを降りてくると場外乱闘。ゼロワンのセコンドを踏み台にしてシャイニングウィザード。ゼロワンの若手が誰か見分けがつかなかったが、台として出来がよくなかった。すぐさまBlade。橋本血だらけ。本部席のボールペンで傷口を広げる。リングにあがってかみつく。ぽたぽたと垂れる血。橋本が蹴りで抵抗し、DDT。抱え上げて垂直落下式DDTを狙うがムタはペンジュラム式のDDTで切り返す。さらに場外に出て椅子をリング内に持ち込み椅子攻撃。それは失敗するが、同時に口にしていた緑の毒霧を橋本に!どこもムタ。スパイダー風味ではなく、いつか見たムタ。素晴らしいムタが帰ってきた。前回のムタvsグラッジの試合で儂は『全日のムタは試合が長すぎる。8分でいいんだよ、ムタは。で、その内の5分は場外をうろちょろ。2分は凶器攻撃と反則、30秒は相手が攻撃して、あと30秒はフィニッシュ・シークエンスで充分』と書いた。今回はちょっと長かったが、ペースとしてはほぼ一緒。ムタはこうじゃないと!これが最後かもしれないが・・・
ムタを堪能したあと、2度のムーンサルトを耐えた橋本が膝への水面蹴りでペースをつかみ、垂直落下式でピンフォール勝ち。第31代3冠王者に。ムタは川田を指さして去る。
橋本は『馬場さん、ありがとうございました』
試合後小島と嵐が挑戦をアピール。橋本はリングに勝利者インタビューに出てきたアナウンサーに『敵にインタビューなんかしてちゃダメだ』とコメント。デブにもかかわらず、見事な男ぶりの橋本。涙目で表現する川田。ともに本人の人間性に深く関わる表現がよかった。

全体としてここ最近の全日のPPVでは一番よかった。しかし、もうちっと対抗戦らしい試合もくんどくべきだろう。




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