2/16 全日本女子 横浜文化体育館
■団体:全日本女子
■日時:2003年2月16日
■会場:横浜文化体育館
■書き手:しま
全女の横浜文体。私は地元なので当然行くのだけれど、、、文体といえば一応ビッグマッチ
だよね?と、確認したくなるほど全女は常に平常心の会社です(笑)。
それでも2月になって突如わが町のスーパーのレジ奥に、一時期見かけなかった割引券が現る。
赤地に選手の写真入りの、「当日ご持参の方は、一般3000円のところ1000円でみられ
ます」という割引券。それがドサッと積まれてる。「おお〜、久しぶり〜」と2枚とっておく。
ところが今回の割引券の置き方はハンパじゃなかった。その日からはパン屋に行っても、ドー
ナツ屋に行っても、中華料理屋、喫茶店、、、ありとあらゆる店のレジ横に、ドサッと、全女
の面々が、にこやかに微笑んでいる券の束が、、、。なぜか憂鬱になってくる自分。なんの
宣伝もしないのも困るけど、横浜中の店という店に「千円で入れます券」を置いてまわってる
のかにゃ〜?と思うとなぜか脱力感をおぼえるのであった。

さて、当日。気温は限りなく低く、冷たい雨が降っている。天は全女に味方してくれなかった
ようで、試合開始時点で客の入りは4割程度。これって、昨秋の10・20の川崎大会とほぼ
同じ入り、、、ってことは、煽ったり、ブチあげたりしてもしなくても、今の全女の大会に来
る客の数は変わらない、ってことなのか?
それとも、晴れたらもっと地元の人がきたのかな?「千円で入れます券」持って、、、。


第1試合 巴戦 時間無制限
   (出場選手)藤井巳幸、前村早紀、小関香奈
   藤井巳幸○(2分26秒 体固め)前村早紀×
   藤井巳幸○(5分19秒 ミサイルキック→体固め)小関香奈×

3ウェイマッチ、と発表されていたのが、なぜか巴戦に変更。
藤井対前村。前村は痛めてしまったひざにテーピングを巻いている。サポーターもテーピング
もされていない可愛いヒザ小僧が前村の初々しさの象徴だったのに、、、イヤな予感は当って
しまい、前村はいつもの元気な前村にあらず。ちっちゃな体にいかにも新人らしい様子の前村
は前半戦に咲く一輪の花であり、その彼女が突如見せる強気のドロップキックや押さえ込まれ
た状態から勢いよくブリッジで起き上がる姿にはいつも会場からどよめきと拍手が起こるのだ
が、今日はそのような場面がひとつもないまま、あっという間に撃沈、ああ〜。
続いて藤井対小関。小関は前村の下のホントの新人。コスチュームもまだ水着型。一緒に入門
した同期がいつの間にか一人もいなくなってしまったなかで、いつも張り詰めた顔で走り回っ
ている。体も大きいし、根性ありそうだし、がんばってほしいなあ、と思ってるけど、今日の
ところは先輩相手になにもさせてもらえず、やはり撃沈。

というわけで、巴戦といいつつ藤井が後輩相手に熱のこもらない順当な試合を二つしただけ、
という結果になってしまった。これって、最初に小関対前村をやるべきでしょ?!客席をあた
ためることなど考えたこともなさそうな藤井に二試合させたりするから、はやくも客席にはド
ヨンとした空気が、、、。いかに普段前村が客を喜ばせているか、改めてはっきりした感じ。

第2試合 全日本シングル選手権 30分1本勝負
   西尾美香(王者)○(13分38秒 ショルダースルー→体固め)Hikaru(挑戦者)×
   西尾美香が2度目の防衛に成功

西尾の持つ全日本シングルのベルトにHikaruが挑戦。Hikaruは出戻りなので、本当は西尾の一
年先輩だったのが、今は後輩という立場。しかし、民放テレビ番組での復帰劇などもあり、出
戻りとは思えぬ破格の扱いを受けている、、、ように見えるHikaru。ベルトに挑戦、もそうだ
し、今日は知人(?)からリング上での花束贈呈などという新人らしからぬ場面まで。しかし
いちばん違和感あったのは入場曲。デビューしたばかりの選手はみな同じ曲で入場するが、し
ばらくして個別の曲ができると「ああ、この子も一人前に扱ってもらえるようになったな」と
こちらも感動したりするもんなのである。それがHikaruの場合はいきなりオリジナル曲である。
しかもどこのメインエベンターか、と思うような貫禄のある曲なのが、あまりにもそぐわない。
それだけ全女が彼女に期待している、ということなんだろうが、、、。
試合はHikaruが得意としている(?)関節技や寝技が多い地味な展開だが、技の合間合間に西
尾と派手な張り手かましあいがあったりして、Hikaruのグーパンチが西尾の顔にもろに入った
ときなどは客席も息をのんだ。西尾は得意のミサイルキックも、豊田の置き土産の美しいタイ
ガー・スープレックスも一度も出せずに、意地だけの押さえ込みで勝った。あのグーパンチに
は怒っただろうな、と思ったが意外にも試合後Hikaruを抱きしめる西尾。へぇ〜、と見てると
リング下におりたHikaruがなんとマイクをつかみ、「西尾さん!ふたりで全日本のタッグのベ
ルトを取り返しましょう!練習して、練習して!」と呼びかける。西尾がクールに一言「いい
よ」と返し、退場。

第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負
   渡辺智子○、前川久美子(16分3秒 スクリュードライバー→体固め)遠藤美月<LLPW>、
小河真子<LLPW>×

いつか見た水色のコスチューム〜♪3年前それはナベの真っ赤な流血にいつも染まってた〜♪
不敵な微笑みが似合うオトナになった前川なのに〜また「渡辺さんの後輩」に逆戻り〜♪(泣)

と歌いたくなってしまうナベ・前川タッグ対LLPWの遠藤と小河。遠藤は星条旗と日の丸の
旗をヒラヒラさせて派手に登場。でも遠藤って見た目派手でも「やさしい」印象しかない。
ニコニコとろけるような笑顔のナベが、実は殺人技の名手であるのと正反対だ。
案の定、ナベと前川が余裕でふたりをいたぶる。客が思わず笑ってしまうほど動きのどんくさ
い小河に、前川が「おめえ、もういいよ」。そういうとこだけ笑える試合。それにしてもナベ
は、いっぱい持ってるオリジナル技を使わなくなったなあ、、、今度痛めちゃったら即引退、
と言ってるヒザがよっぽど悪いのか、、、とてもさみしい。


このあと松永会長の甥であり、今井リングアナの中学時代からのバンド仲間である自称不良中
年男率いるTHE Z-FATHER GANGS が、ナナとモモを従えて正面ステージに登場。もちろんベース
担当は黒い皮ジャン、グラサンの今井(笑)。みんな楽しそうにノリノリでロックンロールで
ある。松永一族のフツウでない血がいきなりこんなところで表出していいのか?客が半分しか
入ってないのにそれでいいのか?(笑)、、、いいんだろう、たぶん。
このバカバカしさには本気で「人生、愉しんだ方が勝ちだな」と思わせるものがある。

休憩後
第4試合 オールパシフィック選手権 60分1本勝負
   納見佳容(王者)○(15分55秒 変形回転エビ固め)春山香代子<JWP>(挑戦者)×

納見クンが、JWPの春山から白いベルトを防衛する。
春山は見ていて安心感のある選手。明るいし、お客さんの空気をつかみながら試合をする人。
しかし、今日はいつもの「ハイハイハイハイ!」もいまひとつタイミングが合わず、最後の方
ではヒザを痛めてしまったらしく、ほとんど動けなくなってしまった。それでも懸命に試合を
続けていたが、納見クンの新しい技“のんのんハンター”に破れる。う〜ん、でもあれじゃあ
勝った納見クンも不完全燃焼でしょう。

第5試合 『燃える義侠心』スペシャルタッグマッチ 60分1本勝負
   堀田祐美子○、神取忍<LLPW>(14分27秒 ピラミッドドライバー→エビ固め)A・コング、
   三田英津子<フリー>×

堀田&神取がいったい何に「義侠心」を燃やしているのかはナゾだけど、ふたりが並んで登場
するとさすがに貫禄があって、かっこいいのであった。対する三田とコングはいかにも即席タ
ッグだし、入場も別々。コングの、お尻や胸をブリブリさせながらのファンキーな入場には毎
度ウキウキしてしまうのだが、今日は、えっちゃんの尋常でない暗さが目立つ。コングと神取
がまず絡むが、ふたりとも入場シーンはかっこいいけどあんまりプロレスは上手くないので
(笑)たいしたことにはならず、、、あとはえっちゃんが二人につかまりさんざんいたぶられ
る展開。コングにはタッチさせず、カットもさせず、、、両膝ともに痛めているえっちゃんは
あの、ラスカチョであることが嘘のようにやられっぱなしで、悲壮な雰囲気すら漂う。タッチ
できないコングがコーナーで歯軋りしたり、ロープをくわえたり、吼えたりして客を笑わせて
いるのと対照的。えっちゃんが堀田のピラミッドドライバーに沈んだところで、突然イーグル
沢井が乱入し、コングとともに神取をパワーボムでのばしてしまう。イーグルとコングは「日
米最凶獣同盟」を結成したらしい。

第6試合 WWWA世界タッグ選手権 60分3本勝負
   下田美馬<フリー>、井上貴子<フリー>(王者チーム)(2-1)中西百重、高橋奈苗(挑戦者チーム)
    井上×(11分36秒 ジャックナイフ式エビ固め)中西○
    井上○(58秒 バックハンドブロー→体固め)中西×
    下田○(14分28秒 デスレイクドライブ→片エビ固め)高橋×
   下田美馬<フリー>、井上貴子<フリー>組が初防衛に成功

ナナモモが下田&貴子の持つ世界タッグベルトに挑戦。
この正月に、電撃的にタッグを組んだ下田と貴子。ふたりははるか昔からシャレにならんほど
嫌いあっていて、互いの存在を無視していたので、タッグどころか試合を組まれることすら稀
であった。そんなある種緊張感をはらんだ二人が、なんと世界タッグチャンピオンとして、ナ
ナモモの挑戦を受けている、という事実。ナナモモの最高最大のライバルといえば、ここ数年
ずっとラスカチョ、だったが、下田&貴子組がラスカチョ以上の試合をすれば、このタッグも
本物になれるかな、という大事な試合。しかも二日後にはモモの赤いベルトに貴子が挑戦する
ことが決まっており、前哨戦の意味合いもあり。

三本勝負の一本目。下田&貴子は、それぞれが元気な動きをみせてなかなかヤルのである。
貴子がモモにジャックナイフでフォールされてしまうも、二本目では鋭いバックハンドブロー
でモモを秒殺し返す。しかし、こうした赤いベルト前哨戦の意味合いのほかに実はこの試合は
もっと衝撃的な意味がある試合だったのだ。
下田側にセコンドについていた三田が、下田にパイプ椅子を手渡すと、下田がそれをそっけな
く振り払うのが目に入る。「どうして?!」というように抗議する三田。下田とやり合ってい
るナナにイスを振り上げ、それをナナが避けたあと、そのまま振り下ろせば下田を打ってしま
うことがわかりながら、さらに力を込めて椅子を振り下ろした三田、脳天を割られた下田。
ここに鉄壁のタッグを長年組んできたラスカチョが解消されたのであった。
三本目はナナがフォールされ、まさかのベルト防衛を果たしてしまった下田&貴子組に全女フ
ァンは茫然。試合後の三田と下田の「いままでラスカチョでやってきたことは何だったんだよ
?!私は辞めてやる!」「ウルセー、わたしゃあ、面白ければ何だっていいんだよっ!」とい
うやりとりにラスカチョファンは凍りつく、、、。

おお〜い!これじゃあ、今日の大会だあれもカタルシス得られんよ〜!なんという寒々しい終
わり方なんだ。この求心力のなさはどうしたことだ?!これが全女?冗談じゃないよ、全女って
こんなもんじゃないはずでしょ?ジタバタ、ジタバタ。

と、いうわけで、「う〜ん、納得できん、あさっての後楽園どうしてくれよう?」と考えながら
帰途につく。  2/18(Tue) 後楽園ホール編に続く(?)




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