2/2 SHOOT BOXING 後楽園ホール
■団体:SHOOT BOXING
■日時:2003年2月2日
■会場:後楽園ホール
■書き手:高倉仮面
18:00
昨年の7月のS-CUP以来、靭帯の損傷で欠場していた、キラーロー・土井の復帰戦。
僕はキックボクシングの日本中量級では彼が最強だと思っているから、
興行の見所がこの一点のみでも十分に楽しみだ。SBを観戦。

後楽園ホールのチケットは立見を購入、3000円。
K-1 WORLD MAXなんかと比べると、この料金は本当に安いと思う。
パンフレットも購入、1000円。これを足してもK-1より安い。
パンフ購入者には緒形がサインしてくれるそうだったが、今回はパス。

客席は満員。席には9割、立見はビッシリ。
初めてSBを観たのが一昨年の10月、あの時は約6割〜7割の入り。
あれから随分と客の入る団体に成長したもんだ。感慨にふけりながら観戦開始。

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第一試合から第三試合はダイジェストで。

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第一試合 フレッシュマンクラスルール ライト級 3分3R
○金井 健治(172cm/63.0kg/ライトニングジム)
●田村 聡太(171cm/63.0kg/大阪ジム)
[判定 3−0]

金井は全ラウンドにおいて1・2・ローキックのコンビネーションで攻勢。
対する田村はラウンドが進むにつれて防戦一方に。
2R中盤あたりからは、両者ややスタミナ切れ。
3R、田村がボディブローで金井を苦しめる場面もあったが、
試合を流れを変えるには至らず。
ラウンド全体において手数の多かった金井が判定で勝利。


第二試合 フレッシュマンクラスルール スーパーバンタム級 3分3R
○今井 秀行(170cm/54.85kg/シーザージム)
●ファントム 進也(166cm/54.75kg/龍生塾)
[判定 3−0]

今井が主導権を握っての一方的な展開。
1・2・ミドルキック、組み付いての膝、ローキックの連打、飛び膝蹴り。
ファントムもローキックを中心に1・2のパンチ連打で対抗するが、
2Rに今井のローブローを喰ったり、ストレートを喰らってダウンしたり。

3R、今井の一方的な打撃の前にファントムは防戦一方。
ストレートやミドルキック、ついでにローブローも喰らってしまった。
判定、今井が大差をつけて勝利だ、2回のローブローはいただけないが。


第三試合 フレッシュマンクラスルール スーパーフェザー級 3分3R
○高久 雅裕(172cm/57.3kg/湘南ジム)
●歌川 暁文(169cm/57.85kg/UWFスネークピットジャパン)
[判定 2−1]

白熱した好勝負。
全ラウンドにおいて打ち合う事をやめない両者に観客が沸く。
お互いに1・2からのミドルキックやローキックで打ち合い、
近距離になれば組み付いての膝合戦。
3R終盤にはあまりの打ち合いに二人ともバテバテになったが、
最後までお互いの攻撃に途切れる場面はなかった。
試合後には両者に惜しみない拍手が。

試合は判定に。手数では俄然歌川、ダメージでは若干高久という感じだったが、
ここは高久に軍配が上がった。僕は歌川の勝ちだと思っていたけどね。

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第四試合 フレッシュマンクラスルール 3分3R
○中尾 受太郎(182cm/74kg/シューティングジム大阪/修斗 ミドル級2位)
●渡邊 卓也(177cm/75.9kg/龍生塾/スーパーミドル級)
[判定 3−0]

この所は総合格闘技の選手が挑戦する事の多いSB。
阿部 裕幸(阿部兄ィ)、雷暗 暴、植松 直哉に続いて、
またまた修斗現役ランカーがSBに参戦、中尾 受太郎の登場だ。
総合格闘家としてはUFCマットも経験済みのベテラン、
そのやたらと筋肉質な上半身が露になると会場は騒然となる。いい体だなぁ。
今日の相手は、この日がSBデビュー戦となる渡邊。
畑は違えど、中尾は格闘技の先輩として負けられない一戦だ。

…試合は何とも言えない微妙な展開。

試合全般において打撃で押していたのは渡邊、
ジリジリとストレートやフックやローキックで中尾にプレッシャーを掛ける。
これに対して、カウンター狙いで常に相手の出方を待っていた中尾、
渡邊が至近距離になると超大振りなパンチで反撃した後に、
組み付いて投げを狙っていく…のだが投げられない。
1R〜2Rは、基本的にはこの展開が続いた。

しかし2R中には、
中尾は渡邊のフックに合わせたカウンターのストレートでダウンを奪い、
さらには鮮やかな払い腰で投げポイントを奪取、計3Pのリードとなる。

しかし、ラウンドが進むにつれてダメージが大きくなったのは中尾の方。
ラウンドが進むに連れてガードが下がっていく中尾に対して、
渡邊のストレートがバシバシとヒットしていく。
パンチを全くガードせずに顔面に受けてしまった中尾、
3Rには顔は腫れ上がり鼻血も出ていた。
更に渡邊が前に出てくると中尾はクリンチを多用、
終盤には、前に出る渡邊から、背を向けて逃げる場面も見られた。

それでも3Rを闘いきった中尾。
勝敗は判定になり、印象点以上にポイントを奪っていた為に何とか勝者に。
だが、今日の中尾は打撃系ルールの厳しさを知った事だろう。


第五試合 エキスパートクラスルール 3分5R
○YU IKEDA(190cm/81.05kg/湘南ジム/ライトヘビー級4位)
●大塚 裕一(180cm/81.9kg/T.A.M.A.)
[3R 27秒 TKO]

IKEDAの入場時には湘南ジムからの応援団のクラッカーと紙テープが。
その対戦相手、鈴木 亮司の代打として出てきた大塚は、
パッと見からして既に第一線を退いているのがわかるようなブヨブヨの肉体。
年も結構喰っているよう見える。そして10cmのリーチ差も惨い。
こりゃ、長身のIKEDAのデモンストレーションマッチにしかならんね。

試合は予想通り、IKEDAのショータイム。

1RからIKEDAは蹴りまくり。
コンパスの長い足から、まずは挨拶がわりのミドルキック。
決まると「バシン!」という音が響き、観客から歓声が挙がる。
そして、決して大塚の間合いには踏み込まずに、
身長差10cmというリーチを生かしてローキックを連打していく。

対する大塚、何とかIKEDAの懐に飛び込んでは投げを放つが、
長身のIKEDAを投げきるには至らず、ことごとく型が崩れてしまう。

そしてラウンド終盤。
大塚は早くもIKEDAのローキックの連打が効いてしまいダウンを許す。
露骨に腿を押さえて苦しむ大塚、2R決着は必至か?

それでも2Rは、中年の大塚が結構頑張る。
大塚はポイントを奪って逆転するべく、
ローキックを恐れずに打撃で積極的に前に出てIKEDAに何度も組み付いていく。
ここから投げを放つのだが、どれもが型が崩れてしまいポイントには至らず。
それでも、この前に出る作戦はIKEDAの間合いを確実に殺している為、
ローキックを貰う事はない。まあ、この人なりに考えた作戦なのだろう。

しかしラウンド中盤、大塚はIKEDAからローブローを貰ってしまった。
股間を押さえて悶絶する大塚、足にはダメージはあるわ、股間は痛いわ。

大塚が回復して試合再開、
やはりブヨブヨの肉体でパンチを放ちつつ投げを狙う大塚だが、
IKEDAが間合いを空けながら再びローキックを当て始めると動きが止まる。
そしてラウンド終盤には、ローキックの連打で2回のダウンを喫してしまった。

これを何とか立ち上がって2Rを乗り切った大塚だが、
3Rの開始時には足を引きずりながら試合をしていた。
これでは、もうどうにもならない。
IKEDAがローキックを当て、怯んだ大塚にハイキックを当てKOした。

SBのこの階級って、選手が少なさそうだなぁ。
…にしても、もう少しいい選手をIKEDAに充てる事は出来なかったのかねぇ。


第六試合 エキスパートクラスルール スーパーフェザー級 3分5R
○松浦 知希(170cm/59.05kg/風吹ジム/同級5位)
●前田 辰也(162cm/59.3kg/寝屋川ジム/同級1位)
[判定 3−0]

シーザー会長の信頼も厚い、SBの体現者である前田。
その前田がスーパーフェザー級の王座から転落したのは去年の9月。
龍生塾の及川 知浩にパワーで圧倒され、最終Rにストレートを喰ってのKO負け。
一部では、3月でのアルフォンソ アルカレス戦、
投げられまくって判定負けしたあの試合以来、
本調子を出せなくなっているという噂もあるらしい。
迷走する前田、この試合で勘を取り戻せるか?

対するは、ベテランの松浦。
今年1月に名古屋で開催された-60kgトーナメントを優勝した選手だ。
こちらは本調子を取り戻せない前田の隙を突いての「下克上」なるか?

…この試合、前田がまるで何か「別なもの」と闘っているかのようだった。

松浦は、全ラウンドにおいて、パンチのラッシュ、ミドルキック連打、
ローキック連打で圧倒的に攻勢を掛ける。
常に「前へ前へ」と出て打撃を出していく松浦、
前田に確実にダメージを与えていった。

これに対して前田は、タックルと型の崩れた投げをひたすら連発する。

松浦が打撃で攻勢を掛けてきても殆ど打撃で返そうとせず、
何かに取り付かれているように「組み付いて投げる」という動作を連発していく前田。
しかし、シュートポイントを奪うような決定的な投げが一つもない。

投げがブレイクになると松浦の打撃が前田を襲うが、
流石に試合巧者の前田、この打撃に対するガードはバッチリ。
しかし、何せ自分からは打撃を出していかないので、試合の印象が悪い。
そして、再び松浦に組み付いて投げを打つ前田。

試合も後半、このまま判定になれば、
確実に打撃を当てている松浦の方が勝利になってしまうだろう。
その事を知っている前田のセコンドが「何やってんだよ、バカッ!」と、
前田に打撃で圧力を掛けるように指示していたが…。

ラウンドが進めば進む程に、前田の投げの使用頻度は上がって行った。
松浦はこの前田に対して、お構いなしに淡々と打撃を入れていく。

結局、試合終了まで前田の闘い方が変わる事はなかった。
全ラウンドにおいて前田が出したタックルは計8回、
型の崩れた投げは計15回、奪ったシュートポイントは0。

判定、3−0で松浦。

僕は、前田は本来は打撃でポイントを稼ぐタイプの選手だと思ったのだが…。
やはり、投げられまくったアルカレス戦のイメージから脱出できないのだろうか。

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●15分休憩

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●シーザー会長と濃い人脈

「シィ〜ザァ〜ッ、シィ〜ザァ〜ッ!」と共にシーザー会長が登場。
リング上ではスポンサー会社の人から巨大な羽子板を貰っていた。

「本日は、2003年、
 東京初の興行にご来場いただき、
 誠に有難う御座います!(会場拍手)

 私自身の半生は、決して人に自慢できるような人生ではありませんでした。
 そんな私に「人生とは何か?」を教えてくれたのが、格闘技です。

 私は、この命と引き換えに、若い選手に色々教えて行く事で、
 格闘技界に恩返しをしていこうと思います。

 協賛会社の方々、ファンの皆さん!
 どうか選手達を支えてあげてください!
 宜しくお願いします!!!」

それにしてもシーザー会長の挨拶は、
最近は随分と力強くなったなぁ。

この後、リング上にはゲストの力也(旧・安岡力也)と清水 健太郎が登場、
シーザー会長に花束を手渡すと、カメラ撮影用に3人で並んでガッツポーズ。
力也はこの後、生声で「シーザーを頼むぞ!」と叫ぶと、
会場は大歓声でこれに答える。

相変わらずSBの人脈は必要以上に濃い。

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●サワー、スケジュールがギッシリ。

本来は今日の興行でダニエル ドーソンと試合をするはずだったが、
練習中の負傷の為に欠場を余儀なくされてしまった、
問答無用のS-CUP王者 アンディ サワーがリング上で挨拶。

「Hello.

 残念ながら怪我をしてしまいました。
 次回は4月13日の興行に出場します。
 そこで、今日のメインイベントの勝者との試合が組まれています。
 そこで、ダニエル ドーソンとはその次の機会に試合をします。

 ごめんなさい。有難う御座いました。」

今やSBの象徴的存在となったサワー。
負傷欠場は残念だが、その後には厳しい闘いが待っている。

日本人も外国人も、SBのエースは大変だ。

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第七試合 エキスパートクラスルール 3分5R
○ダニエル ドーソン
 (178cm/70kg/オーストラリア/ブンチュージム/
              SBオーストラリアスーパーウェルター級王者)
●ガンター バーレン
 (174cm/67.5kg/オランダ/リンホージム/IKBFヨーロッパスーパーウェルター級王者)
[判定 3−0]

アンディ サワーの欠場によって、代打として白羽の矢が立ったのは、
サワーと同じリンホージムのバーレン。
「サワーの代役足りえるのかなぁ…」と漠然と思っていたら。

全然ダメ。試合は本当にドーソンのワンサイドゲーム。

パンチ、ミドルキック、ローキック、
フロントチョーク、打撃コンビネーション、
組み付いての膝蹴り、田村 潔司ばりのジャンピングハイキック。
ドーソンはあらゆる打撃でバーレンを追い詰める。
これに対してバーレンは防戦一方、打撃は殆ど出なかった。

ドーソンは最初から最後まで攻めまくった。
1R、フロントチョークによるキャッチで1P。
2R、フロントチョークによるキャッチで1P、膝蹴り連打でダウンさせて2P。
3R、ローブローを入れてしまって−1Pになったのはご愛嬌。
4R、5Rはポイント奪取こそなかったが、打撃のラッシュで一方的な展開。
この頃にはドーソンの猛攻撃を前にバーレンはクリンチするのが精一杯だ。
こうなるとドーソンのKO勝ちが観たかったのだが、残念ながらそれは叶わず。

判定は、全員が50−43という圧倒的な大差がついてドーソンの勝利。
勝利が決まった瞬間、ドーソンは格闘ゲームばりの勝ちポーズを披露。
そして勝利したドーソンがマイクを持つ。

「Thank You, I Love Japan! (会場歓声)

 ファンの皆さん、シーザー会長、有難う御座います。
 SBがNo.1です、世界一です!(会場歓声)

 今日は、本当はサワーと闘いたかったんですが…。
 皆さんは、サワーと闘う僕の姿が観たいですか?
 観たい人は拍手をお願いします!」

会場からは、今日のドーソンの強さを観たファンから、
「文句なし!」の意味を込めた拍手が沸き起こる。

これを見たサワーがリング上へ。

「ドーソン、おめでとう。
 次回はドーソンと闘います!(会場歓声)」

と即決。と、ここでこれを見ていたシーザー会長が登場。

「次回は、サワーは今日のメインイベントの勝者との試合が決まっているので…。
 
 6月1日!
 この後楽園ホールでこの両者の対戦を実現します!
 又、今年のSBは他団体へも進出します!
 有難う御座いました!(会場歓声)」

と即決。

S-CUP覇者のサワーは人気者だ。


第八試合 エキスパートクラスルール SB日本ミドル級王座決定戦 3分5R
○後藤 龍治(STEALTH/1位)
●湘南 キャリミ(湘南ジム/5位)
[3R 2分53秒 TKO]

本日のセミファイナルは、寝耳に水な「SB日本ミドル級王座決定戦」。
あれ?こんなタイトルを作るなんて、全然知らんかった。
シーザー会長の考えとしては、これで後藤にもベルトを巻かせようって算段なのかね。
去年9月のアンディ サワー戦を観れば、その気持ちになるのもわかるけど。
しかし、対戦相手の湘南 キャリミ(ホセイン キャリミから改名)も強豪だ。
後藤としては全く気を抜けない試合になるだろう。
タイトルマッチ宣言、国家吹奏の後に試合開始。

お互いが挑戦者となったこの試合は、
開始直後から一歩も引かない打撃戦が展開される。
1Rから激しく打ち合う両者、1・2・ローのコンビネーションが何度も交差する。
そして距離が空けば「どちらが」という事もなく前に出てきて、また打ち合う。

2Rも一進一退の打撃戦のまま試合は進んでいったが、
後藤が1・2のパンチからキャリミをコーナー際へ追い詰め、
さらに1・2を決めると、まともに喰らったキャリミがダウン。
ここは何とかカウント8で立ちあがったキャリミだが、
尚も後藤のラッシュがキャリミを襲う。
しかし、ダメージ自体は浅そうだったキャリミは、
ここから逆にパンチのラッシュや1・2・ミドルキックで応戦。

3R、やはり打撃戦。
キャリミが打撃のコンビネーションや、組み付いての膝蹴りを出せば、
後藤もフック、ストレート、ミドルキック、膝蹴りで反撃。
お互い一歩も譲らない打撃戦だったが…。

ラウンド終盤。キャリミのミドルキックに合わせて後藤がカウンターのストレートを出し、
更に組み付いての投げを放つ。この投げ自体は不恰好ではあったが、
どうも先に入ったストレートが効いたらしく、キャリミは立ち上がる事が出来ない。
レフリーがここでダウンカウントを数え始めた。

カウントは8、何とか立ち上がる事が出来たキャリミではあったが、既に足に来ていた。
後藤がこのキャリミにパンチのラッシュを入れていくと、
キャリミは何とか防御はするのだが、足元がいつまでたってもフラフラしている。
これを見たレフリーが試合をストップ、TKOによる後藤の勝利を宣言した。

これに対してスッキリしないのは、キャリミ自身や湘南ジム応援団。
「まだやれるだろ!」という野次の中で、後藤はタイトル獲得となった。
まあ、スッキリしない部分もあるが、キャリミのあの足元のフラつき方を観る限り、
レフリーの判断は正しかった、と、僕は思うのだが。

そんな中、ミドル級のチャンプになった後藤がマイク。

「しょ〜もない試合だったので、小声で言います。

 (小声で)今日からミドル級チャンプです。(会場、笑いながら拍手)

 ここからは、また一から出直すつもりでやります。
 今日は応援、ありがとう御座います!(会場歓声)

 んで、今日はおとんが来ているので、しゃべらせてあげて下さい。」

拍手の中、後藤の父が登場。

「今日はしょ〜もない試合でしたが、
 又、応援してあげて下さい!(会場歓声)」

後藤はベルトを巻いて退場。
次に狙う相手は…、やはり去年9月に激闘の末に敗れているサワーか?


第九試合 エキスパートクラスルール 3分5R
○シェイン チャップマン
 (オーストラリア/フィリップ ラム リーガー ジム/HKMTC世界ミドル級王者)
●土井 広之(シーザージム/SB世界ウェルター級王者)
[判定 3−0]

本日のメインは、S-CUP以来、足の怪我の為に欠場していた土井の復帰戦。
日本中量級を代表する選手としての期待も大きい土井だが、今日の相手は強豪だ。

対戦相手のシェイン チャップマンは、
K-1 WORLD MAXにて優勝したアルバート クラウスを最も苦しめた男。
地元オーストラリアではダニエル ドーソンと強さは双璧と言われているらしい。

シーザー会長も恐ろしいカードを組んだものだ。
土井はこんな強豪相手に、復帰戦を勝利で飾る事が出来るのか?
ちなみに、両選手に花束を渡したのは関根 勤だった。
関根さんは最近はSBの会場で良く見かけるようになったなぁ。
(注:何故、関根"さん"なのかというと、
  僕は彼のラジオ番組の15年間のリスナーなのだ。)

さて試合なのだが…。

…。

SBが招聘する外国人は強い。
御多分に漏れず、やっぱりチャップマンも強かった。

1R、土井はいつものようにキラーローを、
チャップマンの足の内側に外側にと確実に打ち込んでいく。
これに対して、主にミドルやローキックで土井を蹴っていくチャップマン、
このキックが非常に重い。決まる毎に「バシン!」という音が会場に響き渡る。
やはりクラウスを追い詰めた実力は伊達ではない。
それでも土井はお構いなしのキラーローの連打。

2R、チャップマンは常に前に出て、
土井にミドルキックやローキック、ボディへのパンチを叩き込む。
そしてロープ際やコーナー際に追い詰めれば、組み付いての膝蹴り連打だ。
これに対して、相変わらずのキラーローを連打していく土井。
いつもならこのローキック一辺倒の攻撃が、
3Rくらいから効力を発揮し始めるのだが…。

3R、先に効いてしまったのは土井の方だった。
チャップマンは尚も常に前に出て土井との距離を縮めては、
ミドルキックからのパンチや膝蹴りの連打で土井を苦しめていく。
その蹴りが徐々に効き始めた土井、それでもキラーローを打ち続けるが、
段々と蹴りにいつもの精細がなくなってきた。

4R、いよいよ試合は一方的に。
チャップマンはプレッシャーを掛けながら、
ミドルキックを中心に蹴り続け、ローキックやボディブロー等もガンガンと繰り出す。
決してラッシュは掛けていかないのだが、何と言っても一発一発が重い。
これは、判定で確実に勝利をもぎ取る作戦か。

対して、すっかり精細がなくなってしまった土井だが、
自分のキラーローを信じて蹴って行く。
しかし、チャップマンの足は悲鳴を挙げない。
逆に距離を詰められてチャップマンに膝蹴りを連打されると、
悲鳴を挙げるような表情をして苦しんでしまう。

5R、もはや土井にはキラーローを打つ体力すら残っていなかった。
チャップマンはこのラウンドは、今までのラウンド以上に前に出て、
積極的に土井に組み付いては膝蹴りを連打していった。

完全に気力負けしている土井、この膝蹴りに背を向けてしまう。
あの気の強い土井が、明らかに試合から逃げ始めたのだ。
こうなっては試合は決定的。土井は最後までダウンする事はなかったが、
あまりに一方的な展開に会場が言葉を失っていく。

試合終了、と、同時に客席が一斉に席を立って会場を去っていく。
判定はもちろん3−0でチャップマンの勝利。
土井は、復帰戦を飾れないどころか、
メインイベンターとしての誇りも失ってしまった。

勝ったチャップマンはマイクでアピール。

「ファンの皆さん、サポートありがとう。

 だが、この勝利には足りない物がある。
 それは次の対戦相手だ、アンディ サワー!

 俺は誰とでも闘う。ルールも関係ない
 SB、キックボクシング、何でもいい!

 今日は本当にありがとう!」

最後は次のチャップマンの相手となるサワーと共に記念撮影。
これで4月13日の後楽園ホール大会にて、
アンディ サワー vs シェイン チャップマン
が決定した。

「若干20歳、92戦90勝2敗、S-CUP覇者、アルバート クラウスの兄弟子」と、
「K-1 オーストラリア ミドル級王者、
 アルバート クラウスを最も苦しめた男」との対戦。
凄いカードが決定してしまったもんだ。

しかし俺は、本当はアンディ サワー vs 土井 広之が観たかった。
土井には、この試合にめげずに是非復活して欲しい。


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雑感:
相変わらずの延長続きで試合時間が4時間。
どうもこのところのSBは興行が長くてイカンです。

しかしながら、SBという団体は確実に次のステップを踏み出したと言えるでしょう。
アンディ サワーを頂点に、シェイン チャップマン、ダニエル ドーソン、
他にもタリック ベンフキーやジョン イーゴあたりのS-CUP出場者、
提携関係にあるシュートボクセの中量級選手が上がれば、
K-1 WORLD MAXに全く負けない興行が打てるでしょうね。

反面、日本人の巻き返しがないのがちょっと寂しい。
今日負けた土井は勿論の事、前回の後楽園興行でサワーにボロ負けした緒形、
今日はベルトを取った後藤、そして今日は出場予定のなかった宍戸の4人による、
SB勢の巻き返しを期待したいです。

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以上、長文失礼。




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