12/29ZERO−ONE後楽園大会「ゼロ中祭り2」観戦記
■団体:ZERO-ONE
■日時:2002年12月29日
■会場:後楽園ホール
■書き手:ダイス(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)
2001年、華々しく旗揚げをし、そしてその華々しさゆえに迷走を重ねることになったZERO−ONE。
華に引かれたファンたちは迷走するZERO−ONEを笑い、見捨て、そしてごく一部の鋭い嗅覚を持った者達が、華の裏に隠れた懐かしい匂いを嗅ぎ取ったところで、ZERO−ONEの一年目は終わった。
そして2002年1月6日後楽園ホール。ZERO−ONEは真の姿をそこに出現させた。それを見たものが皆笑顔で帰路に着くプロレス。古くて新しく、空家にして古典。各団体がプライドとWWEの狭間でゆれる中、あまりにまっとうなやり方のプロレスを出現させ、熱烈なファンを多数(でもないか、後楽園ホール1杯分ぐらい)生み出した。
というわけでその熱烈なファンのためのファン感謝興行「ゼロ中祭り」第2弾である。今回はチケットを安めに設定したとは言え、ZERO−ONE初の指定席完売&立ち見券売り出しでホールは超満員。むせかえるような熱気と大槻ケンヂがあてられた(笑)独特のオーラが渦巻いていた。

試合開始に先立って小笠原先生と大谷・田中の東スポ大賞新人賞&最優秀タッグ受賞ご挨拶。坂田戦を打ち出す小笠原先生とGHCタッグ挑戦に燃える田中のマイクの後、トリを務めた大谷は「押忍!」のコールアンドレスポンスだけで済ませてしまった。

全6試合のうち3試合は入場テーマがかかるまで、カードが不明という前回同様の趣向。

第1試合 高橋冬樹vs山笠“Z信介
このカードを隠す理由がよくわからないが、定番の実に真っ当な第1試合。ストンピングに気迫があって、ドロップキックが美しければOKっす。二人とも見るたびに成長している。今のところ星は山笠の方が上のようだが、人間力は先日の「Ch.01」を見た限りでは高橋の方が上のようだ。
○ 山笠(6分58秒 前方回転エビ固め)高橋×

第2試合 富豪2夢路&黒毛和牛太&日高郁人 vs 愚乱・浪花&黒田哲弘&ドン荒川
「舞いおさめ」と書いた掛け軸を手にレフェリーと共に踊る富豪&黒毛、そこへ日高もやってきて二人とぎこちなく握手。
赤コーナーサイドの入場に再び「狙い撃ち」がかかり、富豪&黒毛が不思議そうな顔をしたところ「かに道楽」のテーマに切り替わる。愚乱・浪花がZERO−ONEのリングへ初登場。観客が笑顔で迎えると黒田と荒川さんもやってきて試合開始。いやあこれは驚いた。
黒田と浪花が大先輩を立てて先発しようとするが、必要以上に絶好調な荒川さんが、飛び出す。迎え撃つのは富豪。二人が動くたびに場内は爆笑の連続。黒田と浪花の荒川さんの掌に乗り、目潰し、金的、浣腸とやりたい放題だ。まったくいい大人のやることではないが、これを呑気に眺めるのもいい大人の正しい態度であると思う。
○ 黒田(15分8秒 ラリアット〜片エビ固め)富豪×

第3試合 坂田亘 vs 佐々木義人
お笑いマッチの後に、平気でこういうカードを組むのがZERO−ONEの真骨頂。最初は坂田の凄惨な攻めに静まり返った場内が、佐々木のスピアーからの反撃に前の試合とはまったく違う種類の大歓声が起こる。
しかし1月、高岩のアゴに膝をかましに来た時は「あんた誰?」みたいな寒い空気が流れていたが、すっかりZERO−ONEの空気を構成するのに欠かせない存在となっていしまった。この殺伐感があるから荒川さんやコリノやガファリも生かせるのだろうな。
ところで両国で星川とやったとき、そばに座っていた女の子が「なんか坂田って怖い、星川を応援する」とか言ってたのだが、今回もそばにいた女の子が同じようなことを言って佐々木を応援していた。ルックスはいいのに、嫌われるようなオーラ出してるんでしょうか?ま、金星つかまえてるからどうでもいいか。
○ 坂田(8分51秒 チョークスリーパー〜TKO)佐々木×

ビンゴ大会。前回とくらべて普通の賞品が多かったような。「ハズレ」と「粘土味ポテサラ」には度肝を抜かれましたが。

第4試合 田中将斗&高岩竜一 vs 佐藤耕平&グラン浜田
浪花に続いて浜田さんがZERO−ONE初登場。「ZERO−ONEジュニア抗争に参戦!」とオッキーがあおる。その浜田さんは高岩をつかまえると、頭を下げさせて頭突きを叩き込む。田中を相手にしても、一歩も引かず、プランチャこそ受け止められたが、逆に切り返して場外フェンスに叩きつけると元気いっぱい。攻めるだけでなく、受ける方も田中の遠慮ない打撃をがっちり受け止める。サイズと年齢を考えるとほとんど妖怪である。天龍も渕じゃなくて浜田さんと組んで、奥村とか荒谷とか平井とかをかわいがってやるといい。それにしても耕平との身長差はライガー&ヒガンテ組を彷彿とさせるな。
その耕平は今日ももうひとつ煮え切らなくて、某巨大サイトでも悪し様に言われてたが、それより田中と高岩の間に巨大な差があったことの方が気になった。高岩が新日でアグラかいてる間に田中は牙を研いでいたのだなあ。
○ 田中(22分17秒 ローリングエルボー〜片エビ固め)佐藤×

セミファイナル 大谷晋二郎 vs 横井宏孝
大谷、客とのやりとりを楽しみつつ、やりたい放題。横井をいなしまくり。最後は強烈な逆エビ。プロレスがどういう物なのかはわかってるつもりだけど、横井はもう少し物わかりが悪くなってもいい気がするな。面白かったけど、ちょっと予想の範囲に収まりすぎかと。
○ 大谷(6分49秒 逆エビ固め)横井×

試合後セコンドの田中と共にノアを挑発する大谷。そこへやって来たのは橋。ブーイングと歓声が交差する中、大谷が秋山のテーマ曲をかけさせると、リングコスチュームに身をつつみ、秋山&彰俊登場。ノアにはまったく興味のない俺だが、秋山の風格には正直見とれてしまった。
武道館ではスーパーヒールモードの炎武連夢が見れそうだけど、格負けしそうで結構不安。

メインイベント 橋本真也 vs 金村キンタロー
有刺鉄線バットを手に冬木と共にやってきた金村に今日一番の大歓声が起こる。正直、橋本への歓声よりすごかった。インディの名代とメジャーのトップとの初対決。こういうカードをさらっと提供してくれるから、ゼロ中はやめられない。
後から入場してきた橋本に冬木、黒田、非道、向井とWEW総がかりで襲い掛かる。そう、乱撃戦こそインディの華。セコンド陣が入り乱れる混戦の中、橋本をテーブルに寝かせると、金村は一気にダイブ!大歓声とブーイングを浴び、誇りに満ちた表情でリングへあがる。本気モードの破壊王の蹴りを金的で封じ、ついにW☆INGの象徴。有刺鉄線バットを橋本めがけてフルスイング。さらには机の破片を破壊王の脳天に突き立てる。セコンドをうまく使い、金村ペースで試合は進む。
しかし、橋本はメジャーのトップ中のトップ。向井、非道をチョップの一撃で蹴散らし、
丸裸の金村にキックとチョップを叩き込む。あまりのことに金村をかばって覆い被さった冬木ごと蹴散らし、破壊王の恐ろしさを見せつけた。

○ 橋本(7分50秒 DDT〜片エビ固め)金村×

このカードをものすごく楽しみにしていたのだが、結局団体戦になってしまい、金村が脇に回って、冬木が主役になってしまった感があり、正直不満が多かった。しかし……
「橋本、俺はガンなんだよ。肝臓に転移してあとどれだけ生きられるかわからねえ。だけどお前を追い込むぞ。電流爆破だ」
そして橋本は「手加減はしないぞ」と、それに応じた。

古臭くて、流行らない話だ。万が一にもリングで死なれちゃ大迷惑だろう。それでも最後の一瞬までレスラーであろうとして、そして社長として自分についてきた選手を食わせることを考えている。
普段ZERO−ONEじゃ見かけないインディ系の記者が来ていたり、WEWで対ノア路線が始まったりという状況を考えると冬木のアピールは本当のことなんだろう。

ZERO−ONEはすべてを受け入れて飲みこむ。Mrフレッドもドン荒川も小笠原和彦もマット・ガファリも秋山準も坂田亘も金村キンタローも葛西純も、なにもかもを飲み込み受け入れる。
当然冬木のことだって、すべて受け入れ飲み込むのだろう。それがいいことなのかどうか、俺には判断がつかない。だけど、すべてを飲み込む恐るべき太っ腹に惚れたやつらのことをゼロ中と呼ぶのだろう。
数多ある団体の中で、ZERO−ONEに惚れて惚れ抜いて、今年一年楽しく過ごすことができた。来年はただ楽しいだけじゃ済まされないことも起こるかもしれない。だけどそれだってZERO−ONEだ。すべてを飲み込むその太っ腹が健在である限り、ゼロ中はどこまでもZERO−ONEについていく。

それじゃ、行きますか。「3、2、1、ゼロワーン!」




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