12/21 PANCRASE ディファ有明
■団体:PANCRASE
■日時:2002年12月21日
■会場:ディファ有明
■書き手:高倉仮面
18:00
りんかい線、国際展示場駅に到着。

それにしても「りんかい線」は評判が良い。
この時間にこの駅で降りる人間の殆どは、
今日のディファ有明でのPANCRASE観戦が目的なのだろうが、
老若男女の口から出てくるのは、
「後楽園ホールに行くのと同じ感覚で行ける!」、
「今までより20分は早く到着するようになった!」
「一本で行けるのが便利だわ〜っ!」と、
利用者の声はひたすら賞賛の嵐だ。
確かに今まで「ゆりかもめ」でまわりくどいアクセスをしていた事を考えると、
最短距離で有明に行くこの電車をありがたく思うのは非常に良く分かる。

しかし、早くも難点も指摘されている。

その本数の少なさ故に、
ラッシュ時には乗車率がJR東日本ではNo1になる、
「日本一、痴漢が出る路線」としても有名なJR埼京線。
その延長上にある「りんかい線」は、やはり本数は少ない。
10分に一本、下手したら15分に一本のペースだ。
これでは、電車の待ち時間を含めたりすると、案外、JRで新橋まで出てから、
「ゆりかもめ」に乗って有明に行ったほうが早く到着する事もあるのではないか?
平日の利用客を望めるような路線でないのはわかるとしても、
せめて土日くらいは、もう少し本数を増やしても良いと思うのだが。
ここは、早い段階での改善を求めたいね。

18:10
ディファ有明到着、今日はPANCRASEの観戦だ。

今日のPANCRASEには、興行全体は地味だが見所は多い。
前回の横浜文体興行で、切り札的なカードを使い切った後の興行、
派手なカードこそないものの、小粒ではあるが良いカードが揃った。

若手の中では、印象面で頭一つ飛び抜けた感のあるアライ選手は、
禅道会ウェルター級の強豪である熊谷選手と試合をする。
また、エースである近藤選手の復帰戦があり、
「GRABAKA 郷野選手 vs ism 山宮選手」、因縁の再戦も組まれた。
激化したミドル級戦線、王者・国奥選手は、
実力者・マーコート選手とタイトルマッチ、
さらには、そのマーコート選手に勝利した竹内選手が、
ミドル級王者への次期挑戦権をかけてライトル選手と対戦する。

前回の興行に比べると、派手な話題性こそないものの、
今回は逆に純PANCRASEファンを喜ばせるような、
良いカードが揃ったのではないか?

能書きはこの辺にして会場入りすべく当日券を購入、
・・・なのだが、ここでうれしい誤算が!
PANCARSEでは初となるディファ有明興行。
何と、2Fを立見席として開放しているではないか!

この場所、格闘技系団体では滅多に開放していないのだが、
ディファ有明という場所は、ハッキリ言って、
高い金払って1Fの後ろの方の席に行くぐらいなら、
2Fの立ち見から見た方が断然お得だ。
試合も観易いし、選手も近いし、安い。

ディファで2Fが開放されていた場合は、
迷う事なくここを買え、マジで。

当然、今日の僕もここを購入、4000円。
ありゃ、後楽園の立ち見よりは高いのね・・・。
ま、良いけど。

18:15
会場入り。

いつも演出面が弱々しいPANCRASE、当然この日もダメダメ。
大型モニターは準備されるも事なく、相変わらず貧弱な照明だけで舞台演出。
これでは、PANCRASEの地味さが興行に影を落としかねんぞ。

しかしながら、今日の観客は超満員。1Fの席はほぼ満席。
しかも、普段は開放する事の少ない舞台側にも、席を準備した上での満席だ。
さらには2Fの立見席には約50名程度、何故か1Fにも立見の客が50名程度。
全体で1500名以上はいるか?こんなに埋まったディファを観るのは久しぶり。
そして、この光景を簡単に一望する事が出来るディファの2F、最高だな。
満足感に浸りながら観戦開始。

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第一試合 ライト級 5分2R
○大場 裕司(166cm/68.2kg/P'sLAB東京)
●西野 聡(177cm/68.4kg/和術慧舟會東京本部)
[判定 3−0]

9/29の横浜文体興行で、デビュー戦にも関わらず、
"足関十段" 今成を相手に互角の戦いを繰り広げた大場。
P'sLABでは、吉本興行の今田 耕司の師匠でもある。
今日の相手は慧舟會の西野、大場はプロ初白星を飾れるか?

1R、序盤は距離をあけての静かな打撃戦。
手数が多いのは大場、ローキック、
ミドルキック、フックと多彩な打撃を観せる。
対する西野がローキックを出すと、
大場はキックボクシングばりのブロックを行う場面も。
ほほぅ、打撃馴れしているなぁ。

中盤からは西野もミドルキックを出したが、
大場は片足タックルから西野をテイクダウンし、
自身は直ぐに立ちあがり、猪木アリ状態から足を持っての顔面パンチや、
足を手放してのローキックで攻めていく。

西野が立って、試合は再び距離をあけての静かな打撃戦。
お互いのミドルキックが飛び交い、パンチも交差する。
西野はローキック等も混ぜていくが、プレッシャーを与えていたのは大場。
パンチを中心に相手との距離をとり、ジリジリと西野を追い詰める。
そこからフックを繰り出せば、西野の顔面にヒットする。

残り20秒、西野はタックルに行くが、これを大場が潰す。
インサイドガードを奪ったところで1Rは終了。
ここまでは完全に大場のペースだ。

2R、やはり距離をあけての打撃戦。
大場はローキックの連打で西野を攻める。
前に出ようとする西野だが、大場のカウンターのフックがハードヒット。
怯んだ西野がどうにかミドルキックで反撃すると、
大場はこのキックの軸足にローキックを叩きこみ、
西野をスリップダウンさせた。巧いねぇ。ホントに立ち技が巧いねぇ

大場は、寝ている西野の足を掴んでの猪木アリ状態。
潜り込んでインサイドガードを奪うと、西野は下からガッチリのクロスガード。
これに対して、大場は上半身を起こしてパンチを落とす。
中々に重そうなパンチを顔面にガンガンとヒットさせて、
ここから立ちあがれば、寝ている西野に踵落としだ。

大場はやりたい放題。
「何やってるんだ、バカヤロー!」と、
西野のセコンドの声が大きくなるが、大場は尚も攻め続ける。
寝ている西野に潜っては顔面へストレート、
自ら立ちあがれば、膝を西野のボディへ落とす。
これに対して、西野は下から足をバタバタするしか動きがない。
「タイミング見て立てや、バカヤロー!」、
セコンドの声はもはや罵声だ。

しこたまパンチを食らいながらも、
何とかセコンドの指示通りに立ちあがった西野、
最後にスライディングのような動きから大場をコケさせ、
インサイドガードを奪ったものの、
セコンドは「その膝をどけてパスしろ、バカヤロー!」。
試合終了まで誉められる事はなかったのだった。

試合終了、判定は3−0で大場。
大場は嬉しいプロ初白星。
対して西野は・・・、
今日はセコンドから大目玉を食らうかも、ご愁傷様。


第二試合 ウェルター級 5分2R
○アライ ケンジ(176cm/71.9kg/パンクラスism)
●熊谷 真尚(170cm/73.6kg/禅道会)
[判定 3−0]

今、PANCRASEをもっとも沸かせている若手、アライの登場だ。
今年のネオブラッド・トーナメントでは、
一回戦は、小沢 稔ハイキック一撃による秒殺で勝利し、
二回戦は、同期の北岡 悟に敗れたものの激闘を繰り広げた。
さらには10/29の後楽園大会では、
元極真全日本ウエイト制王者の加藤 丈博と真正面からの打撃勝負。
会場中がもの凄い大興奮状態の中、
終盤にバックスピンキックで大きなダメージを与えたアライが判定勝利。
保守的なファイトが目立つPANCRASEの若手の中では、
その存在感は一際目立つ存在になってきている注目株だ。

しかし、今日の相手である熊谷は侮れない。
プレミアム チャレンジでは元MAキック王者の港 太郎に勝利し、
TRIALでは、アライの先輩である冨宅 飛駈を相手に、
あと一歩の所まで追い詰めている(時間切れ、判定がないので引き分け)。
こちらは禅道会の中で活躍が期待されている選手なのだ。
果たして、好調なアライは好調な熊谷に勝つ事が出来るか?

・・・と思ったら、
1R、アライは思わぬ奇襲先方に出た!

全速力で熊谷に飛びついて行ったアライ、膝は当たらなかったものの、
そのままバックを奪い、グラウンドでスリーパーの体制だ!
明らかに秒殺を狙った動き、会場が大歓声に包まれる。

熊谷はこのスリーパーを何とか凌ぐべく、
身を起こそうとしたりするが、
アライは後ろからガッチリ組み付いて熊谷を離さない。
後ろに組み付いているアライごと前転したりして脱出を図るが、
やはりアライは熊谷を逃がさない。ガッチリとバックをキープ。
何があっても離れないアライ、これに沸き返る会場。
アライはダメージを与えるべく、パンチをガツガツと熊谷の顔面に入れながら、
何度も熊谷の首に腕をまわしながら、スリーパーで締めようとする。

試合開始から約四分に渡って続けられたこの攻防、
熊谷はグラウンドで向きを変えてアライをマウントにし、
下からのブリッジで、上にいるアライのバランスを崩して何とか凌いだ。
今度は禅道会応援団から歓声が。よく凌いだなぁ。

しかしスタンドはアライの得意とするところ、
ハイキック、ストレートが二発、連続でヒットする。
嫌がる熊谷が組み付けば、アライは逆に、
鮮やかなフロント・スープレックスで投げとばす。
大歓声の中、アライは更に足を取って関節技に移行、
逆に熊谷も足を取って関節を仕掛けた所で1Rは終了。

アライ、最初のスリーパーを極めきれなかったのは残念だが、
ここまでは良い感じだな。

2R、アライは奇襲に出なかったので、試合は距離をあけての打撃戦に。
熊谷はミドルキックを中心に攻め、アライはハイキック、ローキックと蹴りを散らす。
両者の距離が縮まって組み付けば、熊谷が引き込んでグラウンドへ。

熊谷は下からパンチを突き上げていき、
アライはインサイドガードからパンチを落とすが、
熊谷はこのパンチの腕を掴むと下からの逆十字を狙っていく。
しかしアライはこれを未然に防いで、顔面へパンチをガシガシと連打。
更には足を取ってアキレス腱固めを狙う。

熊谷もアライの足を取って、試合は足関節合戦へと移行。
最初はアライがガッチリとアキレス腱の体制に入っていたが、
熊谷が段々と盛り返し、逆にヒールホールドを極めに掛かる。
ラスト一分、熊谷は余っている足でアライをガシガシと蹴りながら、
そのままアライの上になっていったが、ここで試合終了。

1Rの奇襲が明暗を分けたこの試合、判定は3−0でアライの圧勝だ。
若手の中では光る存在のアライ、これからも熱い試合を期待。


第三試合 無差別級 5分2R
○石井 淳(182cm/113.9kg/超人クラブ)
●謙吾(192cm/103.9kg/パンクラスism/10位)
[判定 3−0]

「♪男の中の、おっ・とっ・こっ!!」、
PANCRASEに謙吾が登場すると、
普段は大人しいPANCRASEの会場の雰囲気が変わる。
彼の応援団がチーマー風の妙に熱い連中だからだ。
謙吾絡みの試合だけは、やたらとガラが悪くなるPANCRASE。
僕自身は、この空気は嫌いではないのだが。

だが、今日の対戦相手である石井の入場時には、
謙吾応援団以上にガラの悪そうな応援団が、
謙吾応援団以上の大人数で声援を送っていた。
恐らくは、50名以上はいたのではないだろうか?

それにしても、石井。
小太りな風貌は「街の喧嘩自慢」そのもの。
その姿からは、技術的な事は何も望めそうにない。
謙吾、面構えは「腕っ節の強いアンちゃん」。
彼もまた、技術の荒さには定評がある。

そんな二人が繰り広げた試合は・・・、
負けん気の強さで戦うような、
まさに「街のチンピラの喧嘩」そのものだった。

1R、距離を取る両者、お互いにパンチを出せば、
まずは謙吾のフックがヒットする。
これに怯まず石井が組み付けば、
コーナー際まで押し込み合っての腿への膝合戦。

コーナー際では展開のないまま、両者の距離が開き始めると、
今度は大男二人による正面からの大振りなパンチによる殴り合い。
謙吾応援団、そして石井応援団が会場中を巻き込む大歓声を挙げる中、
謙吾が膝を入れつつパンチを出せば、これがガンガンヒット。
二度ほど石井が崩れそうになる。

謙吾応援団の大歓声、謙吾はここから組み付いてテイクダウンを狙うが、
中々倒れない石井。10kgの体重差から来るパワーの差はいかんともしがたいか。
逆に石井は、コーナー際で組み付いた謙吾に膝を入れると、
あっさりとテイクダウンを奪う。今度は石井応援団の声援が会場中を包む。

グラウンドで亀の状態で防御する謙吾。
そのバックを奪った石井が、
無防備な謙語の首に腕を巻きつけてスリーパーの体制に入ると、
石井応援団からは「落とせっ!」コールの大合唱!
おおっ!?何だかプロレス会場みたいだな。

このスリーパーは極まらなかったものの、
完全にバックマウントを奪った石井は
謙吾の顔面に大振りなパンチをガシガシと入れる。
石井応援団の歓声は益々大きくなっていく。

謙吾は体を動かして逃げようとするが、石井は逃がさない。
やはりここでも10kgの体重差が大きいのか?
尚もバックを取りつづけた石井、スリーパーやパンチの連打で謙吾を追い込む。
結局、謙吾がグラウンドでの向きを変えた所で1Rは終了。
石井応援団は大歓声、謙吾は左目の上が腫れていた。

それにしても、よく沸き上がっているなぁ。
ディファのような小さい会場で、
百人以上の人数が大声でお互いの選手を応援すれば、
会場が沸き返るのなどあっと言う間だな。
これもまた、興行を盛り上げる手法の一つだ。

2R、謙吾はローキックで石井を蹴るが、石井はお構いなしの突進。
組み付いて謙語をコーナー際へ押し込めば、
謙吾が体制を入れ替えて逆にコーナー際へ押し込む、
石井がさらに返して押し込む、逆に謙吾が返して・・・展開がない。

この膠着には理由がある。
10kgの体重差の押され気味、殴られっぱなしの謙吾。
観るからにスタミナのなさそうな体をしている石井。
そして両者は、1Rから全力で戦っていた。
そう、二人共、2R開始早々から既にバテバテなのだ。

明らかに休みまくりの両者、結局、レフェリーがブレイクする。
しかし両者は、謙吾のストレートがヒットした後、
また組み付いてのお休みモード。レフェリー、今度は素早くブレイク。

お疲れ気味の謙吾は、
尚もパンチで石井を攻めたて、ストレートをヒットさせる。
打撃を嫌がるバテバテ石井は、またまた謙吾に組み付いていく。
押し込んでコーナー際へ追い詰めたのは謙吾の方、
石井は足を掛けて、逆襲のテイクダウンを狙うが、
ここは謙吾が粘った。そして離れ際、謙吾の膝がヒット。
打撃で優位に立つ謙吾に応援団からは歓声が。

しかし、今度は逆に、
石井のストレートが謙吾にハードヒット!
ガツンと入ったこの一撃で、謙吾はフラフラ、ダメージは大きい。
石井応援団の大歓声の中、石井は一気に組み付いてテイクダウンを奪う。

これに対して、グラウンドでは相変わらず亀の状態で防御する謙吾。
石井が、その胴に足を巻きつけての胴締めスリーパーの体制に入れば、
石井応援団からは、今日一番の大歓声!しかし、結局、これは極まらず。
それでも石井は、後ろから謙吾の顔面にパンチを連打。ここで試合終了。

判定は3−0で文句なく石井の勝利。
石井応援団からは「スゲーぞ、石井!」という歓声が沸いている。

それにしても大味な試合だったが、
客の盛りあがり方はハンパじゃなかったな。
このカード、同じ観客の前で再戦しないかね?
客の声援混みで面白い試合だった。


第四試合 ライトヘビー級 5分2R
○近藤 有己(180cm/87.9kg/パンクラスism/1位)
●栗原 強(178cm/87.9kg/チームRoken)
[1R 4分49秒 チョークスリーパー]

栗原の入場曲は、懐かしいC・C・Bの「ロマンチックが止まらない!」。
栗原の知り合いと思われる面々がバカ受けする中、
会場内には何故か風船が飛び交っていた。
何だか今日の会場は客が勝手に盛りあがっているなぁ。大事な事だけどね。

対して、9/29の横浜文体興行を前に練習中に負傷、
戦線離脱を余儀なくされた近藤。
久々の試合だが、入場曲は相変わらずエンヤの曲。
相手を悉く破壊してきて「癒し系」もあるまいに。

試合開始、栗原は奇襲の飛びつきを観せるも、
近藤は冷静に対処して、栗原をコーナー際へ押し込む。
しかし、ここは栗原が足を掛けてテイクダウン。
インサイドガードから、なんとバックを奪っている。

バックから組み付かれた近藤は、
立ちあがって逃れようとしたが、栗原は自らも立ちあがって、
近藤を持ち上げての投げを二回決め、近藤のバランスを崩しに掛かる。
そしてコーナー際へ近藤を押し込み、後ろからの腿への膝で攻めたてる。
近藤がコーナー際で体の向きを変えると、栗原が自ら距離をあけた。
栗原、中々やるじゃないですか。

栗原はソバットを観せると、パンチから近藤に組み付いていく。
しかし近藤は、逆に栗原をコーナー際へと押し込み体制を崩してテイクダウン、
ハーフマウントの体制からパンチを落としていった。
これに対して栗原は、下から近藤の足に自分の足を絡め、
腕は近藤の逆の足を極め、一気に絞って股を裂く・・・、
というコマンドサンボのような荒業。
何だか凄いが、これは近藤が足を抜いた為に失敗。

サイドに近いハーフマウントになった近藤は、
上半身を起こして、狙いすましての顔面パンチを連打。
これを嫌がる栗原が後ろを向くと、バックマウントを奪い、
後ろから顔面パンチ、そしてスリーパーへ。栗原は一度は体の向きを変え、
ブリッジ等でバランスを崩そうとしたが、近藤は崩れない。
再びマウントパンチ連打から、またまた嫌がる栗原が後ろ向くと、
ガッチリのスリーパー。栗原、タップで試合終了。

復帰戦も近藤、相変わらずの強さです。何だか、ホッとしました。
菊田戦というビッグマッチを向かえる近藤の来年の活躍に期待。


第五試合 ヘビー級(ノンタイトル戦) 5分2R
●高橋 義生(180cm/92.9kg/パンクラスism/王者)
○小澤 強(173.2cm/98.9kg/禅道会)
[判定 3−0

結局、今年は一回も王座防衛戦の行われなかったヘビー級。
お飾りのベルトの王者で、高橋は良いのだろうか?
・・・と言っても、元々、PANCRASEでは高橋と同じ階級の人間が少ないから、
防衛戦を行うにも相手がいない・・・というのが実状なんだろう。
UFC再進出を狙う高橋、今日の相手は禅道会の小澤だ。

ちなみに高橋の入場曲は、DEAD OR ALIVEの「You Spin Me Round」。
ユーロ・ビートの元祖のような位置付けの曲である。
こんな曲を入場曲にするとは、高橋って案外、軽い奴なのだろうか?
ま、俺もこの曲は結構好きなんだけどね。

1R、距離を取る両者だったが、高橋はフックをヒットさせると、
いきなり組み付き、奇襲のフロントチョークを繰り出した!
そしてそのままテイクダウン、マウントになった高橋は尚も小澤を締めまくる!

騒然とする会場、傍目にはガッチリ極まっていて、
「もはやタップは時間の問題か?」と思わせたが、小澤は何とか首を抜いた。
しかし尚も高橋はマウントの状態、上からパンチをゴツゴツと落としていく。

ところが、このマウントを小澤がリバースに成功。
体制が悪くなった高橋が亀の状態になると、
バックを奪った小澤は顔面へパンチを連打。そのパンチはかなり重そうだ。
嫌がった高橋が立ちあがると、小澤は組み付いてコーナー際へ押し込む。
しかしこの後、展開はなくブレイクに。

再び距離を取る両者、
今度は小澤がストレートを出すと、これが高橋の顔面にヒット!
まともに食らった高橋の体が崩れる。

すかさず組み付きにいく小澤。高橋はやはり亀の体制で防御。
小澤は高橋の後ろから、顔面に重そうなパンチを連打する。
高橋はこれを食らいながらも、
小澤の片足を取って体制を崩そうとするだが、崩れない。

ここで小澤が意外な技を披露。
亀になる高橋の前から首を取った小澤、ここから一気に引き込んで一回転、
回転式のフロントチョークだ!意外な攻撃に会場が騒然となる。

このフロントチョーク、
ガッチリ極まっていたように観えたが、
高橋は何とか首を抜いて脱出。
インサイドガードの体制からギロチンチョークで嫌がらせた所で1R終了。
最初は良かったものの、ヘビー級王者、大ピンチだな。

2R、高橋、ここで作戦変更。
今度は距離を取って、打撃でプレッシャーを与える。

そして、この作戦が功を奏する。
1Rであれだけ攻めていれば、高橋のダメージは明白なのに、
小澤が中々前に出なくなったのだ。この辺の心理戦はベテランならではか?

そして両者の距離が縮まれば、素早いパンチの乱打戦。
高橋はこの乱打戦の中で膝をヒットさせて、
小澤に更なる精神的なプレッシャーを与えていく。
しかし、高橋自信も小澤のフックを何発も食らう場面があった。
高橋、ここまでは作戦通りだが気は抜けない。

距離が縮まりすぎても、コーナー際へ逃げ込んで、
テイクダウンだけは許さない高橋。
組み付いてのコーナー際での攻防を挟んで、
尚も続く距離を取っての打撃戦。
高橋はストレートを2発ヒットさせて、
怯んだ小澤に組み付くも、勢いが良すぎて両者場外へ転落しそうになる。

気を取りなおして試合再開、
尚もプレッシャーを与えていた高橋。
小澤は自ら体を引いて様子を伺い続ける。
しかし・・・。

距離が詰まっての乱打戦の中、
小澤のストレートがガッチリヒットした!
ダメージの大きい高橋は、何とかダウンをタックルで誤魔化すが、
これをガブッた小澤は、亀になる高橋の顔面にパンチを連打。
これまでの作戦が水の泡になった所で試合終了。

判定は3−0で小澤。
ヘビー級王者の高橋は、UFCに行く前に大きなミソをつけてしまった。
どうせ防衛戦もない王座だし、PANCRASEとしては、この結果を踏まえて、
高橋に王座を返上させるなり、同カードでの再試合など早急な対応が必要だろう。


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休憩10分の後、リング上に美濃輪が登場。

「こんばんわ、美濃輪です。

 2/16に、大阪の・・・、・・・、・・・、(会場笑)
 グラン・・・、ドーム?(会場笑)
 あ、キューブ?(会場笑)

 スイマセン、2/16にグランキューブ大阪で、
 ヒカルド アルメイダ選手との試合が決りました。
 ここからは遠いんですが、旅だと思って来てください。(会場笑)」

笑い事じゃねぇよ、大一番だよ!
スッキリ勝てば、今年一年の不調を全部清算できるな。

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第六試合 ライトヘビー級 5分3R
○郷野 聡寛(176cm/89.3kg/パンクラスGRABAKA/10位)
●KEI 山宮(180cm/86.2kg/パンクラスism/2位)
[3R 3分49秒 レフェリーストップ]

去年10/30後楽園興行の、
「ism(当時はPANCRASE東京・横浜連合軍) vs GRABAKA 対抗戦」。
そのメインイベントが、この郷野 vs 山宮だった。

郷野はこの試合前に、

「ダラダラと試合をして、
 最後にちょっと強いところを観せて判定勝ちします。」

と公言、そしてその公約を見事に果たした。
距離を稼いで山宮の打撃をいなし続け、
最終ラウンド残り10秒でテイクダウンから一気にマウントを奪い、
この攻めで判定勝ちを収めたのだった。

そして、その後のマイクが痛烈を極めた。

「オイオイオイ!
 PANCRASEの前のチャンピオンはこんなモンかよ!
 もう日本人で俺達GRABAKAに勝てる奴はいねーよ!」

この時の悔しそうなism勢の顔、
そして呆然とする山宮の顔を、僕はいまだに覚えている。

あれから約一年、リベンジを果たすべく、山宮は順調に勝ち星を重ねた。
郷野の後輩である、GRABAKAの石川や佐藤からも勝利を挙げた。
そして今日、やっとたどり着いたリベンジ戦。
ここは是非とも勝利したい所だ。

しかし・・・。
今日の郷野には山宮以上に勝利する理由があった。

そして、その事をこの時はまだ誰も知らなかった。
GRABAKAのメンバーを含めて。

郷野の入場、リングに入るなり山宮に思いっきりガンを飛ばす!
さらには寄って来た山宮を、両腕で思いっきり突き飛ばす!
傍若無人な郷野の態度に、会場は早くもヒートアップ。
気が付けば、会場内は最近のPANCRASEが忘れかけていた、
「ism vs GRABAKA」の空気が立ち込めている。
やはり、対抗戦という単語がこの男にはよく似合うね。

1R、試合は距離をあけての打撃戦が中心に。
郷野は自ら下がって、強烈なミドルキックを山宮に当て続ける。
これに対して、山宮は得意のパンチを当てようとするが、
山宮が前に出ると、郷野はパンチの距離から大きく逃げてしまう。

ならばと、山宮が距離を一気に縮めて組み付けば、
郷野は逆にコーナー際で得意の肩パンチで山宮の顔面を突き上げる。
ここから試合は特には展開なく、ブレイク。

郷野は尚も距離を離す。
しかし、距離が詰まったところで山宮のストレート数発ヒット。
それでも郷野は落ち着いている。
距離を稼ぎ、パンチの射程外からミドルキックを打ち続ける。
2度目の組み付き、郷野は山宮のバックを奪ってコーナーへ押し込む。
腿へ膝を入れつつ、足を掛けてテイクダウンを取ろうとするが山宮が堪える。
レフェリー、ブレイクを要請。そしてこの後は展開なく1Rは終了。

ラウンド休憩中、山宮は椅子に座ってセコンドの介護を受けていたが、
郷野は一度も座ることなく、セコンドすら無視していた。
今思えば、これも後のマイクへの予兆と言えば予兆だったのだろう。

2R、距離をあける郷野はミドルキックで山宮を蹴り上げる。
山宮は距離を詰めて組み付くが、郷野はまたまたバックを奪ってコーナー際、
山宮は体の向きを変え、逆に郷野をコーナー際へ押し込むが、やはり展開がない。
レフェリーがブレイクを要請する。試合は徹底したスタンド勝負だ。

郷野のローキックに合わせて、
山宮がストレート、更にパンチを繰り出しつつ組み付くが、
これを突き放した郷野は、逆にローキックで山宮を攻めたてる。
山宮はカウンターのストレートを放つ等しながら、
もう一度組み付くが、郷野はコーナー際まで押し込まれても、
肩パンチで山宮の接近戦を徹底的に嫌う。

両者離れて、郷野は尚もローキックを連打。
山宮が前てパンチを出せば、かわした後ですかさず距離を置く。
逆に郷野が前に出てフックを繰り出せば、これが山宮にヒット!
ぐらつく山宮、沸きあがる歓声、ここで2Rが終了。

距離を稼いで、ミドルキックやローキックで蹴りまくる郷野。
対する山宮は、アウトレンジから蹴られる為に、
自分の得意とするパンチが出せずにいる。
試合は完全に郷野ペース。山宮のリベンジはちょっと難しいか。

ちなみに、この休憩時も、郷野は一度も座ることがなかった

3R、郷野は珍しい踵落としを観せる。
怯まずに山宮は組み付いてコーナー際へ押し込むものの、
郷野に片足を取られると、どうしてもバックを譲ってしまう。

郷野はコーナー際で後ろから組み付き、山宮の顔面にパンチを入れる。
このパンチがかなり重そうだ。そして腿へは膝を突き立てる。
山宮は何とか体の向きを郷野の正面に戻すが、
郷野の膝は止まらない、さらにパンチも止まらない。
長い間この展開が続いたが、ようやく山宮が体制を入れ替えて、
郷野をコーナーへ押し込むと、山宮自ら距離を置いて打撃戦を挑む。

しかし山宮、どうしても郷野のペースが崩せない。
パンチの当たらない距離から、
ローキック、ミドルキックをいい様にもらってしまう。
仕方なく山宮は再びコーナー際で組み付く展開を選んだが、
ここはレフェリーがブレイク。

郷野は作戦通りにローキックで山宮を蹴り、反撃のパンチはかわす。
山宮は追い続けて組みついたが、これは郷野に突き離される。

そして・・・。

逆に郷野が前に出てパンチを出すと、これがカウンターでモロにヒット!
前のめりに倒れる山宮、会場騒然!

郷野はすかさず、倒れた山宮の上になってパンチを連打。
慌ててレフェリーが試合をストップ。
大歓声の中、郷野、完勝だ。
セカンドロープで郷野はガッツポーズを観せる。

そしてマイクだ。
マイク・パフォーマンスには定評のある郷野、
今日もその内容は、いつもの「ismへの憎まれ口」か?

「最近はテレビばっかで喋っているから、
 今日はリングの上でご静聴いただきたいと思います。(会場笑、拍手)

 オレはすげぇー悔しかったんだけど・・・。
 前回の横浜のメイン、何だアレ!(会場、驚きと歓声)

 オレはあの時、あの試合を、純粋な格闘技の選手として、
 上回ることができなかった自分がすごい悔しくて、情けなくて、
 ぜんぜん喜ぶ気になれなかったのに・・・。

 パンクラスのスタッフ、選手、へらへら笑いやがって!
 アホか、お前ら!(会場歓声)
 あんな試合がメインで組まれた時に、
 客が一番入って、おいしいところを全部持っていかれて、
 それで何が10周年だよ!(会場歓声)

 オレはこの1年間、ケガばっかりで休んでて、
 そのオレがこんなこと言うのは間違っている。(会場笑)

 でも、オレの言っていることは間違っていないと信じているし、
 これで周りから非難されようと、パンクラスのリングで使われなくなろうと、
 オレは自分の考えは曲げない。(会場拍手)

 あんな
 『全盛期過ぎた年寄り』と、
 『総合格闘技初心者』の試合がメインなんて、
 オレは認めたくない!(会場拍手)

 今日はクビ覚悟で言うために頑張ったんだけど、途中までしょっぱい試合で、
 それでもこういう気持ちを持っているだけでもましだと思っている。

 今のパンクラスは馬鹿ばっかりだよ!(マイクを投げつける、会場歓声)」

今日の郷野のマイクは、
ismへの批判ではなくPANCRASEそのものへの批判だった。

会場は概ね、この意見を支持していたように思える。
それだけ、前回のメインの試合の沸き上がり方に、
違和感を覚えた人間が多いのだろう。

んで、書き手の僕から言えるのは・・・。

悔しければ、みのるやライガーを越えるビッグネームになってみろ。
面白い試合や話題を提供し続ける選手になってみろ。
こんな事を言った手前、ハンパな試合は許されないぞ。

正直言って、僕は今までこの選手が大嫌いだったが、
このマイクで、ちょっと見直した。


第七試合 ミドル級王座次期挑戦者決定戦 5分3R
○竹内 出(180cm/81.7kg/SKアブソリュート/2位)
●クリス ライトル(180cm/79.3kg/アメリカ/I.F.アカデミー/1位)
[判定 2−0]
※竹内が王者への挑戦権を獲得

さて、ここからは激化するミドル級戦線の試合が二試合。

この二人は、前回は10/29の後楽園大会に出場。
ライトルは同級4位の星野 勇二を、得意の下からの三角締めで秒殺。
この興行で唯一の一本勝ちを収めている。

対する竹内は、最近はPANCRASEを脅かす存在となっている、修斗からの刺客。
テーマソングは、何故か「燃えよ荒鷲」。まあ、確かにいい曲だが。
PANCRASEでの初試合では、いきなり最強外国人のネイサン マーコートを、
ポジション取りで圧倒、判定勝利している。

そしてこのカードは、これらの両者の実績を踏まえての、
「ミドル級王座次期挑戦者決定戦」という訳だ。

・・・オイ、待てよ!
竹内に敗れたマーコートって、今日、国奥とタイトルマッチを行うんだろ?
普通なら、その試合で勝利した竹内が挑むべきなんじゃないの?

・・・って言う、誰もが思うであろう素朴な疑問もあるだろうが、
ここはそういう難しい話をする場所ではない。
イヤ、僕も大いに疑問ではあるのだが。

1R、ライトルは重いミドルキックを繰り出し、いきなり試合は打撃戦へ。
この中でもライトルのパンチが何発かヒットしている。
苦しくなった竹内は片足タックルを仕掛けるが、これを潰したライトル、
竹内を亀の状態にしてバックを奪い、パンチを入れ続ける。

竹内は立ちあがったが、尚もバックを奪っているライトルは、
バックからの投げで竹内の体制を崩すと、
逃げる竹内の首を取ってスリーパーの体制。

絶体絶命の竹内、大歓声が沸き起こったが、
竹内は何とか逃げきって亀の体制で防御。
ライトルは、上になってパンチを連打。
竹内は尚も亀の体制を崩して逃げるが、
ライトルは逃がさずパンチを連打、1Rはここで終了。
試合は完全にライトルのペースだ。

2R、またまた試合は打撃戦。
パンチならライトルが上、乱打戦の中、アッパーやミドルキックがヒットする。
竹内はこの打撃を何とか掻い潜って組み付いたが、
ライトルは竹内の首を取ってフロントチョークの体制で引き込んだ。

ライトルの攻めが続いたが、
竹内は首を抜いてインサイドガードの体制。
上からパンチを落としていくと、ライトルも下からパンチを突き上げる。
試合はこの体制のまま膠着。しかし、竹内のパンチは中々重そうだ。

竹内、クロスガードを取る等して防御していたライトルをここでパスガード。
サイドから上四方を奪い、尚もパンチを落としていく。
更には立ちあがっての猪木アリ状態。ライトルは下から蹴り上げて行ったが、
竹内は怯むことなく潜っていってサイドを奪いなおし、パンチを落としていく。
ライトルはガードポジションを取るが竹内はお構いなしのパンチ連打、
ここで2Rは終了。2R、中盤以降からは完全に竹内のペースだ。

3R、組み付く竹内を突き放して、
ライトルがハイキックをヒットさせる。
しかし続くパンチは、逆に竹内のタックルを許してしまう。
竹内はコーナー際までライトルを押し込み、足元からライトルの体制を崩す。

亀の状態になったライトルに対して、バックを奪った竹内だったが、
ライトルが体の向きを変えた、ガードポジションの体制。
しかし竹内はパスガード、サイドを奪って肩固めを狙っていく。
何とか凌ぐライトルだが、それなら、と、
竹内はパンチを落としながら、更にポジションを移行していく。
ライトルは下になりながらも竹内の首を取ったものの、
竹内はライトルの足を掴んで関節を仕掛ける。
しかし、この足関節は失敗。

なれど竹内は上をキープし続けている。
インサイドガードからハーフマウント、ガンガンパンチを落とす。
そして一旦立ちあがっての猪木アリ状態からパスガード、
上四方を奪えば、再び足関節を極めに行く。
そして、ここで試合終了。このラウンドも完全に竹内だ。

判定は2−0で竹内。
これで竹内は実力でミドル級王座の次期挑戦者になった。

竹内は極めがもう少し強いと人気が出そうなのだが、
今のところは、ポジション取りの強さしか伝わらないなぁ。


第八試合 ミドル級タイトルマッチ 5分3R
○ネイサン マーコート(180cm/81.3kg/アメリカ/コロラド スターズ/3位)
●國奥 麒樹真(174cm/81.4kg/パンクラスism/王者)
[3R 4分36秒 KO]
※マーコートが王者奪取

二冠王の国奥は、9/29に続いて今日もまたまた防衛戦。
挑戦者は、前王者のマーコート。
去年の12/1、観ている側には不可解な判定で王座を失ってしまっている前王者。
ここは一本勝ちで、観ている者が誰もが納得する王座奪取劇をするしかない。

それにしても・・・。
先ほどもちょっと触れたが、
PANCRASEの王座っていうのは本当に不可解だ。
ライトヘビー級王者の菊田やヘビー級王者の高橋は、
今年は一度も防衛戦を行っていない。
んで、今年新設されたウェルター級王者は、
トーナメント戦の末に国奥が王者になってから、その数ヶ月に防衛戦。
しかも、相手は同級3位。この間トーナメントやったばっかりで、
順位に全く変動がないうちに3位の選手が挑戦できるのはどうだろう?
しかも、今日行われるミドル級のタイトルマッチも、
相手は竹内に敗れて3位になってしまったマーコート。
何だ何だ!PANCRASEの王座は3位の選手しか挑戦できんのかい!

・・・って言う、誰もが思うであろう素朴な怒りもあるだろうが、
ここはそういう難しい話をする場所ではない。

国奥はHIP HOP調のオリジナル・テーマソングを新調しての入場。
リングに上がると、挑戦者のマーコートをガンつける。気合は十分だ。
タイトルマッチ宣言、国歌吹奏の後に試合開始。

1R、国奥はローキックからマーコートに組み付き、
軽々と持ち上げてテイクダウン。

だがこの時、マーコートは国奥の首を抱えてのフロントチョークの体制。
極まっているようにも見えたが、
国奥はこのチョークを抜けてインサイドガードの体制。
対してマーコートはクロスガード。
国奥は上から細かいパンチを落としたり、
密着してガードするマーコートに肩パンチを食らわせる。
だが、両者共にその後は展開がなく、ブレイク。

両者スタンド、近距離からのパンチを出し合いながら、
ここはマーコートが組み付きコーナー際まで押し込む。
しかし、またしても試合に展開はなし、ここはマーコートが離れた。

再びパンチを繰り出していく両者だが、
ここでマーコートのストレートが国奥の顔面にヒット。
崩れる国奥、沸き起こる歓声の中、
マーコートが組み付いてテイクダウン、ハーフマウントの体制。
下から組み付く国奥に肩パンチを落とした所で1Rは終了。

それにしても、マーコートへの声援が多い。
国奥の不人気も本物だなぁ・・・。何か可愛そうだ。

2R、距離を離したマーコートは、
ミドルキックやストレートを放ちつつ国奥に組み付く。
そして両者は組み合ったままでのコーナー際での主導権争い。
お互いに腿に膝を入れながら、コーナー際で入れ替わり続ける。
ここは展開なし、レフェリーがブレイク。

試合再開、打撃戦、国奥がストレートをヒットさせるが、
マーコートは組み付いて国奥の足を刈りテイクダウン。
インサイドガードの体制になったマーコート、
国奥は足をクロスしてガッチリのクロスガード、
下からパンチを突き上げる。

マーコートはパスガードを狙っていくが、国奥はそれをさせない。
さらには下から腕を取ってアームバーを狙う国奥だが、
これ嫌がるマーコートが上から殴った所で2Rは終了。

3R、国奥が出会い頭にフックを出すと、
まともにヒットしたマーコートが体制を崩してしまう。
歓声の中、国奥はマーコートに組み付いたが、
マーコートは逆に国奥をコーナー際へと押し込む。
これを国奥は体制を差し変えてマーコートをコーナー際へと、
自ら離れてパンチを叩きこむ。

試合は距離が離れての打撃戦。
国奥はミドルキック、ローキック、パンチと打撃を散らして攻めるが、
ここでマーコートのストレートが国奥にハードヒット。
ぐら付いた国奥は片足タックルでダウンを誤魔化す。
しかしマーコート、これをガブッてマウントの体制だ。
上からパンチを落とすと、会場からは歓声が。
国奥が下から崩したものの、マーコートはサイドをキープ、
ここから両者は、上から下からのパンチを入れていく。
この体制から時間は経過、レフェリーはブレイクを要請。

残り時間もあと一分、
ここまではやや劣勢の国奥はマーコートに積極的に組み付いていくが、
マーコートはこれをスタンドでのフロントチョークで返す。
これは極まらず、マーコート自ら突き放す。
尚も向かってくる国奥に・・・。

何と、飛び膝蹴り!
そして、これがモロにヒット!

意識を失ってダウンする国奥、
レフェリーが慌てて試合をストップ。
マーコート、劇的な技で王座を奪取だ!

会場の大歓声の中、
人気王者のマーコートがベルトを巻いて喜びを露にする。
そしてマイクを持った。

「国奥サン、アリガトウ。
 次ハ竹内サンデス。りべんじまっちデス。」

お、この人、簡単な日本語ならしゃべれるのね。
その後、英語で次の試合への意気込みを語ると、
最後は「Merry, X'mas!!」で締め。
観客が多いに沸く。

ちなみに負けた国奥は大変ダメージが大きく、
一時は担架が持ち出されたくらいだった。
最後は自力で立ちあがると、会場からは拍手が。
元二冠王者、ウェルター級での巻き返しに期待

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雑感:

今回のPANCRASEは、色々な事を考えさせられました。

一度も王座を防衛していない高橋のノンタイトル戦での敗戦。
盛りあがった「街のチンピラの喧嘩」。
王座への挑戦順序のおかしいミドル級戦線。
そして郷野の強烈なPANCRASE批判・・・。

しかし何より、今日のism勢は良く負けた。
しかも、負けた選手の負け方が良くない。
成す術もなく負けている選手が多かった気がしますね。
PANCRASEにとっては、何よりもこれが一番のマイナス材料だと思うのですが。

郷野の発言が、PANCRASEを活性化する動きになると良いのですが。

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以上、長文失礼。




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