12/14修斗NK大会観戦記
■団体:修斗
■日時:2002年12月14日
■会場:東京ベイNKホール
■書き手:うしをたおせ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

NK行って来ました。今年も舞浜の風は寒かったよー。
NKの客入りも去年に負けず劣らず寒かったよー。
試合開始時は4割ぐらい?終了時は6割ぐらいかな?

オープニング映像は相変わらずGOOD。
いつもどおりかっこいい入場だけど、バリジャパ時代と比べると貫禄がなくなったような。
昔は怪物ばっかり出てたからなー。
そうそう第1試合に出場するディアス君がボケまくりだった。
舞台で並ばないといけないのに、どんどん花道歩いて係員に連れ戻されるは、
名前呼ばれて花道歩かなくちゃいけないのに、ボーっと立ってるはボケボケだった。
段取り聞いてなかったんだろう。19歳だもん。


第1試合 ミドル級 5分3R
○弘中邦佳(日本/SSSアカデミー/9位)
×ニック・ディアス(米国/シーザー・グレイシー・アカデミー)
判定2-1(29-28,29-28,27-28)

弘中選手は、なんだか静か過ぎる曲で入場。うーん、あんな曲でテンション下がらないのか(^-^;)?
ディアスは19歳とか。普通のアメリカのお兄ちゃんって感じ。

弘中選手相変わらず柔道仕込みの投げが強かった。そしてグラウンドパンチも迫力十分。
でも、スタンド危なっかしすぎる。2R後半からは随分殴られた。
あと一発喰らってたらダウンしてたんじゃない。
殴られても態度は余裕だったが、効いているのは明らかだった。
客席の応援団も「打ち合うな!」「ガード上げろ!」「組み付け!」と冷や冷やもんで見ていた。

あのスタンドでのディフェンスが直らない限り、徹底的に狙われるのは間違いない。
決して打たれ強いようじゃないし。うーん修斗期待の新人が、アメリカ無名の新人に
あれじゃあねー。やばいっしょ。

その、無名の新人ディアス。普通に打撃できて、普通にレスリングできて、普通に柔術できる
選手だった。そこそこ強いけど、普通の選手だと思うんだけどなー。

で、判定。弘中選手の勝ちはないんじゃない?しかも思いっきり判定割れてるし。
個人的にはドローかな?2Rの後半の動きを見たら、弘中選手にはつけられないし、
3Rも弘中選手のやられっぷりもかなりのもの。29:28で弘中はないんじゃない?
修斗ファンの中では数年前から言われていることだけど、鈴木レフリーの判定は
納得できることが多い。いつもじゃないけど。冷静な判断で比較的ダメージを
ポイントとして判断材料にしているって言われてるし。

3Rしかないのに判定離れすぎじゃない?ここらへん(判定基準)の刷り合わせをやっていると思えない。
どうなんですかね。タイトルマッチでこんなことになったら揉めると思うんだけど。


第2試合 ウェルター級 5分3R
×タクミ(日本/パレストラ東京/8位)
○ヨアキム・ハンセン(ノルウェー/スカンジナビアンBJJアカデミー・オスロ)
判定0-2(27-28,26-28,28-28)

うシュ、駄目だった・・・。せっかくの大舞台。でも、いい試合できなかった。
相手が強かったわけだけど。

まず1Rいきなりラッシュされて、勢いに押されるようにテイクダウンされ、サイド、バックを
取られたのはいけないっす。スタンドでもレスリングでも負けるような選手じゃないのに。

それにしても、ハンセンがあんな下が巧い選手だとは。フックガードで距離は取るし、
1R、下から三角極めかけるし(うシュはゴングに救われたはず)、手首掴んで外させないし、
的確に下からフックを放つし、距離取ると、どんどん下から蹴り上げるし。
3Rの腕十字からスイープまでしたのには参りました。うシュが、上とってあんなに翻弄されたのは
初めてかもしれない。

うシュも得意とする怒涛のインサイドからのパンチラッシュをするシーンも何度かあったけど、
ハンセンに、イニシアチブを握られている時間が正直長かった。

あとハンセンが憎たらしいのは、うシュの得意技(外掛けテイクダウンからハーフ、マウントへ移行)
を知っているかのように、組むと、どんどん引き込んできたこと。あれは、やられた。

やっぱり残念なのは最近は反則ばかり喰らっていること。当然ダメージもあり、調子も狂う。
今回も強烈な金的と下からの蹴り上げを喰らった。ホント不運。思い切り試合をして欲しいんだけど。

判定については、身内過ぎて自分の印象はあまり参考にできないけど・・・。
やはりおかしいって声が多い。確かに上に書いたように、ハンセンがコントロールしている
場面が多かった。しかし、うシュも上を取り、パンチをラッシュし、立ってはローを入れていた。
3R通じて4Pも取られているほど攻められていたとは思えないんだが・・・。
まあ減点がなければ、明らかに負けていた試合。反省しかないっしょ。

てなわけで、今年後半頑張りを見せたうしゅも、スカンジナビアの無名外人に負けてしまった。
ホントはリング上で、地獄を見せなきゃいけなかったのに、試合後「日本は天国だ。天国に近い気がする」
って言われてしまった。

得意の形までいきながら、攻められなかったのはちょっとショックだった。しかし、いままでどおり
スタンド打撃を磨き、確実に上を取り、ガツガツ攻めまくる攻撃力を一層磨いて頑張って欲しい。

意外な選手だったハンセン。スタンド打撃もレスリングも強いとは思えない。ある意味ガードだけ?
このまま上位ランカーとやって勝つとは思えない。でもあのスタイルでどこまで行くか楽しみかも。


第3試合 フェザー級 5分3R
×池田久雄(日本/PUREBRED大宮/2位)
○塩沢正人(日本/和術慧舟會/9位)
3R 4'14" TKO

久雄さんはブルーのニュートランクスで登場。

いやー予想できたけど、やはり驚かざるをえないこの展開。凄かった。

久雄さんもスタンド打撃全ての面で負けていたわけではないと思う。コンビネーションや
接近戦や、パンチ打ちながらのいなしは、負けていなかったと思う。だけど、塩澤選手の左ストレートが
凄すぎた。前から知ってたけど、まるでメキシコ人ボクサーのようなコンパクトでノーモーションで
まっすぐ伸びてくる鋭いストレート。これを久雄さんのジャブに合わせられて、計6度だっけ?のダウン。
2回目のダウンは強烈なカウンターで、はっきり言って止められると思ったほど。
ボクシング式に、歩かせてダメージを計る鈴木レフリーに、「おーっ、分かってる」って思ったりした。

とにかく全てこのパンチにやられたと言っていい。
久雄さんも反り投げでテイクダウンしたり、見せ場もあった。
しかし、グラウンドでも塩澤選手は凄みを見せつける。ダメージのあるとはいえ久雄さんを下から崩し、
あっさりバックを奪うシーンも。

久雄さんには距離を詰めて、得意の左フックやアッパーで勝負して欲しかったんだけど、
そうさせなかったのが、塩澤選手の巧さなんだろうな。

とにかく塩澤選手強い!スタンド打撃も寝技も切れまくっている。
なんでこんな選手が、少し前、クラスBにいたのか。なんでサバイバートーナメントに出ていないのか。
とにかく、仁さん、サバイバートーナメント優勝者の次の王者挑戦者は塩澤選手で決まりでしょ。

久雄さん、調子悪かったのかな・・・。好きな選手だから復活を期待。


第4試合 ウェルター級 5分3R
×川尻達也(日本/総合格闘技TOPS/5位)
○ヴィトー・ヒベイル(ブラジル/ノヴァ・ウニオン/7位)
判定0-3(30-27,30-26,30-26)

川尻選手は短めで白のニュートランクス。うーん・・・。スパッツのほうが、図太い太ももが目立って
かっこいいと思うんだが。

いまさらながら、シャオリンってヒクソンに似てる。肌の色とか体格とか髪型とか太い眉毛とか。

いやーシャオリン素晴らしい。これだよこれ。ボクシング&レスリング全盛の時代が
また来ようとしている今、対抗するのは柔術界の天才しかいないね。

シャオリン、あんまタックル巧くなかったね(^-^;)。全部切られてた。でも、寝技が凄すぎ!!
下にいても、どの局面でも涼しい顔。三角、アームロック、ストレートアームバー、そしてスイープと連携。
ガードとっても、脇差した次の瞬間、崩してバックに回ってるんだからホントびっくり。
結局自分から上を取れたのは1回だけだけど、苦もなく上をとって、落ち着いて殴りまくって、
得意の肩固めを狙いつづけてた。

川尻選手もいつもどおりタックルを切り、寝技で攻め込まれても、パワーと意地で全て凌ぎきり、
3Rはシャオリンを蹴り離して、打撃の一発にかけ、倒されてもアームロックを狙いつづけた。
最後まであきらめない気迫は会場中に伝わり、試合後川尻選手を称える声が多かった。

シャオリンはタイトルマッチやってほしい。五味との試合が見たい!それに尽きる。
この選手の総合が見れるのはマジで幸せ。

川尻選手は持ち味出せなかった。寝技に引き込まれ完封された。でも相手はシャオリン。
寝技でかなわないのは当たり前。僕の評価は落ちてない。他の上位ランカーとの試合が
見たいんだけど・・・。自信がつくまで、また練習に没頭するとか。


ここで新人王の表彰。試合直後の川尻選手は出れなかった。かわいそう。
表彰するのはいいけど、インタビューなし。うーん。だったら、それぞれ新人王が決まった瞬間、
リング上でなんで、インタビューしなかったんだろう。
生の喜びの声が聞きたかったのに。来年は改善希望。
 

第5試合 ミドル級 5分3R
×桜井“マッハ”速人(日本/GUTSMAN・修斗道場/1位)
○ジェイク・シールズ(米国/シーザー・グレイシー・アカデミー)
判定0-3(28-30,28-30,28-30)

参った。去年のルミナ・五味戦の再現って感じだった。観客の声援のむなしさが。
マッハどうしたんだろう。モチベーションもなさそうだし、スタミナも明らかになかった。
格通インタビューで「修斗に愛がなきゃNK出ないよ」って言ってたけど、それぐらい
本調子には程遠い体調だったのかな。

1Rこそ余裕でテイクダウンし、マウント奪い、三角極めかけ、下になってもスイープし、
バックから腕十字狙い。だけどなんだか極めが甘い。そうしているうち、どんどん失速。
投げは、すかされ下に。抑え込まれて殴られ続ける。3Rなんか屈辱のアミールを極められる始末。
そうして超無名の新人に完敗。

調子が悪いのか、もうピークを過ぎちゃったのかは分からない。
とにかく完全に今までの幻想を消すような試合になった。次は体調を整えて試合をしてほしい。
もうこんな弱いマッハは勘弁。

シールズ、見た目は普通の好青年。頑張って総合練習してますって感じ。
そんな圧倒的な力は持ってないと思うんだけどな。とにかく試合後の喜び方は凄かった。
泣き出さんばかりの表情で叫び、セコンドと抱き合ってた。いい人なんだろうな。


第6試合 ライト級チャンピオンシップ 5分3R
○アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(ブラジル/ワールド・ファイト・センター/王者)
×阿部裕幸(日本/AACC/1位)
1R 3'53" スリーパーホールド

やっぱりノゲイラのスタンドは駄目だった。かなり練習してきたらしいけど、相変わらず
アゴ上がりまくり。冷静な阿部兄に右ストレート当てられ、ヒザつく始末。

本気になったらやっぱり強引なタックル。阿部兄も切ったけど、コーナーで強引に引っこ抜いて
テイクダウン。阿部兄もガードを研究してるのか、上を取られてもかなり凌いでた。
しかし阿部兄が三角締め?に動いたところを、ノゲイラは一瞬でパスし、バックを取って、
その瞬間には腕が阿部兄のアゴに食い込んでた。阿部兄が落ちて、レフリーストップに。

勝田戦でもそうだったけど、パスしかけてからの攻めは凄い。一気に仕留めにかかる!って感じ。
やはり寝技は桁違いだった。これだけの極めを見せてくれる選手はやはりいない。
最高のそして大好きな王者だ。でも・・・。無敵神話にだんだん翳りが出てきたような。

なんと言ってもスタンド打撃が危なっかしすぎる。あれじゃパンチの巧い選手誰とやっても危ない。
当然みんなが期待するのはKID戦。でも阿部兄のパンチ重いって言ってるようじゃねぇ。
KIDに対して寝技に持ち込めるかどうかもねぇ。ましてや上取れるかねぇ。
今、最も見たいカードだけど、最近の様子だと、明らかにKID有利と思える。
この二人とパーリング、ホーキの絡みは最高に楽しみ。ライト級はどんどん試合を組んでくれ!

阿部兄、今回は完敗だけど、確かに次ぎやったら分からない。前は地味なイメージだったが、
相当総合的レベルは高い選手だと思う。強いね。うん、強い。


第7試合 ウェルター級チャンピオンシップ 5分3R
○五味隆典(日本/木口道場レスリング教室/王者)
×三島☆ド根性ノ助(日本/総合格闘技道場コブラ会/1位)
2R 0'52" TKO

三島さんは、気持ち入りすぎたのか、試合前から泣いていたわけで。国家斉唱の時の緊張しまくっていた
顔が忘れられない。黄色い王冠とマント、サングラスをつけ、王様ファッションで入場。

対する五味選手は須藤元気を従え、スモークを吐き出す、派手なパフォーマンスと共に入場。
なかなか良かったんだけど、修斗の会場はああいうの盛り上がらないね。うーん。客層かな。
それとも客入りのせいかな。五味選手の拳を回しながらの入場は、パンチの強さを強調するようで、
威圧感たっぷりだった。そういう意味では見事。

試合はおもしろかった。そして五味選手強かった!お互い打撃を出すも、プレッシャーが強いのは
もちろん五味選手。三島さんが嫌って組もうとするも、徹底的にいなして距離を取ってパンチを
打ち込んでいく。組んでから五味選手がどう対応するかと思っていたけど、あそこまで組ませないとは!
この時点で圧倒的に五味選手有利になってた。三島さんがなんとか組み付き、あっさりテイクダウン、
すぐハーフにしパンチを叩き込んでいった時は、この調子で2Rもポイント稼げるかな?と思ったけど・・・。
やはり今回の五味選手は凄かった。三島さんがアッパーで飛び込んだところをカウンターの右フック!
三島さんは腰から崩れ、明らかに効いているダウン。再開後もふらついている三島さんを
五味選手が転がして、サイドからパンチラッシュ。レフリーストップに。

試合後は相変わらずリング上どころか、エプロンサイド、本部席まで走り回り、コーナーに上って
大騒ぎ。リング上に木口ちびっこ軍団を上げて、また大騒ぎ。
マイクを持って
「お客さんも木口のみんなもホント大切な人!どんどん強くなって世界の強豪ブッ倒して行きます!」
みたいな感じ。いいこと言ってるけど、テンション高すぎてみんなついてけないんだよな(^-^;)。

三島さんは静かにちょっと満足そうに花道を帰っていった。

とにかく五味選手強かった。あれだけパンチに自信があって、三島さんにも組ませないんだから、
手がつけられない。スタンド打撃である程度対抗できないと誰も今日の出来の五味選手には
かなわないのでは。それぐらい圧倒的な強さを感じる五味選手だった。
やはりUFCは出て欲しい。でもそれ以外はどんどんタイトルマッチをやって欲しい。
来年は年2回タイトルマッチを!出来れば、シャオリン戦を!

三島さんは、いまいちでしたね。試合後のコメント聞いても、モチベーションもあんま高くなかったような。
まあしょうがないでしょう。まあ図抜けた実力を持っていることには変わりないんで、
今後も修斗で面白い試合して欲しい。他の興行に出たいならそれもよし。ガンガン試合してください。


こんな感じでしょうか。ちょっと思うところがあって、試合経過は書きませんでした。
どうなんでしょう?スポナビに大体試合経過載ってるし、PPVで見た人もたくさんいるだろうし。
ご意見あったらレスください。

それにしても世界のレベルの上がり方は凄いっすね。日本もここ数年頑張って世界の総合先進国の
仲間入りをしたつもりだったけど、今回は正に「日本最弱再び」って感じ。
勝ったのは判定に疑問がある弘中選手だけ。
うーん、日本人で世界対しホントに期待できるのは五味選手とKIDかな、やっぱり。

てなわけで、またもVT界でボクシング&レスリング旋風が吹き荒れてる。
五味&KIDを代表とする。パンチで上から叩き潰すスタイルがやはり強い。
ティトもリデルが代表。ヒューズもそうかな。
だからこそ、大小ノゲイラは貴重な存在で、ノヴァの柔術天才達に今後期待をしてしまう。
正に対照的な戦い振りだから。

そういえば、今回はちょっと変わった大会だった。テイクダウンする時の瞬発力といったら、
最近の総合界で最も重要な要素なのに、この大会はその力に優れた選手がたくさん負けてる。
うシュ、久雄さん、川尻、マッハ。みんなそう。だから面白かったんだろうな。
その代わりスタンド打撃の重要性が明らかに増しているような。

最後に暗い話題を(笑)。客入ってなかったっすね・・・。かなりいいカードなのに。
来年ルミナとマッハが仮に出ても、今年とあんま変わらない気がする。
今年後半は下北も、後楽園も大盛り上がりで、凄い活気があった。修斗自体に勢いがないわけじゃ
ないと思う。でも、NK埋めるために必要な一般客(一見さん)は完全修斗を離れているようだ。
来年は無理せずに、NKやらなくていいのでは?とすら個人的には思う。
お金に余裕があって、昔のバリジャパみたいなテーマがある大会開くなら別だけどね。




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