U系ファンが観た修斗とは?
■団体:修斗
■日時:2002年11月15日
■会場:後楽園ホール
■書き手:リー監督(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 最初にネイティブなパンクラス・ファン(あまり自覚はないが、ネイティブなリングス・ファンに今日そう言われた)として言っておかなければならないことがある。最近のパンクラスは、今日の修斗に負けている!! 負けている!! 負けている!! 悔しいけれど本当のことだ。
 
 
 私は、パンクラスを見るときはパンクラ原理主義だし闘龍門を見るときは闘龍門原理主義者である。バルサの試合を観るときはバルサ原理主義者だしベティスを観るときはビクトール・フェルナンデス原理主義者だ。私がサッカーを観る場合、根幹にるあるクライフ原理主義が強固なため比較的判りやすいが、格闘技やプロレスの時はどうなのだろう。ウルティモ・ドラゴン原理主義でもいいし、考えてみれば元々私は船木信者である。

 というわけで今日の私は修斗原理主義者なのだ。

 しかし、仕事が終わらず遅刻。チケット代を半分以上無駄にしたような気もするが、元々私が修斗を観ること自体が無駄という考え方もあるため、「無駄かどうかを考えることが無駄」というのが正しい表現かもしれない。

 後楽園ホールは満員電車のような状態。いつも通路には選手や関係者が多いのだけど、今日は一般客も通路で観たりしている。ビールを飲んでメインを待つサラリーマンもいる。ボディーラインの素敵なお姉さんもいる。そして、リー監督もいる。

 観たのは第3試合から。日沖対バットン。日沖の圧勝。特に書くことなし。

 第4試合。福本対アンソニー。福本の圧勝。何も書くことなし。

 休憩後、やっと座って観始める(北側B27)。

 

【第5試合】

 漆谷対阿部弟。例によって阿部弟に紙テープが舞う。さらに例によって修斗は紙テープを片付けるのが下手。漆谷はサウスポー・スタイル。阿部の打撃は少し踏み込みが甘い。漆谷の方がリーチが伸びているので、下がりながらもいくつかジャストミート、あまり利いてないけど。基本的にスタンドでの打撃戦。

 2R、この試合初タックルの漆谷に対し、阿部弟の膝が金的に当たり、減点。その後阿部弟がパンチに活路を見出そうとしているが、逆に漆谷のカウンターが着実に当たっている。打ち合いで会場は盛り上がっているけど、打撃の精度で漆谷の圧勝。判定3-0で漆谷の勝ち。阿部弟は人気があるので、負けてザマーミロと思うのはモテないオヤジの嫉妬心ですか。ああそうですか。

 

【第6試合】

 小松対門脇。門脇は前から気になっていた選手。なんというか、寝技の達人の香りがして好き。打撃戦でヤバくても寝れば安心。そういう意味で古いタイプだけど判りやすい。いきなり門脇の右ミドルで観ているこっちが意表をつかれ「おお!」と思う。差し合いから倒れて門脇ガードになるもスルリとバックマウントに。なぜこうなるのか判らない、と感じるくらいスムーズ。もっとパンチを使えば楽にしとめられるのだろうが、門脇はそれをしない。これは彼の美学か。

 2Rは門脇が引き込みを狙い、打撃に付き合わない。フェイスロックが極まりそうになるなど門脇の圧勝。後で変型の腹固めが「門脇スペシャル」と呼ばれることを知る。なるほど藤原喜明以来のUの伝統はこんなところでも観ることができるのだ、と書くと怒られるだろうな。判定3-0に文句はない。

 

【第7試合】

 弘中対徳岡。徳岡は打撃のイメージが強い。しかし組んでから倒すのは弘中が上。というわけで良い勝負になる。ローブローで徳岡に減点があったため、弘中が判定で勝つ。普通の目で観るとつまらないけれど、修斗の観客は技術をよく知っているのだろう。両者の実力がよく出た試合。

 試合後少し徳岡と弘中のセコンドが言葉でやり合うシーンもあったが、中井が弘中サイドに飛んできて謝りにくる。中井っていい人だなあ。確かに中井がくればその場は収まるもんなあ。大人だよなあ。偉いなあ。パレストラは近所だしなあ。新江古田は最強だな。物価も安いし。

 

【第8試合】

 セミ。勝村対アルカレス。ここからそれぞれ曲が与えられ1人ずつの入場。1Rはアルカレスが上になるケースが多いが、あまり手が出ない。勝村は積極的に仕掛けるが裏目に出て悪いポジションになる。リスクとはそういうものだ。

 アルカレスは2Rになってもインサイドガードで上になる。そこへ勝村は下から三角締め狙い。極まりそうだ。フラッとしたので極まったかと思いきや、さらにとどめで十字。実は三角で落ちていたらしい。勝村見事な一本勝ち。セミの重責を果たす。

 

【第9試合】

 メイン。タクミ対ルミナ。いやもうルミナへの応援が凄い。しかしタクミへの応援もルミナほどではないが多い。こうやって勝手に盛り上がるメインは理想的。ブッカーの勝利である。

 ルミナ、いきなり片足タックルからクルクル回ってバックを取る。これはうどん屋の戦術ではないのか。まあ、凡人ならクルクル回れば不利なポジションになるのだが、そこはU系を散々バカにしてきたルミナ、あのタクミ相手にもしっかりとポジションを取る。ルミナの懸念はスタミナだと思っていたらそうでもない。考えてみればこの2人は同じ29歳。ルミナが今まで淡泊すぎたのだ。

 ルミナが積極的に動きまくって試合を作るが、タクミもじっくりと我慢して凌ぎ、返して上になったらパンチを振り回す、という高い技術の攻防による消耗戦。ルミナの動きは素直に面白いし、それを極めさせないタクミも強い。

 3Rにルミナがローブロー2回目で減点があるも、ルミナの攻勢は変わらず。殴られても笑って挑発する。両者結構ヘロヘロになっていて、お互いにタックル狙いでぶつかり合ったりする。でもスピードは衰えない。好試合。

 判定はドロー。トータルバランシングルーズポイントシステムなら引き分けで減点分タクミが勝ったかな、とも思う。しかし、この試合ルミナの動きが復活していたので引き分けで文句なし。1人ルミナが勝ったという採点者がいたが、「それは違うよー!」と思わずブーイングしてしまう。
 
 
 終わったのは10時で、「いい加減にしろ!」と言いたくなるが、これだけ盛り上がればその批判は蛇足。ルミナの復活だけでこんなに会場が沸くのだから、やはりスターは興行に必要である。修斗包囲網などルミナ1人いればぶっ飛ばせるのかも。ルミナの実力はもう既に突出したものではないにせよ。

 ……パンクラスと客層はあまり変わらない筈なんだけどなあ。


【第1試合】ウェルター級 5分2R 
鹿又智成(日本/総合格闘技武藏村山道場) [ドロー 判定19-19 19-19 19-19] 帯谷信弘(日本/GUTSMAN・修斗道場)   

【第2試合】ミドル級 5分2R 
○岡田廣明(日本/PUREBRED大宮 )[2R 0:15 TKO] 前田健太郎(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY)   

【第3試合】ライト級 5分2R 
○日沖 発(日本/ALIVE) [1R 4:11 TKO] エドワード・バトン(オーストラリア/AUS修斗スパルタン・ジム)  

【第4試合】ミドル級 5分2R 
○福本洋一(日本/和術慧舟會千葉支部) [2R 2:11 チキンウイングアームロック] レット・アンソニー(オーストラリア/AUS修斗スパルタン・ジム)  

【第5試合】02年度新人王トーナメント バンタム級決勝戦 5分2R  
○漆谷康宏(日本/RJWセントラル) [判定 3対0 20-18 20-17 20-17] 阿部マサトシ(日本/AACC)   

【第6試合】02年度新人王トーナメント ライト級決勝戦 5分2R  
○門脇英基(日本/和術慧舟會) [判定 20-17 20-18 20-17] 小松寛司(日本/総合格闘技道場コブラ会)  

【第7試合】02年度新人王トーナメント ミドル級決勝戦 5分2R
○弘中邦佳(日本/SSSアカデミー) [判定 3対0 20-18 20-18 19-18] 徳岡靖之(日本/パレストラ加古川)  

【第8試合】フェザー級サバイバー・トーナメント1回戦 5分3R 
○勝村周一朗(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY)[2R 3:04 三角締め] アルフィ・アルカレズ(アメリカ/ニックワン・キック・ジム)  

【第9試合】ウェルター級 5分3R 
佐藤ルミナ(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY) [判定 1対0 29-28 29-29 29-29] タクミ(日本/パレストラ東京)




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