10/8大日本後楽園ホール大会観戦記
■団体:大日本
■日時:2002年10月8日
■会場:後楽園ホール
■書き手:ダイス(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)
日曜日の昼下がり。府中競馬場の向かいにある普門寺という小さなお寺の境内で大日本プロレスが300人ほどのお客さんを集めて興行を行った。リングとその周囲にイスを3列も並べるといっぱいになってしまうような狭い境内にはたこ焼きや焼き鳥のにおいが漂い、地元の子供も結構いて秋祭りのような風情。地元の地縁を大切にしている特定の稼業の方が多数いるのも秋祭りの雰囲気を強める。つーか、ちょっと怖い。
きちんと水平になってないリング上には大きな枝が影をつくり、必要以上にのんびりした空気が流れる中、金村やら山川やらポンドやらWXやらが、血塗れで椅子をなぎ倒しながら子供達にトラウマを植え付けた。
そんな素晴らしい興行から二日、マニアの巣窟後楽園ホールで第4回最侠タッグが開幕した。しかし全選手入場式に使う曲は「オリンピア」以外にないのか。キンタローが優勝トロフィーを蹴飛ばしたり、小林の大日本タッグベルトを引っ張ったり、曲が途切れると「音楽は?」と言ったり、ひとりで全選手分の仕事をこなす。
前回優勝の関本が「全員ぶっ飛ばして、ぶっちぎりで優勝!」みたいなコメントをしてセレモニー終了。客入りは今年見たホールの興行で最低かも。

第1試合 タッグマッチ
 MEN'Sテイオー&関本大介 vs 伊東竜二&下田大作
今日、唯一の非公式戦にして、メンズクラブの同門対決。関本と伊東、下田が若手らしく張り手や前蹴りでのドツキ合いを見せるが、ダウンするタイミングがずれてるっつーか、この3人リズム感がないのかな?
テイオーにアルゼンチンで担がれた伊東がタランチュラで切り返すなんていうトリッキーなムーブも見れたが、いつの間にか「残り3分」のアナウンス。まさか時間切れで「決勝で会おう」とかベタなマイクで終わるんじゃねえだろうなあと思ったら、その通りになってしまった。テイオーが関本をひっぱたいて「こんなんじゃ優勝できるわけねえだろ!」と言ったのはちょっと面白かったかな。
(15分時間切れ引き分け)

第2試合 最侠タッグリーグ公式戦Bブロック
松崎番長&黒天使沼澤邪鬼vs ヒットスクワッド(マック&マフィア)
初来日のヒットスクワッド(以下HS)はスキンヘッドのデブ二人組。個体識別がちょっと難しい。松崎&沼澤もスキンヘッダーズの構成員なのでリング上は4人のハゲというなんかヤな光景となった。
HSはどうやら日本かぶれらしく、見た目に似合わずスープレックスのバリエーションを見せる。特に駅弁固めのような体制から、そのまま後ろに投げっぱなした一発は会場のどよめきを誘った。連携も結構あったが、個人的に印象に残ったのは4の字固めで固定した相手にコーナーからのスプラッシュを決めたやつ。コロンブスの卵というか、この手があったかって感じ。
しかしスポットの一つ一つはなかなか面白いんだけど、未熟なのか危険きわまりない角度で沼澤を放り投げたのはいただけない。会場から「ヘタクソ!」と身も蓋もない野次が飛んだし。最後はアルゼンチンで担いでからたたき落としてフィニッシュ。インディオタ的には「モリガンズ・ボム」(DDT・橋本友彦の決め技)だと思ったんだが、公式発表はバーニングハンマーだった。ノアなんか見てねえよ。
○マフィア(9分51秒 バーニングハンマー→片エビ固め)沼澤×

第3試合 最侠タッグリーグ公式戦Aブロック
山川竜司&グレート小鹿vs マッドマン・ポンド&2・タフ・トニー
「バカガイジンズ」(正式名称)の入場の後「セパレイトウエイズ」が流れ、休憩前だというのに南側の階段からいつものようにキンキラのコスチュームで山川入場。おや、上着のの下に赤いTシャツを着ているぞ?とか思いつつ「軍艦マーチ」がかかるのを待っていたら・・・、おおこの曲は「ブードゥーチャイルド」じゃないか。小鹿社長は赤いバンダナに赤と黄色のレイを身につけ、真っ赤なTシャツの胸には黄色い「KOJIKA MANIA」の文字が!一宮もやっているけど、大日本旗揚げ時はコスプレ社長が売りだったもんなあ。場内すっかりバカ負けして手拍子と笑い声が鳴り響く。
有刺鉄線ボードが二面運び込まれた中に飛び込む還暦の社長。これが禊ぎってやつですか。残念ながらボードに飛び込むことはなかったが、老体にムチ打って必死に技をくりだす社長に場内は苦笑、失笑、爆笑で応える。やっぱ受けたモンの勝ちだよなあ。
○小鹿(16分10秒 アイアンクロー→体固め)トニー×
試合後、実況席の登坂部長にマイク合戦を仕掛ける「プレジデンツ」。しかし口で登坂部長にかなうわけもなく「デスマッチなんてやりたくない」とか「こんなホーガンのマネなんてしたくない」とか愚痴ってるうちに、10/27の川崎競馬場大会で爆破デスマッチをやるハメに。
「僕が死んだら、皆さん線香をあげに来て下さい」うーん、史上最強のマイクアピールかも。

セミファイナル 最侠タッグリーグ公式戦Bブロック
大黒坊弁慶&アブドーラ小林vs O.D.D&ホミサイド
いんちきブロディーO.D.Dがブルロープを振り回して入場すると女の子達がマジで怖がってて、いいモン見たなって感じ。期待の顔合わせだったんだけど、残念ながら試合は入場ほど面白くなかったなあ。ホミサイドをもう少し見たかった。
スキンヘッダーズの「俺ごとつぶせ!」(コーナーに詰めた相手に乱入してきた松崎、沼澤、小林ごと弁慶が走り込んでつぶす技、一番ダメージを受けるのは軽量の沼澤)は連携技の革命だと思う。
○O.D.D(17分31秒 ダイビングニードロップ→体固め)小林×

メインイベント 最侠タッグリーグ公式戦Aブロック
シャドウWX&ジ・ウインガーvs 金村キンタロー&gosaku
「COME OUT AND PLAY」がかかると会場のテンションが一気にあがる・・・って、金ちゃんの観戦記書くときはいつも書いてる気がするけど本当にそうなんだよな。リングサイドを一周して客席を温めてブリブラダンス、gosakuはこれやるの初めてかもしんねえな。
蛍光灯ボードが2面セットされたリングにさらに蛍光灯を束で持ち込んだシャドウズに対して「お前らアホか!蛍光灯は体によくないやろ!」と金ちゃんが絶叫して試合開始。
イスの上に蛍光灯をセットしたシャドウズがgosakuをとらえてたたき付ける。破裂音と歓声が重なり、大日本の会場でしか味わえない濃い空気が一気に立ちこめる。
バンプを取るたびに、蛍光灯の破片が舞い上がるリングで全力疾走で戦う4選手。激しい攻防の中、いつの間にか金村が手首を深く切り、大日本のファンでも引くようなおびただしい流血が止まらない。だけど「プロレスはインチキのショー」だから試合は続く。蛍光灯で殴り、椅子でぶっ叩き、体をぶつけあう。
スーパーパワーボムの体勢にウインガーをとらえたWEWチームは蛍光灯ボードに叩きつけようとするが、雪崩式フランケンで切り返し、逆に金村が落ちていく。それでも立ち上がり、場外でWXとやりあう金村に鉄柱越えのトペ・コンヒーロ。
孤立したgosakuにWXがブレンバスターを仕掛けようとすると、カットに入った金村をウインガーが捕まえてブレンバスターの競演でフィニッシュ。
○WX(15分2秒 垂直落下式ブレンバスター→片エビ固め)gosaku×
試合後マイクを持った金村が
「この程度の流血で引くなよ、もっとスゴイの見てるやろ。大日本あんまりやる気なかったけど小鹿見て、やる気まんまんだよ。俺達優勝するから」

インディー団体が良くも悪くもエンタメに走る中、愚直なまでに血と汗と涙を流し続ける大日本。閑散とした客席を見ると、多分彼らのやってることは間違いなんだろうなと思う。だけど、こんなモノを見せてくれる人たちは他にいないから長く続いてもらいたい。




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