9/21 掣圏道 川口市民体育館
■団体:掣圏道
■日時:2002年9月21日
■会場:川口市民体育館
■書き手:高倉仮面
17:40
JR西川口駅に到着。

西川口といえば、関東圏では風俗街として知られている。
駅の表側は、一見なんの変哲もない商店街が続いているが、
駅裏に当たる場所には、大量の風俗店が。
関東圏のこの業界には「西川口流」という単語があり、
「本番OK」のイメクラ、サロン、性感店のことらしい。
結構、浸透している単語になっており、風俗誌の広告にも堂々と書れていたりする。
しかも、最近は「西川口流」はじわじわと南下していて、
池袋あたりでも、このテのサービスが受けられる店が増えているそうだ。
まあ、僕はあんまり詳しくは知らないのだが。

んで、今日はその「西川口流」の体験記・・・ではない。

17:45
今日は「掣圏道」の観戦・・・なのだが、その開始時間は18:00。
本当は「キューポラの街」(※注)としての川口をゆっくりと散歩したかったのだが、
残念ながら、全くと言って良いほど時間がない。

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※注
キューポラとは、鋳物を溶かすコークス炉の事。
すなわち、川口は鋳物の街なのだ。

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今日の目的地は「川口市民体育館」。
JR西川口駅から上青木循環バスに乗り、
「川口総合高校前」にて下車して、
体育館へと向かうのが正しいアクセス方法。

僕はバスを待つ時間すらなかったので、
タクシーを拾うハメになったが。

18:00
「川口市民体育館」到着。
思っていたより遠いのには驚いた。
歩けば30分はかかる距離だ。
これでは、今日は何人入場するのやら・・・。
一番安い席である自由席を購入、5000円を払って会場入り。
オイオイ、随分と高いな。

初めて訪れた「川口市民体育館」は、
本当にその名の通りの「体育館」だった。
学校の体育館をそのままイメージして頂ければOKだ。

体育館の両脇にはひな壇の観覧席があり、
これが双方合わせて約500人程度が腰掛ける事が可能。
運動場の床には土足で入れるようにシートを引いて、
体育館の中央に照明付きリングを設置、
リングサイドに設けられた席は約1000席。

今日の客は・・・結構多いな、500人くらいはいるぞ。
年配の人や家族連れが多いところを見ると、
地元の人々が観に来ているんだろう。
あんなにチケット代が高いのに、良く来るなぁ。

「あ、ひょっとして招待券か?」

自分だけが金を払っている気分になってきた。
己の馬鹿さ加減が情けなくなりつつ観戦開始。

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・オープニング

体育館内の照明は全て消え、ショーアップ用の照明がリングを照らす。
そこにスタンバイしていたロシアの妖精達が華麗なるダンスを披露。
地方興行でも、掣圏道のダンスは健在。

・代表挨拶

「2001年・宇宙の旅」のテーマと共に、
掣圏道の渡部 優一氏がリングに登場し挨拶。

「本日は、ご来場、誠に有難う御座います。

 いつもは、この挨拶は代表である佐山氏が挨拶するのですが、
 今日は、久しぶりの僕の担当地区の興行なので、私が挨拶します。

 尚、佐山代表には、後程、行われます演舞の後に、
 武士道、武道としての掣圏道の精神性について説明があると思います。
 そちらの方も、是非、聞いてください。」

佐山の・・・演舞!?

今日は何をすると言うのか?
ある意味、楽しみだな。

この後、渡部氏はインストラクター2名を介して掣圏道のルール説明。
今日は3つのルールが使用されるらしい。ややこしいな。

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●パンクラチオン・ボクシング
普通の総合ルールと思って良いでしょう。

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●アルティメット・ボクシング
◎3分 × 3R制
◎ニー・オン・ザ・ベリー状態や、寝ている相手を跨いだ状態からパンチは有効。
◎グラウンド膠着はブレイクの対象。マウント・ポジションもブレイクの対象。
 「マウント・ポジションは足で相手を固定する1vs1用のポジションなので、
  市街地型格闘技である掣圏道では無効のポジション」なのだそうな。 
◎関節技は、スタンド・グラウンドの両方で無効。
◎ヒジはなし。グローブはキックやボクシングと同じグローブを使用。
あとは、普通のキック・ボクシングと同じと思って良いでしょう。

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●キック・ボクシング
◎ヒジなしの普通のキック・ボクシングと同じと思って良いでしょう。

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※今回は公式パンフに身長や体重に関する記載がなかったので、
 観戦記にもこれらのデータはありません。あしからず。
 また、知らない選手が多いので、試合もダイジェストで行きます。

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第一試合 パンクラチオン・ボクシング ウェルター級 5分2R
○クルマンタエフ ラミル(SWA/ロシア)
●磯 英哉(B-CLUB/日本)
[1R 3分52秒 TKO]
※レフェリーストップ

磯は最近復活したプロレス団体、バトラーツ系列のB-CLUB所属の選手。
今日は勝つ事が出来るか?
ちなみにこの試合は、ルールは総合ルールなのだが、
何故か両者共にボクシング・グローブを着用。
これでは、関節は取り難そうだな。

それにしても、
こんな地方興行でも、選手の入場前には妖精達のダンスがちゃんと存在した。
この辺は、興行としてもっと評価されても良いと思うんだが。

試合開始、ラミルは打撃でプレッシャーを掛けると、
磯は頭から突っ込む胴タックルで突進。しかし鋭さには欠け、
難なくラミルにかわされてしまう。
それでも接近して組み付いた磯ではあったが、
ラミルは磯の首をフロントチョークに捕えて引き込む。
これは極まりきらず、膠着ブレイクとなったが
僕はこの時点で「これでは、磯の勝利は難しいな」と思った。

試合再開、ラミルはタックルで組み付く磯のボディに膝を立て、
離れてはストレート、ミドルキックでダウンを奪う。
何とか立ち上がった磯だったが、
ラミルは勢いで磯を倒し、上からパンチの雨あられ。
磯の口が「グウゥッ!」という呻き声がもれたところで、
レフェリーが試合をストップした。

第二試合 パンクラチオン・ボクシング ミドル級 5分2R
○大田 英夫(K.I.B.A/日本)
●ザルエフ ジャワトハン(SWA/タゲスタン)
[1R 2分37秒 腕ひしぎ逆十字固め]

目の前でステッキを持ったレオタードの妖精達が踊っている。
イヤイヤ、あんなに尻がデカいのに、
よくもあんなに軽やかにステップが踏めるもんだな。

大田は元MAキックで王者だった港 太郎が、
総合を始めるに当たって設立したK.I.B.Aの所属。
ならば、この選手もキックの選手なのだろうか?
ちなみに、第一試合の総合ルールの時と違い、
この試合は両者オープンフィンガー・グローブを着用している。

試合開始、大田はミドルキックとローキックでザルエフを牽制。
ここから両者はロープ際で組み合ったが、試合は膠着しブレイク。
再開すると、試合は打撃戦に突入。
ザルエフは重いローキックで大田を蹴ると、
ここから接近し組み付いてテイクダウン、
インサイドから殴りにかかる。
しかし、下になった大田がザルエフの腕を取り、
逆十字を仕掛けると、これが狙い通りズバリと極まり、
これでザルエフはタップ。

大田、鮮やかです、お見事です。
ミドル級の体格なら、PANCRACEあたりに出場しないかねぇ。

第三試合 アルティメット・ボクシング スーパーヘビー級 3分3R
○ナリマニゼ イメダ(SWA/グルジア)
●トラシャゼ イリア(SWA/グルジア)
[判定 3−0]

この試合からは、いわゆるアルティメット・ボクシング。
投げあり、マウントありの打撃ルールは中々面白いのだが、
このルールのイマイチ浸透度が低いのは、
やはり佐山氏自身の方向性のせいだろうか?
マスコミも、全然、彼を取り上げなくなったしね。

トラジャゼの入場時に登場して妖精達の衣装が凄い。
頭には小林幸子ばりの大きな飾りを付け、
白いビキニで魅惑のダンスを披露する。
それをポカーンと眺める埼玉県人達。

この試合、両者の対象的な構えが印象的。
ピーカブースタイルで、ガチガチに防御を固めるナリマニゼに対して、
全くガードを固めない、ノーガードスタイルのトラシャゼ。
そして両者共に体は超ヘビー級、
そこから繰り出されるパンチにはかなりの迫力がある。

試合はガチガチに防御を固めるナリマニゼに対して、
ガードの隙間を突いてトラシャゼがドカドカとパンチを打つ展開。
ノーモーションから来る重いパンチにナリマニゼは反応出来ず、
早い段階から顔面から流血が見られた。

それでも、ナリマニゼは組み付けば強かった。
投げから上の状態を常にキープ、上からパンチを落していた。
また、ナリマニゼのカウンターのパンチは、
ノーガードのトラシャゼにガシガシとヒット。
それでも、的確なダメージを与えていたのは、
手数の多いトラシャゼのように思えた。

そして試合は、この図式のまま3Rを終了。
判定、テイクダウンをとるか?ダメージを取るか?だったが、
レフェリーは全員、テイクダウンの多かったナリマニゼにポイントを与えた。
まあ、どっちが勝者でもおかしくない試合だったように思えるが。

第四試合 キック・ボクシング ウェルター級 3分3R
○笹羅 崇裕(仙台青葉ジム/日本)
●ガリヤクベロフ オレグ(SWA/ロシア)
[2R 1分59秒 KO]
※組み付いて、ボディへのヒザ

オレグの入場時の妖精達、子猫に扮して登場だ。
コスプレもありなのか、掣圏道。

さて、この試合は通常のキック・ボクシング。
でも肘はなし。う〜ん、やっぱりキックには肘が欲しいなぁ。

試合は1Rから打ち合いに。
お互いにミドルキックを打ち合い、さらには1・2パンチも交差する。
ここで押し始めたのはオレグ。ローキックで笹羅をぐらつかせると、
重いミドルキックで追い討ちをかける。
しかし笹羅も負けていない。ローキックで反撃すると、
1・2・ミドルキックのコンビネーションも決めた。

両者はさらに打ち合う。この激しい展開の中、
オレグのローキック、1・2パンチ、
さらにはストレートがクリーンヒットしたが、
笹羅も打撃を繰り出すのを忘れない。
この男、中々に気が強いな。

2R、やはり試合開始時からパンチや前蹴りが交差し、
組み付けば、お互いが圧力を掛け合う展開に。
段々とケンカマッチの様相になってきたが、
オレグは突然の飛びヒザ蹴り、ジャンピングハイキックで奇襲をかけると、
笹羅に組み付き、足を引っ掛けてテイクダウン。
この時、後頭部を強かに打ちつけた笹羅は立ち上がれずダウンが取られた。
立ち上がった笹羅だったが、オレグは尚も笹羅の首に組み付いて投げを放つ。

これらの行為は、キック・ボクシングでは反則。
オレグのラフファイトに笹羅が怒った。
怒りの打撃でオレグに圧力を掛けると、
オレグに組み付いて、強烈なヒザをボディに叩き込む。
この一撃でオレグはダウン。しかも、あばらを両腕で押さえてうめいている。
これを見たレフェリーが試合をストップ。

勝ち名乗りを受ける前に、
笹羅は倒れるオレグを見下ろし「ガアァーッ!」と一吼。
結局、オレグはその後も立ち上がる事が出来ず、担架で運ばれていった。
ケンカマッチは、らしい結末を迎える事に。

ちょっと調べたのだが、
笹羅はNJKFを中心に活躍していたキックボクサー。
しかし、今は彼が所属している仙台青葉ジムは、
MA日本キック連盟に提携団体を変更しているので、
当然、彼を観たければMAキックを観に行くことになるわけだな。
今日の勝ち方は中々カッコ良かったから、そのうち観に行こうかなぁ。

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・さようなら、初代タイガーマスク。

ここで、掣圏道代表の佐山サトル氏による演舞が行われた。
それまで静かだった観客が、ヤンヤヤンヤの歓声を挙げる、のだが・・・。

花道を歩く佐山氏の姿に、心底、驚いた!

初代タイガー時代の見る影もなく太りまくった佐山氏は
白い着物に白い袴、上半身にはタスキ掛けをした姿で登場。
そして頭にはタイガーマスクを被り、腰には日本刀を携えている。

僕がどう驚いたのかは、ノーコメント。

そして、佐山氏がリング内に登場するや否や、
どこからともなく尺八と共に浪曲が流れ始めた。

ここで日本刀を抜いた佐山氏は、BGMにノッて一刀流の演舞を披露。
「イヤアァーッ!」「エイイッ!」という掛け声と共に、
大きな体を揺らして飛び跳ねながら日本刀を振り回す、
タイガーマスク姿の佐山氏。

ある諺を思い浮かべる光景だが、ノーコメント。

一通りの演舞を終え、正座して一礼した佐山氏が、
やがてマイクを取って挨拶する。

「本日は、ご来場、誠にありがとうございます。

 掣圏道がこの世に生まれて、三年が経ちました。
 今日、ここで、その技術や精神性を披露できる事を嬉しく思います。

 私は、十年前より精神の強さについて研究し・・・」

佐山氏がユングやフロイト等を研究し、
「掣圏道」という一つの武道に辿りついた事を紹介。

現代日本の精神性の弱さを紛糾。
「正座して、背筋を伸ばして、顎を引き、煩悩を断ち切れば、
 今の日本の足音が聞こえてきます。」

終戦後、アメリカによって、
日本古来のあらゆる思想や学問が禁止されてしまった事を嘆く。
又、現代日本には誤った歴史が横行し、
正しい歴史は今に伝わっていない事を紛糾。

戦時中の特攻隊の精神性の素晴らしさを紹介。
「彼らがいたからこそ、今の日本がある。」

そして、現代日本を批判。
「現代日本の若者達には、精神があると言えるでしょうか!?」
という佐山氏の叫びに、お年寄りのお客さんが「そのとおりっ!」と声を挙げる。

やがて、自身に掛けられている疑惑について証言。
「最近、私の事『右翼』だと噂する人がいます。
 それについて、私は断言します。

 私は『右翼』ですっっっ!!!

 そして、華々しく散っていった特攻隊の魂が僕の守護神です。

 選手達は皆、命がけで闘っています。
 今日は選手の精神力も見てくださいっ!」

4月に観た時に比べて、
佐山氏はよりそちらの世界に入ってしまったようだ。

さようなら、初代タイガーマスク。

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第五試合 アルティメット・ボクシング スーパーヘビー級 3分3R
○シベリゼ ダビド(SWA/グルジア)
●シャパリゼ イワン(SWA/グルジア)
[判定 2−0]

佐山氏の演説の直後にロシアの妖精達のダンスを観ると、
「掣圏道が本当に目指しているモノって何なんだろう」、
と考えさせられてしまう。

ダビドはトム エリクソンばりの体毛だが、
背も高く、筋肉の付き方も悪くない。
それに比べると、イワンは中肉中背。
両者のリーチ差が気になる。

試合は予想通り、ダビドが距離をあけてローキックで牽制する展開に。
これに対してイワンは攻略の突破口が見つからずに苦しんでいる。
イワンは時折、組み付いてはテイクダウンを奪うのだが、
ダビドに決定打を与えられない。
逆にダビドは3R、スタミナの切れたイワンに一方的なパンチの連打。
この頃には、イワンは完全に試合を捨てた態度を取っていた。
試合は判定までもつれこんだが、ダビドが大差の判定勝ち。

第六試合 アルティメット・ボクシング ライトヘビー級 3分3R
○瓜田 幸造(掣圏会館/日本)
●ブラシュク アリアクサンドル(SWA/ベラルーシ)
[判定 3−0]

瓜田はコンバットレスリングで活躍し、
アマチュアキングダムでも優勝している実力者。
しかしアルティメット・ボクシングの戦跡は、
8勝7敗4分とイマイチの結果。
今日は勝つ事は出来るのか?

1R、瓜田が離れた距離から大振りなパンチで突進し、
タックルでテイクダウンを奪っては、
一方的な上からのパンチでブラシュクから印象点を奪っていく。
寝かされたブラシュクが嫌がって逃げるのだが、
瓜田は技術で上のポジションをキープし続けてパンチを連打。
これでブラシュクから2回のダウンを奪った。
ここまではスタンドでもグラウンドでも瓜田が圧倒的に強く、
KOは時間の問題、と思われた。

しかし、ブラシュクは一発一発の打撃が重い。
2Rにはハイキックを二発ヒットさせ、
さらにはタックルに来た瓜田の顔面に前蹴りをヒットさせダメージを与える。
ラウンドが進めば進むほど動きの良くなったブラシュク。
打ち合いになればこれに良く応戦し、逆に瓜田を追い詰めていく。

対する瓜田、テイクダウンからの一方的なパンチ連打で、
3Rにも1回のダウンを奪ったものの、
ブラシュクはグラウンドのパンチをいくら食らっても、
一方的にパンチを浴びてダウンを取られても、
その度にケロッと立ち上がって来てしまう。
逆に、攻め疲れが見える瓜田。
これではどちらが攻めているのかわからん。

試合開始時には「1R決着必至!」と思われた試合は、
結局は判定までもつれこんでしまった。
一応ダウンを奪いつづけた瓜田が大差の判定勝ちを納めたが、
瓜田がしきりに首を振っていたのが印象的だった。

第七試合 アルティメット・ボクシング ヘビー級 3分3R
○マトキン セルゲイ(SWA/ロシア)
●グル セルゲイ(SWA/ベラルーシ)
[判定 2−1]

「グル セルゲイ」と言うと「誰、それ?」となるだろうが、
「セルゲイ グール」と書き直せば、ピンと来る人もいるはず。
今年のK-1 JAPAN富山興行にて、
ローキックに来たニコラス ペタスの右足を、
左足のブロックで折ってしまったアノ選手の事だ。

対するマトキンは、4月に観戦した掣圏道にも出場した選手。
この時はパワーファイターの、
アブドゥラフマノフ アブドゥルジャリル(長い名前だな、オイ)と引き分けている。
一応、僕にとっては「知っている者同士の対戦」だが、
当然ながら、周りの観客は彼らの事を知っている訳はない。

試合は、マトキンの攻めに対してグルが凌いで反撃という図式。
K-1 JAPAN出場時も、それ程には派手な技はなかったグル、
元々、カウンター待ちの選手らしいな。

そして実力は拮抗、試合は一進一退の展開。
1R、マトキンは牽制のジャブやローキックで、
グルのガードの上からガンガン攻めまくる。
これに対して、グルはローキックやフックで反撃。

2R、両者が組み付く展開が多く見られた。
ここからはヒザ合戦、両者譲らない。
そして離れると、マトキンはストレートで、
グルはカウンターのフックで攻める。
両者が打ち合いになる場面もあったが、
ここでも両者に差が出ない。

3R、これまで下がりながら攻撃していたグルが前へ出る。
ローキックを軸に攻撃するが、マトキンはここで組み付いてのパンチ連打、
重いミドルキックやローキックで逆襲。
そして、ここでグルがスタミナ切れ。段々とパンチが大振りになってきた。
これに対して、マトキンはストレートをバシバシとヒットさせていた。

しかし勝負は判定にもつれこむ。
結果は2−1という僅差でマトキンの勝利となった。

第八試合 アルティメット・ボクシング ヘビー級 3分3R
○アンハレビチ ヤウヘン(SWA/ベラルーシ)
●桜木 裕司(掣圏会館/日本)
[判定 3−0]

掣圏道のエース・桜木の登場、
折角、妖精達がリオのカーニバル状態で腰を振りまくっているのに
観客から何の歓声も起きない。まあ、知名度を考えれば当たり前なのだが。

1R、桜木はソバットでヤウヘンを牽制。
お互いのミドルキックやローキックが交差する打撃戦の中、
ヤウヘンは1・2パンチ、桜木のハイキックに合わせてヒザ、
さらにはコンパクトなパンチのラッシュで一方的に桜木を攻めたて、
離れ際にはローキックを打っていく。
桜木が踵落しを見せれば、これに合わせたかのようにラッシュを仕掛け、
このパンチが次々に顔面にヒットしていく。
1Rはここで終了、ヤウヘンのパンチにはスピードもパワーもある。
桜木、今日は強豪を相手にしているな。

2R、両者の打ち合いだ。
パンチやローキックが交差し、パンチがお互いの顔面にヒットしていく。
しかし、打ち合う度に両者のポテンシャルの違いが出始める。
的確に顔面に重いパンチをヒットさせていたのはヤウヘンの方、
桜木の動きは時間が進むにつれて徐々に悪くなっていった。

3R、やはり打撃戦、気合の入ったヤウヘンのラッシュが桜木を襲う。
それでも桜木は、このラッシュを何とか凌いで笑みを浮かべる。
さらにミドルキックで反撃を試みるが、
ニ発目のキックに、ヤウヘンのカウンターのストレートが入ってしまった。
一瞬怯んだ桜木だが、それでも根性でヤウヘンに打撃戦を仕掛けていく。
結局、最後までお互いの打撃は止む事はなかったが、
ヤウヘンのペースで進んだ試合の流れが変わる事はなかった。

判定は3−0でヤウヘン。
前回の観戦時にはどこかお粗末なイメージのあった桜木だが、
今日は中々良かったように思える。が、とにかく相手が悪かった。

---

雑感:
ある観客同士の会話の中で、
「これだけの興行に対して、この客入りは寂しいな」、
と言っていたのを聞きました。

興行としての完成度だけで言うなら、
僕も同意見なのですが・・・。



・・・。



さようなら、初代タイガーマスク。

---

以上、長文失礼。




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