ウルティモドラゴン復活への道
■団体:闘龍門
■日時:2002年9月8日
■会場:有明コロシアム
■書き手:凸ユーレイ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 昨日と同じ、長方形の短辺の一方を入場ゲート側として客席をつぶす約8千人仕様。やはりアリーナは満員(ただし椅子の配置は昨日よりゆったり作ってある)、スタンドはいくぶん空席が目立つ、といったところ。活気は、昨日よりあります。闘龍門は昨年12月の駒沢以来。客層に女性が多いのは変わらないが、若干ケバめにシフトしたようなのは気のせいか? あと、子どもが少ない。若い母親が、仮面をつけさせたり玩具にして連れてきているのが目立つ程度。

 アリーナに客席が少ないのはもう一つ理由があって、闘龍門JAPANの普通の正方形のリングと、T2Pの六角形のリングとが、2つ並べて設置されているから。
 本日、通常の選手のMCによる見所紹介はなく、着ぐるみのマスコット及び2人のリングアナによる、やや硬めで冗長な大会の説明、さらに全選手入場でスタート。
 JAPAN vs T2P の全面対抗戦であり、使うリングによって有利不利がある、そこで入場式のあと抽選が行われた。ここからようやく、スキットのはじまり。
 第1,2試合は順当に、抽選の勝者が自軍有利のリングを選ぶ。これも前振りとして重要。第4試合、斎藤了が敵であるはずのT2P森に「アンソニー!お前はどっちのリングでやりたい?」とよけいな希望を聞き入れてしまい六角形を選ぶ(笑)。さすが斎了。
 SUWA vs 大鷲 では、抽選関係なく乱闘が始まり、特別に両方のリングを使うことに。マグナムは「踊りに来たんだからそんなのどうでもいい」と言い放ち、セミの6人タッグの抽選ではCIMAが当たりを引いたと思わせてミラノが「いま、ズルしました」と指摘し六角形リングになる。ミラノの喋りはイマイチ。しかしこれが反感を植え付けルードとしてはいいのかも。

1.堀口元気、○横須賀亨(8:36横須賀カッターから)セカンド土井、×岩佐卓典
 土井組は『巨人の星』で、M2K『サーフィンUSA』悪バージョンで入場。テーマ曲だけは昔の正調ビーチボーイズのほうが良かった。高揚感があって。
 しかしファイトは、堀口はやたらキレがあり、横須賀は地味だが巧く、第1試合の適任者である。とくに堀口、攻めるときもやられているときも、顔と全身で表情を作り、スタンドからでも非常に分かりやすい。昨日と、スタンドの席の位置はほぼ同じなのだが、この試合が始まってすぐに、ああやっぱり動きがわかりやすい、プロレスはいいな、と素朴に思った。いや好みの問題と、会場の関係等ありますが。
 土井は、スライディングしてユニフォームの泥を払う小ネタ、回転エビで上になる体勢から一瞬逆エビ、すぐ裏返してカンパーナ、の動きが鮮やかだった。リンピオなのに金髪デブ顔面ペイント、ファング鈴木似の岩佐も、なんか複雑なジャベの固め技を出してた。

2.○大柳錦也(8:17ジャックナイフ)×三島来夢
 T2Pの選手を見るのは旗揚げ戦以来2度目。そのときは二等兵だった大柳、とある方面からの抗議があったらしく、すぐに受験生キャラに変更されている。してみると、貴重なものを観ることができたのかも。
 まず、牛乳瓶底メガネを外しては勉強できぬと、レフェリーに抵抗。横山やすしのギャグ「メガネどこやキー坊」を織り交ぜ、相手の三島が「はめたままでいいよ」と許可するやメガネを取り去ってファイティングポーズ。
 ゴングが鳴っても、受験生として参考書を片時も離さない。片手に持って読みながら、関節技で三島を翻弄。この当たりの動き、メリハリ効いてて、淀みもなく、大変面白かった!
 中盤、しゃちほこマシーンが4匹乱入。どちらに味方するわけでもなくしっちゃかめっちゃかに。ただ出したかっただけなんだろうな… それやりたいなら最初からタッグかバトルにすれば良かったのに。
 首から下が永田、首から上はえなりかずき(上も下も大差ないか)の三島、相変わらずな感じ。

3.○ウルティモドラゴン・シート(3:33裏四の字固め)×リック市川フレアー
 ストーカー市川暴走十番勝負の最終戦。『ツァラトゥストラはかく語りき』に乗り金髪のズラで登場の市川、「WHOOO!」を観客に何度も要求。
 「X」と発表された相手は『セパラドス』の別アレンジで登場。なんのことはない小っちゃいウルティモ。マネージャーとしてサニー・オノオを帯同。
 これはたぶん、単なる校長の謝恩ブッキングで、試合内容的には疑問。しかし市川の、フレアーウォークの無意味な物真似など、舞台設定、小ネタでは楽しめた。

4.○新井健一郎、斎藤了、スペルシーサー(5:49阪神タイガースープレックス)×アンソニーW森、フィリップJ福政、ヘンリーIII世菅原
 新井組、菅原文太の『一番星ブルース』でなく、宇崎竜童バージョンの『山谷ブルース』で入場。
 この試合冒頭タバコを吸いに行っていたので(すみません王子様)、なにがなんだかわからなかったが、あっという間にJAPAN正規軍側が4エスケープを取られてしまったらしい。リチャリブレクラシカ・ルールなので、あと1エスケープでJAPANの負け。
 ここから先、めまぐるしい関節技、飛び技の応酬。とても再現できないが、タッチしないで交替できるルチャならではの、こうした6人が入り乱れる展開なら、六角形のリングも生きると思った。
 フィニッシュは、アラケンたぶん初公開のタイガーSPXだが、名前の頭に「阪神」とつくらしい。
 斎藤了マイク「新井さん!JAPANもすばらしいですけど、アンソニーもすばらしいです!」抱き合う2人。フジイさんから乗りかえて、新たな友情物語の始まりか?

5.SUWA(14:38ノーコンテスト)大鷲透
 因縁の2人、両方のリングだけでなくアリーナ中を縦横無尽暴れ回る。
 荒谷似の大鷲、身体の大きさをアピールしたいんだろうが無駄な動きが多く、さらに鈍い。ジョン・ウーを受けて後に吹っ飛ばず、よろよろ後退するだけなんだもん。それじゃダメ。
 まあ大鷲攻勢の場面が長かったんですが、それを受けに受けたのち、キレイなフォームの技で反撃するSUWAは素晴らしい。メリハリ効いてる。
 レフェリー暴行でノーコンテスト、その後の場外乱闘で駆け回り、すごい勢いで花道を飛び越え横の客席にダイブしていったSUWAにどよめきが起こる。 T2Pが旗揚げ以来と書いたが、闘龍門そのものも昨年12月の駒沢以来。客層、女性が多いのは変わらないが、若干ケバめにシフトしたようなのは気のせいか? あと、子どもが少ない。若い母親が、仮面をつけさせたり玩具にして連れてきているのが目立つ程度。

 ここまでは、軽快な第1試合、お笑いが2つ、リンピオ同士の華麗で目まぐるしい試合、ルード同士の乱撃戦、と良い調子で来ました。次が、人によっては最も重大な、私にとっては……の試合です。

6.エキジビション ウルティモドラゴン(8:54ドクターストップ)望月成晃
 『セパラドス』は名曲だと思うがウルティモには思い入れのない私。校長は練習用の飾りのないマスク、スパッツ姿でリングイン。
 10分の予定がやはり肘を痛めて途中ドクターストップ。挨拶で「今の私にはここまでしか出来ません…」と弱気なウルティモ。
 そこに C-MAX の面々、マグナムがリングに現れ、ひとりひとり、校長に憧れた気持ちを、励ましの言葉をかけ、正調ウルティモドラゴンのコスチューム、そのパーツをひとつずつ足元に投げ渡していく。
 最後に、いまはルードとなったが校長と過ごした時間が一番長いマグナムが。これはちょっと、心に響きました。
 コスチュームを抱え、望月に支えられて退場するウルティモ…。

7.○マグナムTOKYO、ラティンラバー、ディスコインフェルノ(6:42エゴイストドライバーから)コンドッティ修司、×ペスカトーレ八木、ベルリネッタボクサー(T2P)
 マグナム組、1人ずつ入場。インフェルノはジョントラボルタ風の単調な振りを繰り返すのみだが、一つの道も究めれば達人、といったところか。ラティンラバーは腰をくねらせエロ。
 マグナムの『TOKYO GO』では爆発。もちろん小会場でやるより密閉感では劣るものの… ひさしぶりだったので、堀口と横須賀が見事にバックダンスをこなしているのに驚く。器用だなあこの2人。
 試合は… っていうか試合中も踊ったりして、3人が気持ち良さそうだった。インフェルノは木偶の棒だからいいとして、ラティンラバーは勿体無かったかも。内容云々じゃなく、この日のベスト。タノシー。
 勝利後のダンス、マグナム隊に入れず戸惑う外国人2人。しかしマグが呼びかけるとサビ部分を一緒に踊る! ぎこちなかったけど、何だ少しは練習してたんじゃん。

セミ UWA世界6人タッグ選手権
○ミラノコレクションA.T、YOSSINO、“brother”YASSINI(挑戦者)(15:08A.Tロック)×CIMA、ドンフジイ、TARU(王者)
 出来がよくなかった。凡戦。
 ミラノはやっぱり、痩せぎすで手足が長く、動きがカクカクして何か変。brother は小ささが目立っちゃう感じ。YOSSINO は負けん気の強そうな顔つきといい動きといい、良いのだが、イタリアンコネクションにいると存在が殺されている気がする。T2Pはリンピオ軍の方がいいですね。

メイン マスカラコントラマスカラ
○ドラゴン・キッド(2−1)×ダークネスドラゴン
※1本目 6:30両者リングアウト 2本目 12:11ドラゴン・ラナ
 3本勝負の1本ずつを別々のレフェリーが裁く、そのレフェリーのうちの1人に、神田裕之が入っている、そこがミソ。
 クジで、最も重要だと思われる「3本目」を引き当て小躍りする神田。
 1本目、早くもマスクに手をかけ、敵を流血に追いこむクネス。M2Kお得意の両者リングアウトに持ちこむが、ここで誤算が。次は2本目になってしまい、味方レフェリー神田の出番がなくなってしまったのだ。大げさに頭を抱える神田(笑)。
 2本目、どんどん大っぴらに試合に介入し始めるM2K、フォールされたクネスのカットに、レフェリーをKOするという暴挙。もうお分かりですね。2人目のレフェリーも倒されて登場したは神田、大喜び。
 しかししかし!この神田、めちゃくちゃ公平なレフェリング。クネスの大技攻勢に、カウント2.9ギリギリで返し続けるキッド、和田京平ばりにマットに手をつかない神田(笑)。焦れて詰め寄るM2K。神田も、セコンドの加勢は注意せず。
 完全に4人がかりでキッドを攻めるM2K、ブルーボックスを神田に渡し、さあ殴れとキッドの頭を差し出す。もうお分かりですね。キッドでなく、仲間のM2Kひとりひとりの頭をブチ抜く神田! キッド逆転勝利。
 試合の焦点が完全にレフェリーの態度に集中してしまって… もちろん 2.9 プロレスに身体を張った2人がそれを支えていたことは確かなんだけど…

 クネス潔くマスクを脱ぎ、キッドと抱擁。
 キッドのマイクで大会の締めかと思ったら、流れてきたのは『セパラドス』! ウルティモ、さっき渡されたコスチュームを身に纏って登場!! さらにJAPAN、T2P各選手を呼び込んで挨拶、締め。

 この日は、JAPAN vs T2Pというメインテーマ、それが実はウルティモの復活という裏テーマだったのかそっちのほうが大きかったのか、ウルティモに収斂されていった大会でした。その分、そこに思い入れのない自分としては有難味はそうは感じなかった。
 しかし興行全体としては、他の団体と比べて十分、充足度の高いものでした。




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