明けるには早かった?「パンドラの箱」
■団体:闘龍門
■日時:2002年9月8日
■会場:有明コロシアム
■書き手:しゃらら

筆者が闘龍門を見るのは今回で二度目。
最初は一年前のディファ有明のJAPANの興行だった。
まさかその当初はマグナムとモッチーの立場があべこべになったりとか、T2Pという新たな流れが出てくるとは予想もしなかった。
そして、有明は有明でもコロシアムというオオバコで興行を打つということも、である。
加速度的に見るものを置き去りにもしかねないスピードで疾走する闘龍門。
今回はT2Pと闘龍門JAPANの対抗戦ということで、互いのリングである六角形と四角形のリングをくじ引きで選ぶとのことだ。
「今日がゴールではなく、今日から新しいスタートを切るつもりで頑張ります。」との岡村社長の試合前のコメントで闘龍門の大勝負が始まった。

<第一試合>堀口元気・横須賀享 対 岩佐卓典・セカンド土井 (リング:四角)
一年前のディファでは「ハゲ」ネタで笑われるキャラクターに過ぎなかった堀口元気。だが、M2Kに入ってから「ハゲは選ばれた人間しかなれねぇんだよ!」という見事な開き直りっぷり。
姑息なヒールとしてのびのびとプロレスを楽しんでいるかのようだ。
パートナーのススムもSUWAやキッドと名勝負を繰り広げた事のある試合巧者。
そのキャリアの違いが出たのか岩佐・土井のT2Pチームには余り目立たず。(セカンド土井のスライディングネタぐらいしか覚えてない。)
最後はモチススの横須賀カッターで土井からフォール勝ち。

<第二試合>三島来夢 対 大柳錦也 (リング:六角)
「そのまんま永田」の三島来夢。彼は一体永田の何に惹かれたんだろうなぁ。
相手は闘うときも片時すら参考書を離さないT2Pきっての異色レスラー・ビン底メガネの受験生、大柳。
オオバコだからサービスで「大柳二等兵」を久々に出してくれるかと思ったので、ちょっと残念。
でも、なんだかんだ言ってやはり噂で聞いたとおり面白いなー。大柳受験生。
コブラツイストで「ハイッ!」っと勢いよく挙手しながら相手を極めたり、噂の万歳しながらの「三段バンザイボディプレス」でお客を沸かすなど、大柳ワールド満開。
試合のほうは「永田シート」三島が大柳をナガタロックにとらえたところでいきなり音楽が!「燃えよドラゴンズ」とともに出てきたのはしゃちほこマシーンズ!
トップロープでしゃちほこポーズをとった後に、ドラゴンズメガホンで三島を殴打!更に三島・大柳を捕らえて公開処刑か!?・・・と思いきややはり、やはりの同士討ち。
最後は三島がしゃちほこにとらえられたところを大柳がドサクサ紛れにジャックナイフでフォール勝ち。
意気揚々と、でもちょっと納得いかないのか頭を傾げながら最後に万歳をきめる大柳。おもろかったぞー。
そしてトボトボ帰っていく三島。まぁ頑張れ。
そして、試合が終わっても未だ仲間割れを続けるしゃちほこマシーンズ。何をしたかったんだ、チミたち・・・・。

<第三試合>ストーカー市川暴走十番勝負最終戦 ストーカー市川 対 X
流れてくるは「ツァラトゥストラはかく語りき」(『2001年宇宙の旅』のテーマ曲)。出てきたのは銀髪に青ラメのローブを着た闘龍門最弱のレスラーと誉れ高い(?)ストーカー市川!リック=フレアーなのかなぁ。銀髪だし。と思ったら「リック市川フレアー」とのアナウンス。みんなわかってるんだろうなぁ。元ネタ。「Woooo!」も場内から聞こえてたから。
暴走十番勝負のトリを飾る相手ということでどんな大物(ひょっとしてゴールドバーグ!?と思った私は馬鹿ですか。)が出るかと期待したのだけれど、出てきた相手は「ウルティモ=ドラゴン=シート」・・・えーと、それって誰?
試合のほうはやはりドラゴンを名乗るということで空中殺法を駆使するドラゴン=シートにやられっぱなしの市っちゃん。しかし一瞬の隙をついて武藤張り、には遠く及ばないシャイニング=ウィザード!・・・ってねぇ、フレアーは?
そしてフレアーを名乗っている手前、四の字で極めに行く!・・・「あ、やな予感。」と思うと同時に逆に返されて、裏四の字で敢え無く市っちゃんギブアップ。あーあ。
まぁ確かに面白かったことは面白かったけどねぇ・・・・。予想内の範疇の結末ということでチト不満が残った一戦。

<第四試合>
斉藤了・新井健一郎・スペル=シーサー 対 アンソニー=W=森・フィリップ=J=福政・ウイリアム三世菅原(リング:六角)
試合前の抽選で選択権を得たJAPAN側。当然、四角!と思いきやクジを引いた斉藤了、あろうことか対戦相手の王子・森に向かって「アンソニー!お前はどっちで戦いたい!」と聞く始末。っておのれはー!ボケもたいがいにしろー!ということで了の厚意に甘えて(?)T2Pの六角形リングで試合開始。
試合開始後、王子様・森の見事なジャベに斉藤・シーサがつかまりあっという間に4エスケープ。もうエスケープのできない所まで追い込まれる。しかしテーマ曲を一新し心機一転のアラケンが獅子奮迅の大活躍。石頭ひとつでT2Pをなぎ倒し、王子のジャベで絶体絶命のピンチに立たされるも根性で切り抜ける。
最後はタイガースープレックス改めアラケン自称「阪神タイガースープレックス」で菅原をフォールし、勝利。
「帰ってきました!やっぱりJAPANは最高だな!なぁ了!」と意気揚々なアラケンに対して了、
「新井さん!JAPANも最高ですけど、アンソニーも素晴らしいじゃないですか!」と王子と抱擁・・・・バカもここまでくると何も言えん。負けたわ。コイツは頭の構造1年前となんら変わってない。ある意味素晴らしいぞ。

<第五試合>SUWA 対 大鷲透 (リング:四角・六角)
先日のディファ有明のJAPANの興行で試合中に乱入し、SUWAをボコボコにしたT2Pきってのパワーファイター・大鷲透。売られた喧嘩を買わないわけがない武闘派SUWA。
というわけで六角形・四角形リング両方使ってもーハチャメチャやるやる。戦前ではブチぎれSUWAが大鷲ボコボコでノーコンテストかな、と思ったんですがそれもSUWAがコンバットスーツモードで襲撃した序盤戦まで。時の勢いか力馬鹿・大鷲が逆襲を開始。SUWAが緩めた六角形リングのロープに逆にSUWAの両腕をしばりつけ、頭をパイプ椅子で殴打。そして高角度ののど輪落としと場内のSUWAへの大声援を逆なでするかのように攻めまくる。
SUWAもジョン=ウ=キックを繰り出すも大鷲吹っ飛ばすに至らず、ならばHHHで仕留めようとするが大鷲が力で返すなどして形勢不利。最後はSUWAの身代わりとなってキックを受けたレフェリーに対して大鷲ぶちギレののど輪落としによりノーコンテスト。
なんとも大味な試合だなぁ。というのが感想。もっさりな動きの大鷲の力量不足が目立ってしまった格好か。戦う相手はSUWAだけでなく、その後ろにいるSUWAのファンも相手にしている事が彼の頭に入っていただろうか。「どーせ俺は敵役よ!」とまで開き直ってもっともっとSUWAファンを逆撫でするアピールをすればレスラーとして光ったのに。

<第六試合>エキシビションマッチ 望月成晃 対 ウルティモ=ドラゴン
一年前のバリバリ悪役から180度キャラを転換させた「いい人」モッチー。エキシビション・しかも相手が手負いの校長といえど手を抜かない誠意ある戦い方を見せる。校長の背中へのサッカーボールキック・そしてコーナーポストを使っての延髄蹴りと力のある攻めで校長を追い込む。
対するスパーリングの格好で出てきた校長もお得意の空中殺法を披露。場内を沸かせる。緊張感のある戦いであったが試合経過8分の所でキックを互いが放ったところでモッチーの蹴りをガードした校長の左肘の古傷が再発。ドクターストップとなってしまった。
「デビュー戦を迎えるより怖かった」「今の私にはこれがせいいっぱいです・・・」と弱気な発言に終始する校長、そしてざわめく場内。「まさか引退・・・・」と思ったその時、校長の正調リングコスチュームのパーツを持ってきてC-MAX、マグナムがリングイン。
「校長、まだできるじゃないですか!」「まだ、俺らとやってないじゃないですか!」と思いのたけを校長にぶつけながらパーツを校長の前に置くC-MAX。そして最後にマグナム「あとはあんたが決める事だ。」とキメてパーツを置く。校長、無言のままコスチュームを抱えてリングアウト。うーん、ええ生徒達を持ったなー。

<第七試合>マグナムTOKYO・ディスコ=インフェルノ・ラテン=ラバー 対 コンドレッティ修司・ペスカトーレ八木・ベルリネッタ=ボクサー(リング:四角)
ベビーだろうがヒールだろうがマグのダンスは世界一ィィィィ!
ナイトフィーバー野郎・ディスコ=インフェルノと腰クネジゴロ野郎・ラテン=ラバーで場内を暖めて、流れるは『TOKYO GO』!一気に爆発する場内!「てめーにゃ踊らせねぇ!」と六角形のリングで待ち受けるT2Pを横目に横須賀・堀口をはじめとしたバックダンサーを引き連れ四角形リングでマグナムTOKYO‘Sショータイム!
「あれ?今日は踊るだけじゃねぇの?六角形のリングじゃやる気しねぇし帰るわ。四角ならやってもいいけどよ。」と帰ろうとするマグナムを「上等だ!四角だろうが六角だろうがやってやろうじゃねぇか!」とT2Pが襲撃し、試合開始。
「俺ら入場じゃ見せ場ねぇんだよ」というT2P、試合だけでも目立とうと流れを引き込もうとするが、技を決めるたびにナイトフィーバーするインフェルノやノリノリのマグの前に成す術なし。最後は八木がマグのエゴイストドライバーに沈み。ディスコ・ユニットの圧勝。
ノリノリのマグ「もういっちょ踊るぞー!」と再度のショータイム。最後はナイトフィーバー野郎と腰クネジゴロ野郎も加わりGROOVYな有明の夕暮れとなった。

<第八試合>
UWA世界6人タッグ選手権
CIMA・ドン=フジイ・TARU 対 ミラノコレクションAT・YOSSINO・”brother”YASSINI(リング:六角)
抽選でC-MAXがリングの選択権を得たものの「ズルしてました」というイタリア人とは思えぬミラコレの粘着振りにCIMA「やったらどっちでもかまわんわ!」ということで六角形のリングで試合開始。
SUWA同様、漆黒のコンバットスーツモードで入場のC−MAX。あの「ナイスガイ」フジイさんまでもが顔の半面に黒炎のペインティングで剣呑ならざる雰囲気を試合前から醸し出す。
試合が開始するや「T2Pは今日で廃業や!」とCIMAが公言したものを実現するかのような狂乱モードでイタコネをいたぶりまくる。イタコネも六角形リングを利用した立体殺法で反撃するものの、相手をちぎっては投げるかのようなTARU・リング外で援護射撃をするSUWAの活躍もあり、C-MAXが優位に試合を進める。
が、CIMAとミラコレが残ったリング上でミラコレが一気の反撃。ムーンサルトをCIMAに決め、そして必殺のATロック!CIMAも懸命に外そうとするが力尽きギブアップ、場内が静まり返った大番狂わせのタイトル奪取となった。
「ブラボー!これがイタリア人と日本人との差です!」「これからは闘龍門JAPANを闘龍門Italyへ変えようとと思います。」と意気盛んなミラコレ。でもイタリア人にしちゃあ喋りも雰囲気も垢抜けないのはどういう訳か。ついでに粘着質だし。

<第九試合>
マスカラ・コントラ・マスカラ 時間無制限三本勝負
ドラゴン=キッド 対 ダークネス=ドラゴン
3本勝負で、一本毎にレフェリーが変わるという特別ルール。その3人のうちの一人にM2K・神田が。クジで順番を引いたところ、神田が引いたのはなんと三本目!仲間のクネスに有利なレフェリングをするのは明らかで、キッドはこうなると神田に回る3本目の前までに勝負をつけなければならなくなった。
だが、そのキッドの思惑を嘲笑うかのように一本目・クネスはキッドを容赦無く攻める。キッドのマスクを破り、そしてハンマーを使ってキッドを流血に追い込み場外へ。場外でもまたM2kの容赦ないラフプレーにさらされ、リングにもどれないまま両者リングアウトという結果になってしまった。ところが、である。
「一本目両者リングアウトによりポイントは1対1。よって次の2本目で勝敗を決します」とのアナウンスが!
これでは神田が裁く前に試合が終わってしまう!どよめく館内、慌てふためく神田。だが、こんな不測の事態でもM2Kは慌てず騒がず残り二人のレフェリーを負傷退場に追い込む。こうなると自然に裁くのは神田だけとなり、まさにM2Kの思うがまま、あとはバッド=エンディングに一直線
・・と思いきやここで大誤算。当然クネスに対して有利なレフェリングをすると思われた神田があろうことか公正なレフェリングをしているのだ。堀口やマグナムが「(クネスがフォールするときのカウントを)早く!早く!」と言っても意に介さずきちんとレフェリーを続ける神田。
業を煮やしたM2Kはキッドを捕らえて、神田にブルーボックスを渡す。ボックスを振り上げる神田、そしてキッドの頭へ!と誰もが思ったその時、なんと神田の振り上げたボックスはマグナム・ススム・堀口の頭へ!そしてキッド、乾坤一擲のドラゴン・ラナでクネスからカウント3!闘龍門のドラゴンはドラゴン・キッドとなった!
・・んだけど、これ、いいのかなぁ?クネスとキッドの攻防より終盤、神田の動きに目が奪われてしまったというのはどーにも。
神田のとった行動についても「?」が残ったまんまだしねぇ。「ドラゴン対決」と銘打ったからには余計なキャラクターを介在させるべきでなかったのでは?
勝負の後、潔く後手に組んでキッドの前に膝まづくクネス。男の去り際とはこうありたいもんだ。

「ドラゴン対決」を制したキッド。「マスクを守ることができました!校長!見てますか!」とアピール。そして花道から生徒から渡された正調コスチュームに身を包んだ校長が!リングに上がった校長、キッドを労った後「闘龍門JAPAN、そしてT2P、全選手リングに上がれ!」との号令とともに選手入場。
「正直、不安もあります。JAPAN、T2P、メキシコ、どのリングに上がるかもわかりません。ですが必ず、近いうちに私はリングに戻ってこようと思います!」との復帰宣言!校長にとっての新たなスタートが切られたのである!

・・・ってまぁ、面白かった。興行一つとってみれば。ただ、校長にとってのスタートはそれでいいかもしれんが、団体としてJAPANとT2P双方にとっての新たなスタート、という意味では疑問を感じずにはいられない。結果論から言えばこの対抗戦「まだ早かった」と思うのだ。
対抗戦であるならば、両者の実力や勢いが拮抗してこそ面白いのに、場内はJAPAN勢への声援が殆ど。またT2Pがセミまでの戦いでJAPANファンを取り込めたかと言われたらそれは「No」だと思う。
ジャベという見ていて爽快感のない技をメインにしている事。そして何よりJAPANの選手が観客を意識したアピールをしているのに対してT2Pは大柳ぐらいしかキャラクターの確立ができていないというのは問題ではないだろうか。他団体に比べてエンターテイメント性を前面に押し出している闘龍門ならなおのことである。
また、個人的なことを言わせてもらえれば、T2Pを全く見ていない筆者からしてみれば六角形のリングにしたってその必要性が理解できない。六角形リングならではの闘い方ってセミでのイタコネの立体殺法ぐらいしか見受けられなかったし。
ということで、T2Pの選手たちには「キャラの確立とJAPANとのさらなる差別化」を課題としてJAPANと伍していけるほどの実力がつくことを期待したい。上陸後半年余りであるこれからの団体であるのだから、化ける可能性は大いにあると思う。そして、そのレベルまで達した時にもう一度JAPANとの対抗戦を見てみたいー。そう思う。
(個人的には「えせイタリア人」ミラコレにマグが「男のセクシーぶり」の何たるかを教えてやってほしいんですがね。団体を引っ張るリーダーにカリスマ性が欠けるってのはよくねーですよ。あっ、暴言までは教えないで!)




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