2002.8.31 全日本 日本武道館
■団体:全日本
■日時:2002年8月31日
■会場:日本武道館
■書き手:maya(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

出来ることなら、武藤・天龍両プロデュースの違いを見てみたいなと思ったが、前の日にGAEAがあったので出来なかった。ただ、この日の興行を見た結論から言うと、GAEAに行ってよかったみたいだな。

天龍プロデュースということで、WAR色が強いカードに。全日本にWARが入り込んだというより、WAR興行にいつものインディーの選手ではなく、新生全日本の選手が参加したという感じかな。だけど、いつものインディーの選手の方が面白かったな。

定刻になる前にカード発表が始まるが、この時点で笑っちゃうくらい場内ガラガラ。相変わらず客足の遅さはWARらしい。最終的には14,800人(主催者発表)と昨日と同じ。まあ、満員にはならなかったけど、2日連続でこれだけ入れば十分だろう。

特別セレモニーがあるわけもなく、第一試合。なんかいつもの全日本という感じ。

1.○平井伸和 片エビ固め 7分01秒 土方隆司×

二人とも一時よりもはプロレスらしいことをやっているんだけど、土方は以前より荒々しさが欠けてしまったかなという印象もある。 いずれにしろ何を見せたいのか意図がほとんど伝わらない。そういう意図も無いのなら当然だが。

退屈な7分間を文子と永島だったら同じ内容を1〜2分で見せているなと思いながら見てていたが、各所で不評の決め技ロックボトムはなかなか良かった。そういえば、二人とも2世レスラーなんだな。まあ、2世にもいろいろあるけど。

2.渕正信 グラン浜田 ×宮本和志 片エビ固め 16分19秒 マイク・ロトンド ジョニー・スミス○ 愚乱・浪花

余ったヤツが組まされた全日本特有のごちゃまぜカードという感じもするが、客席が湧いたのは、浜田と浪花のグラン対決。ということは、いかにこの試合がつまらなかったか分かるでしょう。宮本には少し期待していたのだが、馳譲りのなんか高慢ちきのファイトが鼻についた。

3.安生洋二 ×長井満也 体固め 9分32秒 アブドーラ・ザ・ブッチャー ケンドー・カシン○

少し散漫だった会場もブッチャーが出てくると盛り上がる。相手ははぐれUコンビ。ブッチャーとカシンのコンビはそんなに連係は無いとしても、なんとなくコンビネショーがいい。だけど、途中で飽きてきたな。はぐれUコンビのなんとく無く不穏な雰囲気があるアングルも良く分からないし。安生は回りに合わせているというか少し楽をしているな。

その中で面白かったのは、カシンが自分のコスチュームのベルトを外し相手を殴るところ。これは、広田が長与にやっていたんだけど。カシンのエプロンやロープで相手に三角を極めるという技は明らかに永島千佳世が先にやっていた技だし、カシンはGAEAを見ているのかというのは、考えすぎかな。まあ、だけどカシンにパクられるのなら大歓迎だ。
物事パクってなんぼだからな(と思う天龍ファン)。

4.望月成晃 ○ドラゴン・キッド ジミー・ヤン 片エビ固め 13分19秒 マグナムTOKYO 横須賀享× ダークネス・ドラゴン

まずはウルティモ・ドラゴンが通路から入場し、本部席隣の最前列の席に座る。
そしてマグナムの入場。マグナムのテーマがかかるといつものダンサーが走ってリングに向かいダンスを初め、M2Kの5人が現われる。あまり客席には回らずにリング上で7人でダンス。これが結構長かったのだが、素晴らしいコンビネーションで客も大熱狂。2F席なのに立ち上がって一緒に踊っている酔狂なおっさんもいたが、気持ちは分かるというか、これで闘龍門は会場の気持ちをつかんでしまった。

照明もこの入場に完全にマッチしていて、横アリでの力メモ(猪木=小鉄)の待遇とは大違いだ。

次に正規軍の入場だが、モッチーは正規軍ではなんか地味というか影が薄くなってしまったな。これが私が最近闘龍門に行かない理由だけど。

試合はというと、いきなりハイスパートな展開で、今迄の試合がなんだったんだと思いたくなるほど、イイ感じ。序盤で、クネスとキッドがお互いのマスクを脱がし、試合中にお互い相手のマスクを被るというギミックも妙に呼吸が合っていて可笑しかった。やっぱプロレスはこうでなければ。というか、私はこういうのに体が馴染んでしまったのかな。

このカードで懸念要素があったのが、ジミー・ヤンの存在。ジミー・ヤンが闘龍門の流れに合わせられるのかというのもあるが、やり馴れた他の5人がどうジミー・ヤンを機能させるかということも課題になると思うのだが、これが、見事な程ジミー・ヤンを引き立ててしまった。

かなりジミー・ヤンにスポットを譲ったというのもあるが、見事に期待に答えて、普段の闘龍門の流れといい意味で一味違う味つけを出してくれた。なんかこういうのはいいね。全日本に参戦して、闘龍門勢同士でいい試合をするというのは、普段を見せるということでは、意味が無いことでは無いのだが、それでは当り前過ぎる。それで、プロデュサー天龍にちょっとした試練として異分子を入れたのだが、これを上手く加工するところは、闘龍門勢は決められたスポットをそつなくこなすだけでなく、プロレスラーとしての懐が広がったと言っていいだろう。

後半には、キッドのススムにしか出せないデジャブとかを出すが、もうこのへんになると、場内は歓声というよりどよめきになってしまう。完全に場内を味方にしてフィニッシュに向かう。やはり見せるという意味で、闘龍門はレベルが違う。

まあ、こんなの見せられたら有明コロシアムは取り敢えず行かないといけないなあと思ってしまった。ウルティモ校長はここで退場。いつもの闘龍門に比べればと言われれば、少し首をかしげるかもしれないが、今日の全日本の興行の中ではと言われれば鼻高々ではないか。

闘龍門は前のM2Kみたいにシリーズ参戦というのは無理かもしれないが、全日本のオオバコ興行では可能な限り出て欲しいな。武道館仕様の闘龍門もまたいい味わいだ。そして全日本の選手達はただ漠然と試合をするのでは無く、どうすれば客席を沸かせられるか、何を見せればいいのかを彼らから学ぶべきであろう。ちなみに長与の信念は「客に媚びを売る!」闘龍門とGAEAはこういう所が似ている。だから面白いのだが、プロとしては当然だな。

5.本間朋晃 ×相島勇人 片エビ固め 5分55秒 ブライアン・アダムス○ ブライアン・クラーク(クロニック)

クロニック側は”クロニック”でコールされたので、どっちがアダムスでクラークなのか良く分からなかったが、どうやら大した問題では無かったようだ。

試合はどうみても体格差が違う本間が大ハッスル。体格差は違うが私の目からは背中に元GAEAの選手の陰影が見えるので、余計に応援してしまう。

相島も見かけだけでは、何かやってくれると思いながらも、なかなか期待に答えてくれなかったのだが、今日はいい感じ。やはりこいつは世界のプロレス向きなのかもしれない。
試合はあっさり終わったが、本間の頑張りで短いものには思えなかった。まあ、クロニックは出来の悪いロード・ウォーリアーズという所かな。まあまあ、面白かった。本間は期待できる。

6.奥村茂雄 ×保坂秀樹 片エビ固め 4分10秒 マイク・バートン○ ジム・スティール

試合展開は忘れてしまったが、ただ早く終わって良かったなという感想。
バートンもそろそろ甘えていないで、何をどう見せるかを考えないと、毎回こんなことやられても、もはやニーズはないな。

7.○小島聡 体固め 12分00秒 荒谷信孝×

確か大阪かどっかで、このカードでなかなかいい試合をしたという噂を聞いたのだが、荒谷の場合は気分屋というか、天龍以上の北向きなので、こいつの試合が面白いかどうかは、こいつのヤル気次第なのだが、この日は見せてもらった。

天龍、武藤無き後の全日本はこの二人が対立関係になるのではないかと思わせる、というのは少し大袈裟だけど、お互い間合いも息も異様に合うという感じだ。

ラリアット合戦でも見せてくれるのは、阿修羅をオマージュしているのかと考えてしまうが、まあ荒谷にとってはそんなことは頭に無くただやっただけであろう。

ただ、荒谷は少し休み過ぎだな。もっとテキパキ動けば小島からオーバーしても説得力があるのだが。期待しないで見守ります。だけど、こういう試合を時々見せるから、荒谷は見離せないというか、気になったちゃうんだよな。

8.×太陽ケア 片エビ固め 3分56秒 ビル・ゴールドバーグ○

お目当てのゴールドバーグ。前に新日本でゴールドバーグみたさで、ドームの3万円のチケットを買った後に、ゴーバー負傷でマッチョマンが替りに来たという詐欺まがいの興行に行ったことがある。ちなみにメインはミエミエだったが健介に天龍がジョブするという、私の中では最悪な興行だった。

まあ、試合はというと、こうなるだろうという全くの予想通りの展開で私的には満足。
スピアーとかジャック・ハマーという定番の持ち技を出さなくても見せてくれるところは、実力の違い。それにしても、ローリングしての裏十字というのは驚いたな。でかいけど小技も出来るというところか。

今後の課題はゴールドバーグをどう全日本の流れに食い込んでいくかということであろうが、特別扱いは今回だけでいいな。今後どう展開させていくかは注目したいところ。だけど、元ラグビー選手というのはなんかバカぽいが、元NFLの選手というのは、ハンセン、サップしかりで、見かけよりも頭はスマートだから、上手くやってくれるんじゃないか。

9.5vs5イリミネーション・マッチ(時間無制限)
天龍源一郎 スティーブ・ウイリアムス 嵐 北原光騎 折原昌夫 vs 武藤敬司 馳浩 新崎人生 ジョージ・ハインズ カズ・ハヤシ

計10人だが、一人づつの入場。入場だけで10分以上。それはそれで良かったが。

全員入場してから、WAR軍が奇襲をかけてるが、天龍は武藤に絵に書いたような返り討ちにあう。だけど、二人とも見た目なんか疲れているのかケガをしているのか、いつものような精彩さが欠ける。

序盤はオリーと北原がよく働く。オリーは相変わらずで、自分の仕事を良く分かっている。WAR軍を代表してのやられっぷりの良さが目を惹く。カズ・ハヤシとの対戦もなかなか新鮮な面白さがあった。折原がスパイダー・ジャーマンをやろうとした時、天龍が来てお前はどけといい所を取られてしまったのだが、同じコーナーからすかさずムーンサルトで飛んでいく所は何か胸がキュンとしてしまう。

中盤からは嵐がいつものようにソツの無いところを見せてなかなか良かったが、敢えて言えるのはそのくらい。とにかくお互いの大将のコンディションが悪すぎる。だんだんと散漫な雰囲気になってしまった。

○北原(12分13秒 逆エビ固め)ハヤシ×
○嵐(15分34秒 フロッグスプラッシュ → 体固め)ハインズ
×折原(18分26秒 念仏パワーボム → エビ固め)人生○
○ウイリアムス(24分00秒 ドクターボム → エビ固め)人生×
×北原(28分05秒 北斗原爆固め)馳○
○天龍(29分14秒 垂直ブレーンバスター → 片エビ固め)馳×
×嵐(32分40秒 フランケンシュタイナー → 体固め)武藤○
○ウイリアムス(37分59秒 殺人バックドロップ → 片エビ固め)武藤×


全体的な感想は、拍子抜けという所かな。天龍プロデユースという面では、闘龍門の投入、荒谷の抜擢、北原、折原の参戦とこれらは全て成功したが、あとは所詮全日本の枠の中のことなので、プロデユーサーとして腕のふるいようがない。

どうにかしたいのだが、どうにも思い通りにいかない。今の全日本での天龍のジレンマをそのまま表してしまったような興行であった。




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