8・17K−DOJOディファ有明大会
■団体:K−DOJO
■日時:2002年8月17日
■会場:ディファ有明
■書き手:タカハシ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)
カードをよく知らないで見に行ける団体があるのはいい事だ。
闘龍門の東京大会は演出の一環としてよくやるが、団体への信頼感等から安心してチケットが買えたり、会場でワクワクしながら試合開始を待てるというのもファンとしては嬉しい事だ。
今回のKーDOJO有明大会も事前にカード発表はあったようだが、前回同様何一つ知らずに会場入りした。

会場の手前で突然20前後のプロレスファンらしからぬルックスのにーちゃんに声をかけられる。
「プロレス行くんですか?チケット持ってます?」当然ダフ屋かと思い「持ってますよ」と答えると、続けて「誰のファンですか?」と聞かれたので少々警戒しながらも十島の名前を挙げた。
すると彼は嬉しそうに「ボク十島の友だちなんですよ」と言い、続けざまに今日のセミファイナルでリーグ戦の決勝に出場する事や、今バックドロップに続くフィニッシュ技として胴締めスリーパーをマスターした事などを教えてくれた。突然である事と答えるスキも与えられず話し続けられた事もあり,バカみたいに「ハァ、ハァ」とうなずく事しかできなかったが。
相手の方はすぐに名前が挙がった事がよほど嬉しかったのか「(十島の)携帯の番号も教えましょうか?」とも言ってきたが、それは丁重にお断りする・・・というかそれはいくらなんでも迷惑だろう。教えない方が十島のためだよ。

さて今回もディファらしからぬビジョンを含めたステージ設営と、火薬等の効果がふんだんに使われた会場設定。北ステージと南の後半分は完全に潰す仕様だが、もしこれだけ金を遣って採算が取れているとしたら(皮肉でなく)心底大したものだ。K−DOJO勢が多数出場する新日本の武道館大会も恐らくこれほど舞台装置や演出に金はかけないのではないだろうか?そのケチくささがプロレスをダメにしている・・・とは言わないけどね。
ちなみに客入りは席を設けたトコロはほぼ埋まっているので推定700人くらいかな。実券の割合は判らないので一応3000円平均(指定は4500円で300席くらい)として210〜250万円くらいが入場収入だろうか。ちなみに01勢の登場した大仁田興行よりもずっと入っていたとの事。

さて今回も花火が試合開始の合図となる。どういうわけかK−DOJOには3人もリングアナがいて、まず1人目のカロリーナあきこ(字不明)が2重人格的アオリで会場を温めようとする。自分にはちょっとお寒いノリだが、他の人たちは勝手知ったるという感じでキチンと受け入れている。どうも会場に来ている人の多くが千葉の道場でのショーを見ているようで、プロレスファンというよりはK−DOJOサポーターという感じであった。
闘龍門のファンを「本当に闘龍門しか見ないファン」と表現した事があるが、こっちのファンもノリがちょっと異質な感じ。ただ全くスレていないというか、サッカーなどと同じ感覚で応援しているというか・・・とにかく独自のファン層を育てているのは間違いないようだ。


第1試合:○石坂鉄平 対 ×旭 志織(5分53秒:熱血アームロック)

タイツの色も赤と白に分かれた2人の試合は石坂が腕、旭が足を攻めるという対比のハッキリした展開での進行。攻撃箇所がハッキリしている上に、2人ともその上でいかにバリエーション豊かに攻めるかを考えているため、見ている側にも非常に判り易い試合となった。
前回の有明大会でも感じたが、どうも新日本の古き良き前座を理想としているかのような気がする。自分には懐かしい感じだが、今のファンには逆に新鮮かも。もしそれを「隙間」として狙っているのだとしたらTAKAの才覚はスゴいものがあるな。試合は決して「隙間」を狙った「なんちゃって新日本」ではなかったが。
試合は石坂の熱血アームロック(キムラ・ロック)での決着だったが、久し振りに第1試合らしい第1試合を見た気がした。


第2試合:X#1〜5(#5が敗北)、アップルみゆき 対 DJニラ、サンボ大石、PSYCHO、PABLO、RYOKO、○Hi69(6分45秒:トランス・レイヴからの片エビ固め)

Hi69が出ている事もあり、てっきりイリミネーションかと思ったら1本勝負。しかも6分台での決着というK−DOJOらしいといえばらしい第2試合。さすがに10分足らずで12人の全てが得意のスポット披露という事はなかったが、それでもHi69を中心に見せ場も多い、いい意味でコンパクトな試合となった。
特筆すべきはPSYCHOの動きで、線の細さはともかくキャラクターともマッチした浮遊感のあるムーブは、日本人では今までいなかったような独特のものがある。記憶する限りではケンドーのそれに近いかな。
ちなみにトランス・レイヴは走り込んでのニーアタック。K−DOJOではそれぞれの得意のムーブにひとつひとつ名前を付けているようだ。


第3試合:○木高イサミ 対 ×真霜拳号(本来は旧字):(3分50秒:飛び付き腕ひしぎ逆十字)

イサミと名乗るだけに柔術チックな攻撃を見せる木高とU系的試合振りの真霜の対決は、「なんちゃって」で片付けるのはちょっと失礼なレベルの総合っぽい試合であった。
試合自体はなかなか見所豊富で動きの止まらない好試合。でもガチなら途中のハイキックでマジダウンするほど大ダメージを受けた木高の様子見て止めるでしょ。レフェリーがボケという線もあるけど。
これだけの試合をしてくれれば、小川対ガファリもワークでも何でももっと手放しで喜ばれたと思うけどな。


第4試合:○TAKAみちのく、筑前りょう太、マイク・リーJr 対 シルバー・ウルフ、MIYAWAKI、×柏大五郎(9分58秒:ジャスト・フェイスロック)  

意外にもTAKAが前半戦の出場となったが、有明あたりでは無理に3本ウリとかするよりも見る側の焦点が絞れていいかも知れない。筑前はインディーらしからぬ体格とシェイプされた身体で、別にK−DOJOでなくても良かったんじゃないかという気もする。今のところはヒザを痛めているところもあってか、その恵まれた身体を持て余しているようだが、焦らずにスタイルの確立を目指して欲しい。
6人タッグでありがちな「働かない人」はシルバー・ウルフ。何と言ってもマスクのショボさが目を惹くが、一応タイトルホルダーなのだからもう少し全面に出て欲しい。
また前回の興行では今イチどこがいいのか判らなかったMIYAWAKIだが、とりあえずコーナーに詰めてのアメリカナイズされたパンチはいい味だった。こちらもまだまだ身体を持て余してる感じかな。


第5試合:○お船 対 ×山縣優(7分41秒:変形フロントネックロック) 

2勝2敗で迎えたお船5番勝負の最終戦はアルシオンを不当解雇で訴えると宣言していた山縣との対戦。これに勝つと浜田文子との対戦を交渉してくれる事になっているため張り切るお船ちゃん。山縣の試合を見るのは初めてだが、なかなか伸びのあるドロップキックやルックスの良さなど結構拾いモノみたい。
試合は思った以上に一進一退の攻防が続き、最後は走り込んでのスタナーからの変形ネックロック(だったと思う)で見事勝利。
すかさずコミッショナーに嘆願すると文子本人を呼び入れて9月の後楽園での対戦がアッサリ決定。
てっきり「お船ちゃんが勝つと思ってもう交渉してきました。ではビデオをどうぞ!」

<ビデオ映像>
コ「・・・というワケでウチのお船ちゃんと対戦してください!」
文「え〜、イヤですよぉ〜」
コ「そうですか、仕方ないですね(ちゃんちゃん)」
というオチかと思ったんだけど・・・。


第6試合:○十島くにお 対 ×ヤス・ウラノ(8分8秒:バックドロップからの片エビ固め)

というワケで期待の十島の登場。以前連載でも書いたが十島のストンピングは躍動感や感情の乗せ方などが新人離れしていて「コレは!」と思わせるものがある。試合に臨む姿も気合の入った表情や試合が待ちきれない、という風情は見ていて嬉しくなるくらいだ。
対するヤスは全日本で何試合か見ているが、体格やキャリアに大きな差のある相手ばかりだった事もあり、その締まりのない顔つきや体型などからダメキャラとしての印象しかなかった。
試合は第1試合同様、両者ともにどこをどう攻めたいのかが観客側にキチンと伝わる組み立てで、期待以上の試合となった。途中十島がヒザを痛めたように見えたが、特にセルする事もなく伸びやかなドロップキックを見せていた。
フィニッシュ直前、十島得意のバックドロップをヤスがDDT風に切り返し、フィニッシュ技らしいバタフライ・ロックで追い込んだが、これをロープに逃れると3度目のトライであるバックドロップで3カウントを奪う。
試合前に聞いていた事もあり、胴締めスリーパーでの決着を予想していたので、そこだけはちょっと拍子抜けだったが説得力あふれる文句なしの勝利であった。
試合後にはリーグ戦参加者と協力して上の連中を倒していく!と宣言していたが、正直に言って初めて見た時から十島に惹かれていた事もあるし、それほどキャリアの差も明確でないのでこの発言にはピンと来なかった。
そもそもHi69たちがリーグ戦に参加していない事自体理解できないというか・・・。


メインイベント:○藤田ミノル 対 ×YOSHIYA(14分58秒:BONE YARD)

K−DOJOでは不思議なほどドライバー、ボム系の技がない。TAKA自身も他団体ではともかく、K−DOJO内では封印しているようだし、身体の細い選手の多い現状では禁止しているのならそれはそれで正解かも。
その中で唯一みちのくドライバーIIをフジタ・ドライバーと称して使っている藤田は、可愛い顔立ちをドスの効いた声と毒舌でカバーしつつ、ヒールとしての立場をキチンと確立している。
場外戦では客席に前方回転しながら飛び込んで行くプロ根性にはシビレさせてくれた。
試合は体格差を動きでカバーしつつも、ヒールらしさをアピールし続ける展開でYOSHIYAをキャリーし続けた。
気になったのが試合後半にYOSHIYAがフィニッシュであるはずのビッグブーツの際、いつもやるストンプ(これはショーン・マイケルズからのイタダキだろう)をやらずに繰り出し、案の定かわされてしまった事。ここは間を取る意味でも自分のように邪推したがるヤツに対する意味でも、いつも通りにストンプしてから出すべきであった。
最後は藤田がアルゼンチン・バックブリーカーの体勢からスイングしてのフェースクラッシャー?でYOSHIYAを叩きつけてからのBONE YARD(リバース・バイパーホールド)でギブアップ勝ち。
スーパーヘビー級を自称するだけあって?力強いフィニッシュで3度目のビッグショーのメインを締めてみせた。
続けてTAKAを挑発しておいて正規軍との乱闘から次回の後楽園大会のPRを行う・・・はずが、キチンと段取りされていなかったためか「どうも8人タッグくらいになりそうだなー」と推測しなくてはいけないようなヒキとなった。
この辺は闘龍門では考えられない不手際だけに、次に同じシチュエーションになった時には改善されている事を望む。



試合はどれも満足できるものだったし、会場の雰囲気も良かった事も間違いない。ただ現時点では後楽園大会に足を運ぶかどうかはちょっと保留。今更変更はできないだろうけど、率直に言ってまだまだ後楽園という器を必要としてはいないように思う。
このような時に必ず思い出されるのがバトラーツの両国大会で、観客の後押しも一応はあったがアレをピークにヘニャヘニャと下降線を辿ってしまった。
KーDOJOも後楽園ホールくらいでピークと捉えられても迷惑だろうが、せめて少しでも等身大に近い興行を見せる事で成功させられるような努力を見せて欲しい。少なくとも今回の興行からも、近い将来確実に後楽園を常時満員とできるだけのパワーを感じさせてくれたのだから。




本稿の著作権はすべてKANSENKI.NET及び「書き手」に帰属します。

戻る
TOPへ