8/4大日本後楽園ホール大会観戦記
■団体:大日本
■日時:2002年8月4日
■会場:後楽園ホール
■書き手:ダイス(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)
激震する大日本。ファンの胸にはただ不安だけが募っていく。こういうときこそ生で見なくてはという、理屈を越えた使命感を持って後楽園へ向かう。しかし登坂部長のトークも葛西の7月末付けでの退団と、小鹿ファミリーの出勤拒否が伝えられるのみで、会場の不入り(5割ぐらい)と相まって、どんどん鬱に。

第1試合 谷口裕一 VS 井上勝正
格闘家からプロレスラーに転向したばかりの井上。張り手合戦に感情は見えたが、ちょっとしまりのない試合。
○ 谷口(6分13秒 ノーザンライトスープレックスホールド)井上×

第2試合 O.D.D VS gosaku
噂のO.D.D、噂に違わぬブロディな風貌にテンガロンハット+ブルロープというハンセンな出で立ち。一人地上最強タッグというか、なんというか。対する今日は素顔のgosaku。派手な場外戦で客席を蹴散らし、ついでに西の雛壇にいた菊池さんも逃げ惑わせる。もちろんみんな笑顔。
○ O.D.D(11分58秒 ダイビングニードロップ→片エビ固め) gosaku×

第3試合 キャプテンフォールマッチ
 MEN'Sテイオー、関本大介、伊東竜二、下田大作vs 大黒坊弁慶、アブドーラ小林、黒天使沼澤邪鬼、松崎番長(キャプテンは関本と沼澤)
試合前の小林のマイクにより、沼澤をフォールしていいのは関本のみ、なおかつジャーマンとラリアットでフォールをとってはいけないという特別ルールが決まる。そしてスキンヘッドにしなくてもいいという条件でスキンヘッダーズ入りした「川崎の喧嘩番長」松崎駿馬が松崎番長に改名したことが発表される。番長コールの中、ブッチャー風のかぶり物をとった番長の頭は見事なスキンヘッド、というか髪の量が多すぎるのか、マルコメ君チックな青々とした頭になっていた。
改名効果か、観客の歓声を受けた番長が大活躍。MEN‘Sクラブの実質リーダー、テイオーをランニングネックブリーカーに切ってとり、4対3の有利な状況に持ち込む。
しかし、弁慶の持つBJW王座への挑戦権にお預けを食い続けていた関本が、実力者3人の後ろに隠れてちょっかいを出してきた沼澤をどうにかつかまえると、ラリアットとジャーマンでフォールを取れずに、レフェリーに食ってかかるというお約束の後、初披露となるムーンサルトプレスを炸裂させて条件をクリア。8/18の横浜文体でのBJWタイトルマッチに王手をかけた。
○ 関本(13分59秒 ムーンサルトプレス→片エビ固め)沼澤×

第4試合 WECトーナメント1回戦 蛍光灯デスマッチ マッドマン・ポンドvs シャドウWX
蛍光灯ボードがリングに持ち込まれると場内の空気が変わった。狂気のリングに向かう二人は特に表情を変えることもなく、ロープをまたいだ。ゴングが鳴るといつものようになんの遠慮もなく蛍光灯をたたきつけ合う。リングサイドの客のことなど気にとめる様子もなく、背中から頭から全身に容赦なく破片をまき散らす。ポンドは自らホッケーシャツを脱ぎ、WXのベースボールシャツをはぎ取る。
やぐら状にセットされた蛍光灯に雪崩式パワーボムでたたきつけるポンド。大型のゴミ箱に蛍光灯を入れ、そのままデッドリードライブで頭から放り込むWX。すかすこともよけることもなく、全てを受けきる両者の姿は、どうしてこんなに美しいのだろう。
しかし、どれだけ激しく美しい試合にも最後の時は訪れる。WXがポンドのコスチュームに蛍光灯をねじ込むと、そのまま蛍光灯ごと顔面を蹴り上げる。あまりのことに声を失った場内。だが、立ち上がった敗者にも惜しみないポンドコールが降り注いだ。
○WX(11分27秒 顔に蛍光灯を添えてのハイキック→体固め)ポンド×

セミファイナル WECトーナメント1回戦 ボブワイヤーボードデスマッチ
 ジ・ウインガーvs ホミサイド
ホミサイトは小柄だが全身バネと言った感じの黒人選手。いろいろ問題のある団体だけど、外人の発掘能力は素晴らしい。試合はいかにもジュニアといった感じの派手な飛び技が交差する好勝負。有刺鉄線いらねえなあ(派手に飛び込んで叩き割ってるけど)と思ったころ両者は北の記者席へ。リング下からテーブルを取り出し、並べはじめるウインガー。
この後に訪れる光景を脳裏に浮かべた客席から、ウインガーコールが起こる。しかし、蘇生したホミサイトが逆にウインガーをテーブルにたたきつけ、その場を離れると今度はホミサイトコールが起こる。爆発的なコールの中、バルコニーに姿をあらわしたホミサイト。光り輝くようなオーラを身にまとい、そして飛んだ。意味を持つ言葉など、何一つ頭に浮かばずに、ただホミサイトの名前を会場全体で叫び続ける。
リングに戻った二人。想像を越えるようなダメージを受けているだろう二人は、なおも戦い続ける。彼らの戦いが報われるように、俺は客席から祈り続けた。
○ ウインガー(13分47秒 スモールパッケージホールド)ホミサイド×
 
メインイベント WECトーナメント1回戦 画鋲デスマッチ BADBOY非道vs 山川征二 
業務用であろうか、レフェリーが重たそうに抱えた段ボール箱から金色の小さな凶器が滝のようにリング中央のバケツに注ぎ込まれる。不調ゆえリングネームの「竜司」を剥奪された「元」エースが真の正規軍と登坂部長に指名された非道が向き合う。 
記者席に設置したテーブルに山川を頭からたたき付けた非道は、一足先にリングに戻ると、怪しく輝く画鋲を一気にぶちまけた。景気づけに後ろ受け身を見せて山川を待つ非道。そして山川もそこに画鋲など無いような顔をしてがっちりと組み合い、戦いを始めた。つい先日非道VS松永の画鋲マッチを見たばかりだが、今日はそんなネタ合戦ではないあくまで戦いだ。背中に、腕に、額に、頭に、全身に無数の画鋲を輝かせながら二人は戦う。
どうしてこの二人の壮絶な戦いを見ている観客がたったの数百人しかいないのだろう。どうして彼らはたったこれだけの客のために血を流しているのだろう。リング上の彼らの痛みを想像しながら、怒りとしか表現のできない感情を抱えてリングを見つめる。戦いの終わりを告げるゴングが鳴るも、勝者も敗者もなく拍手が二人に降り注いだ。

○ 山川(19分40秒 ラリアート→体固め)非道×

ウインガーは試合後「俺が大日魂を見せてやる」と吠えた。非道は山川に「お前が大日本を引っ張るんや」と言った。山川は相変わらずの、呑気で機転の効かない誠実なマイクで「大日本を見に来てくれ」と観客に訴えた。
これほどのものを見せてくれたのだ。見に行けと言うのなら、何度でも行く。だけど幸せな時間が終わってしまっていることも悲しいけれどわかってしまう。それでも俺は大日本を見に行く。俺にできることは1枚のチケットを買うことだけだ。俺は彼らの立ち上がる姿を見るために、何度でもチケットを買うだろう。




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