世界一金銭にセコいKOTC観戦記
■団体:KOTC Double Cross
■日時:2002年8月2日
■会場:カリフォルニア州サンハシント ソボバカジノ
■書き手:ひねリン(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

はい、二度目のPPVを打ったKOTCを、友人とまったり会場で観てきました。

開始時刻の4時半を、30分程遅れて会場入り。入場料は、一番安いスタンド自由席でも$45。過去最高の値段。しかも中に入ってみると、会場のつくりが変わっていて、なんかいつもよりもスタンドが金網から遠いみたいで、選手が小さく見える。で、太陽の光だけでやっているせいで、金網に陽が反射してキラキラ光って選手の姿を見辛いこと見辛いこと。さらにスタンドに日光が直射してきて(五時なのに)まだまだ暑い。うーこれはちと不快指数が高い観戦になりそうな予感・・・

ってことで、どうも値段が上がっているワリには快適度が下がっているようで、ちょっとだけ気分を害したので(いや、気候とか別にKOTCが悪いわけじゃないんですが・笑)、今回の観戦記はちょっとイジワルモードというか、ちょっと趣向を変えた評価の仕方をしてみたいと思います。各試合を、俺が全くの独断と偏見で金額に変換し、最終的に何ドルの価値のある興行なのかを勝手に査定してみます。果たして入場料$45に値する興行なのかどうか? いや、この手法は、最近英語プロレスネット上で見かけたもので、一度自分でもやってみたいと思っていたんですよ。本当はプロレス興行の観戦記でまずやりかったんだけど、なかなか生観戦の機会がつかめないので。

(*お断りしておきますが、以下は本当に俺の主観による査定です。高度な試合でも俺に理解できなければ金額は低くなるし、非常に低レベルの攻防でも、なんらかの理由で俺を喜ばせてくれれば、高い金額となるでしょう。俺の査定に普遍的な妥当性があるなどと主張するつもりは、微塵もありません)


第1試合から第4試合

基本的に無名選手同士の試合で、暑さと、太陽の光が金網に反射してるせいで、アイスを食いながらだべっててあまりよく観ていなかったので、評価不能。(第1試合は我々が会場に着いた時には終わってました。)なんか出場予定のアーロン・ブリンクが抜けて、トッド・メディーナが出た(負けた)そうですね。全然気付きもしなかった。

第5試合

コンタクト使用問題で、ネバダ州コミッションから物言いが付き、出場できるかどうか微妙な立場だったショーニー・カーター、うまくコミッションと話し合いをつけたそうで、晴れて登場。入場時になんか目を押さえて「見えましぇーん」的なポーズを取る。試合は典型的なカーター流エンターテインメントファイト。派手な打撃を出して、相手にテイクダウンを食らうも例の強靱かつくねくねした肉体で脱出。今度は逆に相手をフロント&ジャーマンの各スープレックスで叩き付け、最後は両足をフックしてのチョークで完勝。うんおもしろかった。俺は個人的にこの選手大好きだし、俺も視力が悪いから応援したいので、相当のひいきを入れて、この試合の価値は$7。でも、例によって金網の光の反射で見辛かったので$2マイナス(カーターのせいじゃない)。計$5。

第6試合

知らない選手たち二人の戦い。あまり興味は持てないんだけど、試合中に我々の席の近くで喧嘩が始まって、なんとスーパーヘビー級の観客が、喧嘩相手をスタンドからフェンス越しに投げ落とすハプニング(幸いあまり落差もなく、大事にいたらず)。周囲からは、この喧嘩の勝者にやんやの歓声が(おいおい)。でも彼はガードマンに連行される。そんなこんなやってるうちに試合は終了。試合そのものの価値は$1.5ほどだろうけど、反射の見辛さのマイナスで結局$0。でもこの喧嘩には$2の価値はあり。ってことで$2。


さて、休憩をはさんで、ここからは目玉の4大タイトルマッチ。ちょうどいい具合に暗くなってきて、ケージに照明も入りはじめて反射の問題は解決。また、いい感じに涼しくなってきてけっこう快適に。

第7試合。ミドル級王座決定戦
ディーン・リスターvsブレンダン・セギーン

この界隈ではかなりの強豪柔術家として有名なリスター、最高のシェイプで登場。最近はホイスのチームで練習をしているとのことで、そのホイスがセコンドに(たぶん)。試合はセギーンの打撃をリスターが早めのタックルで潰してグラウンドに持ち込むも、なかなか極めきれず、ラウンドが過ぎるごとにだんだんタックルを切られはじめてやや苦戦。それでも3R、マウントを取ったリスターが、相手が体勢を返してきたところで三角の体勢に捕らえて十字で快勝。ちょっと退屈な部分もあったけど、個人的に俺は(ちとしょぼいタックル、ぴたっと胸を密着させる押さえ込み、見事なパス技術などを含めて)このいかにも柔術っぽい柔術家が好きなので、$5。で、ホイスの顔と消え行く貴重な髪も(遠くからだけど)見えたのでプラス$0.25。計$5.25。

第8試合 ライト級タイトルマッチ 
(王者)ハビエル・バスケスvsデイビッド・ガードナー

もうみなさん御存じ、先日ルミナを倒して一気に南CAのローカルヒーローから、世界に名を売ったバスケスの登場。好レスラーと噂されたガードナーに対し、鋭い打撃からのタックルでテイクダウンし、あっさりバックマウントを取って勝負アリかと思ったら、相手の後頭部にパンチを入れてしまいブレイクに。スタンドから再開後、今度はガードナーが押してくると、無理せずガードに引き込む。バスケスはそこから十字や三角を狙っていくも、ガードナーも確実に防ぎ上からパンチ。そこでバスケスはあえて相手に背中を向けて、前転して膝十字で一本。お見事。打撃、レスリング、サブミッション、全てにおいてバスケスの鋭さが見えた。拮抗した試合ではなかったけど、バスケスは今が飛び切り旬の選手で、このマッチメイクはその彼の良いとこを魅せたということを大いに評価して、$12。

第9試合 ライトヘビー級タイトルマッチ 
(王者)ヴァーノン・タイガー・ホワイトvsマイク・ロジャース

タックルをしかけてくるロジャースを、ヴァーノンが切ったり、切れなかったりしながら、まあ危な気なく対処。それなりに上からの打撃も入れて、3R終了。判定は2-1だったけど、まあ明らかにヴァーノンの勝ちでしょう。タックルに入ったロジャースが、ヴァーノンに抱きついたまま膠着するシーンが多く見られたため、観客からはブー。うーんヴァーノンのせいじゃないんだけど、この試合は$2.5くらいか。

第10試合 ヘビー級タイトルマッチ。
(王者)ダン・ボビッシュvsジミー・アンブリッツ

注目の、破天荒な攻撃力を持つ筋肉獣ボビッシュが、いかにメインを締めるかがポイントと思われたこの試合だったんだけど、先に入場してきた相手のアンブリッツの容姿にア然。背が低くて、言わば豆タンク体型なんだけど、これがもう、異様に胸板が厚い。パンパンに張ってる。いやまじ、オバケ・カタルフォ以上。ステロイドやりゃ作れるとか、そういう体じゃない。ほんとこの人、身長より胸囲の方があるんじゃねーの? で、なんちゅーか腹も凄い。ぽこーんと出てるんだけど、同時になんか腹筋が割れてもいる。なんなんでしょ?

次に王者ボビッシュ登場。この人もケタ外れにブ厚い筋肉を持つんだけど、両雄が胸を突き合わせて睨み合うと、(背の低い)挑戦者のアンブリズのほうがやっぱり胸板が厚い。ていうか、この化け物二人が睨み合うその光景自体が凄い。そこらへんのプロレスなど吹っ飛んでしまうほど。

で、試合なんだけど、いきなり両者豪快に殴り合い。ていうか、恐竜同士のぶつかり合いだなこりゃ。そのうち後ろに崩れ落ちたのはボビッシュのほう(たぶんパンチが当たったんだと思うけど、よく分からん)。すかさずアンブリッツがマウント。こんな体型の人間にマウントされて、返せるわけがない。ぼこぼこ殴られてタップアウト。試合終了。特殊体型の新王者が誕生。圧巻。

この試合、45秒ほどで終わっちゃったし、技術もクソもないし、この新王者がプライドやUFCのトップに勝てるとは到底思えないんだけど、んなことは問題じゃない。俺は大いなる異形の見せ物の強度に最大限の敬意を払って、$15の評価をします。(てゆーか敬意を金に換算するなよ>俺)

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ってことで、俺の独断と偏見と好みが入りまくった査定によると、この興行の(俺の席からの、俺の体験に即した)価値は、(5+2+5.25+12+2.5+15)で、計$41.75ドルと出ました。で、繰り返すけど、入場料として払ったのは$45です。ちょっとだけ入場料には及びませんでした。ちなみに、試合とは関係のない客同士の喧嘩に$2入っています。よく観てない最初の4試合は省いてあるけど、例え観たとしても、あの夕方の反射による見にくさと、遠さと暑さを考えると、合計して自分が$2以上の評価をするとも思えません。

確認しますが、この勝手なる査定結果は、各試合がつまらなかったということを意味するのではありません。いや、試合内容は相当良かったです。個人的に好きなカーターとリスターはイイ試合してくれたし、バスケスの試合とメインの試合には大満足です。これらの試合を、今までのKOTCの自由席(確か$35)並みの距離で見れたなら、各$1増しの評価をします。会場設営をちょっとまともに直してくれて、前座の試合の反射の問題もなんとかしてくれれば、十二分に合格点を出せる興行です。

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と、いうわけで「いやー面白かった」「でもやっぱちと高いよ。席が遠いのに」と二通りの感想を持ったまま、試合後に俺は友人と会場でせこせこカジノ遊び。ここで凄いことが。俺はちびちび賭けてたポーカーのマシンでなんとロイヤルストレートフラッシュを出して、20分くらいで$5が$82に。友人は5セントポーカーで大当たりを連発し、やはり資本$5ではじめたのが、$95になっちまいました。二人とも、入場料を取りかえしただけでなく、この日のガソリン代や食事代を差し引いてもまだまだおまけのお金が残りました。

ってことで、前言を撤回します。カジノで興行をやってくれるKOTCは、ただただ素晴らしいです。また行きます。絶対行きます。




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