ガチ興行の面白さとはなんだろう
■団体:修斗
■日時:2002年7月19日
■会場:後楽園ホール
■書き手:リー監督(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 なぜか修斗を観に行く。パンクラスが中途半端な感じなので、もう少しアマっぽいところから「プロ」とは何かをもう一度考えてみたい。大体、修斗もパンクラスも体重が違うくらいで、印象はそう変わらない。と、書けば、Pと修の双方は、自分たちの「色」が何かを考えてくれるかな。

 「ism 対 Grabaka」や「パンクラス対他団体」のパンクラスリング上での対立は盛り上がるためのネタであり、ホントに敵対などしている場合ではない。最近の「パンクラス対修斗」や昔の「リンパン抗争」などアホ以外の何物でもない。PRIDEには上がりたいヤツが上がればいい。総合格闘技の市場など小さすぎて涙が出るほどなのに、その中でバカげた対立をしていても仕方がない。対立するなら双方がガンガン盛り上がるようにやるべきだ。

 テレビの地上波でノーカット放映することを前提にすれば、ガチの大抵の試合は「面白くない」という評価になるだろう。そのようなことを意識して闘っている「プロ」の選手がどれだけいるのだろうか。それを意識して興行に工夫を加えている団体がどれだけあるのだろうか。勝てば偉いのは当たり前。そんなのワークでもシュートでも表面的な価値は一緒。どうせ同じなら、次にもう一度リピートさせる「面白さ」を、もっと考えて欲しい。

 てなことを興行前に考えた。

 18:45から全選手入場。私はバカだからほとんどの選手を知らない。小ノゲイラはビデオで観たことがあるが、その程度の知識。仕方がないので知り合いを見つけて情報収集し、ポイントを教えてもらう。

 東西バルコニーの二つしかないスポットライトで客席からの入場を追っているため、途中で選手へのライトが切れるのは残念。仕方ないけど。阿部裕幸の挨拶は場慣れした感じ。偉い。

 南北はほぼ満員。バルコニーは合わせて40人くらい。リングサイドの空席が目立つ。後で埋まるのかなと思っていたら、そのままだった。


【第1試合】ウェルター級 5分2R
富樫健一郎(日本/パレストラ広島)versus ドゥドゥ・ギマラエス(ブラジル/ワールド・ファイト・センター)

※判定引き分け(1−1)

 特にどうということのない試合。猪木アリ状態の時にドゥドゥドゥ・ディ・ダダダが下から富樫の顔面を蹴って怒られていた。「ここでノーモア広島、と叫ぶべきだよね」と言ったら隣の人に怒られた。「ワンモア広島」と言うギャグまで至らなかったのは残念。とても不謹慎なので反省します。申し訳ありません。


【第2試合】フェザー級 5分2R
高橋大児(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY)versus 塩沢正人(日本/和術慧舟會)

※判定で塩沢(3−0)

 塩沢は筋肉が美しい。スタンドもグラウンドも上になっても下になっても塩沢の方が一枚上。下からでも積極的に主導権を取ろうとしていたのには好感。身体バランスの良い選手だと思った。


【第3試合】02年度新人王トーナメント バンタム級準決勝 5分2R
生駒純司(日本/直心会格闘技道場)versus 阿部マサトシ(日本/AACC)

※判定で阿部の勝ち(2−0)

 阿部には赤い紙テープが沢山飛んでいた。ガチ興行では紙テープの処理が下手。ガイアを見習おう。相手選手の生駒までが片付けを手伝っていたぞ。なんとかしろ。

 打撃はなんとなく生駒が有利に見えた。リーチの差か。でも、捕まえて投げ、ニーオンザベリーになるのは阿部。1Rの生駒の下からの十字は惜しかった。というか、肘を壊そうと思えば出来たはずだ。以降は阿部、反省したのかポイント狙い。生駒が意外と強かったのかな。


【第4試合】02年度新人王トーナメント ウェルター級準決勝 5分2R
川尻達也(日本/総合格闘技TOPS)versus 椎木 努(日本/直心会格闘技道場)

※バックチョークで川尻の勝ち(1R4:42)

 川尻、落ち着いている。全然タイプは違うが、引退したパンクラスの船木を彷彿させる落ち着き振り。パワーと技術を使って少しも慌てずじっくりと料理。川尻、最強。


【第5試合】ウェルター級 5分2R
朴 光哲(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY)versusトニコ・ジュニオール(ブラジル/ワールド・ファイト・センター)

※TKOで朴の勝ち(1R4:50)

 トニコ、落ち着きがない。なんだか打撃がバタバタしていて子供みたい。朴は逆に重いパンチとポジショニングで圧倒。


【休憩】

 月刊MVPは五味選手だって。インタビューの内容はともかく、喋りは場慣れしている。


【第6試合】バンタム級 5分3R
廣野剛康(日本/和術慧舟會)versus 久保山 誉(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY)

※判定で久保山の勝ち(3−0)

 疲労により半分寝ていたのでよく分からない。


【第7試合】ライト級 5分3R
勝田哲夫(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY)versus 井上和浩(日本/インプレス)

※判定引き分け(井上の1−0)

 一応、セミ。二人とも強いのはよく分かるけど、夜の9時過ぎにするような試合ではない。終わったのは9時20分。

 あ。井上はビートルズのエリナーリグビーで入場していた。


【第8試合】ライト級 5分3R
アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(ブラジル/ワールド・ファイト・センター)versus 阿部裕幸(日本/AACC)

※KOで阿部の勝ち(1R4:37)

 阿部兄には白いテープ。操り人形のような顔(と某主宰が言いました)のペケーニョは時々凄いフックを空振りさせるなど、期待させたが、阿部のカウンター気味の左パンチによりダウン。立てない。

 まあ、メインはどっちが勝っても盛り上がったのだろうから、どうってことないような気もする。ペケーニョの強さを考えると阿部の応援団的には大勝利なのだろう。興行的にも「今度はチャンピオンシップで再戦」というカードが出来たのでラッキー。

 試合後のインタビューは、普通。もっと盛り上げても良いような気がしたけど。


【総括】

 個人的には体力の厳しい興行だった。笑いのない興行はきつい。9時には終えるべきだと感じた。

 修斗としては「駒の揃った良いカード」と皆が言っていたのでそうなのだろう。それで、この程度なのか、と思うと辛いモノがある。いや、マニア的には充分に面白い興行だったのだが、「その面白さをどうやって知らない人に伝えるのか」を考えると暗鬱たる気分になる。せめて水着のラウンド・ガールが欲しい。

 一応、休憩後から一人ひとりの入場曲になり、メインは客席から登場、というメリハリがあった。しかし、その程度の演出でよいのだろうか。試合での選手の頑張りは、もっと報われるべきではないのか。




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