J-DO "第1回東京大会"
■団体:J−DO
■日時:2002年6月16日
■会場:渋谷ON AIR EAST
■書き手:負井
“柔道を基盤とし、柔道最大の魅力である『投げ』に打撃を融合させた新格闘スポーツ団体『J−DO(ジェイ・ド ゥ)』”(オフィシャルHPより)

吉田秀彦参戦? で話題の「J−DO」東京初登場。
という事で、その実像を確かめに行ってまいりました。

会場は渋谷はON AIR EAST ライブハウスの真ん中に、通常よりも一回り小さいサイズ(赤畳入れて7m四方位か?)の柔道場が、ちょっと違和感。
観客は立ち見も入れて300位? 満員の入りですが、その内8割は関係者&マスコミかな。宣伝らしい宣伝もしてないし、そーいう層へのお披露目興行なのでしょうか。

30分ほど押してのスタート。過去の試合場面で構成した、短いながらなかなか出来のいいOP映像が流れ、パトリックUなるDJの進行で、ルール解説、カード発表へと。これもスクリーンを使ってなかなか判りやすく。

今日の興行は、このDJの実況と、団体のお偉いさん風の人の解説で、試合の間に試合前の選手紹介と試合後の寸評を挟み込む、というオンエアをそのまま観ているかのような構成でした。

ルールは柔道着とOFGが着用義務で、売りである投げを生かした「1ラウンド中に一本に近い投げを2回投げた場合に勝ちとなる」“SKO(スローイングKO)”が最大の特徴で、後は5カウントのKO・一本などの決まり手と、グランドでの顔面への打撃が無し(反則)
階級は ライト級(−65kg) ミドル級(−75kg) ヘビー級(+75kg) の3階級。
試合時間は3分3ラウンド といった所。

では試合の方に。


第1試合 ライト級
△坂口 進持(3Rドロー 判定6−6)大室 鋼 △
 (ボクシング)            (柔道)

審判は、主審一人に副審二人。試合場への入り方が柔道っぽい。
主審がヘッドセットマイクつける流行の(?)スタイル。

赤の柔道着の坂口選手がロー・パンチで攻め、現役明大生の大室選手が組んで投げにいく、というわかりやすい展開。3Rに大室選手が背負いで一本(まぎらわしいなぁ)、坂口選手が右のカウンターでダウンを奪う互角の展開でドロー。バタバタしていてレベル的には、うーん。

ちなみに判定は、3人の審判が1Rごとにマストで1Pずつ入れていく方式らしいので、3×3=9Pの振分けになるはずなのですが・・・いきなりよく判りません(笑)

ともかく、寝技の待てが早く、まさしく現代柔道のそれ。一つの技が不発に終わると、技の体勢にあってもブレイクになるので、寝技で極めるのは至難の業、という感じです。
場外も当然待てで、やたらブレイク→仕切り直しが多く、これまた柔道に近い感覚。
あ、ちなみに押さえ込みポイントはありませんでした(そりゃそうか)


第2試合 ライト級
×藤原 康平(2R2分8秒 TKO)星野 啓太◯
 (柔道)              (柔道)

ちょっと体格差のある両者。小柄な藤原選手が大振りの右フックでいきなりダウンを奪う。その後も襟とってもパンチ振り回して押し気味に試合を進めるが、前に出るところに星野選手のカウンターがモロに入って、鼻血ブーの一撃KO(レフリーストップ)

この試合、グランドの顔面パンチ(反則取られず)がモロにあった様な・・・


第3試合 ミドル級
×満村 哲司(3R判定 0−9)西山 健太郎◯
 (ブラジリアン柔術)      (柔道)

これまたちょっと体重差ありそう。いきなり西山選手が内股を切り返しての裏投げで一本(やっぱりややこしい) 軽そうな満村選手、柔術らしくタックルっぽい足取りやら、引き込み気味の動きを見せるも、極めきれずブレイクを繰り返し、スタミナ切れて最後はフラフラに。組んだ状態からの前蹴りが鳩尾(?)にはいって悶絶、という場面もありました


第4試合 ミドル級
×辻 貴志(1R2分54秒 SKO)酒井 大一◯
 (実践空手)            (キックボクシング)

欠場者が出た為、急遽出場となったらしい辻選手、今日の出場選手の中では唯一、柔道の経験がなさそうでした。対する酒井選手は、キックという肩書きながら柔道歴20年の猛者。かなり背の高い辻選手の懐に飛び込んで、次々と投げを繰りだし、背負い・大腰とあっという間に二本とってSKO勝ち。ようやくそれらしい試合を観た、という感じです。素晴らしい投げの切れに、お客さんもわいてました。まあ、ある意味金魚マッチかな。


ここで、10分間の休憩。
グッズ売場をのぞくと、オリジナルのミニメガホン・ペンライト・ステッカーに、謎の「J−DOダイエット茶」が。全然売る気なさそうでしたが。
ちなみに、会場で見かけた格闘技関係者は、TKとDDT橋本、2人とも柔道つながりですね。後はパンクラスの営業の人くらいでした。


第5試合 ヘビー級
×前河 稔尚(2R1分23秒 腕ひしぎ十字固め)小沢 幸康◯
 (柔道)                    (サンボ)

先のプレミアムに出場した小沢選手が登場。ようやく知ってる選手が出てきました、って言ってもほとんどの人は知らないですね。クラブファイトでパンクラ石井選手ともやってたりします。その小沢選手、相変わらず打撃の防御出来ず、顔面にパンチもらってやや劣勢の展開。3Rにもつれて倒れた所をサイドとって、きっちり十字極めて、何とか「ミーシャと戦った男」の面目躍如、という感じでした。

ちなみに、選手紹介で解説の偉い人「サンボって言うのはロシアの軍隊格闘技で、凄い技が沢山あるんですよ」と前時代的な素晴らしい説明を。
試合後も「さすがはサンボ。関節技で極めてきましたね」との事。腕十字って・・・


第6試合 ヘビー級
◯大村 裕之(3R判定 8―1)藤井 啓太×
(大阪道場館長・修斗)      (柔道)

見た目とぼけたおっさんの大村選手(39歳)、試合が始まっても、相手の打撃に対してフレアームーブをしてみたり、なかなか味のある試合運び。が、投げの切れは素晴らしく、1Rと3Rに払い腰で見事な一本を取っての判定勝。スタミナが無いのはお愛嬌ですね。
しかし修斗の経験があるのはともかく「from修斗」は不味いんじゃ(以下省略)


第7試合 ヘビー級
×金城 旭(2R1分10秒 SKO)池田 篤志○
(修斗)              (本部道場館長・柔道)

メインを締めるは、ミスター「J−DO」池田選手。真っ赤な柔道着に、金髪を刈り込んで、気合の入った登場。いかんせん見た目はエースというほどの華は無いもの(失礼!) 豪快な投げ技は流石です。打撃で攻める金城選手に対して、払い腰で投げ飛ばしてペースをつかみ、2Rに内股・大外刈りを次々と決めてSKO勝利。

最後は、全選手出てきて、正座しての「正面に向かって礼!」で締め。最後まで“柔道”にこだわった造りでした。


ライブハウスだけあって音響・照明とも高レベルで、進行も滞りなく、イベントとしてはとしての完成度はかなりのもの。GCM系なみ、とまで言うと褒めすぎですが、それに近いレベルで、少し驚き。カメラも3台使って、細かく選手の動きを追っていて、「結構お金あるなぁ」と言う印象でした。
ラウンドガールのお姉ちゃんが、安っぽいチャイナに、いかにもプリンターで作りました、というしょぼいラウンドプレートをもっていた所に、ようやくインディーっぽいモノを感じてなんとなく一安心してみたり。いや、細身で結構可愛かったんですけど。

が、肝心の中身の方は、一言で言うと「まだ荒い」という感じ。
選手のレベル(柔道はともかく打撃のレベル)はもちろん、気になったのはルール、と言うか審判の曖昧さ。前述の不可解なグランド顔面パンチ見逃しや、ブレイクのタイミング、一本の基準 等々。お客さんからも疑問の声があがっていたので、流石に不味いでしょう。 試合場が狭い上に赤畳までしかなく(赤畳=場外ライン の外にあるべきセーフティーゾーンが無い状態)すぐに観客席があるのもいただけません。場外際の投げの攻防が減るのは、試合的にもマイナスでしょう。

ただ、荒いからこそ生まれる面白さがあって、試合そのものはかなり楽しめました。タイタンファイトのような面白さ、と言うと、なんとなく判っていただける・・・方はホトンドいないですね(涙) まあ、喧嘩のようなノリです。

ただ、柔道を基本に、投げに重点を置いているルールデザインは、下手に胴衣が使えない方が試合が面白い、という中途半端な総合になりつつあるORGよりも、かなり面白くなる可能性を秘めている、と思いました。寝技の攻防は楽しめないものの、投げ一本の爽快感は味わえますし、ブレイクの早いK−1的な試合展開も観る側(特に一般の)向けでしょう。
それはどちらかといえば“ゲーム的な”面白さであって、「総合(あるいはVT)の試合じゃないだろう」と言われそうですが、目指す所は“柔道のプロ化”なのですから、問題ないんでしょう。

パッケージはなかなかのモノなので、これでソフト(選手・試合内容)が伴ってくれば、ひょっとするとひょっとするかも、という感想です。
『将来的には柔道を愛する人間全てが参加できるプロ化を目標に活動してまいります』
もあながち大風呂敷じゃないかも・・・というのは流石に言いすぎかな。

次回東京大会は8/8ZEEPとの事。先物買いの方は今のうちに。




本稿の著作権はすべてKANSENKI.NET及び「書き手」に帰属します。

戻る
TOPへ