2002/05/03 ZERO-ONE 松山大会
■団体:ZERO-ONE
■日時:2002年5月3日
■会場:松山市総合コミュニティセンター
■書き手:イタス・ナサル
2002/05/03 ZERO-ONE 松山大会
松山市総合コミュニティセンター=観衆3450人

 5年以上ぶりのプロレス生観戦。しかも、単なる地方興行ではなく、TV中継、しかもPPVというビッグイベント。開始1時間前くらいに会場に着きましたが、ついぞ松山では見かけた記憶のない、いかにもそれ風の皆さんがたくさんたくさんたむろしており、なかなかいい感じ。高校生風の若者達が興行ポスターを見て、「ぎゃはははは。フゴフゴユメジだってよ。うわはははははは。」とウケまくっていたのがとても印象的でした。理解不能のあほうな改名だと思ってましたが、ウケてる人が少しでも居ればいいか、藤崎。

 さすがにPPV生中継だけあって、開場は少々遅れたものの、試合そのものはほぼ定刻きっかりに始まりました。

1、星川尚浩 佐々木義人 vs エボリューション(NOVA&フランキー)

 エヴォはトップガンのサントラからマイティ・ウイングをバックに道後温泉商店街のはっぴ着用で入場。一気に観衆の心を掴む。わかりやすい。
 星川は低めの声がよく通る。けどちっちゃい。でも顔でかい。 佐々木は元気がある。けど白い。リング上に居る中で一番大きいのがMrフレッドという状態。
 Mrフレッドのインチキぶりがとにかく素晴らしい。カウント2の後の「トゥーッ」という大げさなアピールがキャッチー。すぐに観衆が真似をはじめる。
 星川のキック、佐々木のアルゼンチンなど絡めつついろいろあって、最後は同コーナー上からギロチンとボディプレスを合わせるEVスプラッ
シュ。
 エヴォの個体識別は正直ちゃんと出来なかったが小粒ながらいいチーム。のっけからいいもん見せてもらった。

×佐々木(12:18 EVスプラッシュ)フランキー○


2、黒毛和牛太 vs 藤原喜明

 黒毛和牛太「国産」だそうで。危険な香りが漂う(うそつけ)。元夢ファクの双子の片割れ、You Suck じゃない勇作の改キャラ。
 藤原喜明はさすがに知名度抜群。声援もひときわ。「ワルキューレの騎行」の冒頭聞いた瞬間に思わず鳥肌が立った。
 「わぎゅーたー」「くろげー」とにかく声援が送りにくい。「うしー」これだ!
 試合そのものは「大先輩の胸を借りる若いの」の構図。組長の頭を鉄柱に持っていってすごい音がするけど平気な顔、というお馴染みのスポットも交えつつ、途中で組長がセコンドの若いのになにか耳打ち。
 何をたくらんでいるのかと思ったら、しばらくして、若いのが着ていた赤いTシャツを脱いで組長に手渡す。組長はそれを両手で体の前でひらひらさせ「来い、牛!」。ぎゃはははは。そーきたかー(笑)。
 律儀に2セットも闘牛スポットに付き合う牛。最後は脇固めでおしまい。脇固めだったと思うんだけどなぁ。普通だったら「組長となんだかしらん若いのの試合」で終わってしまうところだが、少なくとも「相手は牛だった」という印象は残せたのではないだろうか。

×黒毛和牛太(10:29 腹固め)藤原喜明○


3、崔リョウジ vs 佐藤耕平
 「知らないけどわかりやすい」「知ってる人」と2試合きて、とうとう「両方知らない人」の試合。一般人的にはちょっと箸休めのカードか。
 ワタシとしては興味しんしんのカード。共に、一応ゼロワン生え抜きの新人。名鑑で見て「若くてでけえなぁ」と感心していた。プロレスラーにとって「でかい」ってのは大変重要だと思う。
 崔はゴルドーのカマクラ・ジム出身。佐藤は修斗出身。ただでかいだけでなく、格闘技のバックボーンのある若手をよく見つけてきたもんだなぁとまたまた感心。
 同門対決、同期同士でどっちも負けられない一戦。途中、崔がキックで追い込む場面もあったものの、最後は佐藤が投げ技で仕留める。ああ、あれって裏投げだったの。
 やっぱ佐藤のほうがちょっとだけデビューも早いし、火祭りリーグ準優勝なんて実績もある分、今はリードしてるのかな。金髪&刺青で見た目もインパクトあるしね。崔も負けずに頑張れ!

×崔リョウジ(11:03 裏投げ→片エビ)佐藤耕平○


4、CWアンダーソン vs サモア・ジョー

 どちらも名鑑でしか見たことがない。CWアンダーソンは、リングアナのコール時に、手で「C」と「W」のサインを出す。コスチュームの胸にもその図案がかかれている。前の席のおねえちゃん2人は一所懸命CWサインの練習していた。単純なネタだが、掴みとしては有効なのだなと感心。
 アンダーソンつながりでアーン・アンダーソンが目標らしく、まだ30過ぎなのに頭は薄い。いろいろ頑張ってたけど、最後はサモア・ジョーのもんのすごい頭から落とし技でおしまい。え?あれって単なるサイドバスターなの!?
 サモア・ジョーってすごいねえと認識した一戦。でもCWアンダーソンもいい味出してる。コリノとのタッグも是非見てみたい。当然、レフェリーはMrフレッドで(笑)。

×CWアンダーソン(8:16 サイドバスター→体固め)サモア・ジョー○


5、スティーブ・コリノ vs ジェラルド・ゴルドー

 この日最大の収穫。カード見たときは「なんだこりゃ!?」と唖然。どう試合にするつもりなんだろう?
 ところがどっこい!いんちきチャンピオン、スティーブ・コリノといんちきレフェリー、Mrフレッドは、まるで銅像相手にプロレスを成立させてしまう。
 最初からもう完全に腰の引けているコリノ。なぜかレフェリーも一緒に腰が引けてる。片足タックルとか、いろいろ試みるが、ゴルドー先生からハイキック返されたり、正拳突き連打されたり。
 速攻でリング外にエスケープして、おまけにMrフレッドの場外カウントがやたら遅かったり、ファイヴ2回数えたり。
 どうにか組み付いて、やっかいな拳をバンテージか何かでロープにくくりつけて封じようとするが不発。
 道着の上を脱ぎ捨て静かに怒りボルデージ上昇のゴルドー先生に対して、遂にコリノの金的が炸裂。速攻で丸め込み、ロープに足掛け、おまけにMrフレッドの高速カウントと卑劣三重奏。
 脱兎の如く去るMrフレッド、フラフラで時折こけつつ去るコリノ、抗議するでもなく、文句を言うでもなく静かに去るゴルドー先生。もはやもう古典芸能の世界。コリノの尻に書かれている「King Of Old School」の文字は伊達じゃない!
 ああ、いいものを見せて貰ったと神に感謝しました。

○スティーブ・コリノ(11:03 ローブロー→体固め)ジェラルド・ゴルドー×


6、高岩竜一 vs 坂田 亘

 坂田の入場テーマは、真撃の時のエルガー「威風堂々」からカール・オルフの「カルミナ・ブラーナ」のハウス・アレンジのやつに変わっていた。
 意表を突いて坂田がゴング直後に高岩を立て続けに丸めにかかり、高岩が一瞬慌てるという意外な出だしからスタート。その後、高岩は坂田をフェンス外までぶっ飛ばし、坂田軽く流血。
 坂田の攻め&高岩のすんごい受け。そして無理矢理すんごい投げ。かなり厳しい落とされ方されたと思ったのに、すかさず切り返す坂田。凄い。(すごい、ばっかでボキャブラリ貧困だな>わし)
 しまいは坂田のこれまたものすんごい飛び膝蹴り。レフェリーストップも納得の説得力。なるほど。あれが真空飛び膝蹴りか。
 でもカルミナ・ブラーナでの入場はちょっと立派過ぎたぞ(笑)。

×高岩竜一(12:43 真空飛膝蹴り→レフェリーストップ)坂田 亘○


7、大谷晋二郎 田中将斗 vs 石川雄規 臼田勝美

 いずれも引かぬ意地の張り合い。バチバチやりまくる。こういう殺伐とした展開には、田中将斗のごつごつと無骨な感じや石川の不敵さがほんとハマる。大谷の顔面ウォッシュもひときわ豪快。でもさりげに吊り天井とか出たり。
 最後は、大谷が臼田をブリッジしてしまうようなもんのすごい逆片エビ固め。ありゃりゃ、リザルトは単に「逆エビ固め」かよ。
 ワタシ的なこの試合の見せ場はこの後。田中と二人で並んでロープ上段に上がり、見得を切ろうとする大谷。ところが、あろうことか見事にスッテンコロリンと落下してしまう。かっこわりー。
 しかしその後、おずおずとびびりながら再度上がりなおし、へっぴり腰でポーズを決め直す。笑われる局面を、笑わせる場面に切り替える機転はあっぱれ。「笑われる」と「笑わせる」では大違いだから。
 でも、笑わせておしまいではしまらんので、火祭り刀を再度持ち出して、田中とポーズを決めなおす。いいコンビです。大谷と田中。

○大谷晋二郎(16:42 超片逆エビ固め)臼田勝美×


8、橋本真也 小川直也 vs ザ・プレデター トム・ハワード

 プレデターは、毛皮ブーツ&鎖&移民の歌カバー(全日版)と、完全にブロディ・コスプレ路線。チェーン振り回して観客席をのし歩き「お気をつけください!お気をつけください!」にあおられて観衆が逃げ惑う、という、いにしえのプロレス会場の雰囲気を堪能。こっちには来なかったので逃げなくて済んで楽だった(笑)。
 試合の方は、小川がちゃんとプロレスをしていた。ワタシ期待のトム・ハワードは、後ろで腕を組む軍隊式休めの姿勢で相手の攻撃を受ける、という芸を展開。
 その後もテンポよく進み、小川のSTOをはじめとする柔道殺法、橋本の爆殺ミドルだのDDTだの、ハワードの高速匍匐前進、そして、プレデターへの刈龍怒、ハワードへの俺ごと刈れに加え、Mrフレッドの、日本側には超低速、アメリカ側には高速のカウントと、見せ場のオンパレード状態。
 最後はプレデターが鎖でなんと橋本ではなく小川を絞首刑に。セコンド陣も交えての大乱闘状態に。
 なぜかゴルドー先生登場、プレデターに手短に何か説教。その後はなぜかエプロンで銅像のように死神直立。黙って立っているだけでも絵になる。でも、人が飛んできたらひょいと軽くよける。
 無効試合だが「試合にならなかった」のではなく、ちゃんとプロレスの試合結果としての「無効試合」。プレデターvs小川シングルへ遺恨を育んでいるんでしょうね。後ろの席の若者は「えー、これで終わりかよー。納得できんぞー!」と叫んでいましたが、ワタシは簡単に納得してしまいました。

 (14:53 無効試合)


 とにかくコリノvsゴルドー先生 with Mrフレッドに尽きる! 名鑑でしか知らなかったコリノは、ワタシの中ではスパイク・ダッドリーと同程度の認識だったんですが、ところがどっこい!いい味出してます。この一戦を見れただけでもこの日見に行った価値があると思いました。

 あと、エヴォリューションってチームも非常にいい感じ。全然知らなかったけど、一度見ただけですっかりファンになってしまいました。ノヴァって、元ECWのスーパー・ノヴァなの? これまた名鑑でしか知らないんだけど。

 事前にゼロワンの公式ページで、NWAとUPWのアメリカ勢同士の対立がアピールされてたので、そういう目で見ていたんですが、それならUPW勢対日本勢を裁くNWAのエグゼクティヴ・レフェリーのMrフレッドは、なぜUPW勢ではなく日本勢に低速カウントを入れる? そうです。アメリカでは張り合っていても、日本のゼロワンという共通の敵の前では、アメリカ同士結託してしまうんですね〜。NWA・UPWの対ゼロワン・アメリカ共同包囲網。そして静かに立ちつくすゴルドー先生の真意は?

 国内に目を向ければ、ノーフィアーを解消し藤田と結託した高山が、そして大仁田が牙をむく。新日の天山も、松山なんて田舎なんぞには行かなくても、もっと近所なら襲ってくるかも。外に、内に複数の敵を抱えるゼロワンの、明日はどっちだ!?




本稿の著作権はすべてKANSENKI.NET及び「書き手」に帰属します。

戻る
TOPへ