5/2 Ground Impact UM 観戦記
■団体:プロフェッショナル柔術リーグ GI um - GROUND IMPACT
■日時:2002年5月2日
■会場:ディファ有明
■書き手:うしをたおせ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)
ショックだった。その一言に尽きる。
とにかくショックで・・・。参った。ちょっと観戦記どうしようかなって思ったぐらい。
最初から会場はいい雰囲気で、楽しめたんだけど、ラスト3試合で空気が変わっちゃた。

まあ気を取り直して振り返りますか。

会場はディファだったんだけど、北側も南側も奥は席を設けず、コンパクトな感じに。
ほとんど埋まってた。8割は埋まってたかな。
北側には、スクリーンが張ってあり、試合の映像と得点表示が。あれは見やすい。素晴らしい。
全選手入場し、中井さんが挨拶。
「ここにいるのは柔術を愛している選手達ばかりです。
 最後まで柔術を楽しんでいって下さい。頑張ります」

ルール説明はマァ☆ティンとパレ福島の佐藤。この前下北で戦った2人。

では、観戦記に。


第1試合 青帯プルーマ級 6分1本勝負
○茂木康子(ストライプル)
×鈴木尚美(ノヴァユニオンJAPAN)
アドバンテージ1-0

茂木さんは「BACK DROP BOMB」で入場。さすが(笑)。

茂木引き込んでクロス。鈴木は立って切ろうとする。鈴木は基本通りヒザで足割ってハーフに。
茂木はタックルで起きるも、鈴木は潰す。茂木はなんとかオープンガードに切り換え、スパイダーに。
終了直前、茂木の三角が入り、やや浅かったが茂木がアド1Get。

相も変わらず、2人とも背格好が似ていて、ほとんど互角で、お互いが自分の持ち味出して。
いい試合だった。


第2試合 紫帯レーヴィ級 7分1本勝負
○渡辺直由(SSSアカデミー&K'zファクトリー/'01カンペオナート紫帯レーヴィ級準優勝)
×丹裕(ストライプル/'01カンペオナート・アダルト青帯レーヴィ級準優勝)
6'58" 腕ひしぎ十字固め

凄い試合だった。直さんはホレッタ一本だと思った。丹さんは、未だに柔道ベースなのかなと思っていた。
いやー完全にいい意味で2人に裏切られた。

丹がすぐ引き込む。そしてもぐってもぐって、スイープ!その弾むような華麗な動き。素晴らしい!
渡辺は下になり、すぐ得意なホレッタ仕掛ける。しかし丹は凌いで離れ、両者立つ。すると
すかさず丹がまた引き込み。渡辺はハーフに。渡辺は足抜けそうだったが、サイドに出していた片足を、
丹が抱え、そしてまたもぐってもぐってスイープ!下になった渡辺はまたもホレッタから仕掛けるが、
丹は冷静に動きを読んで凌ぐ。逆に丹が仕掛けてパスのアドをGet。渡辺はガードからのオクトパス柔術
に切り換え。頭のやや低い丹に対しても強引に足を絡め、三角に捕らえる。そして腕十字に。
腕が伸びるも丹は必死に腕を抜く。これで渡辺がアドGet。もう一度同じ展開があり渡辺がアドGet。
このまま丹が逃げ切ると思ったが、残り10秒ぐらいで渡辺が、腕を抱えたまま、足を絡めて、完全に
丹の腕を伸ばす抱え十字の形に!丹も粘るも、やむなく折りにいった渡辺が力を入れ、脱臼した丹がタップ!

残り2秒での激勝!うーん直さんかっこよすぎ。漫画のような逆転勝ち。その独特なムーブ素晴らしすぎ。
そして下からの素晴らしすぎるもぐりを見せてくれた丹さんもよかった。


第3試合 紫帯ペナ級 7分1本勝負
○渡辺 孝(パレストラ東京/プロ柔術2戦2勝 '01ムンディアル紫帯ぺナ級3回戦進出)
×岩間 朝美(名古屋BJJクラブ/ヒクソン・グレイシーLA大会1位)
アドバンテージ2-0

予想通り、お互いタックル狙い。容易に引き込まない。渡辺がタックルで場外に押しだし、アドGet。
立ち膠着のあと、岩間が引き込んでガード。岩間はもぐり狙いも渡辺は凌ぐ。渡辺は得意の足を捌いての
パスから、伏せた岩間のバック狙いでアドGet。岩間はガードに戻し、袖持って最後まで仕掛けるも、
渡辺動じず。逆にパスを狙う。でタイムアップ。

うーん孝くんは強い!それにつきるな、今後は、孝くんが劣勢にならないと見所がないかも。


第4試合 紫帯ペナ級 7分1本勝負
×植野 雄(グレイシーバッハ東京/'99コパ・パレストラ東日本大会青帯ぺナ級優勝)
○植松直哉(K'zファクトリー/元修斗ライト級1位)
ポイント0-2

植松選手は完全な丸坊主。青い、アディダス衣だったかな。

植野が引き込む。植野はデラヒーバ狙い。植松は足捌いてパス狙い。植野は植松を振って体勢崩すも、
スイープまでいたらず。植野は三角狙い。また、植松が伸ばした左足を植野は肩に抱えて仕掛ける。
植松は凌いで、両者立ち上がる。植野引き込むと同時に植松タックルし、植松にテイクダウンのアド。
植松足を捌いてパス狙いから強引に腕十字へ。植野抜くも、植松にアド。
時間がない植野、終盤立ち上がり、突っ込むも、植松の低いタックルに向かい撃たれ、決定的な2P失う。

序盤から中盤ずっと植野選手が仕掛けていたけど、植松選手が大事な裾とか持たれると、ズバズバ切って、
植野選手のペースにさせなかった。試合終了直後に悔しそうな表情でマットに倒れ込んだ植野選手の
表情が印象的だった。きっと本当に悔しかったんだろう。

植松選手は終盤のパスの切れ、十字への仕掛けは素晴らしかった。やはりトップシューターの身体能力の
高さを感じた。


第5試合 紫帯レーヴィ級 7分1本勝負
×桑原幸一(東京イエローマンズ/'00カンペオナート紫帯ペナ級準優勝)
○三島☆ド根性ノ助(格闘サークルコブラ会/'01カンペオナート青帯レーヴィ級優勝)
ポイント0-2

三島タックルでテイクダウン。2PGet。ここまでは桑原も予想通りか。桑原袖車絞めでアドGet。
桑原クロスから徹底的に絞め狙い。そして、相手の足を抱えてのスイープを試みるも、三島は動じず。
三島はクロスのまま、持ち上げ、回転する動きも。とにかくずっと5分以上桑原が仕掛けたが、全くといって
いいほど三島は動じず。終盤オープンにして仕掛けようとした瞬間、怒濤の足越えで、三島がハーフに。
そのまま固められてタイプアップ。

予想以上に三島さん強かった。パワーの差なのかな。桑原さんの仕掛けに全然動じなかった。
まあもう少し魅せてほしかったという気持ちがあるけど、やはりちょっとこの階級では別格と思わせた。
日本が誇る真の怪物。公表されたように、パンクラス出場問題で大変だろうけど、気を取り直して
がんばって欲しいですね。

桑原さんは今日はあまり見せられなかった。すばらしいオープンからの仕掛けを見せなかったのも、
三島さんのパワーを計算に入れての作戦だったかもしれない。隙を見せたとたん、爆発的な動きで
ハーフにさせられたし。


第6試合 紫帯ペナ級 7分1本勝負
×大石真丈(ヂャッカル・クラブ/第2代修斗フェザー級王者)
○林 秀徳(グレイシーバッハ四国/'01コパ・パレストラ南日本青帯ペナ級優勝)
ポイント0-2

大石さんはKEIKOで登場。セコンドから「ポイント関係ないよ」ってアドバイスが(笑)。
本人も「極めればいいんでしょ」って言ってたとか言ってないとか。

林引き込んで下に。林スイープするも、相手の袖の中に指が入ってたとのことで、取り消し。
大石足を捌いてパス狙いでアドGet。そのまま腕十字狙いも、林は凌ぐ。大石、帯とって帯取り返し
狙うも、そのまま下になってしまい、林にリバーサルの2Pが。大石は相手に2P入ってしまうこと
分かっていたのか(^-^;)。大石下から三角のような形で足を絡め、脇を差して、腕を取りにいくも
林もガードが固い。特に動きのない林にマイナスアドバンが入るも、そのままタイムアップ。

ハヤハヤこと林選手が見事現役修斗王者を柔術で下した。植松選手、三島選手とトップシューターが
柔術系選手を下していることもあり、林選手が見事柔術側の選手として意地を見せた。
大石選手、ほんとにルール知らないのでは。というかやはりギは慣れていない気もした。
腕を取りに行く形も裸のときと一緒だし。でも僅差の敗北ってことはやっぱ相当強いね。


第7試合 茶帯プルーマ級 8分1本勝負
○宍戸 勇(PUREBREDアリーナ/'01パンアメリカン紫帯プルーマ級優勝)
×福住慎祐(名古屋BJJクラブ/'02パンアメリカン紫帯プルーマ級優勝)
ポイント6-0

予想通り両者引き込み。どちらが下というわけでなく、両者足を絡め、襟を引き合い、組み手争いに。
そのまま横になり、2人とも肩をつけてひっくり返る場面も。その後も組み手争いは続く。
延々と続くその動きにレフリーはブレイクし、両者にマイナスアドバンを。
またも2人で引き込み合い。しかしシッシーの足が駆け上がり、必殺の三角へ!福住は凌ぐも、
シッシーはそのまま崩してスイープ!そしてクラッチを離し、マウントに!で、2+4=6PGet。
福住マウント脱出して、またお互い引き込み合い。だんだんシッシーのほうに余裕が感じられ、
シッシーがスイープでアドGet。そのままシッシーペースで終了。

最後まで自分のペースで試合ができなかった福住選手。得意の三角を極めかけて先輩茶帯の貫禄を見せた
シッシー。さすが。


第8試合 黒帯チャレンジ 69キロ契約 10分1本勝負
○マルコス・バルボーザ(ブラジル:バルボーザ柔術/'99ブラジレイロ黒帯ペナ級優勝/黒帯)
×朝倉孝二(パレストラ池袋/'00,'01カンペオナート紫帯ペナ級優勝、 '01パンアメリカン紫帯ペナ級3位/茶帯)
2'18" 送り襟絞め

いつもどおり「残酷な天使のテーゼ」で入場の朝倉さん。
対するはインテリオヤジっぽい風貌のバルボーザ。見た目は普通のおっちゃんなんだけどな・・・。

朝倉低く、片足タックルでしがみつく。そこから揺さぶりをかけるがバルボーザは動じず。
バルボーザは上からプレッシャーをかけ、亀気味の朝倉のバックからサイドにつき、クロックチョークを
狙う。でアドGet。上から攻め続け、サイドをとりかけるが、朝倉何とか逃れる。でここでもアドGet。
またバックに回られ、バルボーザは送り襟絞め。朝倉落ちる・・・。

朝倉さん、最初こそ自分のペースで仕掛けるも、途中からは圧倒的なバルボーザの強さが感じられた試合。
上からのプレッシャー、最後の絞め。全てが強烈でインパクトがあった。


第9試合 黒帯プルーマ級 10分1本勝負
○ヒカルド・ヴィエイラ(ブラジル:アリアンシ/'02パンアメリカン黒帯プルーマ級優勝、'01ムンジアル黒帯プルーマ級優勝)
×吉岡 大(PUREBRED大宮/'02パンアメリカン黒帯プルーマ級3位、'01パンアメリカン茶帯プルーマ級優勝)
ポイント10-0

ヒカルはなんと黄色い衣に緑に染めた髪。黄色と緑の帯とよく合ってた。セコンドにはレオが・・・。

前の試合の朝倉vsバルボーザ戦は明らかにバルボーザが格上。チャレンジマッチだし。
プーさんにはホントに期待してたんだ。みんなそうだと思う。パンナムの時も、3アド差だったし。
だけど・・・。
この試合は途中からメモ取りませんでした。正確には動きが凄すぎて取れませんでした。

ヒカルが引き込む。確か足首とかすくってスイープ。その後もパス狙いまくって、パスして、
マウント取りかけて、アームロックしかけて、バック取って、絞め狙い続けてた。
そうそう、オモプラッタ仕掛けて、腕固めたまま、両手でもう片方のプーさんの腕を極めてたりしたな。
その動きから転がしてスイープしたり。もうグチャグチャ。プーさんも下から必死で仕掛けて、
ヒカルを浮かせてたけど、スイープには遠く及ばなかったような・・・。側転パスも決められた。確か。
終盤、バックから執拗に絞め狙い。なんとかプーさんも凌いだけど、その後、恐怖の手首固めを
狙われる。もうプーさんの手首がへし折られそうで見てられなかった。
会場からも「もういいよ・・・」って声も。何とか耐え抜き一本負けは凌いだプーさん。

参ったね。その強さを散々耳にするプーさんが、同じ黒帯に惨敗。もうホント惨敗。
ヒカルジーニョは凄かった。きっとパワーもスピードも凄いんだろうけど。なにかが根本的に違った。
なんなんだろう。その何かが見てても分からないから困る。数分後にもっと凄いの見ちゃうんだけどね。


第10試合 黒帯ペナ級 10分1本勝負
○レオナルド・ヴィエイラ(ブラジル:アリアンシ/'02パンアメリカン黒帯ペナ級優勝)
×中井祐樹(パレストラ/第3代修斗ウェルター級王者、'99ブラジレイロ黒帯ペナ級3位、'98パンアメリカン茶帯ペナ級優勝)
9'58" 襟絞め

中井さんはいつもどおり「へルター・スケルター」で入場。気合が入った表情で、階段を下りながら、
両手でガッツポーズ。中井さんのかっこよさと中井さんの勇姿を間近で見た感動で、ちょっと涙ぐんだ。

レオジーニョはKEIKOで入場。

中井さんは戦前の予告どおり、立ちで勝負。組み手争いになる。中井さんがいいとこ持つが、
レオはバシバシ切る。それも足で。足上げてズバッって切ってしまう。しかし中井さんも組みなおして、
レオの足払い、背負いにも動じない。そして中井さんが背負いを仕掛けるが、レオに潰される。
苦しい体勢になるが、中井さんは立ち上がり、また立ち勝負に。
しかしだんだん、レオが中井さんの袖を取って、激しくあおり始める。そして大きく前にあおった
瞬間、サイドに飛びついてバックに。激しく横に動いたと思ったら、一気に中井さんを越えて、前転。
そのままの勢いで、中井さんも一回転し、転がったときにはバックマウント取られていた!
ここらへんまでは覚えていたが、あとはもう・・・。メモ取るのをやめたんじゃなくて、
メモ取るなんて完全に忘れてた・・・。あとはとにかくレオの動きに呆然としていた。
とにかく中井さんに全くいいところを取らせない。自分は中井さんの奥襟あたりをつかんで、
低い位置から攻めてくる中井さんを飛び越えて翻弄する。なんだかもう・・・。
ホントあの中井さんが、片足にしがみついて、そこからのテイクダウンを散々狙うも、
全て潰して、最後は帯とって返してスイープしてしまう。もう何でポイントが入ったか覚えていない。
終盤中井さんのサイドというかバックから絞め狙い。中井さんも凌いでいたが、強烈に絞め上げ、
中井さんがゆっくりタップ・・・。その後の表情を見ると落ちる寸前だったのかも。
残り時間を見るとなんと9分58秒。残り2秒とは・・・。

会場全体が呆然とする中、全選手が入場して、挨拶。記念撮影。
主催者のハマジーニョがマットに上がり。挨拶。
だけど号泣して声にならない・・・。僕も思わずもらい泣き。
「右も・・・左も・・・分からない僕ですが、みなさんのおかげですばらしい大会が開けました。
 今後も頑張ってプロ柔術大会を続けたいと思います」といった感じ。

そんなわけで日本人は一般客はもちろん、白帯から黒帯まで全員凄まじいインパクトを受けて
日本初のプロ柔術興行は幕を閉じた。

このショックはうまく言葉で表現できない。中井さんが完敗したことがやはりショックだったけど、
なんといってもレオが凄すぎた。柔術をそれなりに見てきたつもりだったけど、もう次元が違うのか、
想像を絶するほどの戦いぶりだった。
ある意味バリジャバ96の日本最弱ショックを越えるものだった。
またしても日本と世界って全然距離が縮まってないのってことを痛感させられた。

数々の色帯が「あれが柔術なら、自分たちのやっているのは柔術じゃない」ってつぶやいてた。

でも、ひとついえるのは、レオがおかしいってこと。やはり世界王者。
そして世界王者の中でも特別だってこと。
中井さんもブラジレイロで3位になっている。世界レベルでも素晴らしい実力の持ち主。
だが、やっぱりレオは別格だってことだと思う。遺伝子レベルの話かもしれない。

まあ、生でそんなレオジ−ニョが見れたというのはある意味凄いことだと思う。

だけどやっぱり日本の柔術ってまだ始まったばかり。黒帯だってホント数えるほど。
僕は全然貢献できてないけど、みんなで強くなって、柔術界を盛り上げていけば、もっとみんなが強くなる。
そのきっかけにこの大会はなると思う。これからだってことです。

浜ちゃん、ホントお疲れ様。次も期待してます。




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