底抜け・脱線・闘龍門
■団体:闘龍門
■日時:2002年4月22日
■会場:後楽園ホール
■書き手:リー監督(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 銀河系だけでも300兆人の闘龍門ファンがいるという。今日の会場にも地球外生物と幽霊が沢山いた。今まで隠していたが、私は霊媒師なのでそういうのもよく見えるのだ。大入り満員。もはや座席数だけでは実態を把握できない状況である。まさに宇宙を支配するのは闘龍門だ。

 いや、ほんの冗談です。

 平日に興行を観に行くのがますます辛くなっている。みんな不景気がいけない。阪神が勝つからいけない。狂牛病なんか怖くない。ペイオフなんか関係ない。頑張れ讀賣ジャイアンツ。嫌いだけど応援しているぞ。早くW杯が来ないかな。ベッカムの怪我が心配だ。

 今日は闘龍門の最強を決める、エル・ヌメロ・ウノの決勝トーナメント。前回優勝の望月成晃が雑誌などで「全勝宣言」をしたにもかかわらず全敗街道驀進中。「闘龍門は強い」とまで発言。昨年との違いをここまで徹底しているから面白い。それでもDブロックを突破するのはモッチーであって欲しい。

 私にとって「驚きと幸せを貰えるプロレス」なので、誰が優勝するのか予想がつきにくい。とりあえず「マグナムTOKYOがグレてしまうこと」の一点に絞って考えた。マグがM2K入りをすることを前提としてみよう。

1.M2Kが協力してマグを優勝させる。
2.マグは優勝できない。だから、グレてM2Kに入る。

 この二つのパターンが私の灰色の脳細胞で考えつく限りの順当な線。

1.は、リーグ初戦から堀口元気が表現していることなのでそれほど驚きはない。
2.もインパクトはあまりない。

 いずれにせよ、それらに説得力をもたせるのは、クレイジーマックス、特にSUWAとの抗争の流れで、SUWAにめった打ちにされてしまい、そんなマグにM2Kが献身的な協力をすることだろう。

 ・・・・・・などと事前に考えても無駄。いや、大いに意義のあることなのだが、一方で闘龍門は何も考えずに楽しむことも大切。とにかく、今夜はみんなで大騒ぎして楽しもうぜベイビー。アイ・ワナ・ビ・ウィズ・ユー・トゥナイト(by 佐野元春)

■第ゼロ騒動『Dブロックはやっぱり……』の巻

 AブロックはマグナムTOKYOの勝ち抜け。BブロックはCIMA。CブロックはSUWA。残る一つの椅子を決めるのがこの試合。

 その第ゼロ試合はDブロックの時間差バトルロイヤルだ。細かいところはどうでも良いとして、最初に全敗の望月成晃が登場。対するは堀口元気。3分後にはダークネスドラゴンと横須賀享が登場。当然のようにモッチーが孤立する。そして観客は「いい人」モッチーへの声援一色。昨年とは全く逆。

 白バージョンの市川による、ニュートラルコーナーのポストと同化する妙なネタとか、相変わらずの自転車兄弟の絶妙のコンビネーション(相打ち付き)で観客を引き込みながら、最後はモッチーがTARUとの武輝道場対決を制する。しかも決まり手はウラカンラナ。素晴らしい。

■第1騒動『机を壊してはいけません』の巻

 準決勝第一試合はマグ対SUWA。闘龍門逆上陸当初からの因縁の対決である。

 マグの入場はまだ世界一。今日はお客さんのノリが良すぎる。これもまた逆上陸当初と同様の大騒ぎだ。リング上ではマグをM2Kに入れようと企む悪の堀口元気が素晴らしい踊りを披露。対して「踊れないヤツとは組まないんだよ」と繰り返し発言してきたマグは、「お前だけ踊れてもしょうがねえんだよ」。これが本日のポイントだった。

 試合はクレイジーバンプのSUWAに対して、マグもなかなかのバンプを魅せる。こんなマグは初めて観た。FFFからの体固めでSUWAが勝った。しかし試合後、例によってM2K乱入。椅子はでぶん殴るはテーブルの上でパイルドライバーを決めてテーブルを壊すは、それはもう大騒ぎ。SUWAは椅子の中に埋もれぐったり。誰も助けに来ない。

 遅ればせながらTARUとドン・フジイが来たときには、もうM2Kはいない。SUWAは担架で運ばれる。これがホントのストレ……。あ。いやいや。あの。ええと。ストレス溜まりますよねえ、SUWAのファンは。

 SUWAのテーマが流れる中、これで決勝戦は? SO WHAT! どうするの? SO WHAT!
 
■第2騒動『昭和のプロレスとは……』の巻

 準決勝の第二試合はCIMA対望月成晃。今日の闘龍門は出し惜しみなし。いきなりバックの取り合いなどグラウンドの展開。この2人がかみ合うのも不思議といえば不思議。とにかく渋い応酬でもしっかりと魅せられるのは素晴らしい。プロレスとはそういうものだ。それをハイスパート天国の中でやるから闘龍門は凄い。

 疲れているモッチーを相手にCIMAがしっかりと試合を作る。CIMAがプロレスの申し子であることは間違いない。

 モッチーがビーナスからアイノコクラズムを決めたりする。うーむ。ハイスパートの最後はモッチーのウラカンラナを返すCIMA、その流れでシュパインを決めようとするが、それを返して丸め込むモッチー。3カウント。やはり今日のお客さんはモッチーへの声援一色。6分の試合とは思えない濃密度だった。

■第3騒動『市川大暴れ』の巻

 休憩後校長の登場。T2Pの次は『闘龍門X(エックス)』。なんだか嫌な予感がするけど面白そう。2年後が楽しみだ。

 第三試合はTARU・フジイ 対 市川・アラケン。市川が「おいおいお前ら2人なんかオレ一人で充分」などとマイク。「一ヶ月前オレはここ、後楽園でSUWAを場外でぶちのめしてやったんだよ」。おいおいやったのはマグじゃん、とは今さら突っ込む気にもなれない。

 面白かったのは市川とフジイのダブルのロープ拝み渡りで、お互いにぐるっとまわって睨み合ったシーン。これもまた新鮮。最後は市川が中途半端なシャイニング・ウィザードから、すっぽ抜けジャーマンという自爆ネタ。結局フジイの超ハイアングルの喉輪でピンされる。市川、素晴らしい。

 なお、試合後CIMAが出てきて何やら合図。SUWAの首の怪我が再発して救急車で運ばれたとのこと。「なんでぇ」と叫ぶ客とやり合うCIMA。CIMAはこういう時も徹底していて凄い。まさにプロフェッショナル。

■第4騒動『子供が観なくてはいけません』の巻

 第四試合、M2Kの元気・クネス・享 対 マルビン・了・キッド。この試合は子供向き。大切な試合だ。なんとなくマニアが増殖している会場の雰囲気も、ここでは派手な技を連発するハイスパート活劇に酔いしれる。もっと子供を連れてきましょう。

 いつも書くけどまた書く。横須賀享とドラゴンKIDの絡みは実に波長が合う。やっぱり享は上手い。

 技の名前を連発しても仕方がないので書かないけど、こういう試合をやるから闘龍門は偉いのだ。マニアの目で観るだけがプロレスではない。……と私が書いてもダメか、やっぱり。

■第5騒動『踊り踊るなら……』の巻

 試合前に校長と社長が登場。「マグナムを決勝に出します」に対して観客ブーイング。

 マグの2度目の入場ダンスには、リング上でクネスと神田が踊っている。ぐはははははは。SUWAを病院送りにしてブーイングを浴びるM2Kも、ここでは大爆笑で大拍手。M2Kで踊らないのは横須賀享だけとなる。さすがに私もここでやっと最後のネタが解った。

 さあ、闘龍門の最強決定戦はモッチー対マグだ。マグのセコンドには正規軍。ニュートラルコーナーにM2K。さそり固めを出すなどじっくりとした展開の中で、神田がブルーボックスで介入。ここから試合は激変する。

 M2Kがモッチーをいたぶると、C-MAXがマグをめった打ち。そこへ正規軍も入ってきて大乱闘。しかし、すぐリング上は2人の世界に。メリハリのある試合。

 次は空手出身同士らしく、蹴り合い殴り合い。最後はマグの連続延髄蹴りからバイアグラドライバー、AVスタープレスで納得の勝利。実にあっさりと優勝のセレモニーを終え、いよいよクライマックス。

 元気がいやらしくマグをM2Kへ勧誘。マグ「正直クネスと神田には驚いたよ」。というわけで、M2Kを加えて踊りを始める。最後まで踊りを拒否していた享。しかし、紫の仮面を無理矢理付けられると、急に上手に踊り出す。ぐはははははははははは。M2Kはみんな、練習しているではないか。そういうことだったのか!!

 はい。このようにしてマグはM2Kに入ってしまいましたとさ。サプライズじゃないはずなのにやっぱり驚いてしまう。実に素晴らしい。ネタや勝敗が判っていても判っていなくても面白いのだから。


 今日も闘龍門は驚きと幸せが同居する素敵な興行をやってくれた。幸せになりたいなら闘龍門を観よう。次の東京興行は5/19の日曜日、ディファ有明だ。6月も後楽園の興行があるらしい。カモン・ベイビー! 特に女性と子供たち。絶対に面白いから来なさい!!


▽エル・ヌメロ・ウノ準決勝
○SUWA(片エビ固め11:28)×マグナム
○望月(横十字固め6:42)×CIMA
▽同決勝
○マグナム(片エビ固め12:36)×望月




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