4/17北沢タウンホール「プロレス活き活き塾」旗age戦観戦記 あるいは、この世の果てにて
■団体:プロレス活き活き塾
■日時:2002年4月17日
■会場:北沢タウンホール
■書き手:ダイス
ごく一部で話題沸騰のプロレス活き活き塾。どんな客が来てるかなとか思いながら会場へ向かうと、案の定埼玉とかで見た顔がごっそりスライドしていた。
会場ロビーでは久世和彦塾長の好意により、塾生が注いでくれるフリードリンクと紙皿の上に並べられた安いお菓子(ポテチがしけってた)が並べられ、どんよりとした空気が漂う。
オールスタンディングの会場の中心にリングが置かれている。手を伸ばせばリングに触れられるぐらいの距離に陣取ると、オープニングビデオが流れた。元気のなさそうなサラリーマンのおじさん達の顔を流した後、久世塾長の満面の笑みとSAMURAIでも流れた旗揚げまでの流れを編集したビデオだ。場内のそこかしこから間欠的に「イッキイキ!」のコールがおこり、いい具合に温まっていく。
活き活き塾は、これを見ることによって、誰もが、前向きに、ポジティブに、ノーストレスになるというプロレスと自己啓発を融合させたこの世のものとは思えない新種のイベントである。客の期待も高まろうというものだ。
入りは100人ぐらい。まあこれが後楽園ホールを埋めたりしたら日本のプロレス界も終わりだと思うのでこんなもんでしょう。ちなみに「無限の可能性を秘めているため」全試合時間無制限1本勝負です。

第1試合 「THE・男のプロレス」 内藤恒仁(フリー) vs WOLF(YMB)

「UWFメインテーマ」に乗って内藤入場。赤ふんいっちょうの男二人に先導されて花道を進む。対するは奈良で独自路線をひた走るYMBの代表WOLF。内藤はきちんとプロレスラーな体格だが、あおやま英雄画伯によるアニマル浜口Tシャツを着たWOLFの体格は甘く見積もっても内藤の半分ぐらいだろうか。
レスラーを賞賛する言葉に「ほうきが相手でもプロレスができる」ってのがあるけど、今日の客は「ほうきが相手のプロレスでも盛り上がれる」人ばっかりだなあ。
○ 内藤(3分15秒 逆片エビ固め)WOLF×

這って退場するWOLFを尻目にインタビューを受ける内藤先生。「みんなイキイキしてるかい」とのありがたいコメントに「イッキイキ!」コールで答える観客、もとい塾生たちであった。

第2試合 「なりきりアーティスト対決」YAZAWA vs TETSUYA

見事に永ちゃんな入場を決めるYAZAWAになぜか背後からショッカーの戦闘員二人が襲いかかる。しかしあっさり撃退すると、既にリングで待ち受けるTETUYAとの戦いが始まる。YAZAWAがピンチになる度に嬉しそうにYAZAWAコールを送る塾生達。その圧倒的な声援に応えて簡単に勝利を奪う。
○ YAZAWA(3分8秒 投げっぱなしジャーマン〜片エビ固め)TETUYA×

第3試合 「活き活き女子対決」宮崎有妃(ネオ・レディース) vs 仲村由佳(ネオ・レディース)
試合前に甲田社長をまじえた3人による控え室での会話が流れる。
「何の因果でこんなわけのわからないところで試合しなきゃいけないの」「私達はどこでもネオの試合を見せるだけよ、それは札幌での新日への提供試合でも、ここでも同じことよ」場内拍手喝采。
そこに流れる『LOVE 涙色』突如発狂したかのように「ヒュッヒュー!」と奇声をあげる壊れ者多数。そんな中入場した仲村が相変わらず上達しないダンスを見せる。宮崎も入場してきて試合開始…。と思ったら塾スタッフが突如乱入して二人の首に万歩計をぶらさげる。「30秒で多くカウントした方の勝ちです、用意スタート!」なんの疑問も持たずに走り出す仲村、それを見て怒る宮崎!「私はプロレスをしに来たんだよ!」でも今日の客は自己啓発をしに来たんであってプロレスは2の次。宮崎に容赦ないブーイングが浴びせられる。
「それじゃあ」とスタッフはトイレットペーパーを渡す。「先に巻き取った方の勝ちです!」やはり疑問を持たずにゲームを始める仲村とやはり怒る宮崎。そのまま二人はリングを降りる。
するとスクリーンにバックステージの映像が流れる。甲田社長に、なぜこんな試合をブッキングしたのかと問い詰める宮崎。しかし久世塾長に満面の笑みで「でも、イキイキしたでしょ?」と問われると「一瞬ね」と答える宮崎であった。やっぱいいっすよね、イキイキ。

リング調整のため休憩(爆笑)。ロビーに出ようと入り口へ向かうとスタッフ達に「すいません」とあやまられた。いや、好きで見に来てるんでお気になさらずに。

休憩時間が終了すると、突然鴨居長太郎と長瀬館長の姿がスクリーンに映し出される。
「俺の名前がチケットに載ってたのがうれしくて50枚も買ったのに、試合組まれなかったよ」
「鴨居さんもですか。僕もです」
「さては、こうやって収益を出してるんだな、お前らこんなインチキ商売にだまされちゃ…」
ここで映像が突然途切れる。不思議なこともあるものだ。

第4試合 「モォーリアーズ見参!!」ホーク・モォーリャー&ヴァー・ウォーリアーwithサンポール・エラリング vs 比田一郎太&前田光世(CCレッスルアーツ)

試合に先立って、先日のSAMURAIでも流れたヴァー・ウオーリアーの衝撃映像が流れる。妙にどんよりとした空の下、サンタモニカの海(嘘)から表われたヴァーが、「イッキイキ」と叫びながら海岸を走り、醤油を飲み、火炎ヤリを相手に打撃特訓。潮干狩りで掘り出したネズミをむさぼり食う。その模様をぼんやり眺める地元のおっさんの姿まできっちりとらえたお宝ビデオである。
例のテーマで入場した二人があっという間に、どこの誰ともわからん二人を蹴散らす。つーか、ヴァーとモーリャーがお馴染みのレスラーになってる自分にはもう帰るところがないなあと思ったり。
○ モォーリアーズ(1分1秒 ダブルインパクト〜体固め)比田×

リング上で倒れたままの比田の前に比田の母が現われた。
「一郎太、もう帰ろう。こんなわけのわからない宗教みたいなものはやめて。今日はお前の好きなカレーライスを作ってあるんだよ」と涙ながらに訴える。大晦日の安田を持ち出すまでもなく、親子の情に弱いのがプロレスファン。「帰ってやれよ」「カレーがもったいないぞ」等の温かい声援が飛ぶが、
「母さんは活き活き塾の素晴らしさがわかってないんだよ、帰ってくれ」と冷たく突き放す。
「皆さん、すいませんでした。母さんは活き活き塾のことが嫌いみたいだけど、巷で噂されてるような怪しい団体じゃない、素晴らしい団体なんです」…どこで誰が噂してるんですか。

メインイベント 「Technique vs Shooting」佐野直(国際プロモーション)with久世塾長 vs 片岡”幻”亮(二瓶組)with唯華(日本地下プロレス連盟マスコットガール)

旗揚げ記者会見の模様がビデオで流される。塾長が100万ドルの笑顔で活き活き塾のコンセプトを語っていると突然『ナイタイスポーツ』の記者が立ち上がった。
「お前ら、マスコミなめるのもいい加減にしろよ。こんなもん記事にできるかよ」しごくもっともなことを言うその記者はプロレスラーやキックボクサーとしても活躍している幻こと片岡だ。
そのまま森谷さんを倒し、塾長も襲う幻。その後、職場に車椅子で訪れた塾長を返り討ち(車椅子のまま、坂道を滑り落とす)にし、そして今日「馬場、猪木と並ぶ日本で3本の指に入るレスラー」佐野直との試合が組まれた。しかし、さすがに佐野を「3本の指に入るレスラー」と呼ぶのは今日の客でもびっくりするな。こーゆうのをビッグサプライズと言うのでしょうか(違います)。
ところで恋人でマネージャーでもある唯華が幻のことを「まぼちゃん」と呼ぶのは個人的にツボでした。
塾生のブーイングを浴びて入場してきた二人は、客席に向かってアジり倒す。
「お前ら、死んだ魚みたいな目をしてるんじゃねえよ。悪い事言わないからこんなもん見るのやめろ」
ごもっとでございますが、好きで見てるんでほっといてくれ。つーか、客席拍手喝采だし。
試合は、序盤こそ佐野が押すものの、ほとんど一方的な展開。観客の佐野コールと塾長の「イッキイキ」コールが虚しく響く中、幻にボコボコにされた佐野がリング外に転落。「逃がさねえよ」と幻が、佐野をリングに上げようとするが、佐野は失神。そのままレフェリーストップとなった。
○ 幻(6分13秒 レフェリーストップ)佐野×
観客のブーイングの中「打ち合わせのないプロレスは気持ちいいねえ」と勝ち誇る、幻&唯華。しかし自らのリングを汚された怒りか、車椅子の塾長に奇跡が起こった。突如立ち上がった塾長が「キー!」と奇声をあげ、唯華に襲いかかる。一度は反撃にあい、花道で踏まれながらも他の塾生達の協力もあり、唯華を捉え、背中にスプレーでなにやら書きはじめる。大歓声の中、力尽きた塾長が這いずりながら控え室に戻ると、EGO WRAPPINの『色彩のブルース』が流れ、スクリーンにスタッフロールが流れ出した。驚愕する場内。しかし、出演、照明、音響、広告から場内警備にいたるまで全てに塾長の名前が入ってるからって大喜びするのはどうかと思うが、まさか本当に啓発されたか?

次回は5/14(火)同じく北沢タウンホールにて。さあ皆もイキイキしようぜ!




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