4/14 掣圏道 ディファ有明
■団体:掣圏道
■日時:2002年4月14日
■会場:ディファ有明
■書き手:高倉仮面
11:45
JR浜松町駅に到着。私の個人的な友達であるシロさんと待ち合わせる。

浜松町…と言えば、
「東京に住んでいる人でもあまり行った事のない場所・ベスト5」
に必ずランクインされるであろう、東京タワー。

その簡素すぎるテーブルやイスから、思わぬ学食気分を満喫できる「レストラン」、
「タワー『通』」が注文するのは、レモン型の「型」に嵌めてから出してきたのがわかってしまう「昔風のチキンライス」。
遊びも充実。かざられている絵に合わせて、変なポーズを取るのが楽しい「トリック・アート展示場」。
設置してある電子望遠鏡(有料)にて、思わず友達の鼻の穴の中を見るのに忙しくなる「展望台」等、魅惑のスポットが満載。

しかし、やはり東京タワーと言えば、
既に大槻ケンジのエッセイ等でも有名だが「蝋人形館」であろう。

最初はアーノルド・シュワルツェネガーやトム・クルーズ、
オードリー・ヘップバーンやマリリン・モンロー等の有名人の蝋人形が並んでおり、
見に来る人々は「これ、ホント似てるねェ」とか、「全然似てないなぁ」とかボヤボヤした感想を述べているが、
急に出てくる妙にリアルな作りの「西洋の拷問・コーナー」あたりで、「何でこんなのを蝋人形にしてるの?」と言わせて、
この館の最後を飾る「ロックの英雄・コーナー」で、「分からねぇ!」とか「知らねぇよ!」と叫ばせる。

しかもこのコーナー、近年行なわれた改装工事でパワーアップ。
工事前には存在しなかった、値打ち物と思われるポスターやらレコードやらジャケットやらギター等が、
惜しげも無く飾られている。このコーナーの担当者の底知れぬパワーの成し得る業だ。
僕もキース・エマーソンやリッチー・ブラックモアあたりは分かるのだが、他の人はわからない。
多分、所属しているバンド名とかを聞けば多少はピンと来るのだが…。
ちなみに、リッチーは例のポーズで蝋人形になっており、マニアも納得。

追加情報、この工事で「ジャーマン・プログレッシブ・コーナー」が新設されていました。
…全然、知らない人ばかりでした。

…と、ここまで書いておいてナンだが、今日の目的は「東京タワー見物」ではないので、
「♪タワ〜ッ、タワ〜ッ、東京タワ〜ッに登っタワ〜ッ」と、
「寒空はだか」の名曲「東京タワーの歌」を歌いつつ、
我々オヤジ二人は水上バスを求めて浜松町を歩く。


13:20
日の出埠頭に到着。水上バス(船)にて国際展示場方面へと向かう。

神奈川県の内陸部に住んでいて、
普段は海なんか見る機会の無い僕にとっては、
たとえ東京湾のような汚れた海でも大変珍らしく感じるのだ。
そこで、今日は少しでも海を感じたかったので、
水上バスを利用する事にした訳だ。
日の出埠頭から国際展示場までは、水上バスなら350円。
贅沢な気分を味わえる割には意外と安い。

水上バスはゆっくりと海上を進んで行く。
今日は天気が良いせいか、多くの観光客が海を見に来ている。
家族連れやカップルが、こちらに向かって手を振っている。
人は海を見ると心が和み、船を見ると手を振るものらしい。

ああ、それにしても豊かな水を見ていると心が洗われたような思いになる…。
心の周りにあるゴミや汚れが少しずつ取れていき、ありのままの自分が現れていく…。

そうだ、彼等に手を振ろう。
そして、叫ぼう。

「フザケルなよっ、昼間から幸せそうな顔してイチャイチャしやがってっ!
 こっちは30歳を目の前に独身なんだよ、バカヤローッ!」

海は人を正直にする。

「春先に 男二人で 海を見て 本音で叫んで 心で泣いて」
高倉仮面29歳、独身で迎えた春の海にて。

あ、隣でシロさんが微妙な笑いを浮かべてる…。


13:45
国際展示場に到着。徒歩にてディファへ向かう。

ここでオヤジ二人は、掣圏道には必需品である「アルコール」を摂取すべく、
ディファの直ぐ近くにある某コンビニにてお酒を購入しようとした。
しかしなんと、この店はアルコール類を一切取り扱っていなかったのだ、残念。
これからディファに行く人で酒飲みの人は、覚えておくと良いでしょう。

一応、ディファの中でもアルコール類は売ってはいるのだが、
薄〜い『ウィスキー』と『ビール』の名を借りた発泡酒が、
各500円で売られているだけ。割高感が強烈なので注意。


14:00
ディファ有明到着。当日券3000円を払って会場入り。

…閑散としている。100人、いるのか?
先週観戦した「SMACK GIRL」も、決して大入りではなかったが、
ディファをフルに開放してこの入りでは、
興行としてカッコがつかないよなぁ…。

まあ、事前に殆ど宣伝や予告をしていなかった事や、
最近の佐山の発言等で観戦を倦厭した人もいるだろうから、
そういう意味では、この入りは十分に納得できる。
だが、それにしても…。

宣伝と言えば、
今回の興行に関して「SRS-DX」や「紙プロ」ですら、
事前に何も取り上げなかったのには驚いた。
やはり、最近の佐山がそれほどに「取っ付き難い存在」という事なのだろうか?

「ひょっとしたら、今日観戦するのは『間違い』なのかも知れない…。
 これからどうなるんだろう、生きて帰れるのだろうか…」と、
もの凄い恐怖感に襲われつつ観戦開始。

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※なお、今回は公式パンフに身長や体重に関する記載がなかったので、
 観戦記にもこれらのデータはありません。あしからず。

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・オープニング
明るい音楽と共に、ロシアの妖精達が大量にリングイン。
魅惑のオープニング・ダンスを披露する。

「ハラショーッ!待っていました!」
「掣圏道と言えばコレですよ、コレッ!」
もはや、先ほどの「もの凄い恐怖感」などすっかり忘れて、
オヤジ二人のボルテージは一気に急上昇。


・代表挨拶
「2001年・宇宙の旅」のテーマと共に、最近何かと噂の掣圏道代表・佐山氏が挨拶。

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「今日はご来場、ありがとうございます。
 現在、掣圏道を只今『武道』として作成中です。
 何故、武道なのか? 何故、様々な格闘技は精神面を見ようとしないのでしょう?」

早くも雲行きが怪しくなってきた。

「柔道は、嘉納治五郎によって精神の教育する武道として消化され、
 相撲は、元来、神道の考えから生み出されたものです。」

ますますヤバそうだ。

「最近、私の事を皆が『右翼』だと言います。しかし、それは違います。
 『右翼』は、●●●●(実名、あまりにもヤバいので伏せます)です。」

いいのか、こんな事を言ってしまって!?
キック界に多大な貢献をした人の名前を名指しかよ!?

「私は、この掣圏道という武道を通して、
 世界最弱と呼ばれた日本に、世界最強の軍隊を創ります!」

これはヤバいぞ、ヤバすぎる!

「私の思想は誰にも分かりません。
 しかし、私はその一部をHPに公開しました。
 そちらを観て下さい。私の思想の一部が分かるはずです。」

きっと見ても分からないんだろうなぁ。
ちなみに、見たい人はここをクリック。僕は見てません。
http://www.seiken-do.com/

「世界平和の為に、神と自然と人が一体になれる格闘技。 
 それが掣圏道の理想です。」

これにはコメントできない。
色々ありすぎて、コメントできない。

「私は、PRIDEやK−1で普段から強い男を、
 ●●●●以外に見た事がありません。」
  
また出てきたよ、この人の名前。何でこの人にこだわるんだろう?
第一、この人、現役はとっくに引退してるし、
PRIDEにもK−1にも出場してないでしょ?

「私は世界最強の国を創る為に、この格闘技を作りました!
 今日は選手の精神力も見てください!」

ようやく終わりか。
それにしても「これを言っちゃうと、シャレにならんぞ」という発言の嵐だな。

あ、隣でシロさんがゲンナリしている…。

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やはりこれらの発言は生で見たほうが迫力があるだろう。
紙プロによる再収録を希望したいです。

いや、無理には載せなくていいです。
かなりヤバいので。

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・ルール説明
掣圏道のファイトスタイルを具現化した「アルティメット・ボクシング」について、
インストラクター2名を介してのルール説明のデモが行われた。
このようながデモがあると初心者でも観戦が楽になる。こういう配慮はうれしい。

一応、ルールを記載。
◎ニー・オン・ザ・ベリー状態や、寝ている相手を跨いだ状態からパンチは有効。
◎グラウンド膠着はブレイクの対象。マウント・ポジションもブレイクの対象。
 「マウント・ポジションは足で相手を固定する1vs1用のポジションなので、
  市街地型格闘技である掣圏道では無効のポジション」なのだそうな。 
◎関節技は、スタンド・グラウンドの両方で無効。
◎ヒジはなし。グローブはキックやボクシングと同じグローブを使用。
あとは、普通のキックと同じと思って良いでしょう。

第一試合 SWAアルティメット・ボクシング ウェルター級 3分3ラウンド
○田村 彰敏(田中塾) vs 舘 智行(五輪門)●
[1R 2分52秒 TKO]

選手の入場には、必ずロシアの妖精達のダンスがつく掣圏道。
ところが、先に入場してきた田村には、妖精は付けどもダンスはなし。
「ありゃ、まさか最初のダンスだけになっちゃったの?」

…と心配したが、舘の入場時には赤と黒の派手な衣装を着た妖精達がダンスを披露。
これには二人は「素晴らしい!スパシィーバ!」と絶叫。
今日は殆ど誰もいないので、どんなに叫んでも怒られない。
オヤジ二人は既に「キャバレー貸切状態モード」に突入。

さて、田村は本来総合の選手らしいのだが、
この人、総合の技術を巧く生かして闘った。
組んでからバックを取り、後ろから飛びつきパンチを連打したり、
パンチをあまり打たず、相手のパンチに合わせてタックルでテイクダウンを奪ったり、
組み合ってから足を引っ掛け、体を浴びせてダウンさせた後に、
ニー・オン・ザ・ベリーを奪ってパンチを打ったりと、
キックに近いこのルールにおいて、総合の技術だけで館を圧倒。
結局、あっさりとニー・オン・ザ・ベリーからのパンチで、
ダウンを2度奪った田村の勝利。

この勝ち方には目からウロコ。
我々二人は「成程ねぇ…。」と感心する事しきり。


第二試合 SWAアルティメット・ボクシング ウェルター級 3分3ラウンド
△ブラピ・タケシマ(截空道) vs 英二(藤原ジム)△
[判定 1−0]

目の前では赤いヒラヒラが舞い踊り、黄色いヒヨコちゃんが愛想を振り撒く。

「おい、シロさん!ビールだ、ビールを買って来い!
 …いいから行けや!俺はメモを採るのに忙しいんだから!」

ちなみに顔は全然ブラピではないタケシマは掣圏道系の選手。
英二とのリーチ差は気になったが、試合開始。

1R、英二はいきなりタケシマとの距離を詰めて、
組み合ってからのヒザを猛連打。
これが本当に「猛連打」という感じ、
何度ブレイクになっても英二のヒザは止まらない。
「開始一分にして、早くも決着か?」と思われたが、
タケシマはいくらコレを食らっても倒れない。

結局、英二のヒザによる猛攻はこのラウンドの終盤まで続き、
この間、タケシマは全く反撃出来ず。
それでも、このラウンドの最終盤ではストレートをヒットさせたり、
ニー・オン・ザ・ベリーからのパンチで反撃。

ここでラウンド終了、
ロシアの美女がボードを持って四方を歩く。

…と、先程まで試合に興奮していた酔っ払いオヤジ二人はスイッチを変更。
「やっぱり外国人は、お尻が大きいねぇ。」
「そうそう、それでいて体はちゃんとくびれているんだよね。」
「いやぁ、それにしても、良い赤ちゃんを産めそうな体だぁ。」
品定めモードに突入、まさに「酔っ払いオヤジ」だ。

2R、英二のヒザ蹴りによる猛攻がまだまだ続いていたが、
反撃するタケシマのパンチがことごとくクリーンヒットしている。
また、崩されて倒されて上からのパンチを食らったりと、
英二は先程までの猛攻一辺倒とは行かない様子。

そして、ラウンド中盤あたりからは、英二は明らかなスタミナ切れ。
これでブラピが攻める場面も段々と増えてきた。

「どうなるかねぇ?英二がかなり疲れ始めたけど。」
「どうでしょうねぇ? 単発のタケシマのパンチがクリーンヒットしているのが気になりますね。」
「それにしてもタケシマは根性があるね。あれだけヒザを食らったのに、まだ平気で立ってるよ。」
「あ、ラウンド終了だ。…いやぁ、ロシアの美女はホントに良いですねぇ」
「誰か一人くらい、彼女になってくれないかなぁ?」
この変わり身の早さは、掣圏道観戦には必需品。

3R、英二は先程までのヒザ蹴りがナリを潜め、組み合ってばかり。
「う〜ん、このまま試合は膠着するのだろうか…」と思われたが、
ラウンド中盤、タケシマの思いっきり溜めた右ストレートがクリーン・ヒット、これで英二はダウン。
あまりにも強烈な一撃、そして映画のようなダウンシーンに、
オヤジ二人は「スゲェーッ!!」を何度も連呼、いや「連叫」。
酔っ払ったオヤジ二人には、声の大きさのサジ加減など一切なし。

「これは、もう立てないだろう」と思っていたが、英二は立ちあがった。
そしてここから、ポイントを巻き返す為にヒザの猛攻がタケシマを襲うが、
タケシマもこれに良く応じ、結局ゴング。良く立てたな、英二。

判定はタケシマが1−0で、2ポイント差は付かずドロー。
あれだけヒザを食らいながらも逆転し、相手からダウンを奪ったタケシマは、
掣圏道の精神力を体現したと思う。


第三試合 SWAアルティメット・ボクシング ミドル級 3分3ラウンド
○スレイマノフ・マゴメド(SWA) vs 山内 哲也(J-NET)●
[判定 3−0]

山内の入場曲は「サンバ・デ・ジャネイロ」。
ロシアの妖精達の衣装も、曲に合わせたのか「白いリオのカーニバル状態」。
それにしても、段々と水着の面積が小さくなってきているのは気のせいか?

1R、様子を見ながらの打撃戦。
山内はローキックが重そうで、マゴメトはパンチが強そうだ。
ここから何度か組み合うと、山内はその度にテイクダウンを奪って上からパンチを落とす。
これで「山内が有利に試合を進めるのか?」と思われたが…。

ラウンド中盤、打撃戦から突然のハイキックをマゴメトが繰り出すと、
これがかなりのハード・ヒット、モロに食らった山内はダウン。
そして「ヤ、ヤベェーッ!!」と絶叫するオヤジ二人。
それにしても、今日の我々は簡単だ、簡単に絶叫しすぎだ。
古館風に言うなら、さしずめ「叫びの『確立変動』」状態である。

山内は何とか立ちあがったものの、
ラウンド終盤に、もの凄い大振りな裏拳をモロに食らって、再びダウン。
これまた凄い一撃、で、二人は「ウ、ウワーッ!!」。
この確立変動は暫く続きそうだ。

2R、「もはやこのラウンドでの決着は必至か?」と思われたが、
マゴメトは何故か山内と距離を置いての打撃戦。
それでも、この人のパンチ力は凄まじく、
バックブローを出せば、ガードの上からでもダメージを与え、
グラウンドでは常に上になり、狙いすましたパンチを落としていく。
で、ダウンがなくてもオヤジ二人は「ツ、強ェー」。
ジャンジャン・バリバリ、ジャンジャン・バリバリ。

3Rも2Rと同じ展開。
とにかくマゴメトのパンチは重く、山内は防戦一方。
組み合えば投げられて上から重いパンチを落とされ、
スタンドでもガードの上からパンチを食らう。
ラウンド終盤にはサイドバスター風の投げも食らってしまった。
この投げに反応して「ハ、ハワワーッ」。
この試合で、我々二人の「叫び声の『ドル箱』」はどれくらいになったのだろう…。

結局、1Rに見せたローキックの重さも何処へやら、
マゴメトが3−0で判定勝利した。

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さて、ここでちょっと技術の話を。
掣圏道系、特にロシア勢は、
いわゆる「上になってから落すパンチ」を、
腕を脱力してから、鞭のようにしならせて打ってました。

詳しいことは、「やる側」ではない僕にはわからないのですが、
この独特のパンチの打ち方は、
多分、マウントのように相手と密着する状態から落とすパンチとは違い、
「十分に距離がある状態からのパンチの落とし方」としては、
ダメージ効率が良いのでしょう。

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第四試合 SWAアルティメット・ボクシング ライトヘビー級 3分3ラウンド
○ワルディアシビリ・アレコ(SWA) vs 井口 進一(截空道)●
[1R 1分55秒 TKO]

両者の入場、彼らの入場を彩るロシアの妖精達は民族衣装で登場だ。
アレコの入場時は祖国であるロシア系(アレコはグルジア出身)の衣装、
井口の入場時には、何故かインド「ムトゥ・踊るマハラジャ」系衣装。

凝っている、実に凝っている。凝っているのに、露出だけは大サービス。
「ハラショーッ!素晴らしいっ!ありがとうっ!」
貸切状態に近い会場に、オヤジ二人の絶叫が木霊する。

それにしても井口は体がデカイ。
チョッとしたバンナのような上半身の大きさだ。
この体格には僕も期待したのだが…。

試合開始、いきなりアレコの強烈なフック、井口は早くもダウン。
もの凄い強烈な一撃に、またしても簡単に絶叫するオヤジ二人。
それにしても今日の俺は、妖精たちの尻に声援を送ったり、
美しいダンスに狂喜したり、試合で絶叫したりで、何かと忙しい。

さて、井口はどうにか立ち上がるも、ダメージが残っている様子。
試合再開するも、今度は組み付かれてから投げを打たれ倒れたところを、
例の「腕をしならせる」掣圏道式のニー・オン・ザ・ベリー・パンチがドカドカ落ちる。
これを食らって動けない井口にまたしてもダウンが宣告される。

もはや両者の実力差は歴然。なんとか立てた井口だが、
またしてもテイクダウンを奪われニー・オン・ザ・ベリー状態。
ここからアレコは、先程のパンチよりさらに溜めを作った上に、
十分に狙いを定めたニー・オン・ザ・ベリー・パンチを、
ドカドカ、ドカドカ、もひとつおまけにドカドカと落としていく。
その全てが、井口の顔面に、テンプルにと、容赦無くヒットする。
「ヤバイって!ヤバイって!早く止めろ〜っ!」というシロさんの絶叫が会場に響いた…。

試合終了。アレコ、強すぎです…。


第五試合 SWAアルティメット・ボクシング ライトヘビー級 3分3ラウンド
○アフメドフ・ザウル(SWA) vs ジョン・ハフナー(藤原ジム)●
[2R 2分6秒 TKO]

妖精達の衣装も、5回目ともなると目が慣れてくる。
ジョンの入場時の妖精達の衣装を見るなり、
「ちょっと地味だねぇ。」
「さすがに露出は、山内のサンバ衣装で打ち止めかね?」
と嫌味を言う、酔っ払いオヤジ達、ダメオヤジ達。

…いや、彼女達はやってくれましたよ!
アフメドフの入場時の妖精達の衣装が、来てます、来てます!
衣装の見た目は山内の入場時に見た「サンバ衣装」と変わらないのだが、これは全く別物!
「何が別物?」ってアンタ(馴れ馴れしく)、隠すところを最小限にしか隠していない。
胸はほとんどニプレス状態、尻肉なんか丸出しだあああぁぁぁ!

もはや余計な言葉はいりません。その時の「俺たち心の叫び』」、
…いや、「盛りのついた『雄』の鳴き声」をそのままお聞き下さい。

「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉ〜っ!」
「脱げやっ!いいから!脱げやっ!それなら同じだろっ!早く!」

さて、試合(シレッと)。
1R、これまでの試合とは違い、まずはお互いに様子を見ている。
ここからザウルがパンチを出す。やっぱりロシア勢はキレが凄いぞ、クリーン・ヒットだ。
ザウルは一度投げ出してをジョン倒すも、ここはブレイク。

今度はジョンがパンチを出す…、あっ、遅い。

と言うわけで、素人目にも実力差は明らかなこの試合。
組み付いてからもザウルは巧みにジョンをコントロールした上で、テイクダウンを奪っていく。
こうして、1R中盤には試合は一方的な展開に。
破壊力のあってキレの良いパンチで圧倒したザウルは、
ラウンド終盤で左ストレートの連打でジョンからダウンを奪う。

2Rからは見るも無残。1Rのダメージが残るジョンはサンドバック状態。
ザウルのパンチが顔面やアゴをバシバシと打ち抜いている。
ジョンはもはや見え見えのキレの悪いタックルを出すのが精一杯。
ラウンド中盤からは、明らかにザウルのパンチから逃げている。
それでもザウルが容赦無く追い討ちをかけると、
見かねたジョンのセコンドがタオルを投入。

それにしても…、第三試合(前篇参照)のマゴメドや第四試合のアレコもそうなのですが、
ロシア勢のパンチは強烈過ぎます。スピードもパワーも違いすぎです。
断言します、あんな国を敵にまわしては、絶対にいけません!
佐山氏には「戦争反対!世界平和!」を提唱して欲しいです。

…イヤ、そこをなんとかなりませんかねぇ。


第六試合 SWAアルティメット・ボクシング スーパーヘビー級 3分3ラウンド
△マトキン・セルゲイ(SWA) vs アブドゥラフマノフ・アブドゥルジャリル(SWA)△
[判定 1−0]

本日、唯一のSWA系選手同士の対戦です。
本日、唯一のスーパーヘビー級同士の対戦です。
それにしてもさすがはスーパーヘビー級、両者の体はデカい。
アブドゥルの方は腕もメチャメチャ太いなぁ。

えっ?「妖精達のリポートはどうした?」って?
それがですねぇ…。申し訳ありません。
もう「アホか?」って言う位に夢中になっていたと思うんですが、
この時の事は、もう全然覚えてないんですよねぇ。

一応、俺のノートには、
「オレンジと緑のハデな衣装」とか、
「赤い小さなビキニで腰を振る」とか、
「ひんにゅう」とか書いてあるんですが、
全てが終わった今となっては、ナンの事だかサッパリですよ。
もう、何が「ひんにゅう」なんでしょう?
こっちから聞きたいくらいですよ。

1R、マトキンは小気味の良いコンビネーションを放つ。
あっ、そう言えば、キックを絡めたコンビネーションを打つ人って、
この興行ではこの人が初めてかも。
とにかく、このコンビネーションでイニシアティブを握ったマトキン。
スピードも速く、ローも良く走っている。
対するアブドゥル、ラウンド終盤に右ストレートをヒットさせる。
やはり見た目通り、こちらは重さで勝負か。

2R、小気味良くローを混ぜたコンビネーションで攻めたてていたマトキンではあったが、
アブドゥルの大振りなパンチを何発かもらってしまい、ちょっとスタミナ切れ。
段々と試合のペースがアブドゥルのものになっていく。

3R、打ち合いから飛び出した右ストレートでアブドゥルがグラついた。
ここから再びコンビネーションを繰り出すマトキン。
アブドゥルも左右のパンチでこれに応戦するが、ローを打たれ続けた腿が真っ赤になっている。
それでも尚、打撃を打ち合う両者。お互いに打ち抜いたパンチがあるもののダウンに至らず。
これが佐山の言う「『掣圏道』を学ぶ者の『精神力』」なのか?
両者バテ気味で迎えた終盤、体格に勝るアブドゥルは、
マトキンに組み付き何度かテイクダウンを奪うも、ここでゴング。
判定はマトキンの1−0でドロー。


第7試合 SWAアルティメット・ボクシング ヘビー級 3分3ラウンド
○桜木 裕司(掣圏会館) vs オスカー・ルイズ(截空道)●
[3R 1分40秒 TKO]

皆さん、知ってました?
佐竹なき後の掣圏道のエースはこの桜木なんです。
一年半前にディファで興行を打っていた時からメインを張っています。
その時の桜木は、技術レベルは決して高くはなかったものの、
勝ちにこだわる執念を見せて、満員の会場を感動させていました。
そう、一年半前の興行ではここが満員だったんですよねぇ…。

桜木の入場時には、この日、唯一とも言える「応援団からの歓声」が上がる。
そしてその入場を支える妖精達は、
白とピンクのビキニの衣装で、足を上げてのラインダンスを披露。
この日、何度目かわからない「オヤジ二人の歓声」が上がる。

それにしても、対戦相手のオスカーは肩書きを見ると、
「2002年LA柔術大会入賞」。
えっ?これって非打撃系の選手って事じゃないの?
一応、得意格闘技は「空手」らしいけど。

1R、オスカーがパンチを出す…、って、オイオイ、最初から腕が曲がってるよ!
これって、素人が見ても「パンチのド素人」ってわかっちゃうよ!
となると、これは「桜木を勝たせる試合」なのかぁ?

…苦戦してるよ、桜木。
一応、ラッシュで圧倒するんだけど、相手の反撃のパンチも全部食らってる。
今までの試合に比べて、随分試合のレベルが落ちたなぁ…。

でも「応援団の歓声」は、この日一番なんだよなぁ。
ロクに当たっていない桜木の打撃に歓声が起きてるよ。

あ、隣でシロさんが本当にシラけている…。

2R、打撃戦から桜木がハイキック一閃。これがクリーンヒット。
食らったときは何ともなかったオスカー、ちょっと後でグラっと来てダウン。
ダメージは残っていそうだったが、オスカーは立ち上がった。
ここから怒涛の追い討ちをかけていく桜木。
しかしオスカーの反撃のパンチも、相変わらずご丁寧に全部食らっている…。
んで、結局このラウンドも終了。
桜木のローはなかなか破壊力がありそうなんだけどなぁ…。

すっかりダラダラしてしまったオヤジ二人、女人鑑定もシラけ気味。
「…大した事ないんじゃないですか?」
「…水着も地味だし、胸もないしなぁ…。」

3R、試合のペースを握りながらも中々「とどめ」を刺せなかった桜木だったが、
パンチラッシュからの前蹴りがグサリとオスカーの胃を直撃、
もんどりをうってオスカーがダウン。
立ち上がるも、さすがにダメージが大きい。
ここに追い討ちをかける桜木。大きくなるのは「応援団の歓声」。
逆に「何でこんなに盛り上がるの?」とシラけるのは、オヤジ二人。
そしてこの追撃でオスカーはダウン、立ち上がれずに試合は終了。
沸きまくる「応援団の歓声」。今日一番の大盛り上がりだ。
でも我々二人は「今日の試合で、一番レベル低かったんじゃない?」。

奇跡は起きた。

この勝利と同時に、ロシアの妖精達が大量にリングイン。
桜木の勝利の余韻を掻き消すように、エンディングのダンスが始まったのだ。
リング中を埋め尽くしてピョコピョコと跳ねる妖精達のダンスに、
先程までの元気のなさも何処へやら、
オヤジ二人の「心の景気」は再びバブル状態に再突入!

「スパシィーバッ!掣圏道!」
「ありがとうっ!本当にありがとうっ!美しき妖精達っ!」

---

雑感:
「アルティメット・ボクシング」っていう競技自体は、単純に面白いんです。
試合の膠着は少ないし、ロシア勢はさすがに強そうな選手を揃えているし。

そして「掣圏道」という興行自体の完成度も、もの凄く高いと思うんですよ。
ロシアの妖精達や、試合前のルール説明、そして比較的スムーズな進行。
特にロシアの妖精達の「ダンス」に対する努力は、敬意に値しますね。

そうなると、佐山氏がねぇ…。
どうして、ああなっちゃったんでしょう…。

まぁ、今日の興行で言える事が2つあります。
それは「佐山氏は、日本人を鍛える前に、世界最強のロシア軍隊を創ってしまった事」、
そして「この興行を一番楽しんだのは、我々『オヤジ二人組』だという事」です。

---

以上、長文失礼。

しかし、この文中では、
ホントに俺とシロさんは「タダのオヤジ」だな…。




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