シュート興行はつまらないのか!?
■団体:PANCRASE
■日時:2002年3月25日
■会場:後楽園ホール
■書き手:リー監督(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 お。いいんすか。喋って大丈夫っすか。マイク、大丈夫っすか。あー。あー。本日は晴天なり本日は晴天なり。隣の客は、柿を食うなり、法隆寺。テステス。チェック。ワントゥースリー。うわぁおっ。このモニター、ちょっと絞ってください。あーあー。古池や、蛙(かわず)飛び込む、法隆寺。あえいうえおあお。かけきくけこかこ。あーあー。金貯めて、金を隠して、金閣寺。そりゃ便所の金隠し(きんかくし)やがな。何言うてまんねん。あーあー。テステステス。やれ打つな、蠅が手をする、法隆寺。チェックチェックチェック。たてちつてとたと。あー。坊主が屏風に上手に屏風の法隆寺。テステス。ただいまマイクのテスト中。あーあーあー。

 じゃ本番行ってください。秒読みお願います。はい。はいはい、いつでもオッケーっす。

 ……。

 いやあ、なんちゅーですかね。行ってきましたよパンクラス。いやあ、大変っす。疲れたっすよ、マジで。

 チケットは買ってあったんすけど、普通のサラリーマンは開始時間にはとても間に合わないっすよね。月曜日の後楽園ですからね。今の不況下で働かされる組に入っていればとてもとてもまともな時間には帰れないっすよ。帰れたとしても飲みに行くでしょ、普通。そんなサラリーマンの貴重な一時を犠牲にしてまでパンクラスへ行かなければならないのはどうしてなんでしょうねえ。なにやってんでしょ、って思いますよね、ホントに。

 事前の発表の通り今日のカードに菊田選手も近藤選手もいません。一応、美濃輪選手がメインですけど。平日だからこれではあまり入らないのではないかと一瞬考えちゃいましたね。だけど最近のパンクラスの勢いからすれば、楽勝であります。楽勝に決まっているのであります。最終的には観客はほぼ満員で、空席は少しあるかないか、という程度です。バルコニーには東西合わせて約60人。全部で2百万人に少し足りない程度でしたか。あ。2百万人じゃねえな。あはは。3桁も間違えちゃったよ。御免ごめん。ここ、後でカットしてくださいね。本業で千円単位とか百万単位の数字ばっかり見ているからなあ。

 技術的な攻防については敢えて言いません。私には分かりませんからね。もっちろんそういう見方を個人的には勉強していますが、これだけやる側の観客が増えていると私のような素人の意見は無意味でしょうね。

 ……てなことを言ってももダメだな。あーあー。ゴホンゴホン。やり直しかな。あーあー。あ。やっぱり最初からっすか。はいはい。いいっすよお。ちょっと今のはつまんなかったっすねえ。入りをもっと普通に喋ればいいっすか。簡単な紹介みたいなのを交えて。適当に団体側をヨイショして。はいはいはいはい。大丈夫です。わかりました。はい。品川さんの言う通りっすよねえ。はあい。頑張りまあっす。いやあ、奥さん元気っすか。品川さんも、たまには早く家に帰らないと。え、ええ。はいはい。大きなお世話でしたねえ。ごめんゴメン、御免なさい。オレも他人のこと言えないっすからねえ。いやあ、これ終わったら京王プラザの上で。なんだ、やっぱり今日も帰らないんじゃん。怒られますよお、帰ったら。オレも同じですけどねえ。はいはい。なねにぬねのなの。はへひふへほはほ。まめみむめもまも。はい。いや、こっちはいつでもオッケーっすよ。

 ……。

 はい、皆さん今晩は。リー監督です。今日、後楽園ホールで行われたパンクラスは私、リー監督がお伝えいたします。いやあ、凄いですよねパンクラス。格闘技がブームとか言われてまして、プライドとかK−1とか、色々面白くなっていますよね。その中でも少し派手さに欠けますけど、今、一番面白いのはパンクラスっすよねえ。美濃輪選手や菊田選手のプライド参戦が囁かれる中、ちょっと手を抜いたカードをやっても大丈夫なパンクラス。お客さんも平日だというのにガンガン入ってます。追い風にびゅんびゅん乗ってます。

 特に今回の注目はメインですかね。ミルコとやるやらないは別としても試合がしたくてしたくてしょうがない美濃輪選手がメインですからね。座右の銘が「無謀」なんて格闘技選手もいるんですね。もうとにかく美濃輪選手の試合は全部面白いので、ファンの数も急上昇中です。

 あと、個人的に今日のカードでは第3試合から第5試合までの試合は特に注目したいですね。そしてその次のセミが元MAキックの港選手の登場ですからね。小粒で地味だけど良いカードが揃ったかな、というイメージですね。逆に言うとマニア受けのカードになっちゃってるってことなんですけど。あ、まずいか。ここカットして下さいね。

 ええと。それでは早速試合の結果をお伝えします。

■ パンクラスゲート 第1試合 ウェルター級戦/5分2R
小沢 稔(V-CROSS) VS 飯田 崇人(A-3)

■ パンクラスゲート 第2試合 フェザー級戦/5分2R
和知正仁(浪剣) VS 平山英明(P'sLAB 横浜)

 いやあ、すいません。パンクラスゲートの2試合は、行ったら終わってました。試合は6時からだったみたいです。これは告知なしなので怒っている人が、私の知る限り少しだけいましたね。ま、いいんですが。はは。

■ 第1試合 ヘビー級戦/5分2ラウンド
高田浩也(RJW/CENTRAL) VS 山本孝夫(禅道会)

(高田 判定3-0)

 太った坊主の人たちが闘ってましたけど、ええと。立ち膠着が多かったっすねえ。どっちが勝とうが関係ないって気にさせる試合もガチ興行では必要なのです。試合結果は山本選手が二度にわたり股間を蹴って出されたイエローカード一枚分の差ですね。え。こういうレポートはまずいんすか。え。はいはい。ああ、すいません。でも他に言いようないっすよ。ええと、股間蹴りといえば第一次Uの前田・タイガー戦ですね。それを少しだけ思い出したのが、この試合の意義かもしれませんね。ああ、もしかするとひどいこと言ってますか、私。

■ 第2試合 ライトヘビー級戦/5分2ラウンド
KEI山宮(パンクラスism) VS 小谷野澄雄(烏合会)

(山宮 1R31秒 KO)

 パンクラスは厳しいっすよねえ。初代ライトヘビーのKOPがこんなところで試合してます。私、個人的には山宮選手を高く評価してまして、弱いヤツが練習してどうやって勝つのかを学ぶには山宮の試合が一番参考になると思いますよ。レスリングの豊富な経験を捨て、ボクシングの技術を磨いたことですね。スタンドではガンガン殴って、倒されたら下にならないようにして、上になったら返されないようにしてたまに殴る。確かにつまらないのですが、それを徹底することも一つの手段だし、ルールがそうなんだから仕方がないでしょうね。山宮選手が、例えば美濃輪選手の真似をしたって分不相応です。選手にはそれぞれの役割がありますから。

 あ。半分愚痴になってしまいました。あははははは。ええと、この試合は、隣で観ていた某メモ8さん(仮名)が35秒で山宮のKO勝ちと予想していましたが、4秒ズレましたね。惜しいですね。山宮ファンの私は素直に喜びました。いやあ良い試合でしたねえ。ぐははははは。
 
■ 第3試合 [パンクラス初代ウェルター級王者決定トーナメント]出場権獲得試合/5分2ラウンド
北岡悟(パンクラスism) VS 大石幸史(パンクラスism)

(大石 判定2−0)

 北岡選手は昔寝技の練習をかなりやってまして、パンクラスの中でも柔術の習熟度は高いと思います。セコンドでも、北岡選手のアドバイスは有効だと思います。それに比較して他の選手アドバイスが酷いだけかもしれませんね。おっとととととととと。カットカット。これはカット。カットお願いしまっすう。

 折角のテクニックが今までの北岡選手の試合にあまり出ないのは残念でした。最近はスタンドの練習の成果を発揮してますね。

 この試合でも北岡選手のボクシング技術が少し出てました。しかし大石選手は珠玉のタックル。このタックルは金が取れますよお。いやボクシングの才能では、大石選手の方があるかもしれません。

 北岡選手は今までと違い単純にガードで足を開かず距離を取ろうとしていたのは進歩といえるでしょう。でも、成長の後はそこまで。後は一緒でしたねえ。北岡選手はこれから、その技術をウソでもいいからごまかしながら表に出す色気が必要かもしれませんね。どうやって負けると絵になるか、を少しだけ考えても良いと思いました。こういう考え方は邪道なんでしょうけど。

■ 第4試合 ライトヘビー級戦/5分2ラウンド
石井大輔(パンクラスism) VS 石川英司(パンクラスGRABAKA)

(石川 判定3-0)

 いつものように徹底したハイブリッドボクシングの石井選手と、寝技のGRABAKA石川選手。この分かりやすい対比がたまりません。素晴らしいカードだと思います。

 この試合に限ってかもしれませんが、石川選手の成長を高く評価したいと思います。あの石井選手を前半ほとんど完封したのは素晴らしい。今、強くなくても、「強くなれる」可能性と勇気を与えてくれた、石川選手とGRABAKA勢に感謝したいですね。

 石井選手も、最後になってやっと上に乗って反撃しましたけど、今日の石川選手の素晴らしさには適いません。私的には本日のベストバウトっすね。

 ここで休憩になりました。

■ 第5試合 ミドル級戦/5分3ラウンド
ネイサン・マーコート(アメリカ/コロラド・スターズ) VS 三崎和雄(パンクラスGRABAKA)

(マーコート 1R29秒 左腕脱臼によるドクターストップ)

 さて、休憩後の試合は単純に楽しみな一戦です。実力者同士っすからね。

 試合開始早々、絡み合ってクルクル回って倒れた後のポジショニングで上になったのは、なんとマーコート選手でした。これは予想外の展開。うわあ、と盛り上がったところでドクターストップ。

 怪我だから仕方ありませんが、脱臼後にハイキックを飛ばした三崎の「折れない心」には少し感動しました。GRABAKAは技術と精神面で、パンクラスを盛り上げていると思いました。ismにも良い刺激になると思いましたね。

■ セミファイナル [パンクラス初代ウェルター級王者決定トーナメント] 一回戦第1試合/5分2ラウンド
伊藤崇文(パンクラスism) VS 港太郎(K.I.B.A.)

(伊藤 判定3-0)

 少し前なら異種格闘技戦と呼ばれる試合になるのでしょうか。打撃系からのMMAへの転向は今後も増えていくことでしょうから、それをパンクラスは受け入れていく、というメッセージだと思いますねえ。問題はパンクラスに来てくれるかどうかなんですけど。どうなんでしょう。当たり前ですけど港選手の打撃を、伊藤選手がかわしてグラウンドに引き込めるかどうかがポイントだと思います。

 入場曲がプリンス対クラッシュという無意味で懐かしくも豪華な対決には笑いました。音楽も噛み合えば不思議で効果的な対決になるという証明ですね。

 試合の方は伊藤選手が徹底した足狙いでした。でも、極まらないのは港選手が素晴らしいのか、伊藤選手のテクが劣るのかよくわかりません。この試合は予想通り異種格闘技戦の香りがプンプンして、技術以外の緊張感を感じましたね。港選手の健闘が光る試合でした。というのは見当違いでしょうか。へへへ。


■ メインイベント ライトヘビー級/5分2ラウンド
美濃輪育久(パンクラスism) VS 百瀬善規(禅道会)

(引分け 百瀬1-0)

 どんなにつまらない試合が続いても、美濃輪選手なら何とかしてくれる、というお客さんの期待が強いですねえ。さあ、このメイン、一体どうなったのでしょうか。

 強引に腕を取って、強引なアームバーと強引な腕がらみで強引に攻め続ける美濃輪選手。相変わらず無謀です。こういう強引なゴーイング・マイ・ウエイは、もはや美濃輪選手の試合でしか観られないような気がします。しかし、百瀬選手のバランス良い体重移動は柔道で培ったものなのでしょうか。百瀬選手が上手く移動しながら耐え続けているうちに、美濃輪選手のスタミナが切れてきました。

 それでも会場からは美濃輪コールです。メインイベンターの宿命ですね。最後の最後まで美濃輪選手は美濃輪選手らしさを出し続けていました。最後は滅茶苦茶な打撃。当たらなくてもドロップキックまで出すのですから、そのプロ根性は素晴らしいっす。

 判定は引き分けでした。不利ながらも美濃輪選手の、一本を狙い続ける積極性が評価されたのだと思います。でも客観的には百瀬選手の勝ちでしょうね。プライド参戦のこともあり、負けさせられないというパンクラス側の気持ちも分かりますが、美濃輪選手の気持ちは「つまらない引き分けなら、オレの負け」でしょうから、プロテクトの発想は不要だと思いました。

 結果は少し興味を削がれるものでしたが、試合は面白かったですね。

 全体的には、まだまだ行けるぞパンクラス、です。でも少し、これで良いのかパンクラス、とも思わせてしまった興行でした。

 いやあ、そんなことを含めて、パンクラスは面白いっすねえ。ラウンドガールの衣装も少しずつ変わっているみたいですし、色んな不安と課題が一杯ありつつも、今後に期待したいです。

 あ。ええと。もう喋ることないっす。ああ、ええと。

 後楽園ホールからリー監督がお伝えしました。それではまた会える日まで。バイピー。バイピー。バイバイピー。

 ……。

 はい。お疲れ様でした。あ。いやあ、マジで疲れました。しかし、大丈夫ですかねえ、パンクラスは。ファンをヤキモキさせながらそれなりに動員しているっすから凄いと言えば凄いんすけど。はい。はいはいはい。このギャラは後日ね。はいはい。それじゃお疲れっしたあ。奥さんによろしくう。いやいや。んじゃまたね。




本稿の著作権はすべてKANSENKI.NET及び「書き手」に帰属します。

戻る
TOPへ