UFC 36 フォロー版。
■団体:UFC36
■日時:2002年3月22日
■会場:ラスベガス・MGMグランド
■書き手:ひねリン(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

今回のUFC、またスポナビさんと縁あってリングサイドから取材させて頂いたんですが、とにかく予期しなかったことが起こりまくって個人的にはまさに修羅場で、ほとんどまともに試合を楽しむことなどできませんでした。ほんとうはそのへんのインサイド状況を書きたいんだけど、事情によりそうもいかないんです。そこで、興行から4日後の今日、やっとPPVの再放送を観ることができたこともあり、スポナビでレポートできなかったコメントや、細かい訂正などのフォローを兼ねたテレビ観戦記を書こうと思います。基本的な試合展開の描写に関してはスポナビ(http://www.sportsnavi.com/kakutogi/020322/020322_atop.html)を参照してください。我ながらけっこう正確だから。

本戦第一試合 ライトヘビー級
エヴァン・タナー(1R 2:06 TKO)エルヴィス・シノシック

うーん別に特筆することないですね。金網際で、上からのパンチとヒジ。特にヒジで切れたと。タナーは、チーム・クエストでリンドランド、クートゥアらと共にで練習してた成果が出た、と。エルヴィスは「まだやれたけど、ドクターの判断だからしょーがない。エヴァン、グッドジョブ!」

実況陣の紹介。今日のゲストはリコ・ロドリゲス。メインのタイトルマッチについて「長引くと汗で滑ってサブミッションが極めにくいから、ランディーが有利になると思う。ジョシュは最初の2Rが勝負だよ。」

本戦第二試合 ミドル級
マット・リンドランド(1R 3:09 TKO)パット・ミレティッチ

TDからインサイドガードをとったリンドランドは、ミレのアームバー狙いを逃げてハーフ奪取。そこから自由な左手で「パンチ→相手の右膝を押してパス狙い」というミックスドテクを繰り返してとうとうマウント奪取。なるほど。そこから胸に座ってたこ殴りしたんだけど、ミレが両腕でガードを固めてたんで8割は当たってなかった。ストップにブーが出たのは当然か。リコも「この裁定には納得できないけど、まーレフは尊重しなきゃね。」

リンドランド「いつでもブスと戦う用意はある。彼も準備OKでいい試合ができるといいね。」

ミレ「マットの完璧な戦いの価値を歪めるつもりは全くないけど、俺はこのウエイトではちょっと小さすぎる気がした。ウエルターに戻るかって? 俺は押し出されたようなもんだからね・・・今日負けたら引退しようかとも思ってたけど、分からない。でも今後は(自分より)生徒達の指導にもっと力を入れるつもりだよ。」

で、いよいよ桜井の試合なんだけど、その前に実況陣が桜井がどんなに凄い選手かを大プッシュ。

ジェフ・オズボーン「日本で桜井の試合をみたけど、その雰囲気はつまり、マイケルジョーダンが子供のバスケットの試合に突然現われるようなもんなんだ。ファンがみんな彼のところに集まり、触ろうとする。桜井はあらゆる種類の格闘技マガジンの表紙にもなっている特別な人間だ。」

リコ「ヒューズはすごい選手だけど、カーロスに勝ったのはバースデープレゼントみたいなもんだよ。桜井は強すぎてヒューズには荷が重いよ。俺は日本に住んでて、日本の文化を知っている。日本人は野球やフットボールやホッケーはしないんだ。彼らは子供の頃から空手や柔道ばかりやっている。桜井も人生を通して戦いっぱなしなんだ。」

・・・おいこら、リコ。

ウエルター級タイトルマッチ
マット・ヒューズ(4R 3:01 TKO)桜井"マッハ"速人

リコのトンデモ日本人論でプッシュされた桜井は、いかにも外人が書いたという不格好な「日本」という漢字の赤いポリゴンがくるくる回るひどいクリップに載って、黒い袖無しギを着て登場。なんか戦闘体勢だけど同時に全然緊張してなさそうな、すごくいい雰囲気で、期待できたんだけど・・・。

試合は基本的にはスポナビに書いたとおりの展開です。ラウンドを通して、ことごとくヒューズにテイクダウンされ、上からこつこつ殴られた。1R早々は豪快な上段(?)後ろ回し蹴りを出して、次に前のめり右スイングをぶん回したところでタックルを取られる。そこでガードから十字かオモプラータを狙い、さらに足の甲を使ってスイープで体勢を入れ換えかけたのが見せ場。2R早々にはヒューズのローをキャッチしたんだけど、逆にタックルで倒される。ブレイク後、左ジャブ(すみません。スポナビではフックと書いたけどジャブでした)がカウンターで当たってヒューズが尻餅。桜井はヒザで追撃するも、ヒューズはそれを受け止めて立ち上がって強引にタックル。異様な体の圧力ですね。

2R終了後のインターバルでは、鼻血を出している桜井コーナーが移し出されて、桜田氏の「マッハいいぞいいぞいいぞ。絶対打撃当たるから。もうちょっとテイクダウン凌げよ。凌げるから。もっと足使わないと。自分から前出てって。蹴りいらないから、パンチ。相手のパンチを絶対狙えるから。自分から前出ていこう。いいか桜井こっからが勝負だから。判定関係ないよ。一回倒したら勝ちだよ。一回倒したら勝ち。」というコメントが同時通訳付きで入る。

3R、その指示に従ってヒューズのタックルを腰を押として耐えるマッハだけど、金網まで押し込まれ、高々とヒューズリフトを食らう。その後も、一発狙い気味の大振り右スイングをかわされざまにタックル食らったり。あまりに同じ展開が続くので、横で観てた記者が「The same fuckin' shit!」とつぶやいてた。

4R早々、これは見逃してたんだけど、スタンドでヒューズのものすごい飛び込み追い突き右ストレートがヒットしてる(かすってる?)。テイクダウンされてマウントされてからは、何度か桜井は反転しようとしたんだけどヒューズは許してくれなかった。見事なバランスですね。負けた桜井はヒューズと軽く抱擁すると、そのまますぐにオクタゴンを去っていった。

インタビューでヒューズは、「チャンピオンは防衛してはじめてチャンピオンだ。特に俺が前回ベルトを取ったとき物議をかもしたから。俺とカーロスはリマッチをしなきゃいけない。(フィニッシュについて)俺の方が彼より力が強くて重かったのが決めてだったと思う。」それからゴキゲンなニュートンも入ってきて、二人で仲良くリマッチをアピール。

ついでに俺が現場で取った桜井戦の一言コメントを二つ(スポナビで使われなかったんでこっちに書かせてもらうけど、許して)。
夢枕獏「・・・いやあ、勝って欲しかったねえ。」
宇野薫「相手がうまかったですね。」

話はテレビ中継に戻って、その後、X-Box のUFCゲームの紹介。X-Box 買おうかなー。WWF RAWもあるし。ゲーム体験記とか、だめ? 

さらに今回キャンセルしたティトを、チームメイトのリコがフォロー。さらにティトの奥さん妊娠で5月に出産だって。

セミ・ヘビー級
ペドロ・ヒーゾ(3R 1:45 KO)アンドレイ・オロフスキー

これはいいでしょ。いやあ、あまりに同じ打撃戦が続くんで、現場ではなめてゆっくりメモっててフィニッシュ完全に見逃しちゃいましたよ。ワンツーがジャストミートです。慎重に戦ったというヒーゾは、ファス、ペデネイラス、アーツらに感謝してた。これもけっこうすげえメンバーだな。

それから、パルヴァーのインタビュー「俺はアンダードッグだったけど、今は本当のチャンピオンになれた気がする。」とか、さっき桜井ヒューズ戦の予想を見事に外したリコがまた「ジョシュは最初の2Rを取らなきゃ勝てないよ」と言ったりして、メイン。

ヘビー級タイトルマッチ
ジョシュ・バーネット(2R 4:35 TKO)ランディー・クートゥア

これはほんとド迫力の試合でしたよ。上を取ったクートゥアのパンチも凄かったし、それを下から凌いだバーネットも見事でした。バーネットは、1Rは下の状態からクートゥアがアメリカーナ(アームロック)を狙って来たところを金網を蹴って後転して立った。そして2Rには、クートゥアがサイドにパスを仕掛けたところに素早く反応して膝を入れて、クートゥアの上半身を押してバランスを崩し、素早く立ってかぶりの体勢に。そこからバック→片膝入りハーフマウントで、パンチとヒジを連打してフィニッシュでした。終盤「ジョシュはここで決めなきゃ!」と叫んでたリコ、試合が終わると「俺の言った通りだろ!ジョシュは最初の2Rに行かないと勝てないって!」と自慢。別にあんた勝敗当てたわけじゃねーじゃんか。
しかしこの試合、クートゥアがただインサイドから殴ることに専念ぜず、アームロックとかパスとか狙ったから面白い試合になったんだし、でもそのせいで負けたとも言えるかも。あ、ひとつ記事の訂正を。2Rにちょっとだけマウント取ったとき、ランディーはあまり殴ってませんでした。すみません。

さわやかに笑うクートゥアのコメント「(上になったとき)彼はでかすぎて、逃げられなかったよ。ジョシュは外見のせいで過小評価されてるだけで、凄い選手だと思っていたから別に驚きはないよ。(今後について)難しいね。今はこの敗北のショックがでかいし、家族と一緒にくつろぎながら、これから自分がこのスポーツに何を提供できるか考えるよ。」

バーネット「おいみんな、この試合はどうだった!?Make some noise!! 俺が思うにランディーは、チャンピオンとして満たすことが難しいでっかいシューズを残してくれて、でも俺は今後頑張って・・・頭殴られたから言葉がでてこないんだけど(笑)、彼は素晴しく、俺は彼を彼は俺を追い詰めて、俺はランディーのような王者になれるかどうか分からないけど、ベストを尽くすよ。ランディーが俺を金網際に押し付けることは分かってたよ。でも動き続けることが大事なんだ。ただ座るんじゃなくて、状況を打開しようと動いたり、下から打撃を出したり。ペドロ(ヒーゾ)とのリマッチも、間違いなくあると思うよ。もしトップランクのボクサー達がここで戦いたいなら、俺達は問題ない。相手がレノックスだろうがタイソンだろうが、俺は俺のゲームをする。」

その後にまたリコ「俺はあのベルトが欲しい。あのベルトまで一人、TKを倒すよ。次はあのベルトだ。俺はあれを腰に巻く。」この人の解説、確かにオモロイ。

で、この後は予備戦第三試合。
フランク・ミア(1R 0:46 カンヌキショルダークランク)ピート・ウィリアムス

これはね、とにかくミアのフィニッシュに尽きます。初めて観ました。実況の人は「柔術101(初歩)」と言ってたけど、ホントかよ。まー俺が言葉で説明するより、写真で観たほうがいいでしょう。他のサイトなんだけど、これをどうぞ。

http://www.sherdog.com/pictures/ufc36/ufc36_04/ufc36_06.jpg から
http://www.sherdog.com/pictures/ufc36/ufc36_04/ufc36_07.jpg と極める。

本人がショルダークランクと言ってたし、ピートも肩を抑えてました。原理としては、内側に極めるキムラロックですね。でもポイントはヒザの使い方かな。ミアの師匠の話では、ギありでは、かんぬきクロスチョークからの連携で使えるみたい。これ今後流行るかな? 俺も道場で友達と試してみます。できないと思うけど。

その後、圧勝した第二試合のセラの試合がフルに放映され、さらに、正直退屈だった第一試合の中尾の試合がほんのちょっとだけ流されて、PPVは終わり。今大会、このスポーツの不治の病のグラウンド&パウンドが多くて、ストップも早くて評判がイマイチみたいだけど、個人的には、メインと驚異のミアが観れたことで満足できました。




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