これでいいのだ新日本。これでいいのか新日本?
■団体:新日本
■日時:2002年3月17日
■会場:愛知県体育館
■書き手:SMAP
3月17日、観戦記ネットでは団体規模の割にはお目にかからない新日を見に愛知県体育館(以下県体)へ行って来た。
今月に入り2回目の観戦。30日DEEPにも予定しているので3月中に3度もの観戦となる。
最近、周りの視線が刺すように痛いのは気のせいではないはず・・・
当日は『マジで3月?』と疑いたくなるような陽気。
県体と同じ名古屋城内にある名城公園ではこの陽気に誘われて家族連れやカップルなど、沢山の人でにぎわっていた。
カップルがイチャイチャするのを横目でにらみ、公園内を横切る。
『そりゃそーだよな〜。こんなにいい天気の昼間っからなにも暗いところに行かなくてもなぁ〜』と思いつつ足を進める。
行く道すがら毎度おなじみのダフ屋に遭遇。
『券ないか?券ないか?』の声。『オッ!売れてるの?』当日券で入ろうと考えていた俺は不安を抱えつつ券売り場へ。
しかし、すんなりとGET。一番安い2階最上段を購入。
会場内に入ってみると開始30分前で4〜5割の入り。
G1の時はもう少し客足は早かったような気がしたんだけど・・・
最終的には95%程度埋まり、満員マークはつけられるだろう。
客層は先日見に行ったK−1のそれとは違いやはり野郎が目立つ。年齢層も若干低め。10代後半から20台に掛けてが大半。30代の構成比がやや少な目かな。
また先日のK‐1との比較になるけど華やかさでは落ちるのはしょうがないにしても、全体的にラフな感じがする。(いいのか悪いのかは別として)会場内のグッズ売り場を除いてみる。パンフレットに蝶野のドアップがバーン!!『俺が現場を仕切る!』のコピーが目に張ってくる。思い切ったことをするなぁ・・・

16:00スタートの予定が2分遅れでケロ登場。
本日のカードを淡々と紹介する。愛想も何もない。
そんなこんなで試合開始。

1. ○成瀬昌由VS竹村豪氏×
(8:06片エビ固め)
試合前このカードを聞いて少しプロレスを見たことのある人、多少なりともプロレス事情を知っている人なら、『成瀬勝利』を予想するはず。当然、俺も『成瀬勝利』を予想した。
じゃあ、見え見えの試合に何を期待するか。
人それぞれではあると思うが、大抵の人は『竹村の頑張り』または『成瀬良さを如何にして出すか』を期待すると思う。
この試合について言えば二人は何を考えてマットに上がっているのだろうと思わざるを得ない。100%客のニーズに応えることは出来ないかもしれないが少なくとも努力の跡ぐらい見せて欲しかった。
何をやるにしても中途半端。竹村も成瀬に突っかかるが、ストンピング繰り返すだけ。成瀬の受けが下手なのもあるけど。
成瀬にしても攻めのテンポが非常に悪い。ハイスパートがしたいのか、間を取りながらやりたいのか全然見えてこない。これは竹村にも責任の一端があるのではないか。竹村との間が合っていない。はっきり言ってお寒い試合である。
こう言った試合は当然成瀬が引っ張っていくべき試合なのだが、彼にはその力量がないのでは・・・まあ4連戦の疲れもあるのかもしれないが。しかしそれ以上に驚いたのは客の反応。辛辣な野次が飛ばない。(基本的に俺は野次は嫌いなので・・・)さらには試合終了後四方に挨拶する竹村に万来の拍手が起こった。
『えっ!!良いの?これで。こんな事を感じているのは俺だけ?』・・・・良いんだろう・・・
兎に角新日ファンは優しい。大量離脱で揺れている現状を考えればよしとしようと言うところか・・・

2. ○ダン・デバインVS後藤達俊×
(6:59横入りエビ固め)
第一試合で愚痴をダラダラと書いてしまったのでココは気を取り直して・・・
正直、消化試合なのであまり期待していなかったが、意外といい試合だった。
後藤がうまく試合をリードしていた。さすがご当地半田市出身(なんのこっちゃ、関係あらへんがな)
後藤のバックドロップをポイントにそれに絡めた攻防は中々良かった。
要所要所にスポットを適度にちりばめ、飽きさせない試合だった。
試合はデバインの勝ちだが、内容的には後藤が光った試合。さすがベテランだな。

3. ○スーパーJ・西村修VSスコットノートン・ヒロ斎藤×
(12:49体固め)
西村とヒロの先発で試合がスタート。予想通りグラウンド中心の展開。
これが昭和テイスト満載で中々面白かった。
その後、Jとノートン交代。こちらはこれまた予想通り打って変っての肉弾戦。
その後、ノートンがすぐにヒロと交代する。
この試合、ヒロが大活躍。兎に角技を受けまくる。Jだろうが、西村だろうが、相手に合わせて技を受けまくる。見ていて気持ち良いぐらい。ここでもさすがと唸る。
でも、こう言った選手がいると新日も幅が広くなるし良いよなぁ。
蝶野がブラックに変身した時に最初にヒロを引き入れたのもわかるし、長州が出戻りのときヒロを連れて来たのもわかる。
しかし、他の選手の動きはそれほどよくない。これまた4連戦の疲れなのか。後半盛り上がらなければならない所でも、イマイチだった。ノートンに至ってはなんだか体が重そう(って実際重いんだけどね)
それとJの正規軍入りのテーマがはっきりと見えてこない。折角使えそうなアングルがあるのに使わない手はないと思うんだけどなぁ・・・ヒロがいて良かったと思える試合。

4. ○佐々木健介VS棚橋弘至×
(8:41体固め)
この試合も第一試合と同様、チャレンジマッチ的なもので勝敗は見え見え。
しかし第一試合と違うのは棚橋が良かった事。コイツは健想よりも使えるな。
試合当初は予想通り健介が一方的攻める。トルネードポム・スラングルホールドγ(αかもしれないけど・・・)等など、まるで長州のそれと同じNo sell。
このままで終了と思いきや、健介のフェイスクラッシャー不発から流れが変わる。
ジャーマン・レッグクラッチホールドなど棚橋が繰り出す。これがスムーズに展開する。
観客が『オオオッ!!!』っとざわめいたが棚橋のボディープレスが不発に終わり、逆に健介に攻め込まれる。『あ〜これまでか〜』と思っていたら、棚橋が何とか粘りドラゴンスリーパーを繰り出す。しかし、最後はラリアートで終了。
棚橋の頑張りが目に付いたしテンポも良かった。なにより攻め込む時勢いがあったのが良かった。受けも健介の技を見事に受けきった。今後に期待が持てる。
健介もこう言ったポジションの方が彼に向いているのではないだろうか。
塩だのなんだの言われているが使い方を考えれば十分役立つ選手だと思うな。

ここで休憩に入る。

5. ○柴田・井上・サムライ・ライガーVS金本・邪道・Eゲレロ・Bタイガー×
(16:53ジャーマンスープレックスホールド)
この試合、俺のお目当ては『Latino Heat』ことエディーゲレロ。WWFヲタとしてはあのチャイナの恋人、メヒコの伊達男、あふれんばかりの情熱男が目の前にいるのだから見逃すわけには行かない。(エディーのMCは好きだったなぁ・・・)
しかし・・・8人タッグマッチゆえに彼の出番はほんの少し。『世界一のスピードを持つレスラー』の片鱗は垣間見えたけど満足するには至らず。試合は意外にも柴田・井上を中心に展開。彼らの『活きの良さ』を前面に押し出す。
ゴングと共にパートナーであるライガー、サムライをリング下へ放り投げT2000に向かって行く。
その後、ライガーやサムライに変わっても、若手二人が『変われ!変われ!』ベテラン勢にタッチするよう催促する。
良かったのは柴田&井上のテンションが多少の中弛みは合ったものの最後まで落ちなかった事。先ほどの棚橋同様、新日には有望な若手が多い。これをどう使っていくかが今後の新日・蝶野の課せられた使命では。
一方のT2000役者揃いなのは良いが何せ8人タッグマッチゆえに一人一人の個性が出し切るまでには行かなかった。所々のスポットはキラリと光るものがあるが満足を得るまでには行かない。どうせなら通常のタッグマッチを見たかったな。
試合全体としてはJrらしいスピィーディーな展開。両者とも噛み合って見ていて良い意味で安心する。
最後はこれまた意外にも柴田がBタイガーからジャーマンでピンを奪う。この興行初めて予測が外れる。
全体としては見ていて飽きないし役者揃いなので外れる事はないと思ったが、残念なのは8人タッグマッチと言う事で各個人の個性が一端しか見れなかった事。
それよりも、柴田&井上の良さが際立った試合。ベテラン勢もしっかりとテーマを十分理解サポートに徹するっと言ったまとまりのある試合。テーマがぶれないとやはり良い試合が出来る。

6. ○蝶野正洋・天山広吉VS安田忠夫・吉江豊×
(12:50体固め)
いよいよ、新現場監督の登場。入場時の歓声は当然の事ながらこの日一番。
リングに上がるや否や開口一番『オイ!名古屋!!』と観客にアピール。更に『オイ!!新日本!!俺が蝶野だ!俺だけを見てればいいんだ!!I am CHONO!!!』とアジる。
それだけで観客は大声援。客の期待に応えるやはり千両役者は違う。
続いて安田組入場。安田はIWGPのベルトを持参し、この試合のテーマを明確にさせる。
それにしても安田の体は更に絞られた感じ。遠目で見ても締まった感じが伺える。隣にいる吉江のせいでもないけど・・・これじゃあどちらが元相撲取りかわかんねー。
この試合のテーマは当然東京体育館で行なわれる安田VS天山のIWGP戦の前哨戦って事。
そのテーマに沿って試合が展開。当然の事ながら天山は安田を挑発する。しかし安田が中々天山と絡もうとしない。天山が出てくるとすぐさま吉江と交代。2度3度とそれを繰り返す。
当然苛立つ天山。客もそんな安田にブーイングを飛ばすも安田は構わずはぐらかし続ける。
試合全体としては蝶野天山が引っ張る展開。安田・吉江組をしょっぱくせずに使う所は流石。
安田も動きが良い。っと言うよりよく見せてもらっているといったほうが正解かも。
吉江も足を引っ張ることなくまずまずの動き。
この試合で感じたのは天山の良さ。受けるにしても攻めるにしてもテンポが良い。それにより観客も乗りやすい。天コジを解散し多少心配していたがピンでも十分いける。
蝶野もうまい。体調が100%でないにせよ、要所要所はバッチリ押さえる。シングルだとしんどいが、タッグは流石に上手い。
試合は蝶野のケンカキック2連発の後珍しいフライングニールキックで吉江をフォール。
試合後天山が安田に『グローブ取れ!!』と迫る。安田は天山に応えグローブを取るも素手で天山に右パンチ一発。天山ぶっ倒れてしばらく起き上がれず。心配そうに天山を覗き込む蝶野。それを背にし悠然と引き上げる安田。この試合後の展開は中々面白かった。
試合としては力強さとテンポの良さが上手く噛み合った試合。見ていて単純に面白い。
試合後も飽きさせない展開を繰り広げてくれた。

7. IWGPジュニアヘビー級選手権試合
○田中稔VS外道×
(14:50ミノルスペシャル)
正直、一番見たかった試合。外道のシングルを生で見るのは初めてなので何気に楽しみ。
試合開始直後は静かな展開。稔の得意分野に外道が合わせるといった感じ。
外道の左ひざを集中的に攻める稔。
前から感じていたが外道の受けは本当に上手い。改めて感心させられた。
試合が場外に移りあわただしくなる。当然の事ながらセコンドのT2000勢が稔にちょっかいを出す。
今度は外道の攻勢。左肩をねちっこく攻める。
先ほど外道の受けについて書いたが、攻めも上手い。一番感じたのは間の取り方が非常に上手い事。この間の取り方が出来るのは武藤ぐらいなもんだろう。一概に間を取るといってもただ単に間を置けばいいってモンじゃない。続けざまに技を繰り出すよりも間を取りながらの展開のほうが難しいのでは。空け過ぎるとだれちゃうし中途半端につめてもバタバタした印象が残る。こう言った間を取れる選手は非常に貴重ではないだろうか。
試合は後半に入り大技が展開される。しかし稔に至ってはミサイルキックの一点張り。もう少し技のバリエーションを広げたほうがいいのでは。一方外道はスーパーフライ羽折固めを繰り出すも仕留めるまでは追い込めず。
所々でT2000組がエプロンサイドに上がり揺さぶるも効果薄。
最後はミノルスペシャル(飛付き腕ひしぎ十字固めとどう違うんだろう?)で外道がギブアップ。
全体的には外道の上手さが光った試合。稔も外道に乗っかり良い味を出していた。

8. IWGPダッグトーナメント準決勝
○中西学・永田裕志VSジャイアントシルバ・ジャイアントシン×
(9:23ジャーマンスープレックスホールド)
ようやくメイン。ココまで良い試合も悪い試合もあったがまあまあ出来た。終わりよければ全てよし。メインが肝心であるが・・・大丈夫だろうか?
不安がよぎる。
先にジャイアント組が入場。兎に角この二人でかい。それだけで観客が沸き返る。
続いて中西・永田組が入場。永田はサッカー日本代表のユニフォームで入場。
書きそびれたが、全レフリーも日本代表のユニフォームを着ていた。朝日系列だからだろうか・・・
試合はジャイアントコンビを中心に展開。必然的にゆっくりした試合になる。
ゆっくりした展開は予想できたが、プロレス素人のジャイアントコンビを中西&永田が上手くリードできていない為、モターとした印象を受ける。
なんだかイライラする。
試合開始当初懸念していた事が現実なった。やはり中西&永田のコンビではこの素人コンビをリードするのは無理だったか・・・
その後、ジャイアントコンビは仲間割れ。シルバが控え室に帰ってしまう。
ココのでは良くあるパターンだが、ここでもシルバの動きが遅い。リングの周りをウロウロしてゆっくりと花道を後にする。その後、ヒロ斎藤に諭されて渋々シルバはリングにこれまたゆっくりと戻る。
ジャイアントコンビに早い動きを求めはしないが、こう言った仕掛けをこのコンビにさせるのはどうかと思う。当然客はシルバの動きに気をとられマット上での展開に集中できない。何時までも場面が展開しないから客の集中力が散漫になってくるのだ。折角の仕掛けが台無しである。
その後ははっきり言ってグズグズ。仲直りしたと思えば又喧嘩別れ。喧嘩別れのきっかけもはっきり見えない。
最後は中西がシンをジャーマンで投げてフォールを奪う。
試合終了後、当然の如く揉めるジャイアントコンビ。それを止めようとするT2000が、大きな二人に次から次へと投げ飛ばされてしまう。ようやく蝶野が登場しなんとか納まるも何か締まらない。
その後天山がタッグ決勝について中西・永田にアピールするも締まらない空気はどうしようもない。唯一ヒットしたのはブラックタイガーの『Nagata you okama!!』のロックネタのパクリマイクアピールぐらい。スーパーJがアピールするも英語で怒鳴っているだけで観客は『何言ってなんだかわかんねーぞ!!』
なんせ締まらないメインだった。

先ほど記した『終わり良ければ全てよし』の逆の興行となった。
Jrの攻防や蝶天タッグ、シングルタイトルへの布石などは良かったが、最後がグズグズで台無し。
蝶野が打ち出した、『プロレス路線』には基本的に賛成である。しかし、適材適所ということを外れてしまっては何にもならない。むしろ余計惨めな興行になってしまう。
今回のジャイアントコンビによる『仲間割れアングル』は考えとしてはアリだと思うが、途中で控え室に帰ってしまう流れはダメだろう。それならば試合終盤での仲違いで終わらせるほうがまだマシだと思う。
面白いアングルをつくればいいってモンじゃない。プロレスは生身のレスラーが体を使って行なうものなのだ。レスラーの特徴、特性を十分に見極めた上でないと茶番以下にしかならない。その事を証明したメインだった。
しかし・・・こんな締まらないメインでも客は怒らない。怒らないどころかどちらかと言うと満足げだ。本当に中京地区の新日ファンは優しい。本当にやさしい。
『なんで??なんでそんなにやさしいの?』会場を後にする人込みの中頭の中で何度の呟いた。




本稿の著作権はすべてKANSENKI.NET及び「書き手」に帰属します。

戻る
TOPへ