この先は行き止まり?
■団体:ZERO-ONE
■日時:2002年3月2日
■会場:両国国技館
■書き手:青エス (ex:プロレス寅さん 垂直落下式!

行ってきました!ZERO−ONE一周年記念「真世紀創造。02」両国国技館大会。
会場入りしたのは、30分前。当日券で4000円の2階A席を買う。一階入口には関係者からの花輪が並べられたりしているので探したが、NOAHや新日本プロレスの名前は見つからず。
開始10分前になっても、かなり空席が目立つ。二階の向こう正面は予めクローズされており、それでもこの入りでは・・と少し不安な気持ちになった。そして18時ちょうどに登場した橋本の「お客様は神様です!」という“らしい”挨拶でスタートした。

▽第1試合(30分1本勝負)
○ 高岩竜一(18分50秒 片エビ固め) KENTA ×

高岩にとってこの一年はどうだったのだろう?そんなことを考えさせられた一戦だった。
確かにZERO−ONE入りしたからこそ、NOAHのジュニアとも交わえたし、GHCジュニアのチャンピオンになれたとも言える。
しかしそれでも高岩自身が大谷ほどのイメチェンを図り、“ZERO−ONEの高岩”としてプロレス界に存在をアピールできたかと言えば、甚だ疑問である。特に新日本ジュニアが NOAHと絡むようになった今としては・・
試合はそれなりに見せ場はあったものの、やはりKENTA相手では役不足か、それとも高岩のキャラがイマイチ地味なせいか、そんなに印象には残らない内容だった。特に明日に繋がる展開もなし。どうする高岩!?

▽第2試合(30分1本勝負)
○ 佐藤耕平(11分26秒 KO) 藤原喜明 ×

耕平は不思議と会場でも人気がある。それだけZERO−ONEファンが期待しているということか。しかしプロレスは大して進歩していないように思える。前回の「火祭り」の時、おれも「耕平は日々成長している」と書いたが、そんなことはなかった(笑)。あの時は相手が田中と大谷であって、田中と大谷の“受け”が巧かったから、そう見えただけだったような気がした。
組長は何時もとおんなじで、特に若手を苛め抜く鬼軍曹といったイメージもなく、途中から息切れしているようにも見えた。
最後は当ったか当ってないか、微妙な耕平のハイキック一発で、組長はKOされた。
耕平はUWFスタイルにするのか、純プロスタイルで行くのか、そろそろハッキリさせたほうが良い。

▽第3試合(30分1本勝負)
× ショーン・マッコリー(3分11秒 KO) 坂田亘 ○

何気に小さい版高山善廣的な活躍を見せる坂田。おれ的には垣原や成瀬よりは坂田の方が面白い。
真撃と勘違いしているわけではないと思うが、マッコリーはOFGを着けて、裸足で登場。しかしそんなマッコリーのパンチにも坂田はまったく怯むこともなく、場外戦にも応じた。
最後は場外から先に上がったマッコリー目掛けて、突進した坂田の膝蹴りがマッコリーの顔面に命中しKO!もう“アホの坂田”とは呼ばせません!

▽第4試合(30分1本勝負)
○ トム・ハワード&サモア・ジョー(23分49秒 NO.37 ギブアップ) スティーブ・コリノ&ゲーリー・スティール ×

とにかく“B級”というキャッチがピッタリなタッグマッチだった。
ジョーは何だか遠目に見れば、マーク・ハントみたいだし、コリノはその立ち振る舞いからして、“華のない”リック・フレアーである。
ちょっと笑えるんだが、決して大爆笑するほどでもなく、こういうのを器用貧乏と言うのか知らんが、なんと形容してよいのか、コメントのしようのない試合だったな。それでもたぶん彼らは何年か後には、WWFでスターになってるんだろうなあ、と確信させてくれました。嘘だけど。

▽第5試合 女子格闘技戦
△ 高橋洋子 (3分3R 引き分け) 久保田有希 △

まあ頑張っていたのではないでしょうか。顔面殴ってましたから。良く分かりませんけどね。

▽第6試合 ランバージャックデスマッチ(30分1本勝負)
ジョシー・デンプシー (7分53秒 無効試合) ザ・プレデター

いきなり「移民の歌」が鳴る。誰もがあの男を連想する。その期待通りプレデターはブロディのイデタチで登場。当り前だがチェーンを振り回し、わざわざ観客席に雪崩れ込む。「お気をつけください!」アナウンサーの叫びが場内に響く。ここまでは最高の展開だった。しかし・・思わずプレデターに「おまえ、ブロディのこと、ほんとに知ってんのかよ!」とツッコミを入れたくなるほど、プレデターはブロディではなかった。当り前だがブロディのコピーそのまんまでも駄目なのだが、かと言ってブロディのカッコしといて、全然ブロディじゃないのも問題である。しかも試合はランバージャックデスマッチでありながら、何回も場外に出るし、デンプシーのパンチもイマイチ迫力ないし・・吹っ飛ばされたレフェリーがジョー樋口ばりに失神してくれるのかと思いきや、すぐ起き上がるし・・とにかく中途半端なのである。
もちろん結果も“無効試合”と中途半端であったことは言うまでもない。

▽第7試合(30分1本勝負)
× 崔リョウジ(5分47秒 TKO) 小笠原和彦 ○

自らの門下生らしき若手を必要以上に大勢連れて入場して来た小笠原。いくら元極真の師範であるとは言え、あの体格で、40過ぎのオッサンである。そんなに期待はしていなかったのだが、小笠原が強いのか、崔が弱いのか、面白いように小笠原の蹴りや突きはヒットしていた。
試合後は予想通りZERO−ONE勢と小笠原軍団の大乱闘となり、ここで第1試合で燻っていた高岩がZERO−ONEを代表して、小笠原の次戦の相手に名乗りを上げた。う〜ん、一時の新日本vs誠心会館みたいになるんでしょうか?

▽第8試合(30分1本勝負)
× 星川尚浩(17分02秒 体固め) 丸藤正道 ○

当り前ですが、良い試合でした。NOAHのレベルの高さを改めて思い知らされる一戦。星川も途中バテたりしてましたが、最後まで良く着いて行ったと思います。丸藤はジュニアでありながらも、チャンピオンとして、NOAH代表の重責を務め切ったのは流石です。17分間、中弛みなしの好試合でした。

▽第9試合(30分1本勝負)
○ 橋本真也(12分32秒 片エビ固め) 田中将斗 ×

一昨日盗んだNWAのベルトを持って入場して来た田中。リングインした橋本と目を合わすなり、そのベルトを蹴っ飛ばす。それに怒った橋本が田中に飛び掛り、試合スタート!
受けの巧さには定評のある田中だが、さすがに橋本ほどの大きい選手は普段相手にしていないせいか、何時もほどの巧さが感じられない。むしろちょっとやり辛そうだった。
橋本は最初から容赦なく爆殺シューターを田中にぶち込んで行く。それを弾丸エルボーで応戦する田中。橋本がミドルキック、首を抱えての膝蹴り、そしてDDT、更にはトップロープから全体重を乗せたフットスタンプ、最後に垂直落下式ブレーンバスターと、自らの必勝パターンを一通り出したのに対し、田中はほとんどエルボーで応戦するのみで、得意の場外戦やパワーボムも出ず。
橋本の完勝と言って良い内容だった。田中はZERO−ONE入りするのか?

▽第10試合(時間無制限1本勝負)
× 大谷晋二郎(6分24秒 TKO) 小川直也 ○

定番になりつつある大谷の入場パフォーマンス。火祭り刀を振り回し入場!いつもより多めに!
しかも今日は後ろに村上を従えている。まあ実際は村上が勝手に付いて来ただけで、決して大谷が認めているといった感じではなかったが。
マイクを持った小川が「めんどくせえから、おまえら二人まとめて掛かって来い!」と挑発。身を乗り出す村上に小川が注意を逸らされたところ、大谷が不意をついてキック一発!ゴングが鳴る。
試合は最初こそ大谷がリードし、コーナーに張り付けた小川の顔面へ目掛け、ロープの反動を利用したキックをぶち込んだりしていたが(顔面ウォッシュまでは行かず)、やはり小川の腰は強い。組み付いたら簡単に払い越しで投げられる。
大谷が自分のペースに持ち込もうとしても、STO一発で、形勢は逆転してしまう。途中何度か小川に挑発された村上が乱入を試みる。
この日の新たな発見と言えば、小川のバックドロップが見れたぐらいで、最後はSTO連発で大谷をKO!レフェリーが試合を止めた。
そそくさとセコンドに肩を借り退場する大谷を他所に、小川が村上を挑発!気付けば田中まで村上と並んで小川と対峙。もちろん破壊王も登場!
ZERO−ONE恒例の全試合終了後の大乱闘かと思われたが、どうもファンは「小川×村上」アングルには乗れないのか、会場の反応も大爆発とまでは行かず。結局、次回「小川×村上」を橋本がマッチメークすることを約束し、村上らは退場した。

その後、橋本は大会前の予告通り、この日のPPV解説を務めた蝶野を挑発。リング下の小川が解説席の蝶野と睨み合い、そして橋本がセカンドロープとサードロープの間を広げ、蝶野をリングに招き入れようとするも、蝶野は挑発に乗ることなく、スカして退場。このストーリーに続きはあるのか?
そして最後に小川がまるで自らがZERO−ONEの代表であるかのような、優等生なマイクで観客に感謝の意を述べる。小川から「頼む」とマイクを受けた橋本が「有難うございました!」と締めて、記念すべき一周年興行は幕を閉じた。


全体的なイメージとしては、やはり期待のNOAH主力勢が不参加だったこともあってか、過去のZERO−ONEに渦巻いていたほどの熱は感じられなかった。正直、三沢が無理でもノーフィアーあたりには出て来て欲しかった。
どうせ「小川×村上」アングルで行くなら、メインはシングルではなく、「橋本&小川vs大谷&田中」の方が、闘いの幅が広がったし、見どころも増え、分かり易い展開になったと思う。
それにしても小川は扱い難い素材だと改めて感じた。この先、小川は誰と闘って行くのか。昨年末の「猪木祭り」の欠場を切っ掛けに、小川(UFO)から降りたファンが多いのも事実だ。だからこそ小川はそんなファンに「降りたこと」を後悔させるようなファイトを見せていかなければいけない。がしかし残念ながら今日のファイトには、そんなファンを後悔させるほどの“熱”はなかった。
同じ一周年でも、当日券を求め大行列が出来、武道館を満員にしたNOAH。それに対し、武道館より小さい両国さえ満員に出来なかったZERO−ONE。まるで同じ一年でも、しっかり目標を持って生きてきた者と、行き当たりばったりに生きてきた者とでは、こんなに差が出ますというお手本のようである。今回ばかりは神風どころか、木枯らしも春風も吹かない、ほとんど無風の大会に終わった。

橋本さん、僕らにはZERO−ONEの明るい未来が見えません!(ほんとはそんなに心配してないんで、これからも行き当たりばったりで頼みます笑)




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