ベガス旅日記(2)WWA、それはリアルアライアンス(WCW&ECW連合軍)!!
■団体:WWA
■日時:2002年2月24日
■会場:ネバダ州ラスベガス、アラディンカジノ
■書き手:ひねリン(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

前日はベガスでさんざん男の股間の味と匂いに酔った俺、続く日曜は、新興団体WWA(ワールド・レスリング・オールスターズ)の米国初PPV興行を観てきました。これはもちろん一人で。昨日つるんだ友人達は、同日同時間に放映されるプライドPPVを観るためCAに帰って行きました。ここでWWAについてちょっと説明を。いや、俺もあんま知らないんですが、WWFの独占状態であぶれてるタレントを使ってる新興団体です。あの悪名高きビンス・ルッソの弟子のジェレミー・ボラッシュって人が主催で、去年の10月にオーストラリアで旗揚げ。解説にキング・ローラー、コミッショナーにブレット・ハート、レスラーとしてはロード・ドッグ、バフ・バグウェル、ジェフ・ジャレットなどを筆頭に使って8000人くらいの観客を集め、さらにアメリカ向けのPPVも録画し、今年の1月に放送された(評判低し)。で、その後もヨーロッパの方を回ったりして、今回米国で初めて「Revolution」と題されたライブPPVを行うってわけです。

と言ってもこの興行、たいぶ前から「こいつらにはベガスでプロモートするライセンスが無いから実現不可能」みたいなニュースが流れてて、実際当初はあのMGMグランドでやるという話だったのが、いつの間にかアラディン・カジノに変わってたりして、俺もあんま情報を追ってなかったこともあり(先週なぜかオブザーバー届かなかったし・怒)、本当にあるのかどうか当日まで知りませんでした。とりあえず昼にアラディンに行ってみたら、ロクに宣伝されてないにも関わらず、やるというので$35の一番安い券を購入。席いっぱい余ってたよう。(後で分かったんだけど、試合直前にはチケットをタダで配ってたとのこと。くそー)

3時半会場、5時開始だというので、4時頃にでっかいカジノの建物内にあるシアターに入場。いや、ロビーに入ったときからちょっとイヤな感じがした。ちょっとハイソな劇場って感じで、飲物もお上品なクランベリージュースとかジンジャーエールとか売ってる。俺の嫌いな映画館に渋谷の Bunkamura ってのがあるんだけど、あんな感じ。とにかく中に入ってみると、これがもろ劇場。舞台に向かって扇型に一面しか観客席がない。そしてとにかく暗い。でも相当でかくて5000人くらいは入りそう。入りは6、7割か? イスは上品で座り心地ヨシ。観客層はWWFとかと変わらず、大人から子供までいっぱいいるんだけど、こういう雰囲気ではいかにも騒ぎ辛いって感じで、野次を飛ばしたりなんか叫んだりする人間が極度に少ない(当然、プロレスファンじゃないタダ券入場者が多かったせいもあるんだろうが)。あー退屈。待つのが苦痛。こんなんだったら試合開始寸前に来ればよかった。

とにかく興行スタート。PPVだとぴったりにはじまるのはいいですよね。幕が開くと、舞台の前にリングが設置されてて、その後ろにでっかいビジョンがあってWWFのPPVを思わせるセッティング。さすがに劇場だけあって、ライティングと音響はばっちり。クリップと、「Revolution! Revolution!」と叫ぶバンドの生演奏があって、花火があがってスタート。けっこう金かけてんな。

第一試合・6人イリミネーションマッチ
ノヴァvsロウ・キvsAJスタイルスvsクリストファー・ダニエルズvsシャークボーイvsトニーママルーク
いきなり俺的メインイベントだった試合。特に東部のインディーシーンを席巻してるロウ・キと、テクニシャンのAJスタイルスは大好きな選手。各自がめまぐるしくスポットを披露するも、この試合は露骨な前座扱いでアングルも何もなくて、観客はなにを焦点に見ればいいのか分からず。ついでにこの試合中、PPVのみてくれのためか、後ろの席の観客の前方の空席への移動が許可されたため、みんなが民族大移動で試合への注目はさらに落ちる。俺も移動。タダ券観光客がガンガンリングサイドに。高い席買ったファンの立場は・・・。ノヴァが勝利。俺はロウ・キがどれだけ凄い選手かいつか説明したいんだけど、今日はその機会じゃないですね。

コミッショナー、ブレット・ハート登場しマイク。観客「What!?」でリアクション。お前ら絶対頭悪い。サベージが出れなくて、考えた末グランドマスター・セクセイをメインでジャレットに挑戦させるとを決めたこと、例のテロ事件を、同じ北アメリカ人として遺憾に思うこと、でもホッケーでカナダの優勝はうれしい・・・と話したら観客USAコール。ブレットは分かったよ、という顔をして「カナダ人とオーストラリア人は、ビン・ラディンをぶっ倒すためにアメリカに協力できると思うよ。」すると観客大歓声。ばかみたい。ラディンに反対することを言いさえすればそれで誰でもヒーローかよ? 

ヴィジョンにクリップが写し出され、知らないレスラーがホーガンのコスプレで、ホーガンの真似をしながら、ミジェット相手にいばりちらしてる。この人のホーガンのパロディはかなりうまい。

第二試合・アラン・ファンク(ファンクスター)vsレノ
そのホーガンのパロディーってのがこのファンクスター(当然ハルクスターのもじり)。試合でもホーガンを貫きレッグドロップで勝つ。まあいいのでは。

ヴィジョンに、スコット・スタイナー(ビッグポパパンプ)が美女達をはべらせて登場する映像。ほとんどRAW。あ、一つ言い忘れたけどこの団体の特徴として、試合と試合の合間には放送席の声が会場に流されるんですよ。そこで前試合の論評や、クリップへのコメントが流れる。これはナイスです。ちなみに実況は主催のジェレミー・ボラッシュとマーク・マデン。

ディスコ・インフェルノが登場し、今日の相手だったグランドマスター・セクセイがメインに昇格したため、自分の相手がいないことを不服とし、実況に加わる。

第三試合・クロニックvsネイティヴ・ブラッド
WWFを一試合で首になり、去年のオブザーバーアワードでも最低試合&最低タッグダブル受賞という偉業を成し遂げ、でも日本に約一名熱狂的なファンを持つクロニックだけど、登場シーンはすげーかっこ良かった。なんか俺このへんで、とにかくディスコだのポパパンプだのクロニックだの、懐かしい面々がばんばん出てきて試合内容に関わらず無条件で涙ぐんできてしまいましたよ。UPW育ちのインディアン組を一蹴。メルトダウンみるの久しぶりだよう。

控え室のミジェットレスラーが吠える。全てのミジェットをぶったおすとかなんとか。こんなベシャリのうまいミジェットはじめてみた。

WWAガールズのダンス。なんかほんとナイトロみてるような気分になってきた・・・

第四試合・ミジェットマッチ(ハードコアルール)、パペットvsティオ
これ凄い。自分の身長の二倍くらいの高さあるステージからコンクリにダイブするは、トップロープから場外には飛ぶわ。いったいどーなってんの? この試合だけ実況がライブで流され、ディスコが「ミジェットだって人間なんだぞ!たぶんな」とか品川並のコビトネタを連発して笑わせる。最後は場外にばらまいた画鋲に思いきりフェースバスターで顔から突っ込む。ベストマッチか?

二人のミジェットがぶったおれてるとこにビッグポパパンプが登場。相変わらずお化けの体だけど、ちょっと肥ったかな? ミジェット達をリングに放り投げ、スープレックス連発。さすがにコビト相手ならきれいに投げられるよう。マデン「スタイナーはオリンピックのミジェット投げで金メダル取れるな。」

さらにポパはアピールし、実況にいるディスコに喧嘩を売る。なんとかごまかして逃げようとするディスコ。そのディスコをポパのほうに突き押したグラサンの人間はなんと・・・

天山!

良く見たら、その近くに日本の雑誌の海外カメラマン勢がズラリ。なるほどこの絵だけ取りに来たのか。でも、テンザンの名は全く実況でも触れられず。会場で気付いた人間もほとんどいないはず。とにかく天山に押されたディスコはポパに捕まりリングへ。これでお仕事を終えた天山は、なにやら日本のカメラマン達といっしょに客席を歩いていく。リング上ではディスコがバンプを取りまくり、スタイナーズリクライナー(キャメルクラッチ=筋肉お化けになって動けなくなってからのポパの必殺技)でタップアウト。ポパけっこう動いてた。

第五試合・3ウェイダンス・WWAクルーザー級王座決定戦
エディ・ゲレロvsフーヴェントゥ・ゲレーラvsサイコシス
まあ内容は(ある程度)保証付きのルチャ戦。まあシングル戦のほうがいいんだけど、エディが前と変わらず元気で俺は安心。エディのフロッグスプラッシュ炸裂。そりゃ高さじゃRVDにかなわないけど、空中姿勢の美しさはやっぱエディが世界一(←単なるひいき)。

試合後にエディがマイク。相変わらず「What!?」をやってるバカ共に対して「お前らヴォキャブラリー増やせ。」そして個人的な問題(ドラッグ)を載り超えて自分はリングに帰って来たとアピール。そこに登場するはなんとジェリー・リン。エディを挑発し、二人は乱闘。最後はリンがゴッチ式(笑)パイルドライバーでエディをグロッキーにして去って行く。次回はこの二人の対決ってわけ。俺としては好きな流れなんだけど、異様にこの日の観客はノリが悪い(タダ券観光客が多いんだからしょーがないんだけど)。

ラリー・ズビスコ(これまたなつかしー)会場いり。

第六試合 ハードコアマッチ
サブゥー(withビル・アルフォンソ)vsディヴォン・ストーム
さっきのリン登場あたりから、雰囲気がWCWじゃなくてECWになってきたな。そこでこの試合。俺、勉強不足でこのストームって初めて観たんだけど、飛べるし投げれるし攻撃のヴァリエーションが多くていい選手。思いきりECWスタイルで、思う存分これでもかと飛び合い破壊し合い。でも観客はシーン。ECWならもちろん、WWFでも「Holy shit!!」コールが起こって当然の場面が何度もあったのに一度も起こらず。なんと最後はストームがビルの誤爆を利して勝利。でもサブゥーは引き上げるストームを背後から襲い、スクリーンの上からテーブル破壊プレス。善玉も悪玉も全てのアングルも超えた、純粋な破壊のスペクタクルをそれ自体として魅せたサブゥーは、静かに人差し指を天に向けた。俺もこの人へのリスペクトを示すために同じポーズ。

ヴィジョン、なんかオカマ二人がじゃれあってる。誰だっけこれ?

ズビスコ登場し、マイク。「ビンス・マクマーン・しいぃぃにあぁぁぁは偉大なプロモーターだったが、ビンス・マクマーン・じゅうぅぅにあぁぁぁは最悪だ。」と、クリス・ジェリコそっくりの「じゅうぅぅぅにあぁぁぁ」発音でビンスに喧嘩を売る。ビンスはレスラーに敬意を払ってないが、このWWAは違う、とお決まりのWWF批判。ついでに「(現在のWWFチャンピオンの)クリス・ジェリコが、リビングレジェンドになれないくらい背が低いのは、私のせいではない。」と。へーやっぱりさっきのはジェリコを皮肉ってたんだ。そういや今ジェリコが名乗っている「リビングレジェンド」は、ズビスコのキャッチでもあった・・・かな? 

第七試合・リック・スタイナー&アーネスト・ミラー vs レニー&ローディ
もーもーもー懐かしくって。さっきのオカマ二人は、そーだよWCWのレニー&ローディじゃんかよ。相変わらずプラカードもって来たローディ「私達はチャック&ビリーじゃないわよ!」だって。うんそーだよね。向こうが真似なんだよね。んでもって、相手はお兄さんスタイナーに、ミラーですよ。ザ・キャット。もうほんと涙出てきた。試合はミラーのくるくるキック炸裂。ちなみにこんなに感動的な興行(俺が勝手にそーなってるだけ)なのに、客はどんどん帰り始めている。

第八試合・WWA世界ヘビー級タイトルマッチ
ジェフ・ジェレット vs ブライアン・クリストファー
ここまで強い強いWCW&ECWテイストで来たこの興行、しかしメインに出てきたのがWW作ったキャラのグランドマスターだったりする。例のToo Cool の時と全く同じキャラでバカ踊りしながら入ってきて、マイクをつかんで例の意味不明のヒップホップ?トークで「ようようようよう、ジェシー坊やはsuck(なめる)じゃないぜ、奴はswallow(飲み込む)なんだ!」と、冷えてる会場をバカさ強引に暖める。なるほどね。確かにこいつがメインで正解なのかも。試合もジェフが例のへんてこな田舎もん歩きを連発し、二人で観客席になだれ込み、ギターを使い、レフバンプ、レフブロウルとあらゆる仕掛けを連発し盛り上げてジェフ勝利。二人の人気やプロレス能力を考えたら、これ以上のものは望めないでしょう。安易だけど、よくできたシナリオだと思う。満足満足!

と、いうことで、観客のノリはひどいもんだったけど、俺的には相当満足度の高い興行でした。考えた場所で会場に実況を流すのも成功だと思うし、全体的にWWFに比べて、ちゃんとレスラー達に長い時間試合をさせよう、アングルで縛るんじゃなくてレスラーたち自身に表現させようっていう姿勢が見えたのは良かったです。WCWやECWの匂いが感じられたのも、単にメンバーがだぶってるからでなく、その辺に理由があるはず。ただやっぱメインは、(ズビスコ発言と矛盾して)思いきりWWFスタイルのギミックマッチでしたね。まあそれが、現在のアメプロ界で一番確実に盛り上がる方法なんですよね。会場の上品な雰囲気は気に入らないし、タダ券配って、そいつらをリングサイドに入れてライブの盛り上がりを壊したのは、金払った客への冒涜としか言いようが無いけど、まーテレビで観た人は別の感想を持つのかも知れないな。

俺としてはこの興行は、まさにリアル・アライアンス(WCW&ECW連合)だったと言いたくてならないんだけど、同時にやっぱWWFの陰ってのが、そこらじゅうにでっかく存在してるのも見えました。ホーガンのパロディ、スビスコのアピール、ローディのプラカード、そしてメイン。まあプロレスはパロディであり、権力への異議申し立てと同化が必然的に混ざるものだから当然なんでしょうね。

俺、この団体のお家事情とか全然知らないし、先どうなるのか分からないけど、とにかくこの日は、すごくいい時間を過ごさせてもらいました。レスラーと真剣に一緒にポーズしたいと思ったり、ライブで涙出てきたの久しぶり。この感動のおかげで、体は疲れ切ってるにもかかわらず、一気に4時間、平均時速150キロで自宅まで一人でハイな状態でドライブできました。ってことで長文ベガス日記終わり。両方読んだバ・・・キマグレな方がいらしたら、ありがとうございました。




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