お前らはそれで良いや。
■団体:新日本
■日時:2002年2月16日
■会場:両国国技館
■書き手:Mr、のう
「馬場の母ちゃんなんか信用するから」ピンチに陥ったとされる新日本プロレス。本当に新日本はピンチなのか?2.1札幌の変を受けての両国決戦。そこに「怒り」はあるのか?蝶野の言う「プロフェッショナルなレスリング」とは何を指すのか?新日本に「明るい未来」は見えるのか?両国にあったもの、それは・・・

5時50分に会場入り。客席は4分程度の入り。早くも新日本ピンチを予感させる。そんな中、6時キッカリ興行スタート。随分キッチリ始めるなと思ったら、今日はPPVだったのね。

第一試合
○ジャイアント・シン&ジャイアント・シルバ VS
 吉江豊&ダン・デバイン&×クリス・キャンディード

昔から第一試合というものは若手が努めるもんだと、相場が決まっていたが、本日はPPV。第一試合から見せ場を持ってくると言うのは大正解。いわゆる「つかみ」と言う奴で、WWFもPPVの場合、必ずハーディー・ボーイズ等、メインではないがイキの良い選手達を第一試合に持ってきて、最初っから客のテンションを挙げていくが、今回、新日本もその手法を使ったと言うわけだ。この辺が蝶野のスマートさか?実際、盛りあがったと言うほどのもんでもなかったが(笑)客がそこそこ暖まったのは事実。特にキャンディードのバンプは評価に値する。とある女性ファンに「死んじゃうよう〜」と言わしめたのだから大したもの。大げさに受け続ける事で、大巨人コンビの怪物ブリを表現したのはアッパレである。吉江は・・・全く印象に残ってない(笑)。

第二試合
○松井大二郎 VS ×柴田勝頼

これが何気に良い試合。開始直後、柴田ドアッサリとタックル決められるも、グランドでは互角以上に渡り合う。強引に引っこ抜く形でのパワーボム、ジャーマンと見せ場もつくる。これであせったか松井、コーナーに詰めて、必死のパンチパンチ(笑)これで決着。新日本の選手達の打撃に対する策の無さっぷりは、どうにかならんのか?

第三試合
○永田裕志 VS ×リック・スタイナー

気が付けば、この時点で客は8〜9分程度。良く入るよなあ、と逆に感心してしまう。序盤はグランドの攻防。しかし、どう見ても「リックの手の平で必死にもがく永田」の印象しか残らない。それは中盤以降、試合が動き出しても同様で、永田がリックを上回ってる点と言えば、唯一キックが使えると言う事だけか。胸板が落ち込んで往年の迫力は失われたものの、リック、永田より一段格上は揺るがない。それでも勝利は永田。それは別に良いのだが、新日本は外人発掘が急務だな。一流外国人選手が居ると居ないじゃ大違い。華があるからなあ。K−1、PRIDEの成功は「外人天国」であるから、とも思えてきた。ダメな日本人を無理にエースにするよりは、よっぽどマシと言う事か。

第四試合
×蝶野正洋 VS ○安田忠夫

さあ、蝶野よ。一体どうする?自分がトップに立って引っ張るのか?それとも、今が旬の安田を生かすのか?その判断によって新日本の未来は大きく変わる。ある意味、本日のメインイベント。結論から言えば、蝶野は、ものの見事に敗れ去った。それが吉と出るか、凶と出るかは、後ほど。それにしても蝶野の入場シーンは圧巻である。会場全体が一糸乱れず手拍子で迎え入れる、その様は正にカリスマと呼ぶにふさわしい。猪木のダーか、蝶野の入場シーンか、と言うぐらいに、その盛り上がり方は凄まじい。蝶野は試合さえなければ(笑)神と呼ぶにふさわしい。

第五試合
○井上亘&サンダー・ライガー&エル・サムライ&成瀬昌由 VS
金本浩二&邪道・外道&×GOKUDOU

若手イジメの良く似合う金本と、それを歯を食いしばって耐える井上。プロレスの基本中の基本パターン再来。ガムシャラに先輩に挑む姿が一番分かりやすく、思い入れしやすい。このパターンは大事にすべきである。最後、井上に勝たせるためだけに登場したと言って良いGOKUDOU。ショボイのか、アッパレなのか?(笑)

第六試合
藤波辰爾&×越中詩郎 VS ○棚橋弘至&鈴木健想

「お前たちは怒っているのか?」。タナケンは「気持ち」を見せなくちゃいけない試合。しかし、そこに立ちはだかる、我らがドラゴン。老獪なテクニックで大人気なく若手を封じ込める(笑)あれでは気持ちを出すとか以前の問題だ(笑)。それでも気持ちを押しださなきゃならないタナケンだが、結局何にも伝わってこず。特に健想に至っては「ヤル気」すら感じられない。「明るい未来が見えないです」・・・だろうなあ(笑)。結果的に絶好のトイレマッチとなった。

第七試合
○天山広吉 VS ×西村修

正直このカードを見た瞬間、蝶野の戴冠。そして天山への引継ぎの絵図が浮かんだが、蝶野の敗戦により、それが消えた。蝶野も天山も正直シングルではシンドイ。蝶天タッグに専念した方が絶対良いと思う。蝶野の判断は間違っていないな。それにしても西村人気は凄まじい。西村が返し技でニアフォールを奪うたびに大歓声。結果的に西村敗れるも、もし西村が勝っていたら場内爆発したな、多分。西村をブレイクさせるのも一つの手かもな。敗れた西村は多分、こう言っていただろう・・・「仕方ありません」(笑)気が付けば、この時点で館内ほぼ満員状態。

第八試合 
○田中稔 VS ×垣原賢人

この試合、俺は闘っていた。どうしようもない睡魔と(笑)。今日の垣原、絶望的につまらな過ぎ。垣原の未来は暗い。改めて、村浜恐るべし。稔vs村浜は良い試合だったもんなあ。

第九試合 日本一の馬鹿決定戦
×佐々木健介 VS ○中西学

「戦術」「駆け引き」「創意工夫」そういった物とは全く無縁の、正に馬鹿決定戦と呼ぶにふさわしい試合。開始直後に「VT特訓」(笑)の唯一の成果(笑)飛びつき腕ひしぎを二連発する健介。負けじとアルゼンチンを出そうとする中西。起承転結おかまいなし。ラリアット合戦、チョップ合戦。何も考えず、ただ打ち合うのみ。両者せ〜のでロープに飛んでのラリアットの相打ちは秀逸。悩み事を抱えるあなた、どーぞこの試合をご覧あれ。考える事自体バカバカしく思えるから(笑)。最後はアルゼンチンをスリーパーで返そうとする健介をスカシ、ジャーマンで中西の勝利。ちょっとの工夫で試合に勝ったのは中西。しかし、その「ちょっとの工夫」さえ出さなかった健介こそが、真の馬鹿決定戦の勝者である事は言うまでもなく・・・おめでとう健介よ、お前が第一回馬鹿チャンピオンだ!健介と中西はメインテーマから外して扱うと、バツグンにその面白さを発揮するな。長州の失敗は健介をトップにしてしまった事だな。

第十試合
○安田忠夫 VS ×永田裕志

まず何がビックリって、場内盛り上がってた盛り上がってた。いわゆる「なんちゃってVT」な試合にも拘らずだ。考えてみれば本日の興行で、いわゆる2.9プロレス、純プロレスと言うべきなのか、とにかく大技品評会でのニアフォールの奪い合いがほとんど見られず、悪く言えば「なんちゃって格闘技」、良く言えば「3カウント、ロープエスケープ有り、チョーク等危険な技禁止の格闘技」の風味が満載だったのである。そしてそんなスタイルを客は受け入れているのである。もの凄く良く言えば「猪木風」プロレスに向かっているのである。勿論、猪木が演じた「猪木プロレス」には程遠く、自分で言っててなんだが(笑)一緒されたら迷惑なのだが、方向性だけは猪木に向かっていたのである。「なんちゃってVT」スタイルがダメなのではなく、それを演じる選手が未熟なだけで、蝶野の言う「プロフェッショナルなレスリング」とは「なんちゃってVT」を進化させ、猪木プロレスへ回帰させる事を指すのかと、ボンヤリと希望込みで思ったりもした。そして新日本ファンも、それを願っているのだと言う事を感じさせてくれた。

結果、安田の勝ち。場内爆発。これによって、5.2東京ドームでの、IWGPを賭けた安田vs小川が見えて来た。小川の生かしどころが見えて来た。「なんちゃってVT」を「猪木プロレス」へ進化させられる唯一の存在、小川直也が新日本で輝ける土壌は出来た。後は蝶野の腕次第。蝶天タッグでアメプロの風味を、小川で猪木プロレスへの回帰を。その二つを同時進行で表現出来たら・・・

新日本の未来は極めて明るい。

休憩なし、ノンストップの3時間。サクサクとした進行は好感が持てるが、いかんせん試合数が多すぎる。7試合、2時間半ぐらいで終わらせるのが理想かと思う。後、今更ながらに両国国技館はプロレスを見るのに最適だな。東京ドームなんて欲張らず(笑)両国で地上波放送が一番の理想だな、ウンウン。




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