卒業式。
■団体:RINGS
■日時:2002年2月15日
■会場:横浜文化体育館
■書き手:ほいほい@爆発(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

前売りの時点でかなりチケットが売れていたようだ。
リングスの最後の興行という事がプレミアをつけていたようである。
会場に入ると案の定満員。ここ最近(バトジェネを除く)では稀に見る入り。
在庫処分セールを行っているグッズ売り場では長蛇の列を織り成している。
この熱気が去年の両国、バトジェネ以外の時にもあったらなぁ、と思うといささか虚しさを感じる。
いつもこんな客入りなら、まだ続いていたんだろうなぁ。
何だか、今日は登校拒否児が卒業式に出席し、空白だった時間を度外視し泣きに来ているように思えた。
ありがとうリングス。そして、さようならリングス…。

過去を思い出させ、懐かしくそして朗らかな心にさせるように、場内に設置されたビジョンに、
リングスの歴史が映し出される。
長井、山本、成瀬、坂田、田村、ヤマケン。
今はリングスにいない面々も登場する。
彼らがリングスの歴史の1ページを創り出してきた、掛け替えなのない創造者として。
感動してしまった。やっぱり、今日は卒業式なのか。



第1試合 矢野卓見vs松本秀彦

日明兄さん、もう一丁!と背中に書かれたTシャツで入場のヤノタク。
一方のSKアブソリュート松本はサンボ着で地味に入場…だが身体は凄い。
ヤノタクがいつも通りのらりくらりと攻め見せる。そして、松本が正攻法の打撃で攻める。
両極端にも見える、その構図が面白い。
松本の隙をつき、ヤノタクのブックブロー(クレイジーサイクロン)が物の見事にヒット。
ヨロヨロよろめきながら、倒れリング外へエスケープする松本。
その為か、ダウンカウントを数えるのが遅くなりヤノタク、最初で最後だったかもしれないKO勝ちを逃す。
調子に乗ったヤノタク、スタンドで袈裟斬りチョップをだすが、あえなく1R終了。

2R、回復した松本がスタンドで押す。スタンドを嫌がるヤノタクは、ソバット、浴びせ蹴りを使いながら、
引き込もうとする。しょうがなく、グラウンドにいく松本。ポジションを取り関節を狙うが、
ヤノタクにするすると逃げられる。

3R、引き込みたいヤノタク、スタンドで攻めたい松本。
両者、意思の疎通が出来ないまま終了。
1度、ダウンを奪ったヤノタクの判定勝ち。意識の違いがズレをうむむむ。

○ヤノタク(3R終了 ポイント判定)×松本



第2試合 小谷直之vs吉信

飄々としていてあまり強そうには見えないんですが…むちゃくちゃ強い小谷。
スタンドでプレッシャーをかけながらテイクダウン。
あっさりパスするとマウントを取り、最後はスリーパー葬。
吉信は、決して悪い選手じゃないし、弱くもないのに…。
しかし、これからどうするんだろう?個人的には世界に飛び出したら面白そうと思うんですが。

○小谷(1R1分41秒 裸絞め)×吉信



第3試合 伊藤博之vs矢野倍達

ヤノマスのタックルに抑え込まれっぱなしの伊藤でした。
ガチンコって切ない。

○矢野(3R終了判定 2−0)×伊藤



第4試合 横井宏考vs藤井克久

怪物横井、今日も異様なまでの強さを発揮。
1R、藤井のローを気にせずにテイクダウンを奪うと、あっさりパス。
アームロックを狙うが、さすがにそう簡単には極めさせない藤井。
おぉ、これは凄い。これなら、どこに行っても大丈夫じゃないか。

2R、慣れてきたのか、パスが左からしか来ないと気付いたのか、テイクダウンはされてもパスは
されない藤井。本日一番の注目カードなだけに、目が離せない攻防が続く。

3R、藤井の打撃に多少押され気味、怖がり気味な横井。
打撃への対応力不足が少しばかり見え隠れする。
藤井のグラウンドでの打撃による反則で、審議委員がリング上に上がる。
まるで相撲の物言いのような光景。昔の名力士を回想させる。あぁ、みんな過去の人達なんだ、と。
試合は、3Rが終了。終始、藤井を圧倒していた横井のフルマーク判定勝ち。
リングスの未来を背負って立つ男だった未来の去就はいかに?

○横井(3R終了判定 3−0)×藤井



第5試合 滑川康仁vsサム・ネスト

滑川が圧勝するだろう、と思われたこの試合。
やってみなくちゃわからない、とはまさにこの事なのだろう。
1R、開始早々にテイクダウンを奪った滑川、あっさりパスし、アームロック。
が、これをクルクル回りながら回避していくネスト。
いくら滑川が関節を狙っても、回避する。すると今度は、隙をついたネストがスリーパー。
がっちりと入り、滑川たまらずエスケープ。あまりの展開沸きまくる場内。
今度はやっとこさで滑川が逆十字を取るが、ネストがエスケープ。
こんな事をしていたら、選手寿命が更に短くなるんだろうなぁ…。

2R、滑川が1R同様テイクダウンを奪い関節を仕掛けるが、うまく逃げられる。
ピンチの後にチャンスあり。
滑川の関節を尽く逃れたネスト、バックに回りチョークスリーパーで1本勝ち。
意外な結末と、回転の面白さで場内からは惜しみない拍手が。
詰めの甘さが産んだ、結果かな。

○ネスト(2R 4分53秒 裸絞め)×滑川



第6試合 高阪剛vs宇野薫

赤のショートタイツにレガース姿の宇野。
タイツにはちゃんと憧れだった船木同様、日の丸が刻まれている。
プロレス心を理解し、信頼しあっている両者。
現在形UWF最終形態とも言うべき、総合のポジションを考えながらのクルクル演舞。
あまりのスピード感と間の良さ、そして張り詰めたような空気がすべて噛み合った。
おぉ、凄い。なんて陳腐な言葉は言えない。
感動すら覚える、流れる攻防は、両者1回ずつエスケープという結果での終焉。
朽ち果てる事のない夢を体感させてくれた素晴らしい両者を称えよう。

高阪のラストマイク。
「今日、ここで第1次リングスっていうのは終わってしまいますが、自分のあがるリングはいつもリングスです。」
UFCへ行っても、頑張ってほしい。(矛盾なんて気にしないで。)

△高阪(5分00秒 エキシビジョンの為勝敗ナシ)△宇野



第7試合 ヴォルク・ハンvsアンドレイ・コピィロフ

ヴォルク・ハンにかかる声援は大きい。
旧リングスルールを華のあるものに変えていったハンの功績は絶大なものがある。
皆も一様にそれを求めている。
ハンの一挙手一投足に観客が反応する。
その期待に応えるかのように動くハン。
ハンは紛れもない一流のプロレスラーだ。
3回エスケープしたあとの逆転の逆十字。
ファンの心理を得意の手品のように操った。

○ハン(6分15秒 腕ひしぎ逆十字固め)×コピィロフ



第8試合 金原弘光vsイリューヒン・ミーシャ

ミーシャに始まり、ミーシャに終わる。
UWFルールに始まり、KOKルールで終わる。
波乱万丈ながらもいつも会社に従属していた金原は素晴らしいと思う。
が、これからは口だけじゃなく、行動でワガママを示して欲しい。
何とか試合を作ろうとした金原、鉄板のミーシャを崩せず。
カフーン戦、ジェイコブ戦、ヒューズ戦、メインを張る金原の試合は何故かシーンとなる。
面白くないわけではないのに。これが重圧というものなのだろうか?
モチベーションも上がらないまま、よくやった。

金原「リングスに入って四年間でしたけど、本当にありがとうございました。前田さん、ありがとうございました。」
リングス・ジャパン金原弘光、お疲れ様。

△金原(3R終了判定 0−1 ドロー)△ミーシャ


第9試合 エメリヤーエンコ・ヒョードルvsクリストファー・ヘイズマン

メインに組まれたアブソリュート級王座決定戦。
有明でもメインは金原だったのに。
この試合をメインに持ってくる事で、リングスの存続というのを示そうとしているのか?

1R、開始早々ヒョードルの強烈な右ストレートにダウンするヘイズマン。
フラフラになりながらも、必死に立つ。
ヘイズマン、タイクダウンは奪うものの、ヒョードルの身体能力の高さの前では、抑え込む事が出来ない。
強引に立ったヒョードル、フロントネックロックでエスケープを奪うと、最後はパンチでダウンを奪い完勝。
最後に光明をもたらすも、それはリングスではなく、リングス・ロシアにだったのか。
物凄く強いヒョードル。この逸材は、誰も放っておかないだろう。
ブッカーKは、もう準備に入ったのだろうか?(笑)

○ヒョードル(1R2分50秒 ポイントアウト)×ヘイズマン

終了後、リングに上がり言った前田の「第1次リングスの終了。」
第2次リングスがあるのかどうか、未だに不明な部分はあるがとりあえず一つの時代が幕を閉じた。
選手と共にファンも巣立っていく、卒業式。
涙こそ出なかったが、寂しさはある。
帰り際に見かけた田村は、どう思ったのだろうか?
何はともあれ、お疲れ様でした。そしてありがとう。




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