地方大会の積み立て貯金
■団体:新日本
■日時:2002年2月10日
■会場:岡山県立体育館
■書き手:ノリリン(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

2月10日、3連休の中日の日曜はひどく寒い日だった。岡山では雪が舞う日はそう多くないが、この日は曇り空の下に昼前から雪が舞っていた。会場内も外と同様凍える寒さだった。あまりの寒さに途中で帰る客もいた。
ま、総括は後でするとしてさらっと試合へ

■第1試合(15分1本勝負)■
○ブルー・ウルフ 7分13秒 クリス・キャンディード×   モンゴル・スラムから片エビ固め
『第一試合は大技を出さない・地味に』なんてのは昔の話。第一試合だって出ている選手には生活がある。うけなかったら次に呼んでもらえない。キャンディードだって然り。客にアピールしたり、コーナーから場外へのプランチャースイシーダを放つなど意欲的に試合を運ぶ。
ブルーウルフが誰だか分かる人は少ないだろうが、セルジデブの新しいリングネームだ。どうやらカート・アングルをfeatureしているらしく、スタンディングのヒールホールドやオリンピックスラムを出す。安易だな。
試合はキャンデードのフライングボディープレスをかわしたブルーウルフがモンゴルスラムという名のオリンピックスラム(に半回転のひねりを加えたもの)でピンフォール勝ち。カードを聞いた時点の予想の10倍は会場が沸く。キャンディードのおかげだが・・・
 
■第2試合(20分1本勝負)■
○吉江 豊 8分56秒 バックブローから片エビ固め ヒロ斉藤×
これもカードを聞いたときの予想の10倍客が沸く。客が沸くだけではなく儂にも面白かった。ヒロのやる気が満々。人気のない吉江がパワーで攻め込むのに対して、ヒロはセントーンの連発や体育館の壁に吉江を打ち付けて場外乱闘、大人気だ。かっては第二試合ではここまでやってなかった。第二試合から会場全体を使ったり、near fallを連発したり・・・ここら辺は明瞭に以前と違う。吉江が負けると犬軍団入り、勝つとヒロ斉藤を襲名しなければならないというアングルでこの二人と後藤セットで抗争させたらいいのに。試合は吉江が見栄えの悪い裏拳の連発で勝つ。 

■第3試合(30分1本勝負)■
○田中 稔・柴田勝頼  13分31秒 飛び付き逆十字固め  井上 亘×・垣原賢人
普通に考えれば、柴田井上組vs田中垣原組の色分けの方がいいけど、16日に田中と垣原がタイトルマッチをやるので仕方がない。井上柴田はいいし、キャラも見分けがつきだしたけど、いかんせん体格とスタイルに目立ったところがない・・・
新日Jrの例にもれずどんな試合かは覚えてないけど、見ている最中はそこそこ面白かった。田中は確かにいいな。途中の派手なわざと締めの地味な技の対比もいいし、立っても寝てもそこそこスピードがある。  
  
■第4試合(30分1本勝負)■
○外  道・GOKU−DO・邪  道 15分27秒 レフェリーストップ  タイガー・マスク×・成瀬昌由・エル・サムライ
ゴクドーが三角巾で腕をつって登場。試合は2対3のハンディキャップマッチになる。しかし、途中からつっている腕で殴ったり、乱入したり、なんで腕をつっているのか不明。中途半端なアングルだ。
試合は2人しかいない邪道外道が押され気味ながら、跳び技やなにやらでにぎやかに展開した。finishのsequenceには入ったところで、トップロープからフライングボディーアタックを敢行したタイガーがいきなりうずくまる。すかさず海野(だったと思う)がゴングを要請、素早い判断で好感を持てる。結局タイガーは全治重傷の2ヶ月だそうだ。事故は気の毒だが、防げる事故(そりゃ事故はおこるものだという言い方もあるけど)なのでプロとしての反省は必要だ。
エルサムライは何でこんなに岡山で人気があるかさっぱり不明。
それから成瀬はダメダメだ。蹴りが遅い。攻めが中途半端。今後に期待はするが、もう半年たつんだから成長しないとな。シュートに未練があるならリングスに帰れ(ってないけど)

ここで休憩。たこ焼きとたい焼きが売れる。それにしても会場は寒い。

■第5試合(30分1本勝負)■
○ジャイアント・シン・ジャイアント・シルバ  6分43秒 ジャイアントボムから
体固め  竹村豪氏×・越中詩郎
休憩明けにみんなが期待する瞬間が来る。プロレスに大事なのは経験?うまさ?強さ?そりゃいろいろあるが、プロレスは見せ物だ。やっぱり化け物を見たい。
この二人はTVにもよく出ているので地方でも認知度は高い。試合はシルバ・シン・シルバの順にサイズを活かして客席を沸かせてジャイアントボムからピンフォール。
すごく沸いてましたな。複雑なスポットの要求されるセミとかメインとかではなくて、ここら辺で短時間の試合に暫く使い続けた方がいいんじゃないの?

■第6試合(30分1本勝負)■
○ダン・デバイン・西村 修・佐々木健介 13分42秒 ダブルアーム・スクリュー・スープレックスから片エビ固め  鈴木健想×・棚橋弘至・永田裕志

なんとこんなに沸くか!と言うくらい永田や佐々木の入場に沸く観客。他の4人がリング外の間に、ケンソウがデバインを攻め込む。しかしケンソウのスピアーを受け止めて、フロントネックロックから、ダブルアーム・スクリュー・スープレックス。かなり鮮やかに決まる。
いいね、やる気もあるし、デバインがいれば健介要らないな。逆に言えば、健介が要るのにデバインなんて呼んでこなくていいじゃないかと思うんだが・・・健介はしょっぱいのサムイのちびだの言われるが、やはりリング上の動き自身はいい。休憩前後に出てくるだけなら充分にいていいレスラーだ。まあ、逆に言うといなくてもいいんだが・・・
棚橋がらみで2つ。棚橋と西村でclassical wrestlingをやった。手四つからブリッジ合戦。西村のブリッジに棚橋がダブルニーで崩しにかかる・・・んだけど、棚橋のジャンプが不十分でかなり不細工なものになった。ヘッドロックを抜け出すムーブもへたくそだし、もうちっと練習してから出しても遅くないぞ>棚橋
それから面白いムーブがあった。健介のフェースクラッシャーを棚橋が何事もなかったかのようにかわしたのだ。おそらく後でこっぴどく怒られたとは思うが、健介の地位の低下を暗示している。これがspotならすごいんだが・・・流石に違うだろうな

■第7試合(45分1本勝負)■
○リック・スタイナー・中西 学 13分16秒 デスバレーボムから片エビ固め 後藤達俊×・天山広吉
天山の会場人気はすごい。が、このカードを見るとやはり、小島がいないのは痛いと感じる。リックスタイナーが元気だ。天山の人気に怒ってみたり、中西になだめられたり、中西と犬&ゴリラポーズを決めたり、天山のモンゴリアンチョップとか、シュシュシュという動き込みの手刀の真似をして天山を怒らせる。中西スタイナーの二人はなかなかいいコンビだ。最後は割と優しいデスバレーでピン。アメプロのトップの実力を再確認した。

■第8試合(60分1本勝負)■
○藤波辰爾・獣神サンダー・ライガー 17分12秒 足四の字固め  金本浩二×・蝶野正洋
いいカードだねえ。10年前なら・・・入場まではすごい歓声だ。蝶野金本組はかっこいい。蝶野天山組よりいいな。金本もそろそろヘビー組でいいし、天山も蝶野とくんでいい立場でもないだろう・・・と思うんだが・・・
試合が始まると地味になってしまうが、蝶野はいつもよりは意欲的。ライガーの雪崩式ブレーンバスターを喰らっていた。試合は金本がライガーにドラスク、藤波を挑発してドラスク。しかし、最後は本家ドラスクを返されて4の字に捕まってしまう。
岡山はそんなに客のはいる土地ではない。どの団体も苦戦する。武藤も小島もいない。しかし、この日は第一回IWGPリーグ戦、猪木vsマードック戦(キーロックばかりで終始したひどく寒い一戦だった)以来の入り。ダフ屋は『ある人は買うよ・ない人あるよ』。paperもあるだろうが、入場者は実数で3000以上は確実だった(発表は4000)。儂はビックリした。ほぼ一杯で8〜9割の入り。翌日の大阪舞州アリーナが3200人だからそれと較べても如何にたくさん入っているかが分かる。

去年は2月12日にメインはテンコジvs健介吉江、7月にはあの有名な蝶野腹痛アングル事件があった。どちらも小うるさいマニアはともかく一般の観客の満足度の高い、いい興行だった。その『いい興行』の積み立ての利子を新日が受け取ったと言っていいだろう。地方でいい興行をし、次に客が沢山はいる。新日は案外真っ当な団体かも知れない。
この日の興行を見ても、第一試合、第二試合のあたりからnear fallや場外乱闘を入れていて、従来のマッチメークとはひと味違う(去年の初めあたりから段々変わってきてたが)。新政権は少なくとも地方興行対策として、派手なアングルこそ組めないもののしっかりと体を使って1試合1試合で客に答えるという方針をとったようだ。無策と惰性と繰り返しを地方興行の柱としていた長州政権よりはましなようだが、武藤ショックの間だけにならないようにしてもらいたい。

ただ、会場は寒すぎる。この日来た客の半分は2月の岡山県立体育館には2度と来ないだろう。新日には気の毒だが・・・




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