シュートボクシング The age of [S]Vol.1 後楽園大会観戦記
■団体:SHOOT BOXING
■日時:2002年2月1日
■会場:後楽園ホール
■書き手:灰汁

この日はSB初生観戦。結論から言うと、SBの醍醐味を満喫した満足度の高い興行でした。

第1試合からKO続出で、見ごたえのある攻防が、テンポよく繰り広げられる。
第4試合には修斗ライト級4位の阿部兄ィが登場。
専門外ながらソツの無い試合運びで見事に勝利し、阿部軍団が会場を盛り上げる。
初参戦のリングス勢が大会に華を添え、
大巨人シリル・ビアバデがその圧倒的な存在感を誇示する。
暴走王・アイブルのジムの選手達は、師匠譲りのハリーケーン・ラッシュで会場を沸かし、
もうひとつの目玉・北の最終兵器軍団はトラブルにより来日出来なかったものの、
代役のLAボクシング勢が、見事なプロレスラーっぷりで興行を締める(裏MVP!)

そして、SBのエースたちは前田がまさかのKO負けを喫したものの(これは相手を誉めるべきか)
宍戸・土井はLAジムの一杯食わせモノたちを圧倒してすっきりと勝ちを収め、
緒方は先にダウンを奪われ追い込まれるものの、怒涛の逆転KOでこの日一番の盛り上がりを演出した。
シーザー会長の言うSの時代の到来も、あながち夢物語ではないか、と思わせる、
SB強しを印象付けるに充分な内容だったと言えるだろう。

が、その流れとは関係なく
個人的MVPは、“リングス・イギリス”から参戦した、リー・ハスデルにあげたい。
もともとキックボクサー出身とはいえ、ずっと総合をやってきた人間である。
そうそう本職のキックボクサー、しかも王者クラスにまっとうに太刀打ちできるわけが無いのだ。
しかも相手は、2メートルの巨体を誇る“SBの大巨人”。
身長差15センチもある上に、若くパワーもある相手である。どう贔屓目に見ても、勝ち目が無い。

果たして試合内容は一方的な無情なものだった。

開始直後のドラゴンスクリュー(!)で沸かせるも、その後はほとんど良いところの無いまま、
リーチに勝るディアバデのストレート・ヒザをいいようにもらい、1R早々に鼻血を噴出するハスデル。
2R以降はほとんど防戦一方で、ガードを固めるも、その上から隙間から打撃をもらい、
無残に顔を腫らしていくハスデル。
鼻血で顔を真っ赤に染めながらも、「利いてないぜ」とばかりにニヤリと笑うハスデル。
そして最後は、大巨人のラッシュを意地で耐え続けるも、ついには崩れ落ちてしまうハスデル。

嗚呼、ハスデル、なんて貴方は美しくせつないのだ。

答えは分かっている。
貴方のその姿が、あまりにもリングスそのものとダブってしまうからだ。

貴方のやせ我慢。一方的に撃たれながらも、耐えて耐えて耐え続ける姿。
ラストの鼻血を滴らせながらも「オレはまだまだ出来るんだぜ」と言わんばかりのアピール。

すべてがリングスファンである自分の心の中にある、前田日明の姿だった。

悲しかった。貴方の姿を正視するのがつらかった。

しかしながら我々なんかより、よほどリングスを愛していたであろう貴方のその寂しさは、
ボコボコに腫れ上がり真っ赤に染まった貴方の笑顔が、何よりも雄弁に物語っていた。

そう、誰よりも貴方自身が、全身でリングスが休止してしまうことに抵抗しているかのようだった…

聞いたところによると、ハスデルは2.25のリングス最終興行には来日しないと言う。
ひょっとすると、貴方は日本での引退試合のつもりでこの試合に臨んだのでしょうか?
だとしたら、最後の最後まであまりにもリングス的過ぎるではないですか。
リー・ハスデル選手、長い間、ご苦労様でした。

第9試合 エキスパートクラスルール 70kg契約 3分5R
○土井広之 (シーザージム/WSBA世界ウェルター級王者)
× ジェイソン・パリーロ(アメリカ/LAボクシング)
1R 2'39" TKO(3ノックダウン)

第8試合 エキスパートクラスルール 70kg契約 3分5R
○緒形健一 (シーザージム/SBスーパーウェルター級王者)
×ジャーメイン・ピエロウ (チーム・ハリケーン/キックボクシング・オランダ・Sウェルター級王者)
4R 4'37" KO ※右フック

第7試合 エキスパートクラスルール 62kg契約 3分5R
×前田辰也 (寝屋川ジム/SBスーパーフェザー級王者)
○トリック・イドリッシ (チームハリケーン/キックボクシング・ヨーロッパ・ライト級王者)
2R 2'28" TKO ※ひざ蹴り

第6試合 エキスパートクラスルール 67kg契約 3分5R
○宍戸大樹(シーザージム/SBスーパーライト級王者)
×ジェイソン・ブレス(アメリカ/LAボクシング)
1R終了 TKO (ドクターストップ) ※右ひざの負傷

第5試合 エキスパートクラスルール 95kg契約 3分5R
○シリル・ディアバデ(フランス/SBヘビー級1位)
×リー・ハスデル(リングス・イギリス/リングスアブソリュート級準決勝進出)
4R 2'18" TKO (レフェリーストップ) ※ハスデルの顔面の出血

第4試合 エキスパートクラスルール 65kg契約 3分5R
○阿部裕幸(AACC/修斗ライト級4位)
×ダニー・バッテン(リングス・イギリス/ヨーロッパ・ブラジリアン柔術王者)
判定3-0 (49-45,50-45,50-47)




本稿の著作権はすべてKANSENKI.NET及び「書き手」に帰属します。

戻る
TOPへ