道場が同乗に同情
■団体:PANCRASE
■日時:2002年1月27日
■会場:後楽園ホール
■書き手:リー監督(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 GRABAKA対パンクラス本隊で見えてきたことは、パンクラス道場制の「意味」の弱さであった。新宿スポーツセンターでしこしこと練習しているGRABAKA達に、「道場制」の真の原点を見出したのは私だけではあるまい。 

 特に東京道場の「意味」が感じられない。横浜の方はそれなりの意味(例えば「プロレス」的なモノ)を感じるが、だからといって全員がそういうわけではない。とすれば道場のあり方を問われているのは明確であり、パンクラスもそれを感じて何かの手を打っているものと推測される。特に今後は鈴木みのるの存在がクローズアップされていくに違いない。というわけで、本日東京と横浜の道場統一を発表。道場名は「パンクラス・イズム」となるらしい。

 試合をそっちのけで何をクドクドと書いているのか自分でもよく分からないが、この不況下、数多いプロ選手を抱えているシュート団体では、道場環境が駄目なら早急に手を打たなければならない、という危機感からである。いやホントに危機感のない、あるいはあっても実行できない選手・団体は、生き残れないだろう。

 ところが、近藤は危機感があるとかそういうレベルにある選手ではない。「誰の挑戦でも受ける」どころか、闘う相手は「誰でも良い」程度。もちろん、KOP経験者だしパンクラスのトップクラスなのだからブックもそれなりに気を使われる立場にある。それならもう少し色気のある発言をしても良いと思うが、しない。そこが近藤の新しい魅力でもあるので否定はしないけど。メインに登場した近藤は、GRABAKA佐藤に1R苦しめられながら、2Rあっさりボコ殴り。マウントからバックチョーク、パンチでレフェリーストップ。強い。メインをしっかり締めた。メインイベンターとしての風格が出てきたような気がする。良くも悪くも近藤はパンクラスの「顔」である。そういえば確かに顔が大きいな。

 個人的に注目していたセミ。Kei山宮対GRABAKA佐々木。パンクラス本隊のセコンドの中では北岡の指示は技術的に的確。一方のセコンドには菊田と郷野。郷野の目はまだおかしい模様。なぜか佐々木に山宮のパンチがボコボコ当たる。佐々木もどこかおかしいのではないか。最後は佐々木が腕ひしぎ逆十字で勝つ。だが、今日の山宮は2回ダウンを奪っているから、2勝1敗。もちろんこれは偏見である。佐々木の方が寝技の技術は当然上。

 禅道会の秋山対石井。秋山の入場曲は再び「カシミール」。ボンゾのリズムが心地よい。ありがとう、秋山。もう少し曲を聞かせてくれると最高なのだが。しかし、石井は相変わらず徹底したスタンドの打撃に執着。ハイブリッド・ボクサーとして完成されつつある石井が上からのパンチの連打で勝つ。秋山は美濃輪戦とかなり違う試合をしていた。実に残念なことである。

 久松対渋谷。渋谷は87kg。久松は打撃も倒すのもうまい。あの渋谷をコントロールするのだから、グラウンドの技術は高い。終始久松が試合をリードしているように見えたが、最後にヒールホールドを極めたのは渋谷。狙い澄ましたような一発。素晴らしい。前回の佐々木戦の一本負けと、今回の一本勝ちで、新しい渋谷の魅力が少しずつ出てきたようだ。今後も期待しよう。

 エキシビションマッチの2試合はどうでもよかったが、、鈴木が嬉しそうにワークをしていたのが印象的。パンクラスのリングでこんなにプロレスを楽しそうにやられてしまうと、今までのパンクラスがなんであったか、考え込んでしまう。キー坊は誰だか知らないが、試合後も鈴木があれだけ蹴りを入れているところを見ると、学生時代の後輩なのだろう。

 今日のパンクラスの興行は、試合が順調に進み早い時間に終了した。流れとしては初期のパンクラスらしさが戻ってきたような錯覚も起こさせ、最高の展開だった。今年のパンクラスにはまだツキがある。客の入りも闘龍門ジャパン並の超満員。一つ苦言を呈するなら、客席からセコンド気分で指示を出すのはやめて欲しい。

 PRIDEに菊田が出ると本人の言葉があった。船木も映画の紹介で登場。会場には数見や安生、ブッカーKなど多様な人たちが顔を出している。なんだかよくわからないが、夏までは余裕で突っ走りそうだ。今のパンクラスは上り調子。めでたしめでたし、である。

▽ライトヘビー級5分2R
○渋谷(カカト固め 2回46秒)×久松
○石井(TKO 2回03:01)×秋山
▽同5分3R
○佐々木(腕ひしぎ十字固め 1回04:29)×KEI山宮
○近藤(TKO 2回32秒)×佐藤




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